
夫から日常的に否定されたり、強い言い方で責められたりしていると、「どう対応すればいいのかわからない」「モラハラ夫にも弱点はあるのだろうか」と考えることもあるでしょう。
モラハラをする人は、家庭では強気に振る舞っていても、周囲からの評価や孤独、自分の非を認めることなどを苦手とする場合があります。
本記事では、モラハラ夫に見られる5つの弱点を整理したうえで、振り回されないための対処法や、モラハラに悩んだときにしておきたい準備、別居・離婚を考える場合のポイントについて解説します。
この記事でわかること
・モラハラ夫に見られる5つの弱点
・モラハラ夫に振り回されないための対処法
・モラハラに悩んだときにしておきたい準備
・別居や離婚を考える場合のポイント

弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。
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経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。
※法律関連の記述については丸の内ソレイユ法律事務所の監修を受けています。
遠藤 裕子
これまで4,000人以上の夫婦問題に向き合ってきた夫婦カウンセラー。元大手探偵社勤務という異色の経歴を持つ。現場で培った豊富な経験、知識による多角的な現状分析や、弁護士・探偵等、専門機関を経済的かつ効果的に活用する具体的な解決策を提案。
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一方で、自身も夫の浮気を経験。傷ついた心を癒し、最高の夫婦関係を再構築した経緯から、性愛心理、脳科学をカウンセリングに導入。傷ついた心に寄り添いながら、確実な関係修復が成せるサポートに定評がある。
【保有資格】
- 日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
- NLPマスタープラクティショナー
- LABプロファイルプラクティショナー
- ホームカウンセラー

モラハラ夫の弱点とは?よく見られる5つの特徴

モラハラ夫は、妻や子どもに対して強い態度を取ったり、自分の考えを押し通そうとしたりすることがあります。しかし、いつでも自信に満ちているとは限らず、苦手とする状況や相手もあるのです。
ここでは、モラハラ夫に見られる5つの弱点を紹介します。
1. 無視や無反応に弱い
モラハラをする夫の心理には、自分の優秀さや強さを認めてほしいという承認欲求が関係していることがあります。妻に自分の言い分を認めさせたり、自分の考えに従わせたりすることで、優位な立場にいることを確かめようとするのです。
ところが、妻が言葉に関心を示さず、期待する反応も返さなければ、思いどおりにはなりません。
妻から頼られたい、尊敬されたいという気持ちが強い人ほど、無反応でいられることを苦手に感じるでしょう。不機嫌になったり、さらに強い言葉を使ったりして、何とか反応を引き出そうとすることもあります。
2. 自分より強い立場の人に弱い
家庭では妻や子どもに高圧的なのに、会社の上司や年長者の前では態度がまるで違う。このように、相手との力関係によって接し方を変える人もいます。
自分に反論しにくい立場の相手には強く出る一方、自分より立場が上だと感じる人には強気な態度を取りにくくなるためです。
たとえば、妻が何度伝えても聞き入れなかったことを、両親や義父母、先輩、会社の上司などから指摘されると、あっさり態度を変えることも。誰に対しても同じように振る舞うわけではなく、相手との関係を見ながら態度を変える点は、モラハラ夫の弱点のひとつといえるでしょう。
3. 世間体や周囲からの評価に弱い
家の中では妻を責めたり強い口調で話したりする一方、外ではよき夫、よき父親として振る舞う。モラハラ夫には、こうした家庭内と外での態度の違いが見られることがあります。
背景にあるのが、世間体や周囲からの評価への意識です。「優しい旦那さん」「家族思いのお父さん」と思われている場合、妻がモラハラについて相談しても、周囲から「そんな人には見えない」と受け取られることもあるでしょう。
離婚を切り出されたときにも、夫婦関係そのものより「周囲からどう見られるか」を気にする人がいます。モラハラを指摘されても否定したり、妻に原因があると主張したりするのも、自分の評価を守ろうとする姿勢の表れと考えられるでしょう。
4. 孤独や見捨てられることに弱い
妻が友人と食事に出かけると不機嫌になる、交友関係に細かく口を出す、外出する理由をしつこく聞く。このような束縛の背景には、妻が自分から離れていくことへの不安が隠れている場合があります。
一見すると、妻を自分の思いどおりに動かそうとしているだけに見えるかもしれません。しかし、相手への執着が強く、一人になることや、妻との関係が遠のくことを恐れている場合もあります。
5. 自分の弱さや非を認めることが苦手
モラハラ夫には、自分の間違いや弱い部分を受け入れることが苦手な傾向も見られます。失敗しても謝らず、「お前が悪い」「自分は悪くない」と相手に責任を向けることもあります。
そのため、妻から欠点を指摘されると、素直に受け止めるよりも、言い訳をしたり責め返したりすることがあります。自分の正しさを強く主張するのも、非を認めたくない気持ちが関係しているのかもしれません。
モラハラ夫の弱点を知ったうえでの対処法

