【コラム#15】夫の過去の浮気を ずっと忘れない妻の復讐劇

今年37歳になる妻とは今から9年前、職場恋愛の末に結婚しました。私より5歳年下の妻が、新入社員として同じ部署に配属されたことが交際のきっかけでした。

 

「頼りになる上司と、従順な部下」という形でスタートした恋愛は数年間続き、人事異動で別の部署になるタイミングで私たちは結婚を決めました。

 

結婚を機に妻は退職し、翌年に第一子となる息子が生まれ、その後、妻は家事と育児をこなしながら近所のスポーツジムで受付のアルバイトをしています。

 

私がはじめて浮気をしたのは、子どもが生まれた翌年のことです。昇進をして仕事のプレッシャーも大きくなり、ストレスはたまる一方。にもかかわらず、帰宅するとはじめての育児に疲れはてた妻に「もっと手伝ってほしい」「なんで自分のことばかりなの？」と責め立てられる毎日にうんざりしていました。そんな家庭から私が逃げた先が、新しく部下になった20代の女性だったんです。

 

浮気相手の彼女とはお互いに割り切った付き合いをしていたつもりです。その証拠に、「結婚するなら高収入で、絶対に浮気をしない人と決めているから(笑)」と彼女はいつも私に言っていました。

 

そんな勝気で若い彼女にのめり込んだ私にクギをさすように、ある晩、妻は「もしもあなたが浮気をしたら、慰謝料と養育費をたっぷりもらって、この子をつれて出ていくから覚悟して」と怖い顔で迫ってきたことは今でもよく覚えています。

 

浮気相手の女性とは半年ほど続いたところで突然、別れを告げられて関係がアッサリと終わりました。理由は「友人の紹介で知り合った有名企業の会社員と結婚することになった」とのこと。彼女には未練があったし、残念でしたが、引き止める勇気も度量もありませんでした。

 

先日、地方への転勤の辞令が下りました。その日、帰宅して妻にそのことを伝えたところ、「あなたひとりで行ってください」と。続けて「この日を待っていたの。別れてもらいます。約束どおり、慰謝料と養育費はきちんと支払ってね。このマンションも私たちがもらいます」。

 

そう言って、妻は数年前に終わったはずの私の浮気の証拠を次々とテーブルに並べはじめたのでした。

 

夫の浮気が原因で、私のところに相談に訪れる女性はとても多いもの。

 

データが示す日本人の離婚事由のトップは「性格の不一致」ですが、そこを掘り下げていくと浮気や不倫であることも少なくありません。現在進行形で浮気をしている場合も、過去に浮気をしたことが明らかな場合も、罪深さは同じこと。

 

どちらもパートナーにとって、許すことのできない心の傷となり、離婚を考える原因になり得るものなのです。

 

もし、過去に浮気をした経験があり、妻を傷つけたという自覚が多少なりともあるなら、その時は幸い離婚にいたらなかった場合でも、早めのタイミングでしっかり謝罪する必要があります。

 

「昔の話だから、水に流してもらえているだろう」という甘い考えは通用しません。きちんと謝らず、妻の心を傷つけてきた夫は、どれだけ年月がたっても妻には許されていないと思っていいでしょう。

 

ある日突然、離婚を切り出される前に、心からお詫びをすることは必須です。

 

 

次回は、妻と母の板挟みになり、母親の肩を持ち妻から離婚を切り出された男性からの相談です。