【コラム#21】離婚の意思がかたい夫。やたらと強気で離婚を迫ってきて心が折れそう……
更新日: 2023年11月13日
結婚11年目。子どもはおらず、4~5年前からセックスレスだけど夫婦仲は悪くない。ところがある日突然、夫から「別れてほしい」と切り出されて――。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがお悩みに回答します。
ーお悩み相談ー ずいぶん前から離婚を考えていた様子の夫、私は離婚に応じるべき?
学生時代に知り合った夫とは26歳の時に結婚。現在結婚11年目、子どもはいません。
「夫が浮気をしている」と気づいたのは数年前。それまでは一度もなかった泊りがけの出張が月1ペースで入るようになったかと思えば、かたときもスマホを離さなくなったのも事実。
それでも私は、「こっちは40過ぎのオジサンだもの。放っておけば、そのうちほとぼりが冷めるはず」などと軽く考え、気づかないフリをしていました。
平日は二人とも仕事があって忙しいものの、週末は二人で買い物に行ったり食事をしたりするなど、夫婦仲は決して悪いほうではありませんでした。4~5年前からはセックスレス状態で寝室も別でしたが、結婚して10年もたてばどこの夫婦もそんな感じだろうと思っていました。
ところが先月、夫から突然「別れてほしい」と切り出されて唖然としました。「離婚が成立するまで、オレは部屋を借りてそこに住むから」とも。その週末に身の回りの荷物を持って、本当に夫は出ていってしまったのです。
その後まもなく、夫が依頼した弁護士から連絡があって、夫はずいぶん前から私との離婚を考えていたことを伝えられました。
夫は、私が普段から家事に積極的ではなかったことや、私が夫からのセックスに応じなかったことなど私が妻としていたらなかった部分を弁護士に言い募り、自分の浮気を隠しているようでした。
弁護士からの連絡はいつも事務的かつ偉そうな感じで、「なぜ私がこんなにつらい思いをしなければいけないの?」とイライラさせられるばかり。これまでは定期的に入っていた夫婦の口座への生活費も半減しています。
毎日のように続く、夫からの「別れてほしい」というLINEの強迫めいたメッセージや弁護士からの居丈高な連絡に心が折れそうです。条件さえ合えば離婚したほうがいいのでしょうか……。
ー岡野さんの回答ー 「別れたくない」と抵抗するのが本当の幸せかどうか考えて
子どもがいない夫婦生活を10年以上続けてきたのには、二人の努力もあったはず。と同時に、どこかに我慢やあきらめの気持ちもあったのかもしれません。
そんなパートナーへの複雑な感情のなかでも、とくに「無関心」は受けるダメージがもっとも大きいものといってもいいでしょう。
多くの夫は、妻がかわいらしくヤキモチを焼いたり、ときには意見をぶつけたりすることで確認できる「わかりやすい愛情表現」を求めているもの。浮気の一件も、妻にとっては「今さら照れくさいし恥ずかしいから」「大ごとにしたくないから」と夫に問いたださなかったことが裏目に出た可能性もあります。夫は、「妻はもう自分に愛情がないんだ」と思い込んでしまったのかもしれません。
弁護士まで依頼して離婚を要求している以上、ここで妻が夫に「別れたくない」とすがっても、「時すでに遅し」の状態ではないでしょうか。もしもそれでも夫を愛しているというのであれば、愛情の形として「今日までありがとう。お互いの将来の幸せのために、いい思い出にしたいから、この結婚生活に悔いを残さないように円満に終わらせたいです」と夫の弁護士や夫に伝え、相手の気持ちが変わるのを待ちましょう。
もしも、それでも状況が変わらないなら、妻のほうでも弁護士を立てて、代理人を通して自分が幸せになるための条件を話し合うしかないでしょう。「離婚して自由にしてあげる」というのも夫への愛情の形のひとつかもしれないのです。
ここまでキッパリと別れたいという意思表示があり、計画的に弁護士まで立てて離婚話を進めている夫に対し、感情だけで「別れたくない」と何年もかけて抵抗するのは、本当に自分の幸せにつながっているのかどうか、ここで一度しっかり考えるべき時でしょう。
次回は、ダブル不倫をしたら提示された養育費が少なくても泣き寝入りするしかないのかと悩む女性からの相談です。
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この記事は2023年11月13日に公開しました。
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