口うるさい夫に悩まされる妻がいます。自分では何もしないのに家事の粗探しをしたり、謎のマイルールを作って妻に押し付けたり。そんな言動に心当たりはありませんか。もしかすると、それはモラハラかもしれません。夫が口うるさいときの心理や、効果的な対処法を紹介します。
口うるさい夫に疲れた…これってモラハラ?
妻の家事や育児にいろいろと口を出す夫がいます。ほとんど自分で家事はしないのに、「丁寧に掃除しろ」とか「段取りが悪い」とか。家事を分担してくれるのはいいけれど、自分勝手な謎のルールを作って「決められた通りにしろ」とうるさい夫もいます。
まるでテレビドラマの姑のように小言ばかり言う夫に、妻は嫌気がさし、精神的に疲れることも多いはず。「もしかして、自分はモラハラを受けているのではないか」と考えている妻もいるでしょう。夫が口うるさいとき、どのような心理が裏に隠れているのでしょうか。口うるさい夫への効果的な対処法とともに紹介します。
口うるさい夫の心理とは?
どうして、夫は妻に口うるさく言うのでしょうか。つい、妻に小言を言ってしまう夫の心理について説明します。
自分の考えが正しいと思っている
口うるさい夫の多くは、妻に正しいことを教えていると思っています。親切で妻にアドバイスしたり、悪いところを指摘しているつもりなのです。妻からみれば、謎のマイルールも、合理的で効率的な方法だと自負しています。だから、ルールが守られないと、ひどく怒るのです。
こうした男性は神経質で細かいことに気が付く性格をしています。それだけなら、家事も任せられる頼もしい夫なのですが、プライドが高く、自分の考えは正しいと思い込む性格だと、妻にとっては、自分のやり方を押し付けるうざい存在となってしまいます。また、自分の母親のやり方が正しいと信じ、子供の頃から見てきた母親のやり方を押し付ける夫もいます。
妻に不満がある
家事や育児に口うるさい夫は、妻に対して不満を持っているのかもしれません。もちろん家事や育児のやり方に不満を抱いていることもありますが、全く違った不満を持っていることもあります。その不満に気付いてほしくて、口うるさいのです。
例えば、結婚後、会話やスキンシップが減ったため、妻の関心を引きたくて細かいことを言うケースがあります。妻にとってはうざいと感じるだけなのですが、夫はコミュニケーションの一種だと思って、妻にあれこれ注文を付けます。妻に対して、自分好みの女性になってほしいという願望が隠れていることもあります。
ストレスを発散している
妻とは関係なく、日頃の仕事や人間関係でのストレスを発散するため、小言をあれこれ言う夫もいます。妻にしてみればいい迷惑で、相手をすると疲れるだけです。こうしたときの小言は、筋が通っていないことも多く、目に付いたことに、とりあえず文句を言っているだけのこともあります。
特に心当たりはなく、夫が言っていることにもあまり一貫性が感じられないときは、相手にする必要はないでしょう。「ストレスが溜まって、機嫌が悪いのかな」と思って、そっとしておいてあげましょう。適当に受け流しておけば、そのうち収まるはずです。
口うるさい夫はモラハラ?モラハラを見分ける特徴とは?
