【別居体験談】息苦しい生活に終止符!三ヵ月かけて別居準備 やっと手に入れた“穏やかな暮らし”

更新日: 2025年04月03日

コロナ感染をきっかけに夫婦関係が崩壊し、幼い息子を抱えながら「息苦しい結婚生活」から脱出を決意した離婚調停中の30代ワーママ、加藤あゆみさん。お子さんの幼稚園探しと並行して進めた別居準備から、苦労の末に手に入れた"穏やかな暮らし"まで。今回は「別居」をテーマに加藤さんの体験談を執筆いただきました。

東海地方に住む離婚調停中の30代ワーキングマザーの加藤あゆみです。
現在、地方局の記者として働きながら、二歳の息子を育てています。育児に仕事に目まぐるしい日々を過ごす一方、一年にわたり離婚調停を続けています。実体験に即した離婚に関する情報を発信することで、夫婦問題に悩む方のお役に立てればと思います。
解決の糸口になることを心から願っています。

出産後、夫婦関係が悪化し、家庭内別居状態に。息苦しい生活から脱したいと思いつつも、幼い息子のために別居に踏み切れませんでした。しかし、ある出来事きっかけに別居を決意。フルタイム勤務の仕事をしながら、三ヵ月かけて新居や、息子の幼稚園を探し、行政手続きなどを進めました。

別居準備については、弁護士や行政の窓口に確認。児童手当の振込先を夫から自分に変更する手続きなど、盲点となっていることも多く、入念な情報収集が功を奏しました。また、夫に別居を伝える方法やタイミングはカウンセラーに相談。新生活に慣れるまでは苦労しましたが、今は息子とともに笑顔で穏やかに暮らせています。

きっかけはコロナ感染 夫婦の協力関係崩壊で「同居は無意味」と悟る

結婚三年目、夫に不信感を抱く出来事が重なり、全く会話をしない家庭内別居状態に。息が詰まるような生活でしたが、幼い息子のために別居に踏み切れずにいました。当時は、育休からの職場復帰や息子の保育園入園なども重なったこともあり、仕事や育児に追われて、別居のタイミングを掴めずにいました。

そんな時、私と息子がコロナに感染。高熱が続き、食事もままならず、藁にもすがる思いで、夫に連絡。「コロナで辛いので、早く帰ってきてほしい」と送ったメッセージは既読にならず、夫は泥酔状態で深夜に帰宅。返信はないまま、翌日も飲みに出掛けて行きました。

家庭内別居とはいえ、緊急事態でさえ助け合うことはできないのだと絶望。すでに夫婦の協力関係が完全に崩壊していることに気づき「これ以上の同居は無意味」と悟りました。熱に苦しむ息子を看病しながら、別居を決意しました。

重要なのは“入念な情報収集” 想定外の事実発覚で弁護士に相談

別居に向け、真っ先にしたことは情報収集です。別居前にしておくべきことについて、ネット記事などを読み漁りました。法律事務所の記事には「同居中に夫の収入や財産の把握をすることが重要」と明記されていました。

そこで、夫名義の口座を確認すると、想定外の事実が発覚したのです。

住宅ローンの返済用として、夫と私で毎月一定額を入金するためにつくった夫名義の口座から、繰り上げ返済用に貯めていたお金が数百万円引き落とされていました。さらに調べていくと、夫が投資用マンションを購入していたことが発覚。

夫は無断で貯金を投資などに使っていたのです。これには愕然。想定外の事態に不安になり、自己流の情報収集だけではなく、法律の専門家などに相談しながら、別居準備を進めようと決めました。

まず、弁護士相談を申し込み、婚姻費用請求や財産分与で必要な情報について確認。別居時に持ち出すもののリストを作成しました。また、最後に家を出る時には、残していく貴重品や家具家電の写真を撮ることも教わりました。別居中に勝手に処分されたり、売却されたりした場合の証拠になるからです。念には念を入れて行動しました。

また、自治体の市民相談も受け、やっておいた方がよい行政手続きを教えてもらいました。盲点となっていたことも多く、私の場合は、世帯分離や児童手当の振込先を夫から自分に変更する手続きを行ないました。

フルタイム勤務の仕事とワンオペ育児をしながら、必要な書類を作成し、役所の窓口に行くのは苦労しましたが、別居に伴う不安を事前に少しでも解消しておきたいという一心で、淡々と取り組みました。

