【コラム#22】離婚する方向で意見は一致。でも慰謝料の話が進まない場合、どうしたら?

更新日: 2023年11月13日

夫婦間で離婚には合意があるものの、夫から提示された慰謝料や養育費が少なすぎる……夫の浮気をきっかけに自身も浮気をした妻は泣き寝入りするしかないのでしょうか? これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがお悩みに答えます。

ーお悩み相談ー ダブル不倫したら養育費が少なくても文句は言えないの?

1歳年上の夫とは結婚8年目、子どもがひとりいる39歳の会社員です。

先日、私たち夫婦は話し合いの末に離婚することにしました。理由は、お互いに好きな人ができたためです。
 
夫婦関係が破綻するきっかけは、夫の浮気でした。2年前、年末に夫が単身で帰省した時、同窓会で再会した学生時代に付き合っていた元彼女と浮気をし、そこからずっと関係が続いているとのこと。

以前と比べて、あまりにも帰省する機会が増えたことに不信感を抱いた私が問い詰めたところ、アッサリ浮気を白状し、「ごめん、でもアイツとは別れらない」と言われてしまったのです。

私は突然のことに動揺し、体調を崩し、メンタルにもダメージを受けてしばらく仕事を休んでいました。そのタイミングで支えてくれたのが、同じ職場で働く2歳年下で独身の今の彼氏です。「話すだけで楽になることもあるから。オレでいいならいつでも聞くよ」と優しく接してくれたのがはじまりで、いつのまにか男女の関係になっていました。

彼氏は、「子どもを引き取るから一緒になろう」と言ってくれています。私もそうしたいので、夫から切り出された離婚話も承諾することにしました。

ところが問題は慰謝料のこと。そもそもこうなった原因は夫の浮気だし、私は子育てをしていかなければならないのに、夫から提示された慰謝料や養育費が少なすぎるのです。

夫いわく、「お前だって浮気をしたのだから文句を言う権利はない」とのこと。私はこのまま泣き寝入りしなければならないのでしょうか……。

ー岡野さんの回答ー 慰謝料や養育費の前に考えるべきは、本当に離婚すべきかどうか

夫婦関係を修復できる可能性が残っているにもかかわらず、「別れるなら子どもが小さいうちに」「1歳でも若いうちに別れたほうが傷は浅く済むのでは」と考えて、早めのタイミングで離婚を決断する人も少なくありません。

ですが、もっともダメージを受けるのは本人たちよりも、子どもだということを忘れてはいけません。小さな子どもを抱えて、パートナーの浮気への腹立たしさやあきらめの気持ちから離婚を決断するのは必ずしもベストな結論とはいえないのではないでしょうか。

まずはお互いに冷静になって、子どもと自分が幸せになるための選択肢をいくつでも考えてみること。そして、時間をかけて心のリハビリや次の人生へのウォーミングアップにつとめた後で、その選択肢のなかからベストワンを決めても遅くはないのです。

つまり、慰謝料や養育費の金額を決める前に、まず「離婚が本当に得策なのか?」を考えることです。相手のペースに翻弄されて、焦って選択をする前に、自分と子どもの幸せについてもう一度しっかり向き合う必要があるのです。自分だけでは自信がない時は、私たちのような夫婦問題のプロに相談するのもおすすめです。

その結果「やはり別れるしかないだろう」という考えにたどり着いたとしても、まだ打つべき手はいろいろあります。たとえば、パートナーには離婚を望んでいないと伝えることで、「慰謝料や養育費の金額を上乗せするから別れてほしい」と申し出てくるケースもあるからです。調停という冷静に話し合える場を持てる場合もあります。

とにかく、慌てたり急いだりして出す結論にいいことはありません。とくに子どもがいる場合は、結論までに熟慮を重ねるに越したことはないのです。

 

次回は、4歳の子どもの親権を互いに譲りたくない場合、どうすればよいかという相談に岡野さんが回答します。

【コラム#23】夫婦どちらも子どもを引き取りたい場合、親権はどうやって決めたらいい?

 

リコ活の夫婦カウンセラーは、あなたの悩みにぴったりのアドバイスを提供します。
https://ricokatsu.com/counselors

この記事は2023年11月13日に公開しました。

その他の記事

離婚、夫婦問題・修復も オンラインで無料相談

離婚なら

弁護士を探す

夫婦問題・修復なら

カウンセラーを探す