
離婚調停を弁護士に依頼したいものの、「費用がない」と悩む方もいるでしょう。離婚調停では、裁判所に支払う申立費用に加え、弁護士へ依頼する場合は着手金や成功報酬などが必要になります。ただし、法テラスや法律事務所の分割払いなどを利用すれば、費用負担を抑えながら弁護士に依頼できるケースもあります。
本記事では、離婚調停でかかる費用の相場や弁護士費用を用意できない場合の対処法、弁護士に依頼すべきケースについて解説します。
この記事でわかること
●離婚調停を弁護士に依頼する際の費用相場
●離婚調停の弁護士費用がないときの選択肢
●弁護士に依頼したほうがいいケース


弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。
詳しく見る
経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。
離婚調停を弁護士に依頼する場合の費用相場は?

離婚調停を弁護士に依頼する際は、調停の申立費用のほかに着手金や成功報酬などの弁護士費用が発生します。
ここでは、必要になる費用の種類や目安について解説します。
申立費用
家庭裁判所に離婚調停を申し立てる場合、次の申立費用がかかります。
- 収入印紙代:1,200円
- 連絡用の郵便切手代:裁判所ごとに異なる
- 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)の取得費用:450円
収入印紙代は調停の申立手数料として支払います。また、裁判所が連絡に使用する郵便切手も必要です。必要な金額は家庭裁判所によって異なるため、申立先の案内を確認しましょう。なお、郵便料は郵便切手のほか、保管金として電子納付できる場合もあります。
さらに、裁判所が夫婦の婚姻関係などを確認するため、申立時には戸籍謄本(全部事項証明書)の提出が必要となり、その取得費用もかかります。
弁護士費用
弁護士に調停手続きを依頼する場合には、別途弁護士費用がかかります。主にかかる費用と相場は、以下のとおりです。
- 相談料:30分5,000円程度
- 着手金:20万~50万円程度
- 報酬金:離婚成立に対して20万~50万円程度
- 日当:1日数千~5万円程度
- 実費:弁護士の交通費など
相談料は初回無料としている法律事務所もありますが、有料の場合は30分〜1時間あたり5,000〜1万円程度が一般的です。
着手金は、弁護士に調停対応を依頼する際に支払う費用で、相場は20万〜50万円程度です。調停が成立した場合には、成功報酬として20万〜50万円程度、または得られた経済的利益に応じた金額が発生するケースがあります。
そのほか、調停期日に弁護士が出席する場合は日当が必要になることもあります。費用体系は法律事務所ごとに異なるため、依頼前に総額の目安や追加費用の有無を確認しておきましょう。
その他の費用
離婚調停では、弁護士費用や申立費用のほかにも、状況に応じてさまざまな実費が発生します。たとえば、裁判所へ出向く際の交通費や、住民票などの必要書類の取得費用がかかります。また、事案によっては、住民票や不動産登記事項証明書などの提出を求められ、その取得費用が発生する場合もあります。
提出を求められる書類は事案によって異なり、財産分与や親権など争点が多いケースでは、取得費用が増えることもあります。
離婚調停にかかる費用の総額を確認する際は、弁護士費用や申立費用だけでなく、このような実費も含めて把握しておくことが大切です。
離婚調停にかかる費用は誰が払う?

離婚調停にかかる費用は、原則として調停を申し立てた側が負担します。また、弁護士に依頼する場合の相談料や着手金、成功報酬などの弁護士費用については、依頼した本人が支払います。
調停で相手に弁護士費用の負担を求めることはできますが、相手が合意しない限り、弁護士費用を負担してもらうことはできません。
離婚調停を申し立てる前に、必要となる費用を把握し、無理のない資金計画を立てておくことが大切です。
丸の内ソレイユ法律事務所弁護士費用が用意できないことを理由に、離婚調停そのものを諦める必要はありません。法テラスの民事法律扶助や、分割・後払いに対応する法律事務所を利用できる場合があり、まずは無料相談で見通しと費用の総額を確認するのが現実的です。一方で、財産分与や親権など争点が多い事案や、相手方に代理人が就いている事案では、費用を抑えてご本人だけで進めた結果、不利な条件で合意してしまうこともあります。費用の負担と、想定される獲得額や不利益とを比較したうえでご判断ください。
離婚調停の弁護士費用がないときの対処法


