【コラム#43】夫の会社は儲かっているはず…なのに、なぜ慰謝料がもらえない?
更新日: 2024年11月14日
ベンチャー企業を立ち上げた野心家の夫を13年間支え続けた専業主婦。会社は成功し、二人の子どもにも恵まれた矢先、複数の不倫が発覚。怒りに任せて離婚を切り出すも、夫は「会社にお金がない」と養育費月3万円を提示……業績好調なはずの会社の財務状況に疑問を抱く妻の苦悩に、離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。
ーお悩みー 浮気発覚後の離婚、会社を隠れ蓑にする夫
結婚13年目、小学生の子どもがふたりいる41歳の専業主婦です。5歳年上の夫とは、友人の紹介で知り合い、交際がスタート。結婚前から夫が立ち上げたベンチャー企業を私は手伝っていました。当時から夫は野心家で、そこに惹かれた私は彼の会社が軌道に乗ることを夢見て「この人を支えたい」という思いから結婚を決断しました。
幸運なことに、夫の会社はまもなく大きな業績を上げることができ、私たちの生活は安定しました。ふたりの子どもにも恵まれ、私は安心して専業主婦として夫を支え、子育てに専念する毎日を送っていました。
ところが半年前に、夫が会社の女性と数年間にわたって不倫関係にあったことが発覚。追及するうちに、ほかにも浮気をしていたことが明らかになったのです。これから子どもが成長しているところなのに、「なんて無責任なのだろう?」と憤慨した私は、思い余って「離婚します!」と夫に言ってしまいました。
腹立たしいことに、夫はあっさりと離婚を承諾。あれよあれよというまに私たちの離婚話は
進んでしまったのです。夫からの離婚の条件は、慰謝料ゼロ、子どもの養育費は2人合わせて月に3万円。「お前から言い出した離婚なんだし、オレにはお金がないから仕方ないだろう」というのです。
焦った私はその後いろいろ調べてみたところ、たしかに夫の会社にはお金があまりないようでした。会社の売り上げは伸び続けているのに、私がもらえる月々の生活費が10年前から変わっていないのも謎です。
夫や夫の会社にお金がないはずはありません。どうしたらいいのでしょうか。
ー岡野さんの回答ー 「手ごわい相手」と思って、専門家と相談のうえ戦略を練って
自分のもとを去っていく人に対して、手のひらを返したように冷徹になるタイプの人はいるもの。今回のケースのように、離婚という形で自分から離れていこうとしている妻に「1円だってくれてやるものか」と意地になる夫もいなくはないのです。
夫の主張するふたりの子どもの養育費「毎月合計3万円」は破格の低さです。夫が言う「お金がない」を切り崩す必要があるでしょう。
まずは、自分で行動するのが難しければ知人の助けを借りるなどして、夫の会社の決算書を手に入れたほうがいいでしょう。「儲かっていないはずがない」という根拠を入手するのです。
もちろん、調停に持ち込んで調査してもらう方法もあります。ただ、「儲けがあっても、経費などを計上すると自分の給料はない」「消費者金融からお金を借りて、事務機器をリースしている」などと、お金がないことを言い募ってくる可能性もあるので、事前に専門家と戦略を練っておく必要はあるでしょう。
大切なのは、必要以上に意地を張らせないことです。本来は養育費だけでなく、慰謝料だって請求できる状況です。「手ごわい相手」だと認識し、意地を張らせることなく私たちのようなプロの離婚カウンセラーか法律に詳しい弁護士と相談し、懐柔策を練るなど綿密に計画を立て、慎重に進めていきましょう。
▼次回
【コラム#44】嫉妬と束縛がキツい妻への愛情はゼロ、一刻も早く別れたいが……
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※この記事は2024年11月14日に公開しました
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