
モラハラ夫の言動に苦しむ妻の多くは「もう何を言っても無駄」と諦めを感じているのではないでしょうか。確かにモラハラ夫の多くは知的で言葉巧みな傾向があり、妻が意見を述べても執拗な反論や精神的攻撃で追い詰めてしまいます。しかし、一見強気で攻撃的なモラハラ夫にも、実は明確な弱点が存在します。この記事では、モラハラ夫の心理的特徴を理解した上で、その弱点を活用した効果的な対処法をご紹介します。状況を改善できない場合は、別居や離婚といった次のステップに進むための準備としても役立つ情報をお伝えしていきます。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
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自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
- 日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
- NLPマスタープラクティショナー
- LABプロファイルプラクティショナー
- ホームカウンセラー

モラハラ夫を黙らせる5つの弱点
モラハラをする人が妻や子供、会社の部下などに対して容赦ないのは、自分の優位さや力を誇示して、満足したいからだと言われます。裏を返せば、自分に自信がなく、常に自分の立場を確認しておかないと安心できない小心者だということです。
実際、自分より強い人間に対しては従順なことが多く、気が強い女性や自分より収入が高い女性を嫌がるという一面もあります。こうしたコンプレックスがモラハラ夫の弱点と言えるでしょう。具体的に、どのようなときに弱点を露呈するのか、紹介します。
1.自分より強い人に頭が上がらない
モラハラする人が攻撃の対象とするのは、妻や子供、仕事の部下など自分より立場の弱い人です。自分より立場が強い人、気が強い人に対しては従順で逆らいません。常に自分の立場を意識していて、それが弱点だと言えます。
このため、妻がいくら言っても言う事をきかないのに、両親や義父母、先輩、会社の上司などに強く言われると、すぐに従う傾向があります。また、妻のほうが気が強かったり、収入が多かったりしても、モラハラできません。
2.無視されると傷つく
モラハラをする夫の心理の1つに承認欲求があります。これは自分の優秀さや強さを認めてほしいという欲求です。モラハラ夫は、妻に自分の言い分を正しいと認めさせ、屈服させることで承認欲求を満たしているのです。このため、妻が夫の言うことに関心を示さなかったり無視したりすると、欲求が満たされず傷ついてしまうという弱点があります。
もともとモラハラをする人は、自分に自信がなく、人から賞賛されたいと思っています。妻に対しても、頼りにされたい、尊敬されたいと思っています。このため、妻を支配しようとするのです。それなのに妻が無反応だと、自分がどのように評価されたのかがわからず、ひどく落ち込んでしまいます。
3.孤独に耐えられない
周囲から賞賛されたいモラハラ夫は、孤独を嫌がる傾向があります。1人だと、自分の優秀さを確認する相手がおらず、自尊心も満たされないからです。また、妻を束縛しようとしたり、執着心が強かったりするのも、一人になるのを恐れているといえます。
妻が夫以外の友人と話をしていたり、友人と食事に出かけたりすると、不機嫌になったり怒ったりしないでしょうか。モラハラ夫はいろいろと理屈をつけて、文句を言いますが、それは妻が自分から離れてほしくない、一人ぼっちにしてほしくないという弱さの裏返しです。
4.世間体を気にする
自分に対する評価を気にするモラハラ夫は、世間体を気にする傾向にあります。家の外では、よき夫、よき父親として振る舞い「優しい旦那さん」「家族思いのお父さん」と見られたいのです。実際、妻が周囲に夫のモラハラを訴えても信じてもらえなかったという話はよくあります。
妻から離婚を切り出されたときに、世間体を気にしてなかなか離婚に同意しないケースもあります。また、モラハラの加害者であると周囲に見られるのを恐れ、絶対にモラハラを認めようとしないのも特徴です。
5.自分の弱さを受け入れられない