小言ばかりで口うるさい夫に対し、「これはモラハラではないか」と感じたことはないでしょうか。モラハラをする夫の中には、家事や育児に関して執拗に文句を言い、妻を精神的に追い詰めるタイプもいます。夫がモラハラ気質かどうかを見極めるポイントを紹介します。
妻の人格を否定する
妻の家事や育児について、細かい注意をするだけでなく、激しく怒り、人格を否定するような言葉で妻を非難する夫がいます。ごみの分別を間違えただけで「お前はそんなこともできないのか」「非常識にもほどがある」「主婦として失格だ」などと激しい口調で叱責されるといったような経験をしたことはないでしょうか。
妻の失敗をここぞとばかりにあげつらい攻撃する夫は、モラハラ気質の可能性があります。こうした夫は、妻を自分より劣っていると見下し、常に自分に従わせたい、自分が正しく導いてやりたいと思っています。これがエスカレートすると、妻を束縛し、支配しようとするようになります。
妻の言い分を頭から否定する
夫の小言に対し、妻が反論したり、自分の意見を言おうとしたりしても、全く耳を傾けず、頭から否定するのもモラハラ夫の特徴です。こうした夫は「俺の言うことを黙って聞け」「お前の言っている事は間違いだらけだ」などと言って、妻の言い分を聞こうとしません。
これは、夫のプライドが高く、常に自分が正しいと思っているからです。妻の言い分を認めることはプライドが許しません。そして、妻が自分の言い分を受け入れることで、妻に認められたような気になって自尊心を満足させます。
急に優しくなることがある
夫が激しく非難した後、急に反省したかのように優しくなることがあります。そんな夫の態度に優しさを感じて「決して悪気はなかったんだ」「私のためを思って言ってくれたんだ」と考える妻がいますが、それはモラハラ夫の巧妙な罠です。優しいときと、怒っているときのギャップが激しいときは、モラハラ気質ではないかと疑いましょう。
モラハラには暴言や無視など精神的に責めたてた後、穏やかで優しく接する期間を経て、再び抑圧的な態度を取り始めるというサイクルがあります。この優しい期間を「ハネムーン期」と呼びますが、いわゆる「ムチとアメ」のアメのようなものです。たまに優しくすることで妻を洗脳しようとしています。
口うるさい夫に疲れたときの対処法
口うるさい夫に妻が嫌気を感じ、疲れるのは当然のことです。うまく対処しないと精神的に持ちません。口うるさい夫への対処法を紹介します。ただ、ただ神経質で口うるさいだけの夫と、モラハラ気質の夫では対処法も異なりますので、気を付けましょう。
夫の言い分を受け入れる
口うるさい夫は、正しいアドバイスをしていると思い込んでいることが多いので、反発したり反論するのは逆効果です。夫の言う事を聞けば、納得して満足するのであれば、素直に受け入れるのが一番です。「本当だね。すごいね」「教えてくれてありがとう」などと夫を褒め、感謝して素直に言う事をききましょう。
別に妻が悪いわけではないので、「ごめんなさい」などと謝る必要はありません。また、もっと良いやり方があると思ったときは「それをこうしたら、もっとうまくいくよね。あなたのおかげでいい事を思いついたわ」などと、相手を立てながら修正します。それなら、夫も悪い気はしないでしょう。
しかし、相手がモラハラ夫の場合は、妻が素直になったことに気を良くして、さらにモラハラをエスカレートさせることがあります。モラハラ夫には、このやり方は逆効果かもしれません。
仕事がうまくいかないことが続いた時期、夫はますます口うるさくなっていきました。私は、何をしても気にいらなく感じるのは相当疲れているんだな〜と割り切って夫から何か言われたときは素直に聞き入れるようにしていました。
そうすると夫の機嫌が少しマシになっていたからです。こちらが反論したら悪化するだけなので、不機嫌の波が去るのをぐっと堪えていましたね。
話を聞き流す
あまりにも小言が多すぎてキリがないときや、夫がモラハラ気質の場合は、相手にせず聞き流してスルーするのも一つの方法です。無視すると態度を硬化させることがあるので、「ああ、そうか」「そうなんだね」と冷静に答えを返します。ただ、相手が言っていることを受け止め、それに対し、賛同も反対もしないのがポイントです。
これに対し、素直に言う事を聞くか、反発するか、どちらかの反応を期待していた夫は肩透かしを食ったような気になり、「相手にされなくなったのか」と不安になる夫もいます。「人の話を聞いているのか」と怒り出すモラハラ夫もいますが、「大きな声を出さないで」「落ち着いたらどう」などと努めて冷静に対応しましょう。