離婚調停を弁護士に依頼したいが、まとまった費用を準備できないという場合でも、いくつかの対処法があります。
ここでは、弁護士費用を用意できない場合に検討できる選択肢について解説します。
法テラスを利用する
弁護士費用の用意が難しい場合は、法テラスの「民事法律扶助制度」を利用できる場合があります。次のような要件を満たしていれば、無料法律相談を受けたり、弁護士費用を立て替えてもらったりできる制度です。
- 収入や資産が一定基準以下
- 紛争を解決できる見込みがある(調停や和解等による解決の見込みを含む)
- 民事法律扶助の趣旨に適している
立て替えてもらった費用は、原則として毎月一定額を分割で返済します。そのため、現在まとまったお金がない場合でも、弁護士に依頼することは可能です。
利用には収入や資産などの審査があるため、早めに相談して条件を確認しておきましょう。
分割払いに対応している法律事務所を探す
法律事務所によっては、弁護士費用の分割払いや後払いに対応している場合があります。初期費用の支払いが難しい場合は、相談時に支払い方法について確認してみましょう。
依頼時にまとまった費用を用意できない場合でも、離婚成立後に受け取る財産分与を弁護士費用の支払いに充てられるケースもあります。
分割払いや後払いの可否、利用条件は法律事務所によって異なるため、依頼前に確認しておくことが大切です。
弁護士を立てずに自分で調停を申し立てる
費用を抑えたい場合は、弁護士に依頼せず、自分で離婚調停を申し立てることも可能です。ただし、申立書の作成や必要書類の準備、調停への対応などをすべて自分で行う必要があるため、時間や労力がかかります。
また、財産分与や慰謝料、親権など複雑な争点がある場合、法律知識や交渉力が不足していると、不利な条件で合意してしまうおそれもあります。
特に、相手が弁護士に依頼している場合は、交渉力や法的知識に差が出やすいため注意が必要です。費用だけで判断せず、争点の複雑さや精神的な負担も踏まえて、自分で対応するか弁護士へ依頼するかを検討しましょう。
ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法もある


離婚調停以外の選択肢として、ADR(裁判外紛争解決手続)を利用する方法もあります。ADRとは、裁判所を介さず、第三者である調停人や専門家が間に入り、話し合いによる解決を目指す手続きです。裁判手続きよりも費用や時間を抑えられる可能性があります。
離婚に関するADRでは、慰謝料や財産分与、養育費、面会交流などの条件について話し合いができます。双方が合意すれば、柔軟かつ早期に解決できる場合もあるでしょう。
一方で、相手が話し合いに応じない場合や、合意内容に強制力を持たせたい場合は、ADRでの解決が難しいことがあります。離婚調停や弁護士への依頼などと比較し、自分の状況に合った方法を選びましょう。
離婚調停で弁護士に依頼すべきケース


