「離婚したい」を鵜呑みにしない たった一度で涙を笑顔に変えるカウンセリング
更新日: 2024年04月23日
最初は離婚を望んでいたはずの依頼者が、「もう少し頑張ってみる」と笑顔でカウンセリングを終えることがよくあるという夫婦カウンセラーの上野敬子さん。ご自身も二度の離婚を経験し、長らくつらい思いを経験してきたからこそ使命感を持って日々、カウンセリングに臨んでいると話します。
1回のカウンセリングで涙から笑顔に
――カウンセリングでこだわっている部分について教えてください。
カウンセリングでは、ご相談者さんの最初の言葉だけを鵜呑みにせず、その奥にある本当の気持ちや考えを引き出すことを心がけています。
最初に「離婚したい」とお話されていても、しっかりとご自身のお気持ちに向き合っていただくと、最後には「もう一度頑張ってみます」とカウンセリングを終えられる方が意外にもすごく多いのです。
最初に「離婚したい」とお話されていたのは、意地になって自分の本当の気持ちにフタをしている場合もあります。でも、お話を聞いた上で真意を探る質問をしたり、将来のことを真剣に考えてもらったりすると、「今は離婚のタイミングではない」と気付く方もいるんです。
――上野さんのカウンセリングスタイルについてお伺いしていきます。ご夫婦お二人と進める夫婦カウンセリングはどのように進めるのですか?
夫婦カウンセリングの場合、最初に奥様40分、次に旦那様40分、最後にお二人揃って40分という120分コースが多いです。
お互いの認識がズレていたり、思いがきちんと伝わっていなかったりすることがあるので、それぞれにお話を聞いて課題を浮き彫りにし、最後にお二人揃ってすり合わせる作業をします。
――同居、別居どちらが多いですか?
同居の方々です。オンライン上で、別々のお部屋から面談されているケースが多いですね。
――ケースバイケースだとは思いますが、カウンセリングは大体何回くらいで終わるものなのでしょう?
私の場合は、夫婦カウンセリング、お一人のカウンセリングに限らず、1、2回と早期に終了することが多いです。
今後どうしていきたいかについて、私が提案するのではなくご本人に考えていただくスタイルを大事にしているので、ご本人の中で目標が明確になるのだと思います。
カウンセリングの最初は泣いていても、最後は笑顔で終えていただけることが何より嬉しいです。
苦難を乗り越えたからこそ、一人でも多くの人を「笑顔に戻したい」
――上野さんは国際結婚・離婚をご経験されおり、国際カップルのご相談も積極的に受けていますが、国際結婚ならではの難しさについて教えてください。
やはり文化の違いは大きいです。一概には言えませんが、外国の方は個人主義を重んじている方が多くいらっしゃいます。そのため「自分が一番大事」という考えに至りやすい。
そのため、「ご自身を大事に思うように、家族のことも大事にしなければ家族は成立しない」ということを前提としてご理解いただくステップが必要だと感じます。
また、外国で生まれ育った方と日本人のご夫婦では、子育てにおける価値観のすり合わせが難しくなるケースが多々ありますが、「日本で子育てをする以上は日本の文化や慣習をご理解いただいた方がよいのではないでしょうか」とお伝えしています。
たとえば日本人の妻が「日本ではこうなのよ」と言っても、夫に「それはお前の意見だろう」と返されてしまう。そこへ第三者であるカウンセラーが介入して、日本の子育て文化についてお伝えすると、ご納得いただけることが多いんですよね。
――上野さんが大事にしている言葉を教えてください。
「乗り越えられない壁はない」です。
人生の中でつらい時期ってあるじゃないですか。でも、神様は絶対に人間を潰そうなんて思っていないはずです。それはきっと、強く生きるための試練であって、その時の自分に必要なつらさなんですよ。だから、どんなにつらくても絶対に乗り越えられると思っています。
――カウンセラーとして、今後どのように活動していきたいと考えていますか。
私自身、二度の離婚を経験し、どうしたらいいかわからず先が見えない状態が長く続いた時期もありました。過去の私のような思いをしている方を助けたいという使命感を持ってカウンセラーになったので、一人でも多くの方を「笑顔に戻したい」と思っています。
【夫婦問題に悩むあなたへ】勇気を出して一歩を踏み出して
――最後に、夫婦問題に悩まれている方に向けて一言お願いします。
まずは一歩、踏み出してください。その一歩が人生を明るい方向に変える一歩になるはずです。勇気を出して踏み出せば、今のつらい現状から絶対に抜け出せます。
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