【コラム#6】夫の酒癖の悪さが不安 修復or別れる決断はどうやってすべき?

更新日: 2023年03月16日

これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんの「リコ活相談室」。上司に暴言を吐いた挙句、店内の備品を壊し、フォローに入った部下を殴るという事件を起こすほど酒癖の悪い夫……不安を抱える女性に、岡野さんのアドバイスは?

ーお悩み相談ー 酒癖の悪さを全く覚えていない夫

夫の酒癖のことで悩んでいます。マッチングアプリで知り合った4歳年上の夫とは結婚して半年。35歳の私は、結婚して以来ずっと、早く子どもがほしいと思っていました。ところが、最近はその気持ちに迷いが出はじめています。

結婚前にも「あれ?」と思ったことがあるのですが、本格的に夫に対する疑念がわいたのは結婚してからでした。

たとえば二人で居酒屋に行くと、はじめのうちは穏やかに談笑しながら飲んでいられるのですが、乾杯のビールから日本酒に切り替わったあたりから、次第に夫の声が大きくなっていきます。するとまもなく、「ふざけんなよ」「いい加減にしろよ」などと私や店員さんへの物言いが理不尽に荒くなり、まわりのテーブルのお客さんもヒソヒソ話をはじめるようになるのです。

そうなると、私は急いでお会計をすませ、二人でタクシーに乗り込んで帰宅。車中で眠ってしまうことも多く、夫の寝顔を見ていると「仕事でストレスをためているんだろうな」「調子の悪い時は誰にでもあるよね」などという気持ちになったもの。翌朝になると夫はいつもの優しい夫に戻っているので、前日の夜のことを責めようとも思いませんでした。

そんなことが2回ほど続いたある日、夫が「今夜は会社の飲み会だから遅くなる」と朝出かけていって、深夜にタクシーで帰宅したことがありました。その翌日、いつものように夕食前に帰宅した夫から「明日から2週間、『会社に来なくていい』と言われた」と告げられたのです。じつは夫は前夜の飲み会で、上司に暴言を吐いた挙句、店内の備品を壊し、フォローに入った部下を殴るという事件を起こしていたのでした。

夫はそのことをまったく覚えていないと話します。「じつは前にもこんなことがあったんだよ」と私が夫の酒癖の悪さを指摘しても、「思い出せない」の一点張り。「ただ、独身の頃に勤めていた会社でも、職場の飲み会の翌日からまわりの態度が一変し、会社に居づらくなって辞めたことがある。でも、その飲み会で自分が何を言ったりやったりしたのかは覚えていない」と首をかしげるばかりです。

幸い、今の私にはまだ実際に被害がないものの、この先の結婚生活や子どもが生まれた後のことを考えると、夫の酒癖についてはとても不安でなりません。

ー岡野さんの回答ー 状況改善にベストを尽くした後は、幸せに向かって進むのみ

アルコール依存症は、れっきとした病気のひとつです。病気を克服する方法を真剣に考え、行動に移す必要があります。

医師の診断を仰ぐ、夫の家族にも相談する、夫のストレスの原因となる環境を改善する、といった選択肢を挙げつつ、本人とあなたにとってベストな方法で対処しましょう。専用の施設に入る場合は、その間の費用もかかります。夫の会社に相談したり、あなたが家計を支えなくてはならないという状況も視野に入れて考えたりする必要も出てきます。

離婚はしないにこしたことはありません。ですが、結婚したばかりでまだ子どもがいないにもかかわらず、出産を希望するならそのリミットも見据えつつ、将来的な経済面での夫への不安もあるなら、自分の人生を大切に考えなくてはならないのも事実。結婚生活が後悔のないものであるようにベストを尽くした後なら、自分で自分を幸せにするために離婚という決断をすることもアリだということです。

もっとも大切なのは、あなた自身が「この夫とこの結婚に対して、私は十分にやりきった。もうやり残した努力はない」と思えることなのです。

後悔はないところまで努力した段階でも改善の見込みがなく、あなた自身の体力や気力の限界を感じた時は、「別れどき」。夫への同情や未練、自分への責める気持ちより、「幸せになりたい」と願う心の声に耳を傾けるタイミングが訪れたということなのです。
その時が来たら、一生懸命に頑張ってきた自分のことを自分で認めてあげましょう。そして幸せな未来に向かって振り向くことなく進んでください。

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