モラハラ夫が常に強気な態度で、自分の正しさを主張するのは、自分の弱さを隠し、取り繕うためです。裏を返せば、自分の弱さに向き合い、それを克服する勇気がありません。自分の失敗を他人のせいにする傾向もあります。それだけ劣等感やコンプレックスが強く、自分に甘い性格だともいえるでしょう。
このため、妻から自分の欠点や弱さを指摘されると、烈火のごとく怒りだします。自分の弱さを認めたくないがため、虚勢を張り、さらにモラハラ行為がエスカレートすることもあります。自分の弱さを認められないことが、モラハラ夫の最大の弱点かもしれません。
モラハラ夫の弱点を突いて黙らせる対処法

モラハラ夫は一見強気に見えますが、実は心理的な弱点を抱えています。では、こうした弱点をどのように活用すれば良いのでしょうか。
ここからは、モラハラ夫の言動をコントロールし、精神的暴力から自分を守るための具体的な対処法をご紹介します。
黙らせたいときは「見限る」
モラハラ夫は自分の優位性を誇示したくて、妻に対して執拗に文句を言ったり指図したりしてきます。そんな夫を黙らせる効果的な方法は、完全に興味を失ったような態度で接することです。
例えば、夫が何を言っても「ふーん」「そう」と素っ気なく返し、しつこく攻撃してきた場合は「細かいことばかり気にする人なのね」「一度言えば分かるのに」と、軽く受け流します。さらに「もうあなたに期待するのは止めました」「あなたの言うことを真剣に聞く気持ちはなくなりました」と、完全に見限ったような態度を示すのです。
これは夫への精神的な仕返しとして非常に効果的です。なぜなら、モラハラ夫の多くは「見捨てられる不安」を抱えているため、妻から完全に関心を失われることに強い恐怖を感じるからです。妻の冷淡な態度に、夫は心理的な打撃を受け、居ても立ってもいられない状態に追い込まれるでしょう。
自分の意見を通したいときは「理詰め」
モラハラ夫は、自分の考えを一方的に押し付け、妻に従わせようとする傾向があります。自己肯定感が高く、知的な面もあるため、一見論理的な主張をしてきますが、ここは理詰めで反論することが効果的です。
例えば「なぜ、あなたの意見だけが正しいと言えるのですか?」「一方的な決定で上手くいかなかった場合、どのように責任を取るおつもりですか?」と、冷静に根拠や覚悟を問いかけてみましょう。
すると意外なことに、モラハラ夫の主張は論理性を失い始め、「俺を信じていないのか」「お前のために言ってるんだ」という感情的な言い訳に変わっていきます。
そこで「では、あなたは私のことを信頼していないということですか?」「自分の人生を自分で決める権利はないのでしょうか?」「それは、あくまでもあなたの個人的な意見ですよね」と返すことで、夫の不当な言動を効果的に仕返しすることができるでしょう。
小ばかにされたくない時は「受け流す」
モラハラ夫は自身の優位性を誇示するため、しばしば妻を見下すような言動をとります。こうした精神的暴力に疲れ果てたとき、相手の言葉を巧みに受け流す技術が効果的です。
例えば、夫が妻に意見を求めてくる場合、それは多くの場合モラハラの罠となっています。夫に同意すれば「自分で考えることもできないのか」と軽蔑され、反対意見を述べれば「何も分かっていない」と批判される – これは単に夫が自分の優秀さを誇示したいだけなのです。
このような状況では「そうかもしれませんね。あなたがそう考えるのならそれでいいと思います」と、明確な意見表明を避けて受け流すことが有効です。予想外の反応に、夫は戸惑うはずです。さらに「お前の意見を聞かせろ」と追及してきた場合は「私の意見がないと判断できないのですか?」と返すことで、夫の承認欲求の弱さを逆手に取ることができます。
夫の態度が我慢できないときは「毅然とした態度で」
モラハラ夫は、自信に満ちた態度を示す女性や、自分より精神的に強い女性に対して苦手意識を持つ傾向があります。これは、普段のような支配的な態度が通用しないことを本能的に察知するためです。
そのため、夫の不当な言動に我慢の限界を感じたときは、感情的になりすぎない範囲で、毅然とした態度を示すことが効果的です。例えば、冷静かつ断固とした口調で「そのような態度は受け入れられません」「なぜそこまで攻撃的になるのですか?」と、相手の言動を客観的に指摘するのです。
