双方納得の解決を実現するには? 心理学を用いたラポールの築き方

更新日: 2024年06月07日

『離婚後のトリセツ』((株)カンゼン 2020年)を出版する経験豊富な弁護士法人ラポール綜合法律事務所の大西 信幸弁護士。法律の知識に留まらない人間力を試されるという離婚事件に、どのように向き合っているのでしょうか。

双方勝利で実質的な解決を目指す

――お仕事をする上で大西先生が大切にしていることを教えてください。

「ラポール綜合法律事務所」という名の通り、依頼者と信頼関係を形成することを重視しています。

依頼者のために全力で問題解決に当たることは当然として、特に離婚事件では一方的に相手方を言い負かすのではなく、双方勝利でWin-Winの関係を目指すことが重要だと考えます。

離婚事件は感情に起因するところが多分にあり、法律の知識だけではなく、絡まった感情を解いていく弁護士側の人間力が試される事件です。そのため、根本的な解決のためには心理学の要素を取り入れることも必要だと考えています。

たとえば、相手方の言い分を考慮せずに攻撃すると、相手はそれに応酬して強く反発するでしょう。たとえ一方的かつ圧倒的な勝利をしたとしても相手には恨みしか残りません。そうすると再び紛争が起こる可能性が生じます。

しかし、弁護士同士が心理学的な要素を取り入れながら対応することで、互いの依頼者の利益を守りながら譲れる部分を探り合うことができる。結果として早期に解決し、それは依頼者の利益にも繋がるのです。

特に離婚事件に関しては、双方が勝てる解決が可能な分野なのではないかと思い、心理学についても勉強しているところです。

私は、表面上の勝利よりも実質的な紛争解決の方が大事だと感じています。

――印象に残っている事件はありますか?

夫側に弁護士がついていて、妻は一人で調停を頑張っていたものの、調停委員の説明に納得できないという妻側の代理人につくことになりました。

残念ながらその調停委員の方とはラポールを築くことができず、調停は不成立。裁判で和解をすることになり5000万円以上を加算しての財産分与を得ることができたのです。もし、あのままご相談いただかず、最後までお一人で調停を終えられていたらと思うと、ご相談をいただき本当に良かったと思います。

弁護士に相談する方はそれぞれに大変なご事情があると思いますが、私はいつも理不尽な思いをされている側に立ちたいという気持ちを持っています。

離婚に関する書籍の出版も

――大西先生のアピールポイントを教えてください。

刑事事件では2件の無罪判決を獲得した実績もあり経験豊富です。離婚に関しても弁護士になった当初から携わっており、『図解イラスト&事例でよくわかる! 離婚後のトリセツ』((株)カンゼン 2020年)を出版し、フローチャートやイラストを交え離婚についてわかりやすく解説しました。

――先生が大切にしている言葉を教えてください。

私は経営者向けの法律セミナーも行っていて、その場でもみなさんにお伝えしているのですが、仏教用語の「自利利他」という言葉です。修行により得た功徳を、他者のために還元することが自分のためにもなる、という意味があります。

【離婚に悩むあなたへ】冬は必ず春になる 信じてご相談を

――離婚に悩んでいる方にどのような言葉をかけたいですか?

悩んでいる時は「一生このままなのではないか」と思い込んでしまうかもしれません。しかし、冬が必ず春になるように、時間が経てば必ず状況は変わります。まずは信じてご相談ください。

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弁護士: 大阪弁護士会

大西 信幸

弁護士法人ラポール綜合法律事務所

〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満1丁目2番5号大阪JAビル8階

月~金 午前9:30~午後5:30 夜間、土日祝の相談対応可能(要予約)

*料金詳細は各弁護士の料金表をご確認ください

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