モラハラ夫の弱点を知っても、そこを突いて仕返しをしたり、言い負かそうとしたりすれば状況がよくなるとは限りません。反発が強まり、かえって言動がエスカレートすることもあります。
大切なのは、夫を思いどおりに動かすことではなく、自分が必要以上に振り回されないことです。ここからは、モラハラ夫と接するときに意識したい対処法を紹介します。
必要以上に反応せず受け流す
モラハラ夫は、自分の優位性を示そうとして、妻に執拗に文句を言ったり指図したりすることがあります。こうした言葉を一つひとつ真に受けて反論していると、やり取りが長引き、精神的にも疲れてしまいます。
夫が何を言ってもすべてに応じる必要はありません。「そうなんだね」「そういう考えなんだね」などと短く返し、それ以上やり取りを広げない方法もあります。夫の言い分を受け入れるという意味ではなく、すべてに反応せず、その場の応酬を長引かせないための対応です。
また、夫の主張に矛盾を感じても、理詰めで論破しようとすると話がすり替わったり、別のことで責められたりすることがあります。その場で勝ち負けをつけようとせず、話し合いにならないと感じたら会話を切り上げるのも一つの方法です。
受け入れられない言動には線引きをする
モラハラ夫の言動を受け流すことと、何を言われても我慢することは同じではありません。
人格を否定するような発言や強い威圧など、受け入れられない言動に対しては、「そのような言い方では話を続けられない」「落ち着いて話せるときに話したい」など、自分の意思を伝えることも必要です。
感情的に責め返すのではなく、どのような言動が受け入れられないのかを明確にします。夫の態度に引きずられず、自分の考えや境界線を保つための対応です。
ただ、意思を示したことで夫が激しく怒ったり、暴力や強い威圧につながったりするおそれがある場合は、無理にその場で伝える必要はありません。安全を確保することを優先しましょう。
一人で抱え込まず第三者に相談する
家庭内でモラハラが続いていると、その状況に慣れてしまい、「自分にも原因があるのではないか」「この程度で相談してよいのだろうか」と迷うことがあります。
判断に迷ったときは、信頼できる家族や友人などに話してみるのも一つの方法です。第三者に状況を聞いてもらうことで、夫婦の間では当たり前になっていた言動を客観的に見直せることがあります。
身近な人に話しにくい場合は、専門の相談窓口を利用する方法もあります。また、別居や離婚を考え始めているなら、今後の進め方について弁護士に相談することも可能です。
まだ夫との関係をどうするか決めていなくても、相談することはできます。まず自分が置かれている状況を整理するところから始めてもよいでしょう。


モラハラ夫との関係に悩んだときにしておきたい準備

モラハラが続いていても、すぐに別居や離婚を決められるとは限りません。今後どうするか迷っている段階でも、夫の言動を記録したり、生活に関わる情報を確認したりしておくと、状況を整理するのに役立ちます。
ここでは、今のうちにできる準備を2つに分けて紹介します。
モラハラと感じる言動を記録する
モラハラが続いている場合は、夫からいつ、どのような言動を受けたのか記録しておきましょう。あとから経緯を振り返るだけでなく、別居や離婚について相談するときに状況を説明する材料にもなります。
録音や日記で記録を残す
モラハラ夫との会話は、スマートフォンの録音機能などを使って記録する方法があります。特に暴言や人格を否定するような発言は、実際のやり取りがわかる形で残しておくとよいでしょう。
また、日々の出来事を日記やメモに残しておけば、いつ、何があったのかを時系列で整理できます。LINEやメールでのやり取りも、削除せず保存しておきましょう。
診断書や相談記録も残しておく
モラハラによる心身の不調で医療機関を受診した場合は、診断書などが状況を説明する資料になることがあります。専門機関へ相談した場合も、相談した日時や内容を記録しておくとよいでしょう。
こうした資料が離婚調停や裁判でどのように扱われるかは、内容や夫婦の状況によって異なります。どのような記録を残すべきか迷う場合は、弁護士に確認する方法もあります。
また、記録が夫に見つかることで危険が生じるおそれがある場合は、保管場所にも注意が必要です。自宅以外の安全な場所や、本人だけがアクセスできる場所に保存するなど、状況に応じて保管方法を考えましょう。
生活費や財産・重要書類を確認しておく
別居や離婚を考えているなら、現在の生活費や夫婦の財産についても確認しておきましょう。
まず把握しておきたいのは、毎月どのくらいの生活費がかかっているのか、夫婦それぞれにどの程度の収入があるのかという点です。預貯金や不動産、保険など、夫婦が保有している財産についても、わかる範囲で整理しておくと今後の見通しを立てやすくなります。
通帳や給与明細、保険証券などの資料がある場合は、内容や保管場所を確認しておくとよいでしょう。あわせて、本人確認書類や健康保険に関する書類、子どもの学校や医療に必要なものなど、日常生活で使う重要書類がどこにあるかも把握しておきます。
今すぐ別居すると決めていなくても、家計や必要な書類の状況を知っておけば、実際に生活を分けることになったときに準備を進めやすくなります。
モラハラ夫との生活がつらい場合は別居・離婚も選択肢

