【コラム#45】離婚後の家事、恋愛、生き方……「男ひとり生活」の不安をセルフチェック!
更新日: 2025年01月22日

今回は妻から離婚を切り出された男性からのお悩み。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが、離婚を前にした男性の不安にチェックリスト形式でアドバイスします。
ーお悩みー 妻から離婚を切り出されたが、ひとりで生きるのは不安
結婚生活11年目、小学生の子どもがひとりいる40歳の会社員です。先日、妻に「好きな人ができたので別れてほしい」と離婚を切り出されました。
結婚した当初から少しずつできていた「価値観の違い」という夫婦間の溝が、子どもができてから決定的になっていった感じです。僕のほうはそれでも家族三人で生きていくつもりでしたが、妻に言わせれば「何度も考えたけれど、もう無理だと思う」とのこと。
数年前から冷え切っていた夫婦関係のことを会社の同僚に相談しているうちに、その相談相手と不倫関係になったといいます。相手の男性はバツ1で子どもはいません。妻は僕と別れ、子どもを連れて再婚をしたいようです。
この状況だと僕にはもう離婚という選択しか残されていないのかもしれません。ですが、料理や掃除も得意ではないし、この先妻以外に好きな人ができそうにもありません。このまま将来ひとりで生きていくことに不安しかないのですが、どうしたらいいのでしょうか。
ー岡野さんの回答ー 離婚後の暮らしを多角的にシミュレーションしてみる
ここ数年、男性からの夫婦問題の相談が増えています。男性の場合、とくに多いのが離婚後の不安についてです。今回のお悩みのように、「離婚してもひとりで生きていくことができるかどうか」を不安視する男性は少なくありません。
もしも心当たりがあるなら、次のチェック項目に当てはまるかどうか考えてみましょう。
□料理や洗濯、掃除など、ひととおりの家事はできる
□親の介護は責任をもって自分でできる
□家事や介護など自分ではできなくても、サービスを頼める経済的な余裕がある
家事ができないことは、生活力に乏しいということ。これまで妻にまかせきりだった男性は、一度朝起きてから寝るまでの生活で「やるべきこと」「やらなければならないこと」を細かくシミュレーションする必要があるでしょう。親の介護のことも大きな問題のひとつ。
経済力はもとより、体力面や精神面でもタフであることが求められます。
□セックスの相手には困らない
□この先「セックスのない人生」でも問題ない
□なんでも話せる女友だちがいる
この3つの項目のうち、ひとつもあてはまるものがない人は、今のうちから対策を考えたほうがいいでしょう。この先の長い人生をひとりで生きていくのはさびしいことだからです。離婚後、新たなパートナーを求めようともせず、いつまでも過去を悔いたり罪悪感をもったりする人生はおすすめできません。
□離婚が原因で社会的に問題が起きたり信用がなくなったりしても耐えられる
□ひとりでも身なりや食生活が乱れる心配はない
□ひとりでも楽しく生きられる趣味や生きがいと呼べるものがある
世間体やメンツを気にする男性にとって、離婚は体裁がいいものではないでしょう。もしも、離婚を理由に出世や昇進の道が阻まれたとしても、自暴自棄にならずに仕事を続けていくことができるでしょうか。「楽しく、充実した人生」を送ることができるでしょうか。
ここで紹介したチェック項目は、いずれも当てはまる項目の数を気にするものではありません。あくまでも、離婚後の生活をシミュレーションするためのものです。
離婚は自分が自分らしく生きていくための「手段」のひとつ。「目的」になってはしあわせは遠ざかってしまうでしょう。
もしも離婚後の自分が離婚前よりしあわせになれそうだと思えないのであれば、離婚という結論を出す前にもう一度、修復に向けてできる限りの努力をすることをおすすめします。
この記事は2025年1月22日に公開しました
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