セックスを妻が拒否するためセックスレスになる夫婦がいます。妻と愛し合いたいと思っている夫にとってはつらいことで、離婚を考え始める夫もいます。セックスを妻が拒否する理由のほか、セックスレスでつらいときの対処法、離婚を検討する際のポイントなどを紹介します。
妻が拒否するのはなぜ?セックスレスがつらい…
夫がセックスを求めても、妻が拒否するため、セックスレスになってしまう夫婦がいます。妻にもさまざまな理由があるでしょうが、妻に「セックスはしたくない」と言われるのは、夫にとってつらいことです。
妻とはセックスレスなのですが、「そんなにしたいならよそでしてくれば?」と言われてショックです。
他の人となんてしたくありません。妻だけが本当に好きで、大事だ、愛している、可愛いと言葉にするようにもしています。家事もきっちり分担、子供もいないし、なんでも話し合える仲なのですがセックスのことだけは通じ合えないものを感じます。しなくても好きなんだからいいじゃん、するのが全てじゃない、するっていう意志を見せられるのが嫌、プレッシャーが嫌、できないなら嫌いになるの?やれるから好きなの?と何かと拒否され心が折れそうです。そんなにしたいの?それならよそでしてくれば?と言われました。
私がしたくないのに強制したいの?と言われればそうじゃないとしか言えませんし、実際無理もさせたくないです。でも愛情を感じたいし、辛いです。どうすればいいのか分かりません。
29歳
最近、セックスレスです。
妻は、家族としては見れるけど、そう言う対象では無いと言われます。また、風俗でして欲しいと言われました。私は、妻をとても愛しているので、抱きたくも無い女性にお金を払ってまで妻への性欲を耐えなければいけない事が辛いです。自分の時間が欲しいと言い、スキンシップの時間を変えたり努力してきましたが、次第にスキンシップすらも拒否されるようになり、話し合いをしても妻は、約束をまもらず気持ちは、徐々に拒否する方向に進んで行きました。
私は、妻以外の女性と人生を共に過ごす気は無いため、焦るほど悪循環に陥ってしまいます。
夫の求めを妻が拒否するのはなぜなのでしょうか。妻が夫とセックスをしたくないと考える理由や、セックスレスがつらいときの対処法、離婚を検討する際のポイントなどを紹介します。
妻がセックスを拒否する理由は?
特段、思い当たる節がないのに、夫からの求めを妻が拒否するようになると、夫は悲しい気持ちになります。中には「もう妻とは別れたい」などと離婚を考え始める人もいるでしょう。なぜ、妻はセックスを拒否するのか、考えられる理由を5つ紹介します。
ホルモンのバランスなどによって性欲が低下している
女性の性欲はホルモンバランスによって影響されます。生理前になると体調が悪くなりセックスどころではない人がいますし、出産後はホルモンによって子供を守る気持ちが強くなり、夫さえも遠ざけたくなることがあります。出産を契機にセックスレスになる夫婦も少なくありません。
また、閉経前後の更年期もホルモンバランスが大きく変化する時期で、性欲が減退する女性もいます。また、膣が乾燥しやすくなるため、性交痛を感じる人も多く、セックスをしたくないと考える人もいます。
育児や家事で忙しい
育児や家事で忙しくストレスが溜まって、セックスをしたくないと考える妻もいます。こうした妻の多くは、家事や育児を負担してくれない夫に不満を抱いていることが多く、そうした不満もセックスを拒否する理由の一つです。特に、仕事もしている妻の場合は、なおさらです。
また、夫に不満がなくても、育児と家事で疲れが溜まり、時間があれば少しでも眠りたいという妻もいます。子供の夜泣きがひどく、いつ起こされるかわからないという場合は「夫の相手などしている暇はない」という気持ちになってしまいます。
夫を家族としか見られない
子供が生まれた後、ホルモンなどの影響で女性は子供を守ることを優先するようになります。子供の横でセックスはしたくないと考える女性は多く、授乳などがあるのに体をベタベタ触られたくないと考える人もいます。こうした関係が続くと、妻は夫を家族としてしか見られなくなり、性欲が湧かなくなることがあります。
特に出産後、互いを「パパ、ママ」「お父さん、お母さん」などと呼び合うようになる夫婦に、そうした傾向が強いともいわれます。これは呼び方が変わることで、相手に対する意識が変わり、性欲も感じられなくなってしまうためです。
夫がセックスにしか興味がないように思える