夫との生活に精神的な負担を感じ、このまま関係を続けることが難しいと考えるようになったら、別居や離婚も選択肢になります。
ここでは、別居や離婚を考える際に知っておきたいことを見ていきましょう。
一緒にいることがつらい場合は別居を検討する
別居は、夫と生活する場所を分けて物理的に距離を取る方法です。すぐに離婚するかどうかを決められなくても、いったん離れることで、今後について落ち着いて考えられることもあるでしょう。
別居を検討するときは、安心して過ごせる場所を確保することが大切です。子どもと一緒に家を出る場合は、住まいだけでなく、学校や保育園など今後の生活についても考えておく必要があります。
別居後の生活費について話し合いがまとまらない、あるいは夫と話し合うこと自体が難しい場合は、家庭裁判所に婚姻費用の分担を求める調停や審判を申し立てることもできます。
また、別居期間だけで離婚できるかどうかが決まるわけではありません。離婚訴訟では、別居の状況を含め、夫婦関係がどのような状態にあるのかが個別の事情に応じて判断されます。
夫から暴力や脅しを受けているなど、身の危険を感じる場合は、別居について無理に本人と話し合う必要はありません。自分や子どもの安全を優先して行動しましょう。
話し合いで離婚できない場合は離婚調停を利用する
モラハラ夫との離婚では、夫婦だけで話し合おうとしても、妻の意見を聞き入れてもらえなかったり、話の途中で責められたりして、思うように進まないことがあります。
こうした場合は、家庭裁判所の離婚調停を利用する方法があります。調停では第三者が間に入り、双方の話を聞きながら合意を目指すため、当事者だけでやり取りを続ける必要はありません。
裁判所での調停以外に、ADR(裁判外紛争解決手続)という選択肢もあります。ADRは、公正中立な第三者が間に入り、裁判によらず話し合いによる解決を目指す手続きです。家族に関する問題を扱う認証ADR事業者もあります。利用できる内容や費用などは機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
調停でもまとまらない場合は離婚訴訟を検討する
離婚調停を行っても合意に至らず、不成立となることがあります。その場合、離婚を求めるのであれば、家庭裁判所に離婚訴訟を起こすことを検討します。
調停が夫婦の話し合いによる解決を目指す手続きであるのに対し、訴訟では双方の主張や提出された証拠などを踏まえて、裁判所が離婚を認めるかどうかを判断します。
モラハラを理由に離婚を求める場合も、「モラハラがあった」という主張だけではなく、どのような言動が続き、夫婦関係にどのような影響が生じていたのかを具体的に整理しておくことが大切です。
離婚訴訟まで見据える状況になったら、これまでに集めた資料で何を説明できるのか、ほかに準備すべきものがあるのかを含め、弁護士に相談して今後の見通しを確認するとよいでしょう。


まとめ|モラハラ夫の弱点を知り、自分を守るための対応を考えよう

ここまで、モラハラ夫に見られる5つの弱点や、言動に振り回されないための対処法、モラハラに悩んだときの準備、別居や離婚を考える場合のポイントについて解説しました。
この記事のポイントをまとめると、次のとおりです。
- モラハラ夫は、無反応や世間体、孤独、自分の非を認めることなどを苦手とする場合がある
- 弱点を突いて言い負かすのではなく、必要以上に反応せず、受け入れられない言動には線引きをする
- モラハラが続いている場合は、夫の言動を記録し、生活費や財産、重要書類も確認しておく
- 一緒に暮らすことがつらいときは、別居して物理的に距離を取る方法もある
- 夫婦だけで離婚の話し合いが進まない場合は、離婚調停やADR、弁護士への相談も選択肢になる
モラハラ夫の弱点を知ることは、相手を攻撃するためではなく、自分が振り回されないための対応を考えることにつながります。
夫との関係をどうするかすぐに答えが出なくても、自分や子どもが安心して生活できることを優先しながら、今後について考えていきましょう。