最難関の「新居探し」と「幼稚園探し」 約三ヵ月かけて同時進行

別居で最も苦労したのが「新居探し」と「幼稚園探し」です。息子を寝かしつけた後に、ネットで物件情報をチェックし、不動産会社に内覧を依頼。仕事の昼休憩に、息子の転園先の候補になりそうな園に見学希望の連絡。休日は、物件を見て回り、幼稚園の説明会に参加。新居と幼稚園の距離を考慮しなければならないため、どちらも同時進行で探し回りました。

優先して決めたのは、幼稚園でした。途中入園になるため、受け入れ枠や入園可能時期が重要だったからです。また、ワンオペ育児になるため、預かり保育の時間や保護者参加行事の頻度、園バスの有無なども調べ、最終決定しました。入園前の面接で、先生方に別居することや家庭状況を伝えたところ「お母様が笑顔でいられる選択をするのが一番だと思います」と声を掛けていただき、心が救われました。

幼稚園が決まったので、職場や実家との距離を考慮して、新居の候補物件を絞り込みました。運よく理想の条件をすべてクリアする物件に出会い、内覧した当日に契約しました。息子の入園の一カ月前には入居できるよう手続きを進め、早めに家具家電を購入して、水道や電気、ネットを使えるようにするなど、生活環境を整えました。

また、週末は新居で息子とともに過ごし、新しい家に徐々に慣れてもらうよう意識しました。引っ越しと転園という大きな環境の変化での負担を少しでも減らせたらと思いましたが、二歳という年齢もあり、新しい家や園に興味津々の様子で安心しました。子連れの別居の場合、子どもの年齢や性格に応じたフォローが必要だと感じます。

夫への伝え方とタイミングに悩む・・・カウンセラーの経験値に頼る

別居準備もいよいよ最終段階に差し掛かかると「夫にどう伝えるべきか」という悩みが出てきました。夫は感情的になると、何をするか分からないという恐怖心がありました。過去に私が別居の意向をそれとなく伝えた際、深夜に息子を連れて出て行き、音信不通になり、警察に相談したことがあったからです。

別居の伝え方やタイミングは慎重に考える必要がありました。なるべく穏便に済ませたいので事前に伝えた方がいいと思いつつ、妨害される不安もありました。

そこで、別居の相談実績が豊富なリコ活のカウンセラーのカウンセリングを受けることにしました。真っ先に言われたのは「別居前に伝えてはダメ。新居に移動して安全を確保してから、口頭ではなく文章で伝えて」ということ。実父など第三者に伝えてもらう選択肢も教わりました。夫婦関係次第ですが、必ずしも事前に伝えることが最適解ではないのだと学びました。

夫への伝え方やタイミングを間違うと、スムーズな別居のために費やした時間や労力が無駄になってしまう可能性があります。悶々と自問自答を繰り返すのではなく、素早く経験値の高いカウンセラーの助言を受けて正解でした。カウンセラーからは、別居後の子どもとの関わり方、幼稚園にお願いすべきことなど多面的なアドバイスをもらうことができました。

別居を開始!感情に向き合い、やっと手に入れた“穏やかな暮らし”

満を持して、引っ越しを実行。別居により生活は大きく変わりました。通勤にかかる時間が三倍になり、新しい幼稚園の準備も増えたので、逆算して動かないと時間が全く足りません。

最初の一カ月はとにかく慣れることに必死でした。二か月目は、徐々に慣れてきたものの、思い通りにいかない事がもどかしく、以前の生活と比較してしまうことも。一方で、安心安全な生活を確保でき、息子との貴重な時間を堪能できるようになりました。次第に、泣いたり笑ったり、自分でも驚くくらい喜怒哀楽を表現するようになっていきました。

精神的に疲れているのかもしれないと、再びカウンセリングを予約。「別居後、様々な感情が溢れてきて、言葉や態度に表れてしまうことがある」と相談すると「それは、良いことですね。これまでの家庭内別居の状態では、自分の感情を押し殺し、蓋をし続けていたと思う。だからこそ、今は様々な感情が出て、表現できるようになったのではないですか」と言われました。その発想は全くなかったので、衝撃でした。同時に、心から安堵しました。

息子を出産した時「この子と一緒に、泣いたり笑ったりしながら成長していこう」と心に決めたことを思い出しました。別居を覚悟できずに、現実逃避を続けていたら、今の穏やかな生活は実現していませんでした。別居=離婚ではありません。別居は、自分の感情に向き合い、どんな人生を送りたいのか再考するきっかけになると感じます。

 

※この記事は2025年4月3日に配信しました

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