結婚当初は、夫の発言をいちいち気にして情緒不安定になってしまっていました。でも、今は言いたいやつには言わせとけって感じで「はい〜」と返事だけして受け流しています(笑)そうでないと、自分の心がもたないですから。
自分の意見を言い妥協点を見つける
夫の口うるさい小言がエスカレートするようなら、自分の意見も伝えましょう。そのとき、夫の意見を頭から否定してしまうと、モラハラ夫と変わりません。夫の言い分を聞いたうえで、自分の意見を言います。あくまでも冷静に、互いが折り合える点を見つけるという態度が大切です
モラハラ夫は「俺の言う事が聞けないのか」「お前の意見なんか聞いていない」などというかもしれませんが「私はあなたの話を聞いたのに、あなたは私の話が聞けないの」と反論します。こうして夫婦で話し合い、妥協点を見つけることができれば、夫が一方的に指示したり命令したりすることもなくなるでしょう。
口うるさく言われても夫との関係を悪化させたくなく、我慢して受け入れていましたが、そうすると夫の小言はどんどんエスカレートしてきて。こっちは我慢して受け入れていたら調子に乗って!!と腹が立ってきたので、自分の意見も伝えたんです。
すると、夫は私が意見してくると思っていなかったようで、拍子抜けしていました。ただお互いの意見を言い合うんじゃなくて、お互いの意見を尊重した上で相談したいとも伝えると、夫は納得してくれました。
第三者に相談する
妻が言う事を聞けば、ますます傲慢になり、話し合いをしようとしても妻の言い分には耳を傾けない。こうした態度を取るようなら、かなりのモラハラ夫です。おそらく自分がモラハラの加害者だという自覚もないのでしょう。妻だけの力で言動を改善させることは難しく、第三者の協力が必要です。
モラハラ夫は自分より地位や力が上の人に対しては逆らえない傾向がありますから、信頼できる知人や上司に間に入ってもらうと、夫も素直に耳を傾け、反省する可能性があります。そうした人がいない場合は、夫婦問題に詳しいカウンセラーや、自治体やNPOなどの相談窓口にアドバイスを求めてみましょう。
いつの間にか夫の意見を聞いてから、夫の顔色を伺ってからでないと、自分で物事を考えたり行動したりできなくなっていることに気づきました。夫は私の言い分には耳を傾けてくれないので、共通の知人である夫の先輩に間に入ってもらって話し合いをしました。
さすがに先輩の前で私に口うるさくは言えなかったようで、お互い冷静になって意見交換をすることができました。
口うるさい夫はモラハラの可能性も
妻の家事や育児にあれこれ小言を言う夫はモラハラ気質の可能性があります。「少し神経質な人なのかもしれない」と軽く見ていると態度がどんどんエスカレートしていき、妻を束縛し、支配しようとするモラハラ夫になってしまうかもしれません。
冷静に対応したり話し合いをしたりしても、態度が改まるどころかエスカレートしていくときは、夫婦関係に詳しいカウンセラーといった専門家に相談してみましょう。
高草木 陽光
これまでの夫の言動に、自己嫌悪に陥ったり、辛さや怒りを感じたりしていた人が「夫はモラハラだったんだ」ということに気付き、これまでのモヤモヤが晴れたとしても「その後、どうするか」という問題は残ったまま。自分が傷つかないように上手くスルーしながら生活するのもよし。 できること全てやってみて結論を出すのもよし。いずれにせよ、自分が決断したことが「正しい」と信じて前に進んでいくことが大事。
高草木 陽光これまで9,000人以上のカウンセリングを行い、夫婦問題・家族問題で悩む人を解決に導くお手伝いをする夫婦カウンセラー。美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚して専業主婦となるが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。
- 【書籍】
- 「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」左右社
- 「心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK」左右社
- 【メディア実績】
- NHK総合「あさイチ」
- フジテレビ「ホンマでっか!?TV」
- テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」
- 「ABEMA Prime」など