夫婦喧嘩でいつも同じことを繰り返してしまい、うんざりしている人はいませんか。「もう離婚しかない」と思えば、「子供のために仲直りしよう」と考え直し、しばらくして同じような喧嘩をしてしまう。どうして夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうのか。原因と対策を紹介します。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうのはなぜ?
結婚生活を続けていると、夫婦喧嘩は避けられないものです。仲直りして「雨降って地固まる」となればいいのですが、もやもやとした気持ちを抱えながら、うやむやに終わらせ、しばらくするとまた夫婦喧嘩を始めて同じことの繰り返し、という人も多いのではないでしょうか。
中にはそんな夫婦関係に疲れたと言って「もう離婚したい」と考えている人もいるかもしれません。「子供がいるから、夫婦仲がうまくいっていないのが不安」という人もいるでしょう。どうして、夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうのでしょうか。その原因と対処法を紹介します。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまう…離婚した方がいい?
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうと悩んでいる人の中には「もう離婚したほうがいいのかもしれない」と悩んでいる人もいるでしょう。しかし、離婚というのは、そう簡単ではありません。もし、互いに気持ちが冷めてしまい、どちらも「離婚したほうがいい」と考えているのなら、すぐに離婚できます。しかし、相手が簡単に離婚に同意するとは限りません。
また、互いに「離婚も仕方がない」と思っていても、子供がいれば親権や養育費などの条件で合意できないことがありますし、子供がいなくても財産分与などでもめることもあります。離婚条件に合意できなければ、離婚調停や離婚裁判という手続きが必要になり、時間も労力もかかります。そこまでして離婚したいのか、振り返ってみることも大切です。
離婚を検討する前に夫婦関係を振り返ろう
もし離婚裁判になったら、家庭裁判所に離婚するだけの理由があることと、夫婦関係が破綻していることを客観的な証拠で証明しなければなりません。果たして、そこまで夫婦関係は危機的な状況にあるのでしょうか。謝ることで仲直りして、夫婦関係を修復することはできないのでしょうか。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまう原因や、同じことを繰り返さないようにするための方法を紹介します。ぜひ、自分たちの夫婦関係に当てはめてみて、関係修復ができないのかどうか、考えてみてください。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまう心理とは
夫婦関係で同じことを繰り返すのは、お互いに自信がないからではないでしょうか。自分に自信を持ち、夫婦関係に自信があれば、夫婦で多少のすれ違いがあっても余裕をもって対処できるはずです。自信がないから余裕がなくなり、イライラしたり攻撃的になったりして夫婦喧嘩になってしまうのです。
自分に自信がなく、夫婦喧嘩になったときに陥りやすい心理状態を3つ紹介します。自分に当てはまるものがないか、夫婦喧嘩になったときの自分の気持ちを振り返ってみましょう。
相手より優位に立ちたいから
自分に自信がないと、相手より優位な立場に立とうとして、つい強気な態度に出たり、相手を攻撃してしまったりします。いわゆるマウントを取るという心理です。裏を返せば、相手が優位になると、それを覆す自信がないので、先に優位な立場になろうとするのです。このため、相手が手ごわそうだと思うほど、言動も厳しくなってしまいます。
相手が、寛大でそうした言動も受け止めてくれれば、喧嘩も収まるかもしれません。ところが、そうした相手の余裕ある態度に劣等感を覚えて、さらに攻撃的になってしまう人もいます。こうなると、まさに独り相撲。一人で空回りしてしまうことになってしまいます。結局、夫婦喧嘩でいつも同じことを繰り返してしまうのです。
相手の言うことを聞くと負けてしまいそうだから
自分に自信がないと相手の意見に耳を傾けられなくなります。それは、相手の言うことを聞くと、自分が否定されたような、負けたような気持ちになるからです。自分の言い分がすべて受け入れられないと、自分が間違っていたような気持ちになり、ますます自信を失ってしまいます。
自分に自信があれば、相手の言い分を聞いたうえで、自分が正しいと思う部分だけを受け入れることができます。しかし、正しいかどうかの基準に自信がないと、相手の話を聞く余裕がなくなってしまいます。このため、相手の話を聞くと負けだとばかりに相手を頭から否定してしまい、夫婦喧嘩も堂々巡りになってしまうのです。
自分の不満をうまく伝えられないから
自分に自信がなく、不平や不満を相手に伝えられない人もいます。こうした人は、「こんなことを言ったら嫌われる」「こんなことに悩むのは自分だけだ」と思っているので、嫌なことや不満があっても我慢してしまいます。このためストレスがたまり、相手に八つ当たりして喧嘩になるのです。
ただ、喧嘩をしたところで、相手は何に対して不満があるのか、よく分からないので、結局自分の不平や不満は一向に解消されません。このため、ストレスが溜まるたびに夫婦喧嘩をして同じことを繰り返してしまうのです。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうのをやめるには
