【コラム#36】夫の暴力やモラハラに対しては離婚するしかないの?

更新日: 2024年09月06日

今回は、2歳と0歳の子どもを抱える育休中の女性からのご相談。夫のDVとモラハラに悩まされているものの、自身に経済力がなくシングルマザーとしてやっていけるのか不安があるとのこと。離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんは離婚ではない選択肢を示します。

ーお悩みー モラハラ・DVに耐えられない…シングルでやっていけるか不安

夫と私は高校の同級生で、結婚3年目。現在30歳。2歳と0歳の子どもがいて、私は育休中です。

私ははじめてお付き合いした相手だったので、「どこの家庭もこんなものなのかな」と漠然と思っていましたが、どうやら私の夫はDV気味でモラハラ夫なのではないかと感じるようになりました。

家事や育児にはまったく手を貸そうともしません。ふたりの子どもはまだ小さくて何をするにも私ひとりでは大変なのですが、夫は早めに帰宅をしても「オレは疲れているんだ」の一点張りで子どもの相手すらしようとしません。
 
ふたり目の子どもができてからは、暴力的な振る舞いが目立つようになりました。私が「子どものお風呂くらい入れてくれてもよくない?」「たまには家事を手伝ってほしいんだけど」などと言おうものなら、壁を殴りつけて穴をあけたり、ゴミ箱や家具を蹴ってボコボコに壊したり、大声で「ふざけんなよ、一日中、家にいるクセに!」と怒鳴ったり……。

それに対して私が少しでも反論しようものなら、夫は逆上し、もっとひどくなります。恐怖のあまり、今の私は言い返すこともできなければ、どちらかの実家に相談することもできずにいます。

子どもたちのことを考えると離婚すべきではないと思うのですが、この先もこのまま同じ生活が続くのは耐えられません。実際、今の私には経済力がないのでシングルマザーとして子育てしていくのも厳しいのです。

それでもやっぱり別れたほうがいいのでしょうか……。

ー岡野さんの回答ー 夫の暴力やモラハラのスイッチを入れない「伝え方」を身につける

意外かもしれませんが、結婚してまだそれほど年数が浅く、子どもが小さい夫婦は離婚の危機にさらされるケースが少なくありません。「子どもが成人してから別れる」「夫が定年退職したら離婚する」という場合だけではないのです。

とくに小さな子どもを抱えた妻は、慣れない育児に疲れきっていることもあって、「子どものお風呂くらい入れてくれてもよくない?」「たまには家事を手伝ってほしいんだけど」などと夫に対する不平不満を募らせがちです。

そんなタイミングで夫に強く要求をつきつけたり、激しく責め立てたりするのは効果的ではないことを知っておきましょう。口が達者ではない夫は、妻に言葉で言い返せない分、暴力やモラハラな態度に出てしまうこともあるからです。

もちろん、暴力やモラハラは断じて許されることではありません。ですが、夫がそういった手段しかとることができなくなるまで、妻が夫を追い詰めてしまっている可能性もあるのです。

妻は、自分自身が夫の暴力やモラハラのスイッチを入れていないかどうか気をつける必要もあります。夫への言葉のかけ方次第では、夫の暴力やモラハラのスイッチがオンにならなずに済むかもしれない、と想像してみましょう。

たとえば「子どものお風呂くらい入れてくれてもよくない?」という妻の言い方にカチンときている夫には、「今夜は子どもをお風呂に入れてもらえるとめちゃくちゃ助かるな」などと頼って見せたり、「たまには家事を手伝ってほしいんだけど」という妻の物言いに激高する夫には「子どもの洗濯ものをたたんでもらえるとうれしい!」と笑顔で甘えてみたりと、こちらが夫の感情の主導権を握り、夫をコントロールするつもりでコミュニケーションをとるのも賢い方法です。

「そこまで夫に下手に出たくない」「なぜ夫にそんなことまで私がしなくちゃいけないの?」と思うより、「こんなことくらいで夫が機嫌よく動いてくれるなら、むしろラッキー!」というスタンスで、夫を上手に活用してみてはいかがでしょう。


▼次回
【コラム#37】酒癖の悪い夫から子どもを守るには別れるしかない?


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この記事は2024年7月5日に公開しました。

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