妊娠中に「旦那にイライラする」「旦那と一緒にいたくない」などと訴える妻がいます。つわりや体調不良がひどいときに、夫への嫌悪感まで重なると妻は大きなストレスを感じることでしょう。妊娠中に夫を嫌いになる原因や夫を嫌いになったときの対処法を体験談とともに紹介します。
妊娠中に旦那を嫌いになるのはなぜ?
夫婦2人で生活しているときは仲も良く、何も問題がなかったのに、妊娠をきっかけに妻が夫を嫌いになることがあります。妊娠中は、「旦那の存在自体にイライラする」「旦那を生理的に受け付けなくなった」などと感じる妻が多いようです。妊娠中の妻に起こる体調・環境の変化とともに、妻が夫を嫌いになる理由を紹介します。
ホルモンバランスの変化
妊娠により女性ホルモンの分泌量が変化すると、妻の体調や精神面に影響を及ぼします。女性ホルモンには気持ちを落ち着ける作用や、多幸感を与える作用を持つものがあり、これらが激減すると感情のコントロールがうまくいかず、夫の些細な言動にもイライラするようになります。
夫を嫌いになった理由に心当たりがなく、なぜかイライラして仕方ない場合は、ホルモンバランスの乱れが原因でしょう。特に、もともと生理前・生理中に体調や精神面に変化が起こりやすかった人は、ホルモンの影響を受けやすいタイプです。ホルモンの分泌は自分でコントロールできないので、「そういう時期」だと割り切り、深く考え込まないことが大切です。
また、妊娠中に起こるさまざまな不調を総称してマタニティブルーといいますが、ホルモンバランスだけでなく、つわりによる栄養不足や出産・育児へのプレッシャーなども影響していると考えられています。理由もなく涙が出る、不安で仕方ないなどの症状がつらい場合は、産婦人科や精神科で相談しましょう。
スキンシップ不足
妊娠すると嗅覚や触覚などの感覚が敏感になり、今まで気にならなかった夫のにおいを不快に感じたり、夫に触れられたくないと思ったりすることがあります。夫婦のスキンシップが減ると、それに伴って妻の夫への愛情が薄れる場合もあります。言葉ではなく、互いの肌に触れ合うことで愛情表現していた夫婦であればなおさらでしょう。
妊娠中の感覚過敏は、つわりとともにおさまる場合が多く、妊娠後期になると夫のにおいや夫に触れられることが気にならなくなる妻が多いようです。
旦那が気を遣わないから
つわりや体調不良がひどくても、妻を気遣わず、家事にも協力しない夫がいます。このような場合、妻は「自分一人だけがつらい思いをしている」と感じ、大きなストレスを抱えます。特に、食事や生活に制約の多い妊娠中に夫が飲み会に行ったり夜遅くまで出歩いたりして好き放題していれば、「旦那がうざい」と考えるようになるのも無理はありません。
旦那を嫌いな気持ちはずっと続くの?
これから子供を産んで育てるというときに夫を嫌いになると、子供を良い環境で育てられるのかと、この先の人生が不安になることでしょう。「旦那が嫌い」という気持ちは、出産後も続くのでしょうか。妊娠中に夫を嫌いになった人の、産後の体験談を紹介します。
産後に落ち着いた人の体験談
夫に特に落ち度がない場合は、夫への嫌悪感はホルモンバランスの変化や感覚過敏による一時的なもので、産後しばらくすると落ち着きます。中には、安定期に入ってホルモンバランスの変化に心身が順応し、「旦那が嫌い」という気持ちが薄れたという人もいます。
妊娠中、旦那は私を気遣って家事を率先してやってくれましたが、なぜか私は旦那に対していつもイライラしていて、旦那の存在自体をうざいと思っていました。しかし、出産してしばらく経つと、旦那へのイライラも嫌悪感も嘘のようになくなりました。
妊娠中に旦那を嫌いになるという話はよく聞くし、私もホルモンバランスの乱れが原因だったのかな、と思います。
産後も嫌いなままだった人の体験談
妊娠中に夫からの気遣いを感じられない、夫が家事に協力してくれない、などの原因によって「旦那が嫌い」という気持ちになった妻は、産後も夫への嫌悪感が続く傾向があります。中には、妊娠中の夫の仕打ちがずっと忘れられず、妻の憎しみが増長するケースもあります。
妊娠中、つわりやマタニティブルーがひどくて毎日泣いてばかりいる私に、旦那は「これから母親になるのにそんなに弱くてどうするの」と言いました。妊娠中はホルモンバランスが乱れることや、つわりがひどいことを伝えても、「妊娠は病気じゃない」「甘えるな」と言われました。
そういった言葉の数々が胸に突き刺さったまま、出産して数年が経ちます。今でも旦那のことを心底憎んでいるし、子供を無事に育てたら離婚しようと心に決めています。
妻の妊娠中に夫が考えていることは?