離婚調停は本人だけでも進められますが、相手との話し合いが難しい場合や、財産・子どもに関する争いがある場合は弁護士への依頼が有効です。専門家のサポートを受けることで、より納得のいく解決につながる可能性があります。
ここでは、弁護士に依頼したほうがいいケースを解説します。
当事者同士では冷静な協議が難しい場合
夫婦間の対立が深く、直接話し合うことが難しい場合、弁護士への依頼を検討するとよいでしょう。離婚に関する話し合いでは感情的になることもあり、本来希望していた条件を十分に伝えられない場合があります。
弁護士に依頼すれば、相手方とのやり取りや調停で伝える内容の整理をサポートしてもらえます。また、法的な観点から適切な解決策を提案してもらえるため、冷静に手続きを進められるでしょう。
財産分与や慰謝料など金銭面の争いがある場合
財産分与や慰謝料について争いがある場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。離婚時の財産分与では、預貯金、不動産、退職金などさまざまな財産が対象になる可能性があり、適切な分配には法律や判例に関する知識が必要です。
また、慰謝料を請求する場合は、相手の行為を示す証拠の整理や金額の妥当性を判断する必要があります。
弁護士に相談することで、請求できる可能性や必要な準備について具体的なアドバイスを受けられます。
親権や養育費など子どもに関する条件で揉めている場合
子どもに関する条件で争いがある場合も、弁護士への依頼が有効です。離婚後の親権を共同親権とするか単独親権とするか、単独親権とする場合は父母のどちらを親権者とするかに加え、養育費や親子交流なども、子どもの生活に大きく関わる重要な問題です。
特に親権については、双方が希望すると話し合いが長期化するケースもあります。弁護士は家庭裁判所で重視されるポイントを踏まえ、適切な主張や証拠の整理をサポートします。
将来的なトラブルを防ぐためにも、専門家の助言を受けながら進めることが大切です。
離婚調停の弁護士費用に関するよくある質問(Q&A)
Q1.離婚調停の弁護士費用は慰謝料や財産分与などの金額で変わる?
法律事務所によって費用体系は異なりますが、慰謝料や財産分与などで得られる経済的利益を基準に成功報酬を設定しているケースがあります。
そのため、請求額や獲得した金額が大きいほど、成功報酬も高くなる傾向があります。一方で、着手金が固定額となっている事務所も多いため、依頼前に費用の内訳や報酬基準を確認しておくことが大切です。
Q2.共有名義の自宅があると法テラスは利用できない?
共有名義の自宅があるからといって、必ず法テラスを利用できないわけではありません。法テラスでは、収入だけでなく保有資産も利用条件の対象となりますが、居住用不動産については評価方法や持分なども考慮されます。
利用できるかどうかは個別の事情によって判断されるため、まずは法テラスに相談し、資産状況を踏まえた案内を受けるとよいでしょう。
Q3.離婚調停で法テラスの費用も払えないときはどうする?
法テラスの立替金も支払いが難しい場合は、まず返済が困難な事情を法テラスへ相談しましょう。状況によっては返済方法について相談できる場合があります。
また、自治体や弁護士会が実施する法律相談や支援制度を利用できる可能性もあります。費用面を理由に手続きを諦める前に、利用できる制度がないか早めに確認することが大切です。
Q4.離婚調停の途中から弁護士に依頼すると費用は安くなる?
離婚調停の途中から弁護士に依頼しても、必ずしも費用が安くなるとは限りません。弁護士は、これまでの調停の経緯や相手方とのやり取り、提出した書類の内容などを把握する必要があります。
本人が進めてきた調停で主張の整理や修正が必要になる場合は、最初から依頼する場合と同程度の負担がかかることもあります。そのため、途中からの依頼でも通常どおり着手金が必要となるケースが多いといえるでしょう。
Q5.離婚調停が不成立でも弁護士費用は発生する?
離婚調停が不成立となった場合でも、通常は着手金や日当など、すでに発生した弁護士費用を支払う必要があります。一方で、成功報酬は調停成立や依頼内容の達成を条件としていることが多いため、不成立であれば発生しないケースが一般的です。
ただし、費用体系は法律事務所によって異なるため、契約前に報酬規程を確認しておきましょう。
弁護士費用がないときはオンラインで気軽に相談してみよう


離婚調停には申立費用のほか、弁護士に依頼する場合は着手金や成功報酬などの費用がかかります。まとまった資金を用意できない場合でも、法テラスの利用や分割払いに対応した法律事務所への相談など、費用負担を軽減できる方法があります。
一方で、費用を抑えるために弁護士を立てない選択をすると、手続きや交渉を自分で進める必要があり、不利な条件で合意してしまうリスクもあります。
弁護士費用が準備できずに悩んでいる方には、まず「リコ活」を利用してみてはいかがでしょうか。離婚問題に詳しい専門家が対応しており、弁護士費用がないときの離婚調停について適切なアドバイスを受けられます。