夫の中には、妻には無関心で、体調が悪くても心配する素振りが見えないのに、セックスを求めるときだけ優しくしたり、体に触れてきたりする人がいます。そうした夫の態度に「セックスにしか興味がないように見える」として、「そんな人とはセックスしたくない」と妻が拒否することがあります。
夫の中には、とにかく射精できればいいと、妻の気持ちも考えずに自分だけ気持ちよくなると、それで終わってしまう人もいます。そうした身勝手なセックスに嫌気が差し、愛情も失っていく女性は少なくありません。
夫への愛情を失った
相手への愛情を失えば、女性は「この人とはセックスしたくない」と考えるようになります。触れられることさえ嫌だと感じる人もいます。愛情を失う理由はさまざまで、普段のだらしない生活や、体型や体臭の変化、結婚前に気付かなかった性格などに対する嫌悪感が理由になることがあります。
また、浮気やギャンブル、多額の借金などといった行為で、夫に裏切られたことを機に夫への愛情が失われることもあります。特に、こうしたことが理由で「夫とは別れたい」と考えている場合は、当然、セックスに応じる気にはなりません。
つらいセックスレスを解消するには
セックスを妻が拒否すると、夫は悲しい気持ちになったり、怒りを感じたりし、結婚生活もしだいに味気ないものになっていきます。そんなつらいセックスレスの状態を解消するために、夫ができることを紹介します。
夫婦で話し合う
セックスレス状態を解消するには、強引に迫っても逆効果です。妻はますます反発するだけでしょう。話し合いをするときは、妻を一方的に責めたり、自分の気持ちを押し付けてもいけません。なぜセックスをしたくないのか、妻の理由に耳を傾けます。そして、理由を聞いたら「セックスをしたくない理由を解消できるよう努力する」と伝えましょう。
おそらく、一度の話し合いで問題が解決する可能性は低く、話し合いを拒否されることもあるでしょう。しかし、妻が頑なにセックスを拒む場合、夫として妻の不満や気持ちを知り、妻に寄り添っていくしか方法はありません。妻も「夫が自分のために変わろうと努力してくれている」と気付けば、気持ちが変わっていくこともあります。
態度や身なりを改める
普段のだらしない姿や、家庭内での振る舞いに妻が嫌悪感を抱いている場合は、自分の態度や身なりを振り返り、妻に好印象を持ってもらえるよう改めることも必要です。妻も女性ですから、尊敬の念や好意を持てない男性とセックスしようとは思いません。
家にいるときは身なりに無頓着で、ダラダラと過ごしているのなら、家にいるときも、きちんとひげをそり、髪型を整えて、こざっぱりとした格好をして、妻の手伝いも率先して行いましょう。妻の話に耳を傾け、優しく接することも大切です。そうした態度に好意を抱けば、妻も夫を「男」として見てくれるかもしれません。
スキンシップを増やす
妻がそれほど強く拒否しているわけではなく、なんとなく性欲が湧かない、夫を家族としてしか見られないというときは、少しずつスキンシップを増やしていくのも一つの方法です。最初は手をつないだり、軽く体に触れたりする程度から始め、ハグなど接触を増やしていきます。
妻が体に触られることに抵抗を示さなくなったら、マッサージを試みてみましょう。マッサージを受け入れてもらえるのなら、体に触れられることへの抵抗感がなくなったサインです。肩や腰を優しくもみほぐすうちに、妻も性欲を感じるようになるかもしれません。
デートや旅行をする
セックスレスを解消するには、2人きりの非日常の時間を作るのも効果的です。2人で買い物や映画、食事に出かけたり、旅行に出かけたりしてもいいでしょう。家を離れて、いつもと違う時間を過ごすことで、妻もウキウキした気分を味わえ、恋人時代のときめきを思い出してくれるかもしれません。
一度デートしただけで、セックスレスが解消するとは限りませんが、そうした気分を何度か味わううちに、妻もセックスに応じてもいいと思うようになってくれる可能性があります。
専門家に相談する
どのような手を尽くしても、妻がセックスに応じてくれないときは、2人で話し合ったうえで、夫婦一緒にカウンセラーに相談するのも一つの手です。赤裸々な夫婦の話を相談するのには抵抗があるかもしれませんが、思い切って話をすることで解決策が見つかることもあります。
ただし、カウンセリングは無理に受けさせても効果はありません。あくまでも本人も納得したうえで、受けるようにしてください。妻に断られたときは、とりあえず1人で相談に行き、アドバイスを求めてもいいでしょう。
セックスレスを理由に離婚はできる?