妊娠してから態度が変わった妻を、夫はどのように感じているのでしょうか。身をもって胎児の存在を実感する妻とは異なり、夫は子供が生まれるまで父親になったという自覚が芽生えにくいといわれています。そのため、妻の愛情が急に冷めたように感じて強い孤独を感じる場合があるようです。
夫の気持ちを理解することは、夫婦関係を良好に保つ助けになるでしょう。妊娠中の妻の変化を目の当たりにした夫がどのようなことを考えているのかを紹介します。
スキンシップが少なくて寂しい
妊娠してから性行為やスキンシップが減ったことを、寂しいと感じている夫は少なくありません。中には、孤独や人恋しさのあまり不倫に走る男性もいるほどです。スキンシップを重視する夫には、コミュニケーションをしっかり図り、「妊娠中はあまり触れられたくないけれど、あなたへの愛情が変わったわけではない」と伝えることが大切です。
どう言葉をかければ良いか分からない
妻を思いやる言葉がないからと言って、夫が心配していないわけではありません。つわりや体調不良がひどい妻を心配しているものの、どう言葉をかけて良いのか分からず悩んでいる場合も多いようです。
こうしたときの夫は「大丈夫じゃないのが明らかなのに、大丈夫?とは言えない」「つらそうだね、と言うと人ごとみたい」などと考え、妻にかけるべき言葉を探しています。夫が声をかけてこなくても、妻の様子をチラチラとうかがっている素振りが見えたら、心配しているのだと受け取りましょう。
情緒不安定な妻が怖い
妊娠中のホルモンバランスの乱れが原因で情緒不安定になった妻を「怖い」と感じる夫もいます。ホルモンの影響を実感する機会のない男性からすると、些細なことで妻が怒ったり泣いたりすることが理解できません。「妻がおかしくなった」と感じて家にいる時間が苦痛になり、愛情が冷める夫も少なくないようです。
妊娠中に旦那と上手くやっていく方法
妊娠中の妻が、一時的に夫を嫌いになるのは珍しいことではありません。しかし、妻が夫に冷たい態度をとり続ければ、夫婦仲が悪化したり、夫が不倫に走ったりする可能性もあります。妊娠中に夫を嫌いになっても、夫婦関係を良好に保って上手くやっていく方法を紹介します。
そういう時期だと説明をする
まずは、夫に妊娠中はホルモンバランスの乱れなどが原因で情緒不安定になりやすいことを説明し、理解してもらいましょう。特に女性ホルモンの影響は男性にとって理解しにくいことですが、先輩ママの体験談や産婦人科のパンフレットなどを見せると、「誰にでも起こることで妻が異常なわけではないんだ」ということが分かってもらえるはずです。
なかなか理解してもらえない場合は、産婦人科医から夫へ説明してもらうのも一つの方法です。また、「妊娠中に旦那への愛情が冷めることもある」「冷たい態度をとってしまうかもしれない」ということも先に説明しておけば、夫もある程度覚悟してくれるでしょう。
適度な距離を保つ
夫婦で一緒に過ごす時間を減らし、適度な距離を保つことも夫婦関係を良好に保つためのポイントです。夫にイライラすることが増え、些細な喧嘩が勃発するようになったら、互いに1人で過ごす時間を増やしましょう。
挨拶だけは必ず行う
どんなに「旦那が嫌い」と感じても、「おはよう」や「おやすみ」などの日常的な挨拶は欠かさずに行いましょう。挨拶すら交わさなくなれば、夫婦間のコミュニケーションがうまくいかないことも増え、夫婦仲の悪化にもつながります。「ありがとう」「お疲れさま」など、相手をいたわる言葉も大切にしましょう。
ストレスを発散する
妊娠中は食事や運動も制限されることが多く、ストレスが溜まりやすくなります。ストレスのはけ口がないと夫に当たってしまうこともあるので、上手に発散することが大切です。趣味に没頭する、友達と話す、買い物をするなど、気晴らしになることを積極的に行いましょう。
妊娠中はストレスを溜め込まないようにしよう
妊娠中は体調やホルモンバランスの変化により、夫を嫌いになることもあります。しかし、夫に落ち度がなければ、産後しばらくすると気持ちも自然に落ち着くので、心配しすぎないようにしましょう。嫌なことは夫にはっきり伝え、ストレスを溜め込まないことも大切です。
「旦那が嫌い」という気持ちが強すぎて、夫婦仲が悪くなったり、将来に不安を覚えたときはカウンセラーやかかりつけの産婦人科医といった専門家に相談しましょう。自治体によっては、助産師らに相談できる窓口を設けているところもあります。専門家の力も借りて、不安な時期を乗り越えましょう。