ただし、この方法を試みる際は、必ず事前に安全を確保しておく必要があります。状況によっては夫が激昂し、さらなる精神的暴力やDVにエスカレートする可能性もあるためです。友人や家族に相談し、いつでも避難できる場所を確保しておくとよいでしょう。
覚悟を決めたときは「家を出る」
モラハラ夫との関係改善が難しく、離婚も視野に入れざるを得ない状況になったとき、別居という選択肢があります。これは単なる逃避ではなく、自分を守るための重要な決断となります。支配的な態度の夫から物理的に距離を取ることで、精神的な自由を取り戻すことができるからです。
別居後、多くのモラハラ夫は妻を取り戻そうと様々な手段を講じてきます。「生活費の支払いを止める」「慰謝料を請求する」といった脅しや、「改心する」という甘い言葉で復縁を迫ってくることもあります。しかし、安易に妥協して戻ってしまうと、大抵の場合モラハラは再開されてしまいます。
そのため、別居を決意する際は、事前に弁護士への相談や証拠収集、経済的な準備を整えておくことが重要です。また、信頼できる友人や家族のサポートを得ながら、自分の決断を貫く覚悟を持つことが必要です。
モラハラ夫への具体的な対策と方法
モラハラ夫への効果的な対応には、計画的で冷静な準備が欠かせません。ここでは、モラハラの事実を証明するための証拠収集から、安全な別居までの具体的な対策と実践的な方法をご説明します。
証拠を集めるための行動
録音や日記の記録
モラハラ夫との会話は、スマートフォンの録音アプリを活用して記録に残すことがおすすめです。特に暴言や人格否定的な言動は、音声データとして保存しておくことで有力な証拠となります。
また、日々の出来事や感情の変化を日記として記録することで、精神的暴力の事実を時系列で示すことができます。LINEやメールでのやり取りも重要な証拠となるため、削除せずに保管しておきましょう。
法的に重要な証拠の特定
離婚調停や裁判で効果的な証拠として認められるものを把握しておくことが大切です。例えば、モラハラ被害による精神的ストレスで通院した際の診断書や、夫の言動について相談した際の相談記録などが該当します。また、第三者の証言も有効な証拠となるため、信頼できる友人や家族に相談した際の状況も記録として残しておくことよいでしょう。
これらの証拠は、実家や信頼できる友人の元など、夫の目に触れない安全な場所に保管することが重要です。万が一の場合に備えて、証拠のバックアップを複数箇所に用意しておくことも検討しましょう。
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物理的に距離を取る方法
別居や安全な場所の確保
別居を検討する際は、事前に必要な書類や証拠、生活費などを準備し、実家や信頼できる友人宅など、安全に滞在できる場所を確保しましょう。
子どもがいる場合は、学校や保育園との連携も必要です。自立に向けた準備として、夫に知らせていない預金方法を作るなど、経済的な対策も重要になってきます。
第三者を介した話し合いの活用
夫婦間の直接的な話し合いでは解決が難しい場合、カウンセリングや専門家による三者間での話し合いが効果的です。離婚問題に詳しい弁護士に相談し、調停という形で進めることで、感情的な対立を避けながら建設的な話し合いが可能になります。また、DV被害者支援センターなどの無料相談窓口も、あなたの味方として心強い存在となるでしょう。
このように、第三者の介入により、夫婦関係の改善の可能性を探りつつ、必要に応じて離婚への準備も並行して進めることができます。専門家のサポートを受けることで、より適切な判断と行動が可能になります。
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相談窓口を利用する
各地域の配偶者暴力相談支援センターでは、電話やLINEでの相談も受け付けています。夫婦関係の改善方法から別居時の生活支援まで、包括的なサポートを提供してくれるため、ぜひ活用してください。一人で悩まず、専門家の助言を得ることで、より良い解決方法が見つかるはずです。
モラハラ夫の弱点を突いてもダメなときは離婚?