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうのは、喧嘩をしても不平や不満を解決できないからです。喧嘩をするのは仕方のないことですが、ただの言い合いに終わっては、モヤモヤした気分を抱えたまま、また、同じ喧嘩を繰り返すだけです。どうすれば、不平や不満を解決できるのか、5つのポイントを紹介します。
できるだけ感情的にならない
喧嘩をすると人は感情的になってしまいます。一時的に怒りを見せてしまうのは仕方がありませんが、できるだけ感情的にならないよう努めましょう。大声を出したり、相手を威嚇したりしてはいけません。
大声を出したり、怒りの感情をそのままぶつけてしまうと、相手は怖くて何も言えなくなってしまったり、逆に負けじと感情的になってしまったりします。これでは、感情をぶつけ合うだけで、互いに意地を張ってしまうだけです。問題を解決するのなら、冷静になって話し合うことが大切です。
余計な一言を言わない
喧嘩のときに、目の前の問題とは関係のない、余計な一言を言うのも禁物です。例えば、家事のやり方で言い争いになっているときに、「子供の面倒もみてくれない」「いつも帰りが遅い」「約束事を忘れていた」などとその場と関係のないことまで言い出すと、話の収拾がつかず、きりがなくなります。
言っている本人にしてみれば、この際、日頃の不満をすべて出し切るつもりなのかもしれませんが、言われたほうはいちいち反論できません。結局、「お前だって…」と相手の不満を言い出し、もともと何が問題だったのかさえ分からなくなってしまいます。いっぺんにいくつもの問題を解決するのは無理です。まずは目の前の問題の解決に専念しましょう。
相手を言い負かそうとしない
先手必勝とばかり、相手を攻撃してマウントを取ろうとしても、問題の解決にはつながりません。そのまま相手を言い負かしても、残るのは自己満足な優越感と遺恨だけです。プロレスではないのですから、相手に勝ったところで意味はありません。
夫婦関係は対等なのですから、互いに相手の話に耳を傾け、2人で解決策を探ることが大切です。そして、相手の話を聞いて、自分の非や思い違いに気付いたら、素直に謝ることも必要です。お互いに歩み寄ってこそ、夫婦の間の信頼も高まります。
相手の気持ちを考える
夫婦喧嘩のときは、自分の不満や不平を解決することだけを考えがちです。しかし、一度立ち止まって、相手の気持ちを考えてみましょう。相手の立場から考えると、違った景色が見えるかもしれません。相手の気持ちを考えることは、相手への思いやりにもつながります。
もしかすると、相手にも何か事情や考えがあるのかもしれません。それなのに不満や不平ばかり言われ、相手が「もう疲れた」と感じている可能性もあります。自分の我を通せば、相手はそれを我慢することになります。そうではなく、Win-Winの解決策を目指しましょう。
落ち着いて話せないときはSNSや手紙で
はっきりと不平や不満を言えず、喧嘩をしても何かモヤモヤしたものが残ってしまうという人は、自分の気持ちを手紙やSNSのメッセージで伝えてみましょう。文章にすることで、自分の考えをまとめ、冷静になれます。
相手も文章のほうが気持ちを汲み取りやすいかもしれません。不平や不満を一時の感情的なやり取りで解決するのは難しいもの。落ち着いた気持ちで、時間をかけて解決を図りましょう。
高草木 陽光
喧嘩になってしまうのは、どちらかというと喧嘩の”内容”よりも、”言い方や態度”が発端となっている場合がほとんど。相手の言い方や態度に傷ついたり、悲しくなったりすることで、一方もその感情を怒りの言葉や態度として表してしまうため喧嘩に発展してしまいがち。
まずは、「〜と言われて悲しかった」とか「こうしてくれると、すごく助かるから次からヨロシクね」など言い方を工夫してみると相手も変わってくれるかも。
夫婦喧嘩で同じことを繰り返してしまうときは、冷静になって関係を見直そう
夫婦喧嘩で同じことを繰り返していると、「私たちは性格が合わない」「離婚した方がいいのでは」などと考えてしまうことがありますが、冷静になって話し合えば、問題が解決する可能性もあります。どうして同じことを繰り返してしまうのか、よく考えてみましょう。
育った環境や性格の違う2人が生活するのですから、時には喧嘩をするのは当たり前。1つ1つ問題を解決することで、固い絆も結ばれます。もちろん、いろいろ手を尽くしても夫婦関係の修復が難しいときは、離婚を検討することも必要です。しかし、離婚が難しいケースもありますので、悩んだときは弁護士に相談しましょう。
高草木 陽光これまで9,000人以上のカウンセリングを行い、夫婦問題・家族問題で悩む人を解決に導くお手伝いをする夫婦カウンセラー。美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚して専業主婦となるが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。
- 【書籍】
- 「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」左右社
- 「心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK」左右社
- 【メディア実績】
- NHK総合「あさイチ」
- フジテレビ「ホンマでっか!?TV」
- テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」
- 「ABEMA Prime」など