「離婚裁判が腕の見せどころ」異色のキャリアで培った経験と人間性

更新日: 2023年01月25日

離婚事案で特に注力している分野について尋ねると「やはり離婚裁判です」と即答したのは、Authense法律事務所・江藤朝樹弁護士。法学部出身者が大半を占める弁護士としては珍しい理系出身の江藤弁護士に、他の弁護士とは異なるバックグラウンドを持つことのメリットや、得意とする離婚裁判についてお話してもらいました。

理系、音楽業界……キャリア転向し弁護士の道を歩む強い思い

――先生は弁護士としては異色のキャリアですよね。なぜ弁護士になろうと思ったのですか?

大学は理系だったのですが、音楽が好きだったので就職では音楽制作の道に進みました。10年近く業界に携わっていたのですが、次第に「人が本当に苦しみを感じた時は音楽さえも助けにならないのではないか……」と感じるようになったのです。

つらい時、その人にとって絶対になければならない仕事がしたい。そう思ったのが弁護士を選んだ一番の理由です。

離婚もそうですが、いくら自分を変えたとしても、相手がいる問題についてはどうにもならないケースがあり、それが生きていく上で重要な問題となってしまいます。しかし国家権力を後ろ盾にした法律であれば、苦しみの渦中にいる人に手を差し伸べることのできる強力な手段になると思ったのです。

――他の弁護士と異なるバックグラウンドを持っていることで、お仕事に活きていることはありますか?

法律よりもさらに厳密に理屈を組み立てる必要のある、理系の学問領域で訓練してきたことは役立っていますね。

また、一般企業のサラリーマン、今から振り返ると零細企業にあたる労働環境で働くということがどういうことなのか……身に染みて理解できるので、さまざまな背景を持つ依頼者のご相談を受ける際に活きているのかもしれません。

――弁護士の仕事において一番大切なことは何ですか。

弁護士の仕事の本質は“判断すること”です。

たとえば「AだったらBとする」と法律で示されていても、該当するケースが「Aだったら」に当てはまるかどうかはわかりません。“ある事実”に法律を当てはめることができるか否か、考えを尽くして判断をすることが弁護士の仕事なのです。

今はインターネットで誰でも簡単に法律上の知識を得ることができるため、知識という意味において弁護士にそれほど優位性はありません。しかし難しいのは、この人のケースではどのような選択をすればどうなるかを判断し、お示しすること。

最終的にご本人が納得して選択できるよう、弁護士は判断材料をそろえ、しっかりと説明する必要があります。

依頼者が「わかりました」といっても、今の説明でわかりにくいところはなかったか、その都度お聞きし、本当の意味で納得いただけているのか確認しています。

ロジカルに進める裁判が腕の見せどころ

――離婚事案の中でも、先生が特に自信のある分野について教えてください。

訴訟、離婚裁判ですね。

カウンセラーや司法書士に離婚相談をする方もいるかもしれませんが、原則として、代理人として法廷に立つことができるのは弁護士だけです。やはり弁護士の仕事の真骨頂は法廷ではないでしょうか。裁判は安心してお任せいただければと思います。

――裁判ということは、話し合いでは解決しなかったということですよね。

そうですね、たとえばお金の問題が争いの種になることは多いのですが、数字の部分に関しては調停などの話し合いで調整することができます。

しかし離婚をするかしないか、離婚そのものが争点の場合や、分けることのできない親権が争われる時は、他の部分でどんなに合意ができていたとしても裁判になります。

裁判の場合は対立が明確といいますか、多くの場合、話し合いができない状態になっています。そのため、証拠を出してロジカルに戦う必要があるのです。どんなに依頼者のいい分が正しくても、証拠がなければ負けてしまうのが裁判。いかに立証するかが重要です。

――証拠を得るためのポイントがあれば知りたいです。

具体的なお話は難しいのですが、たとえば不倫の証拠を集める必要があるとしましょう。今はデジタル上に様々な履歴が残っているため、全ての記録を完全に消去することはすごく難しい。ご本人が知らないうちにクラウド上に記録が保存されていることも多いんです。

レコーダーもかなり小型化していますし、追及したいと思う人にとっては証拠が得やすい時代。依頼者にお持ちいただいた証拠のみならず、「こういうところに記録が残っていませんか?」と細かくおうかがいします。

――反対に、不倫訴訟の被告側につくことになった場合は、どのようなアプローチをするのですか?

こちらも詳しくお話することはできませんが、弁護士は探偵の調査記録をたくさん読んでいます。そのため、探偵が追えるのはどこまでか……といった情報が蓄積されているので、なるべく不利な証拠が残らないようお伝えしています。

未来を不安に思うより、まずは気軽に相談を

――先生の好きな言葉は何ですか。

新約聖書、マタイによる福音書の6章34節「一日の苦労は一日にて足れり」という言葉です。これは自分の戒めでもあるのですが、「明日のことを思い煩うな」という意味ですね。

悩み事は本当に人の心を捉えてしまうので、生きること全てにおいて希望を見出せなくなってしまう方もいます。しかしよく考えると、その悩みで人生の全てが決まってしまうわけではない場合が多いですよね。

全部がダメになることはないけれど、その悩みはしっかり解決する必要があります。その悩みや問題を解決するために依頼者と一緒にがんばりたい――そうした思いを胸に弁護士として努めています。
――離婚について悩みを抱えていても、あと一歩踏み出すことができない方もいますよね……。

たとえば進学や就職など、状況に応じて柔軟に進路変更することは、むしろ望ましいと考えられていると思います。結婚も同じです。努力しても、維持することが難しい結婚生活は現実に存在します。

自分は変えられても他人を変えるのは難しい。そうであれば、自分のほうが行動するしかありません。

もしも人間の寿命が200年あったとしたら、ほぼ全ての人が一度くらいは離婚すると思いますよ。「死ぬまで一緒」というのは、元来とても難しいことなのだと思います。離婚は決して人生の「失敗」ではないと、まずはお伝えしたいです。

一般の方からすると、弁護士の仕事は何に対して料金が発生しているのかわかりづらいかもしれません。ご自身の悩みが、どのような手続きで解決できるのか、そもそも解決できるのかどうかすらわからず、相談しづらいといった声もあるでしょう。

しかし、反対に「こういった相談内容はお越しいただいても困ります」といったことは、ほとんどありません。それについて何ができるかお話させていただくことが、まさに弁護士の仕事。本当にお気軽にご相談に来ていただきたいですね。

それから、これは事務所のアピールになってしまうのですが、コミュニケーション能力が高く人柄のいい弁護士ばかりが揃っていて、私も驚くほどです(笑)。本当に謙虚で親しみやすい弁護士が多いので、安心してお越しいただければと思います。
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弁護士: 第二東京弁護士会

江藤 朝樹

Authense法律事務所 六本木オフィス

〒107-6222 東京都港区赤坂9丁目7-1ミッドタウン・タワー22階

24時間受付(平日/土日祝)

初回無料

*料金詳細は各弁護士の料金表をご確認ください

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