【相談#8】ダブル介護の板挟みで冷めていく夫婦関係…何かを諦めなければいけないのか

更新日: 2025年01月24日

看護師、僧侶、スピリチュアルケア師、ケアマネージャー、看護教員の玉置妙憂さんのリコ活相談室。今回は、夫婦どちらの親も介護が必要になり、仕事と介護の両立や、夫婦関係が硬直していくことに悩む50代女性からのお悩み。なにごとも「いい塩梅」でいいと、玉置さんが寄り添います。

【相談】夫婦どちらの親も介護が必要になり、夫婦関係に陰りが……

認知症で要介護2の78歳の義母との同居生活を3年前から始めており、デイサービスや訪問看護など、できる限りのサポートは受けながら、何とか仕事も続けています。

一方、81歳になった私の母も最近体調を崩しがちです。週末は片道2時間かけて実家に通いますが、一人娘の私以外に頼れる人がいない母のことが心配で仕方ありません。母を呼び寄せたい気持ちはありますが、間取り的に難しく、今でさえ義母の介護と仕事の両立で精一杯です。

夫は私の気持ちを理解しようとはしてくれますが、施設入居を勧められ、大ゲンカしてしまいました。それ以降、夫婦関係は日に日に冷めていき、硬直しています。このままでは、介護が終わった後に夫婦として残るものはあるのだろうかと不安になります。

実母の介護か、夫婦関係か、仕事か。何かを諦めなければならないのは分かっていても、その答えが見つかりません。家族の難しさに息が詰まりそうな毎日です。

(50代 女性)

【玉置さんの回答】「白か黒か」で考えなくてよいのでは?

大変なご状況ですね。50・60の世代が直面する社会的な問題だと感じました。とはいえ、公的な制度がしてくれる援助には限りがありますから、最後はやっぱり、自分自身で対応しなければなりません。頭が痛いですね。さあ、ひとつひとつ考えていきましょう。

まずは、夫さんとのことです。はたから拝見するに、親を想う気持ちはお二人とも同じなのだと思います。正直、自分の親を優先したいと思うのも、たぶん同じでしょう。その中で、あなただけが我慢しなければならないとなれば、大ゲンカにもなりますよね。

ただ、意固地になってはいけません。感情が複雑にからまる問題だからこそ、いったんは、感情を排除して考えることが大事です。考える時の軸は「お母さんにとってなにがベストか」です。

たとえばですよ「私だって自分の母親を大切にしたい」「母をないがしろにして義母に尽くすなんて…」「子が親の面倒を見るのは当たりまえ」「母も寂しい思いをしている」「母だって私と一緒に居たいはず」とこんな思いがあったとしましょう。

これ、すべて自分の感情です。それはそれで大事にしたい想いですが、軸にするのはやはり、お母さんのお考えとお気持ちです。もしかしたら、すでにご確認済みの上でのご相談なのかもしれませんが、もし、まだのようでしたら、ぜひ「お母さんはどうしたいのか」をお母様に直接お聞きになってみてください。

そして夫さんと一緒に、どうやったらお母様の希望を実現できるか知恵を絞りましょう。自分の感情を真ん中に置いてしまうと、二人はぶつかってしまいます。「どうすればいいの?」ではなく「どうやったらできるか」なんですよ。

次は、「実母の介護」「夫婦関係」「仕事」どれかを諦めなければならない…という件についてですね。現状に追い詰められた今、そういうお考えになってしまうのはよく分かります。

どんなお仕事をなさっていて、どのようなお立場なのか存じ上げないままにお話ししますので、失礼があったらごめんなさいね。少し、時間軸を広げて考えて見たら活路が見つかるかもしれないと思っています。

お母様は81歳でいらっしゃるでしょう。現実的な話で恐縮ですが、今の状況が何十年も続くわけではありません。もしかしたら、ここ数年の話かもしれません。その数年のあいだ、自分の持ち分(能力・体力・時間)をどう割り振るかの問題です。人生にはいろんな出来事がありましたよね。

でも、自分の持ち分(能力・体力・時間)には限りがありますから、これまでだってその都度、割り振りを考えてやってきたではありませんか。今回も一緒です。どれを捨てるかなんて「白か黒か」で考えなくてよいのでは?力の配分を変えるだけです。やわらかく、柳のようにしなって、折れずにいきましょう。コツは、完璧を求めないことですよ。どんなことも「いい塩梅」でいいんです。

最後は、言葉の使い方について、です。私たちが口にする言葉には、ものすごい力があります。起きている「出来事」は、単なる「出来事」なんですが、それを言葉にして語ったとたんに、「出来事」にその言葉の色がつきます

たとえば、人がたくさんいる店の中を見て「混んでいる」と言うのと、「にぎわっている」と言うのではずいぶん違うでしょう?そこなんです。「冷めている」「硬直している」「不安」「難しい」「息が詰まる」。

これは起きていることの事実ではなくて、あなたが選んで使っている言葉です。でも、こういった言葉を使うから、その色がついてしまうのです。「そんなこと言ったって実際大変なんだから!」そうですよね。分かっています。でもぜひ、試しにやってみてください。使う言葉を変えてみて。

さ、ずいぶんと勝手なことばかり言いました。これに懲りずに、またいつでも、話しに来てくださいね。


※この記事は2025年1月24日に公開しました。

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