【コラム#28】別れた夫と子どもの面会が悪影響を与えていないか心配……
更新日: 2024年04月30日

今回は、小学校3年生のパパ大好きな娘と別れた元夫の面会交流に不満を募らせる方からのご相談。離婚後も教育観の価値観の違いに悩まされるなら、会わせない方がよい……?これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。
ーお悩み相談ー 元夫との面会交流が娘に悪影響を与えていないか心配
離婚後の元夫と子どもの関係で悩んでいる37歳の会社員です。
4年前に離婚して、娘は今、小学校3年生になりました。もともと娘は「パパ大好き」な子どもだったこともあり、これまで月1ペースの面会も今でも楽しみにしています。
私と娘は、元夫からの慰謝料と養育費のほかに私の実家からの援助もあって、さほど生活には困っていません。
いちばんの悩みは、元夫が面会のたびに娘に高額のプレゼントをしたり、子どもにはふさわしくない金額のお小遣いを渡していたりすることです。
たとえば、テーマパークに行くと「好きなだけ買っていいよ」と大きなぬいぐるみをはじめ、抱えきれないほどのお土産を買い与えます。娘が「お寿司を食べたい」とリクエストし、食事に行く時も「子どもの頃から一流の味を覚えさせるのが親の役割だから」と娘がイメージしている回転寿司店ではなく銀座の寿司屋のカウンターで食べさせています。
勉強面でも不安なことがあります。娘が学校で出される宿題の多さを面会の時に嘆いたらしく、「パパが『学校なんて行っても意味がないぞ。それよりパパみたいに好きなことで食べていかれる人間になりなさい』って。もう明日から学校に行かなくてもいい?」と言ってきた時には元夫の無責任な発言に腹が立って仕方ありませんでした。
その日以来、娘の勉強意欲はすっかりそがれてしまい、納得いくまで説明するのにとても時間がかかりました。
先日はさらにキレそうになる出来事がありました。
面会から帰ってきた娘に「今日はパパとどんなお話をしたの?」とたずねたところ、「将来のこと」と。詳しく聞いてみると、「ママみたいなガミガミうるさい女にだけはなるなよ。パパは本当に運が悪かった」と娘に伝えたというのです。あきれてモノが言えませんでした。
こんな調子で面会を続けていたら、元夫は娘に悪影響しか与えないのではと懸念しています。それでも会わせるべきなのでしょうか。
ー岡野さんの回答ー 第三者を入れて、面会時の影響のデメリットを話し合う
夫婦が離婚しても、子どもにとって「大好きなパパとママ」であることに変わりはありません。子どもが父親に会いたい気持ちは止められるものではないですし、子どもの権利を奪ってもいけません。
面会後の報告を聞かされても、子どもに怒ることはできないし、元夫に苦情を言っても変わることは期待できないでしょう。元夫は、離婚後はなれて暮らしてみると、普段できない分、いろいろ子どもにしてあげたくなるもの。悪気はなくても元妻へのグチをもらしてしまうことがあることも理解できなくはありません。
ただし、たしかに教育方針や接し方があまりにも違いすぎると、子どもは迷ってしまうのも事実です。そのことが原因で、子どもの心によくない影響を与えるリスクもあるでしょう。
対策としては、たとえば小学校の担任の先生や信頼できる親戚の人など、第三者をまじえて話し合いの機会を持つのもおすすめです。
子どもの将来を考えた時、甘やかすことがいいことなのか、別れた妻の悪口をもらすことで子どもにどのような影響を与えるのか、といったことを冷静に伝えてもらうようにするのです。
あまりにひどい場合は、子どもの環境をよりよいものにするために、引越しをするという方法もあります。夫との面会の回数が減るような地域に引越すことで、接触の機会は減らすこともできるでしょう。
いずれにしても、自分たちの都合で離婚することになった子どもの将来を真剣に考えるタイミングであることは間違いありません。
次回は、離婚後に復縁を望む女性からのご相談。
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この記事は2024年3月25日に公開しました。
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