【コラム#32】二世帯住宅で問題発生!嫁姑の関係が悪化……

更新日: 2024年05月15日

しっかり者の妻と結婚。両親も妻のことを気に入り、私たち夫婦仲も円満。ところが二世帯住宅で暮らすようになってから不穏な空気が漂います……。嫁姑問題を解決するには?これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。

ーお悩みー 二世帯住宅で妻と私の母の関係がギクシャク……

実家が経営している小さな会社の二代目の私は40歳。2歳年上の妻とは結婚生活14年目で、小学生の息子がひとりいます。

母親が父親の仕事を手伝う環境で育ったせいか、自分も結婚するなら自営業を手伝ってくれる、働きものでポジティブな女性がいいと思っていました。

妻はまさにそんな私の理想をかなえてくれた女性です。結婚してからも、私の仕事の経理部門を手伝ってくれるかたわら、育児や家事もきちんとこなす、しっかりものの妻に両親も大満足。私たち自身も仲のいい夫婦関係だったと自負しています。

そんな私たちがギクシャクしはじめたのは、1年前。二世帯住宅を建てて、私の両親と一緒に住むことになったことがきっかけでした。

よかれと思って共有スペースが多めな間取りにしたのですが、そのせいで母親と妻がぶつかることが増えてしまったんです。私から見ると、「おおげさじゃない?」と思えるようなことですが、妻にしてみれば毎日がつらいものになっているようです。

夫の私としては、母親と妻の間に入って仲裁したいと思うのですが、どちらかの肩を持つようなことになるので上手なフォローができません。母親と妻、両方からの話を聞くのが今のところ精一杯です。

最近は、そんな私に妻が不満を言ってくるようになりました。友人のところでも、嫁姑問題がきっかけで離婚をした夫婦もいるので、「このままではウチもやがて危機を迎えることになるのでは」と不安です。

家業の商売こともあるので、両親とはできるだけうまくやっていかなくてはなりません。かといって、妻を苦しめていることも本意ではないのです。何をどうしたらいいのか悩んでいます。

ー岡野さんの回答ー 妻の気持ちを優先しつつ、母親の顔を立てる行動を

嫁姑問題で、夫がもっともやってはいけないのは「母親の肩を持つこと」です。こちらの相談のケースでは、母親と妻、どちらも大切にしたいと考えている点が立派ですし、うまくいくポイントになるはずです。

とはいえ、このまま何もしないでいれば、そのうち夫婦関係にヒビが入ることは間違いありません。
 
嫁姑問題で悩んだ場合、夫がまずすべきは優先順位を明確にすることです。具体的には、「妻をいちばん大事に考える。その次に母親を大切にする」と覚悟することです。そのうえで、「ではどうしたらいいのか」と考えるようにします。

 今回のケースだったら、「二世帯住宅の共有スペースを小さくするためのリフォームをする」「共有スペースを使う時間帯を分ける」などと、なんらかの対策を立てましょう。ここで、「建てたばかりなのにリフォームなんて、お金もかかるし無理だろう」「両親に悪くて、そんなことを言い出せない」というように及び腰になるなら、妻は「この人は私のことを大切にしてくれないのね」とネガティブにとらえるのです。

思い切って、妻に引越しを提案するのも手です。期間を決めて、賃貸契約で別居してみるのも、妻が「そこまで私のことを大切に想ってくれたのね」と納得できるので、夫婦円満につながります。

もしも引越しの提案をしたときに、妻が「今より狭いところで暮らすことになるなら、ここでいい」と言うかもしれません。そうなれば、「じゃあ、オレも協力するから、このままもう少しがんばってもらえるか?」とお願いすることもできます。

一方で、母親には「今は妻の気持ちを優先することにしたけれど、いちばん大切なのは母さんだから」と気分よく納得してもらえるような優しい言葉でフォローしておくと完璧です。

 

▼次回
【コラム#33】もう妻を女性として見られない……セックスレスは離婚の原因になる?


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この記事は2024年4月19日に公開しました。

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