【コラム#14】浮気夫と離婚したい! でも、離婚後の生活費が心配……

更新日: 2023年08月01日

これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんの「リコ活相談室」。今回は、浮気夫との離婚を望みながらも、二人の子どもを一人で育てていけるか不安だという女性からの相談です。「後悔しない離婚」をするための岡野さんの回答は必見です。

ーお悩み相談ー 二人の子どもを育てながらの離婚後の生活に不安

結婚13年目、子どもが2人います。夫の浮気がはじめて明らかになったのは7年前のこと。浮気相手は当時、仕事の帰りに夫がよく立ち寄っていた居酒屋の店員の女性です。その女性から「彼と別れてください」という電話が私の携帯電話に直接かかってきたことがきっかけで夫の浮気を知りました。その時は、下の子が生まれたばかり。夫は私に土下座をして謝り、「もう二度と浮気はしません」と誓いました。

 

ところが、去年、今度は仕事上で知り合ったという女性と浮気をしていることが発覚。見たこともないマフラーを身につけていたり、ラブホテル街のコンビニのレシートが出てきたりと怪しい行動が見られたので夫を問い詰めたところ、浮気を白状したのでした。

 

今度の浮気のことで、私の心は完全に折れました。「二度あることは三度ある」という言葉があるように、夫の浮気癖はこの先も治ることがないと確信したからです。だから、これが離婚を切り出すいいタイミングなのではないかと考えています。今なら私も子どもと一緒に新しいスタートを切り直すいいチャンスだと思うからです。

 

心配なのは、離婚後のお金のことです。夫は一般的な会社員で、貯金も少しだけあります。夫の実家はそれほど裕福とはいえません。私の実家はないので、離婚後は子どもと3人で暮らすために新しく部屋を借りることになります。結婚前に勤めていた会社の人に離婚のことを相談したところ、「復職してもらえるとウチとしても助かるよ」と言われたので、とりあえず一定の収入は確保できそうな気もしているのですが……。

 

ー岡野さんの回答ー 「後悔しない離婚」をするためには、万全の準備が必須

経済面で安定していれば、浮気癖が治る見込みのない夫に振り回されるより、別れて子どもと平和に暮らすほうがストレスはなさそうに思えるのも事実。ですが、何が起こるのかわからないのが人生です。

 

子どもが父親と離れて暮らすことを嫌がるかもしれないですし、そのことで情緒不安定になったり成績不振になったりするケースもゼロではありません。前の職場で復職を求められているといっても、二人の子どもの育児と仕事を両立させることが難しいと感じる場面が出てくるかもしれません。離婚しても、ストレスがたまる要因から100%解放されるとは言い切れないのです。

 

そんなふうに経済的な不安がある場合、「今すぐ離婚する」という選択肢は避け、まずは職場に復帰してみたり、別居をして実際に母子だけで暮らせるかどうかを試してみたりするという手もあります。

 

子どもを抱えているからこそ、離婚は慎重に考えてから結論を出すことが大切なのです。夫からの養育費や慰謝料をもらうことはできたとしても、それだけをあてにして離婚に踏み切るのはリスクが大きいと思っておいたほうがいいでしょう。

 

浮気の腹立たしさや父親としての不誠実さに憤りを感じる気持ちもよくわかります。ですが、「もう少し子どもが大きくなってから」「もう少しお金を貯めてから」「本当に浮気癖が治らないなら」というように、様子を見ながら離婚をしても遅くはありません。子どもたちと一緒に新しい生活を頑張れる覚悟を強く持てる時まで、しっかりと準備を重ねてから決断することが「後悔しない離婚」につながることも多いのです。



次回は、数年前に終わったはずの浮気の証拠を並べ、妻に離婚を切り出されたという男性からの相談です。

 

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