【体験談】「パパよりかっこよかったよ」子どもの口から告げられた妻の浮気。慰謝料と養育費をどう考えるか

更新日: 2023年01月25日

妻子と旅行に行っていたのは自分よりもかっこいい人だった――衝撃の事実を子どもの口から知らされたNさん(39)は、都内近郊の私立中学で教師として働いています。浮気と時期を同じくして妻の借金が発覚。家庭内別居の果て、ある日妻は何も告げずに子どもを連れて出て行ってしまったそう。しかし、現在のNさんは離婚で得たチャンスに前向きです。そう思えるまでに何があったのでしょう。Nさんにお話をうかがいました。

子どもから知らされた妻の浮気

――元パートナーとの結婚生活から教えてください。

私よりも6つ年下だった彼女は高卒で働いていたこともあり、しっかりした子に見えたんです。こういう子だったら家のことを任せられるかなと思い、私が27歳の頃に結婚しました。

一年後に息子が生まれたのですが、産後のホルモンバランスの変化が関係していたのでしょう、嫁の私への対応に厳しさを感じるようになりました。

向こうは二人目の子どもが欲しいと話していましたが、一人目の時に精神的に追い詰められたり情緒不安定になったりしていた様子を間近で見ていたので、またそれを繰り返すのは可哀想だと思ったし、一緒にいる私自身も辛かったので二人目を躊躇していたんです。

そういうことがあって私への気持ちが離れていったのかもしれません。

――気持ちが離れたとは……?

嫁の浮気がわかったんです。しかも子どもの発言によって発覚しました。

元々嫁は長期休みになると子どもを連れて同級生と遊びに行ったり、地元に帰ったりしていたんです。ある時子どもと話していると、テーマパークに行ったという話になりました。何気なく「誰と行ったんだっけ?」と聞くと「〇〇さんと行った」と言うんです。
※写真はイメージ(iStock.com/AleksandarNakic)

明らかに不自然な偽名だと思ったので「〇〇さんって誰?」と聞くと息子は「ママに言わないでって言われているから……」と言い淀んだのですが「男二人の秘密にしよう」と言うと「パパよりかっこいい人だよ」と教えてくれて。

――それはお子さんが何歳の時でしたか。

小学校1年生です。後からわかったことなのですが、その一年前にも私の出張中に嫁が子どもを連れて男性と旅行に行っていたにも関わらず、子どもに嘘をつかせていたんです。

息子は男の人もいたと言っているのに、嫁は「違うでしょ、〇〇ちゃんでしょ」と否定し、私が彼女を問いただすと、挙句の果てには「性転換して男性に見える人と行った」と話していました。

息子は自分の見てきた状況と母親の説明の差異に、何がなんだかよくわからなくなってしまった様子で頭を抱え込んでしまいました。息子のその姿を目にすることが一番きつかった。

※写真はイメージ(iStock.com/KatarzynaBialasiewicz)

今でも嫁は息子に本当のことを伝えていないと思います。嫁に対する感情は怒りを通り越して呆れたというか……私の見る目がなかったんですかね。

浮気と借金…その妻が子どもを連れて突然いなくなった

――パートナーの浮気が離婚の引き金になったと。

浮気の発覚と時期を同じくして、お金の問題も明るみに出てきたんです。お金のことは全て嫁に任せていたのですが、貯金が全くないだけではなく、リボ払いで借金がかなり膨らんでいることがわかって。浮気とお金、その両方が離婚の原因ですね。

――すぐに離婚することになったのですか?

夏頃に問題が発覚し、しばらく家庭内別居の状態が続きました。私が朝6時頃に家を出る時には嫁と息子はまだ寝ていて、20時頃に帰宅すると既に寝室に入っている状態でした。あまり家にいたくなかったので土日も私一人で出かけていて、ほとんど顔を合わせることはなかったです。

そんな生活が続いた10月のある日、家に帰ると嫁と子どもの荷物だけがなくなっていたんです。よくドラマで見るような光景が目の前に広がっていて……連絡を取りたくても連絡がつかない状況が一週間以上続きました。

向こうの母親から「うちの娘は精神的に参っている」と私の母親に連絡が入って、嫁は子どもを連れて実家の愛知県に帰ってしまったことがわかりました。
※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)

既に嫁への愛情はなかったので、正直、自ら家を出てくれてホッとした部分はあります。ただ、やはり相談もなく子どもを連れて行かれたことに関しては戸惑いがありました。私の知らない間に愛知県の学校へ転校していたようですしね。

慰謝料と養育費の一部を相殺する形で合意

――離婚を切り出したのはNさんからではなく、パートナーからだったのですか。

私も離婚するつもりだったのですが、向こうが先に離婚調停を申請したので私も弁護士を立てることに。

出張相談会で無料相談をした弁護士に、改めて連絡を取って正式に依頼することにしました。

――お子さんについて調停でどのような話し合いがありましたか?