モラハラ夫の弱点を突いて攻撃をすると、さすがのモラハラ夫も黙り込むことが多いのですが、それでモラハラが治ったり、態度を改めたりするわけではありません。ときにはムキになってモラハラ行為をエスカレートさせることもあります。
こうしたモラハラ夫の言動に耐えられなくなり、離婚を考える妻もいます。妻からの反撃を受けても一向に反省しないモラハラ夫と離婚できるのでしょうか。モラハラ夫との離婚を考える際のポイントを紹介します。

モラハラ夫と離婚するには
モラハラ夫との離婚実現は、決して容易な道のりではありません。基本的な離婚方法である「協議離婚」では、夫婦間の話し合いによる合意が必要ですが、モラハラ夫の場合、様々な理由で離婚に強く抵抗する傾向があります。
その主な理由として、支配欲の強さと世間体への執着が挙げられます。また、自身のモラルハラスメントを離婚の原因として認めることを頑なに拒否する特徴があります。
たとえ表面的に離婚を受け入れるような素振りを見せても、「離婚の原因は妻にある」として高額な慰謝料を要求したり、「財産分与を一切放棄する」といった非現実的な条件を突きつけたりすることで、実質的に離婚を阻もうとします。
そのため、話し合いによる円満な解決を期待するのではなく、法的手続きも視野に入れた長期的な準備が必要になってくるでしょう。この現実を理解した上で、弁護士への相談など、具体的な対策を講じていくことが重要です。
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離婚裁判を覚悟する必要も
モラハラ夫が離婚を拒否した場合や、子供の親権や養育費、財産分与などの条件面で折り合いがつかない場合は協議離婚を諦めて「離婚調停」を家庭裁判所に申し立てます。調停とは裁判所を介した話し合いです。調停をしても、モラハラ夫が離婚に同意する可能性は低いのですが、「調停前置主義」といって離婚裁判を起こす前には必ず調停を行うのがルールです。
調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入り、離婚の条件などについて話し合います。基本的には夫婦それぞれが調停委員と話をし、夫婦同士が直接話をすることはほとんどありません。調停でも、双方が離婚に同意しなければ調停不成立となり、「離婚裁判」に進みます。モラハラの実態を調停委員に理解してもらうのは難しく、証拠集めなどの準備も重要です。
別居を続けられるのなら離婚に近づける
離婚協議でも調停でも離婚に合意できない場合、最後は離婚裁判で裁判所の判断を仰ぐことになります。しかし、モラハラを理由に離婚を認めてもらうには相当高いハードルがあります。特に夫が反省の態度を示して関係修復を望んでいる場合、「夫婦関係が破綻しているとはいえない」と判断され、離婚できない可能性が高くなります。
このため、多くのケースではモラハラ以外にDVや不倫などほかにも、離婚の理由となる行為がないか探すことになります。別居期間が長いと夫婦関係が破綻していると認められやすくなるため、とりあえず別居を選択することもあります。別居期間は事情にもよりますが、5年以上続くと離婚が認められやすくなります。
モラハラ夫との関係を改善・解決するステップ
モラハラ問題の解決には、段階的なアプローチと確実な準備が必要です。ここでは、関係改善を望む方に向けた具体的なステップと、万が一の場合に備えた対策をご説明します。
夫婦間ルールの再構築
健全な夫婦関係を築くためには、明確なルール作りが欠かせません。例えば、意見の相違がある場合の話し合い方や、お互いの時間や空間を尊重することなどを、可能であれば書面で確認し合います。特に、暴言や人格否定的な発言を禁止するなど、具体的な約束事を決めることで、モラハラ的な言動の抑制を図ります。
自己防衛のための心理的境界線を引く
モラハラ夫の言葉に振り回されないよう、心理的な境界線を設定することが大切です。すべての非難や批判を自分に取り込まず、「これは相手の問題であって、自分の問題ではない」と線引きする習慣をつけましょう。
自尊心を守るため、夫の言動と適度な心理的距離を保ちながら、自分の価値観や判断基準を大切にする姿勢を保つことが重要です。相手の言葉に影響されすぎないよう、自分の内面に軸を持つことで、精神的な安定を保つことができます。
「もしも」に備えた準備をしておく
関係改善を目指す中でも、万が一に備えた準備をしておくことで、精神的な安心感が得られます。例えば、モラハラの証拠となる会話の録音や日記をつけることで、より冷静に状況を判断できるようになるでしょう。
また、夫に知らせていない貯金をしたり、家族や家に関する重要書類を整理しておくことは、将来への不安を軽減してくれます。このような準備は決して後ろ向きなものではなく、自分を守るための大切な心の支えとなるでしょう。
モラハラ夫への対応は自分を守ることから
モラハラ夫は一見強気に見えますが、「自分より強い人には弱い」「孤独に弱い」「世間体を気にする」といった明確な弱点があります。これらの弱点を理解し、状況に応じて適切な対応を取ることで、不当な言動から自分を守ることができます。
ただし、モラハラ夫の弱点を突いても、それだけで根本的な問題が解決するわけではありません。むしろ、相手の反応次第では状況がエスカレートする可能性もあります。そのため、証拠収集や別居の準備など、将来への備えを怠らず、必要に応じて専門家のサポートを受けることが重要です。
最も大切なのは、自分の心と体を守ることです。一人で抱え込まず、信頼できる人々のサポートを受けながら、自分らしい人生を取り戻すための一歩を踏み出してください。