妻がどうしてもセックスに応じてくれないと、夫も「もう別れたい」という気持ちになることがあります。セックスレスを理由に離婚できるのかどうかを解説します。
妻も合意すれば離婚は可能
妻と離婚したいと思ったとき、最もスムーズに進むのは互いに離婚に合意した場合です。話し合いで離婚の条件を決め、役所に離婚届を提出すれば離婚が成立します。これを協議離婚といいます。協議離婚では、離婚の理由を問われることはありません。妻がセックスを拒んでいる場合、条件によってはすぐに離婚に応じることもあります。
しかし、どちらかが離婚に反対したり、条件で折り合えなかったりした場合は簡単ではありません。まずは家庭裁判所に離婚調停を申し立て、裁判所の調停委員を介して離婚の話し合いを続けます。それでも合意できないときは、離婚裁判を起こして裁判所に離婚を求めます。裁判で離婚が認められれば、相手の合意がなくても離婚が可能です。
セックスレスだけでは離婚が難しいことも
裁判離婚を起こすには、民法で定められた「離婚事由」が必要になります。離婚事由とは、次の5つの事情です。
・配偶者が浮気や不倫(不貞行為)をした
・一方的な別居や生活費の未払いなど配偶者の悪意で遺棄された(悪意の遺棄)
・配偶者の生死が不明で3年以上経つ
・配偶者が重症の精神病で治る見込みがない
・婚姻を継続しがたい重大な事由がある
セックスを妻が拒否したためにセックスレスになったという理由で離婚したい場合は、夫婦間のセックスレスが「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」に当てはまるかどうかが問題になります。また、裁判ではセックスレスであることと、セックスレスによって夫婦関係の修復が困難であることを客観的に証明しなければなりません。
セックスレスを理由に離婚できるケースとは
実際の裁判の判例に基づいて考えると、正当な理由がなくセックスを拒み続けた場合、「婚姻を継続しがたい重大な事由」と見なされ、離婚が認められる可能性が高くなります。「なんとなくしたくない」「性欲が湧かない」と言った場合も、正当な理由がないと判断されることがあります。
セックスレスの期間は1年程度が、一応の目安となっているようです。しかし、結婚以来、一度もセックスをしていないなど、事情によっては1年未満でもセックスレスとみなされることがありますし、仕事で多忙だった場合などは期間が長くても認められないこともあります。
また、セックスレスによって別居しているなど、夫婦関係が破綻しているかどうかもポイントです。セックスレスでも、円満に同居生活を送っていれば、夫婦関係は修復が可能だと判断され、離婚が認められないこともあります。
セックスレスでも離婚できない場合は
セックスレスを理由とした離婚裁判では、「セックスを拒む理由が正当かどうか」が争われることがあります。次に挙げるようなケースは「正当な理由」となる可能性が高いでしょう。ただし、正当な理由があっても、別居などをしていて夫婦関係が破綻していると判断された場合は、離婚が認められることもあります
・セックスレスだが、家族や夫婦として愛情を持っている
・鬱病や心臓病などの病気や高齢のためセックスができない
・仕事が忙しくてセックスをする余裕がない
・妊娠や出産後のため、体への負担や感染症を心配していた
また、セックスしないことに互いに同意していた場合も、正当な理由となる可能性が高く、同意があったかどうかが争点になることもあります。この場合、離婚を認めてもらうには、同意がなかったことを証明しなければならず、証拠の収集など事前の準備が重要です。
セックスレスで離婚したくても不倫はNG!
セックスレスで夫婦関係も破綻しているのに、妻が離婚に応じてくれないからと言って浮気や不倫をしてしまう夫がいますが、これは絶対にしてはいけません。「夫婦関係が破綻している」と自分では思っていても、離婚が成立するまでは、浮気や不倫といった不貞行為は不法行為となり、不利益を被る恐れがあります。
不貞行為をすると、離婚の原因を作った「有責配偶者」と見なされ、自分からは離婚裁判を起こせなくなります。もちろん、妻から慰謝料を請求される可能性もあります。夫の離婚の申し入れに妻が応じたとしても、話し合いの主導権は妻に握られてしまうでしょう。
妻にセックスを拒否されて悩んだときは専門家に相談を
妻を愛しているのに、セックスを拒否されてしまうのは、夫として悲しいものです。結婚生活が味気なく、つらいものに感じられる人もいるでしょう。妻と話し合って解決策を探るのが一番の対処法ですが、話し合いに応じてもらえなかったり、折り合えなかったりしたときは、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談するのも一つの方法です。
セックスレスが原因で夫婦関係が破綻したときは離婚できることもありますので、「妻とは別れたい」と考えたときは弁護士に相談してみましょう。
北松戸ファミリオ法律事務所(千葉県弁護士会所属)
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