まず親権について、子どもが母親がいいと言っていたので、その時点で私に勝ち目はありません。私の父親は、向こうに非があるにも関わらずなぜだと納得いかなかったようですが、そこで争っても調停が長引くだけですから、私が父をなだめました。

そうはいっても、向こうに借金や浮気などがあったことから慰謝料150万円を払ってほしいと伝えたところ、まとめて払うのは難しいと。本来、相殺ということはないのですが、話し合いの結果、私が支払う養育費7万円のうち、5年間は月々2万5000円を慰謝料として差し引いて支払う形で話がつきました。

――離婚後はお子さんに会っていますか。

長期休みの時に子どもをこちらに連れて来て面会交流をすると取り決めましたが、コロナ禍で会えない状況が続いて……実はこの夏、子どもと久々に会うことができました。

昔の思い出を語ったり、小学4年生になった今興味のあるゲームの話などをして一泊一緒に過ごしました。
※写真はイメージ(iStock.com/Yagi-Studio)

――Nさんとしては、もう少し長い時間を過ごしたかったのではありませんか?

私の両親がかなり手厚くもてなしていたので、あまり長くこちらで過ごすと息子が帰りたくなくなってしまうかもしれません(笑)。一泊くらいが丁度よいのかなと。

離婚後は息子と連絡を取っていなかったのですが、離れていても連絡を取っていなくても、本人が元気に楽しく過ごしていてくれれば別にいいかなと思っています。今、共同親権が話題になっていますが、そういった意味で私は特にこだわりはありません。

離婚によって生まれたチャンスを掴みたい

――Nさんの生活は離婚後どのように変わりましたか。

元々一人で過ごすことが好きでしたし、家事も全く苦にならない。子どものことを除けば離婚してよかったことしかありません。

以前、私のお小遣いは一日500円。仕事に行った日でカウントされていたので、月に20日働いたとして1万円が私の使えるお金でした。飲み会などの費用は別途交渉していましたが、500円の中から昼食代を出していたのでほとんど残りませんよね。

それが今では自由に使えるようになったこと、あとは自分の時間が増えたことが嬉しいです。

――自由に使えるようになった時間で何をしているのですか。

教員を続けながら空いた時間で、本当に自分がやりたかったことについて構想し、学びを深めています。

まだ具体的なお話はできないのですが、自分のやりたいことが形になりつつあったり、勉強会などで知り合った方からお声がけいただいたりと、今いい波が来ていると感じます。離婚していなければ、ここまでフットワーク軽く動けることはありませんでしたね。
※写真はイメージ(iStock.com/imtmphoto)

あのまま結婚生活を続けていたら、おそらく定年まで今の職場に勤めて、ずっと同じ仕事をして終わる人生だったかもしれない。それはそれで満足していたとは思いますが、今はそれに満足できない自分がいる。

そのことに気付けてよかったと思えるのは、今とても充実しているからだと思います。

―離婚を経て得た新たな人生、子どもとの関わりは―

これからのビジョンについてお話を伺うと、Nさんの表情はパッと明るいものとなり、離婚を経て充実した日々の様子をその笑顔から漂わせた。現在は再婚を考えられないと話すNさんはこう続ける。

「子どもと会えない気持ちのもつれから別れた元嫁といさかいが続くことはあり得ると思います。しかし、我慢を続けるよりも自分の人生を楽しむというマインドに切り替えるというのも一つの手かなと」

離婚によってもたらされたチャンスを前向きに捉えるNさん。離婚後の子どもをめぐる問題について、Authense法律事務所の高畑侑紀弁護士に聞いた。

【Authense法律事務所 高畑侑紀弁護士監修】離婚後、子どもの意見はどのくらい考慮されるのか

夫が親権を取得できるか否かは、そのご夫婦の事情によります。妻側に不貞や借金等、離婚原因となることがあった場合に、親権を決める際にその点がまったく考慮されないわけではありません。

もっとも、親権者を確定する基準は、これまでの子の監護実績や、子の年齢、今後の監護体制、子の意思等、今後夫と妻どちらが親権者となるのが子にとってよいかという視点で決定されます。

そのため、妻側に離婚原因となるような非があったとしても、親権者の決定にあたって、妻側の方が親権者として適切な事情が多いと、妻が親権を獲得することとなります。

また、養育費と慰謝料は別の性質の金銭ですので、相殺は想定されていません。そのため、当事者同士が合意をしない場合には、夫から妻には慰謝料を請求でき、妻から夫には養育費をそれぞれ請求できることとなります。

この場合、妻側に資力がないと、結果的に夫から妻の養育費だけ支払われるという可能性もあり、夫は妻から慰謝料を回収できないということもあります。

親権者変更が認められる基準は、現在の親権者との生活が子に悪影響を及ぼしているか否かです。例えば、親権者が子に虐待をしていたり、育児放棄をしている場合があげられます。

子どもの意見は、子の年齢が高ければより尊重されることとなります。子が10歳以上であれば、子の判断能力が備わっていると判断され、子の意見が尊重された判断が出されることが多いと思います。その場合には、裁判所が子の意見を聴取したうえで、判断をすることとなります。

親権者は、子の監護及び教育をする義務を負うため、子が父と暮らすことを望み、母も認めている場合には、父が子と一緒に生活をすることが原則となります。

また扶養者には、子が自分と同程度の生活を維持していく義務を負います。そのため、直接的に同居を義務付けるものではありませんが、子が安全に生活をする場所を確保し、子が自身と同程度の生活を維持するための義務を負っています。
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弁護士: 第二東京弁護士会

高畑 侑紀

Authense法律事務所 東京オフィス

〒103-0027 東京都中央区日本橋2丁目2-2マルヒロ日本橋ビル10階

24時間受付(平日/土日祝)

初回無料

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