【コラム#19】離婚を決めた私たち、幼い子どもへの伝え方とは
更新日: 2023年10月04日
お互い合意の上で離婚が決まったとしても、子どもへの伝え方は悩ましいものです。特に子どもが幼い場合は、離婚を伝えるか、伝えないかの二択で迷う方もいるかもしれません。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが、幼い子どもへの離婚の伝え方をアドバイスします。
ーお悩み相談ー 幼稚園児の娘への離婚の伝え方
1歳年下の妻とは結婚6年目、今春から幼稚園に通いはじめた娘がいる33歳の会社員です。
人見知りの激しい娘は、はじめは幼稚園に行くことを嫌がっていましたが、毎朝私と一緒に通園しているうちに友だちができたようで、今では幼稚園が大好きになっています。
そんなタイミングで私たちはお互いの将来を考えて、離婚することを決めました。妻も私もお互いに納得済みの話で、離婚後の生活の準備もすでに整っています。
唯一の心配ごとは、娘のことです。
というのも、娘の親権などは妻にあって、離婚後は妻の実家でご両親と妻と娘の4人で暮らすことになっています。そのためには引越しをする必要があり、今の幼稚園も辞めなくてはなりません。
せっかく大好きになった幼稚園を辞めなくてはいけないことを伝えたところ、娘は「イヤだ」と泣くばかり。「ジィジやバァバのおうちの近くにある幼稚園には、オモチャがたくさんあるんだって。楽しいよ、きっと」と話しかけても「イヤだよー。こっちのほうがいい。明日もパパと行くんだもん」と断固拒否のリアクションです。
娘は私のことも大好きなので、離婚で別れて暮らすこときちんと伝えるべきなのか、黙って強行突破すべきなのか悩ましいのです……。
ー岡野さんの回答ー 「あなたのことがいちばん大事」と伝えることは必須
幼稚園児とはいえ、子どもの感性は鋭いもの。「まだ子どもだから話さなくても大丈夫なはず」「子どもには隠しておいたほうがいいだろう」などと大人が勝手に解釈するのは危険です。
どれほど幼くても、大好きな両親の異変を察した子どもは「いつもと何かが違う」と敏感に感じ取って不安になるものだからです。
離婚を決めた夫婦は、「たとえ別れて暮らすことになっても、この子のよき父親とよき母親でいよう」という意識をしっかり持って、夫婦で協力し合って子どもを育てていく覚悟を決める必要があります。そういった子どもを思う強い気持ちが、子どもの精神状態を落ち着かせたり子どもの成長につながったりすることもあるのです。
だからこそ、子どもには夫婦が離婚することを隠さずきちんと話し、その際に「たとえ別れて暮らすことになっても、あなたのことをいちばん大切に思う気持ちはパパもママもずっと変わらない」と伝えることをおすすめします。
離婚後もしばらくは子どもの様子を注意深くチェックしつつ、新しい環境に慣れてもらえるよう夫婦で力を合わせてフォローしていくことが好ましいでしょう。夫婦だけではなく、義親のサポートもあおぎながら子どもに愛情を注いでいってください。
離婚はしないに越したことはありません。ですが、もしも離婚という決断をしたなら、自分たち夫婦や子どもの成長としあわせにつなげていこうとベストを尽くすことが大切です。
次回は、夫の浮気が原因で別居したものの、「離婚しない」の一点張りの夫との今後に悩む女性からの相談です。
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