妊娠中に「旦那と最近うまくいかない」と悩む妻は少なくありません。喧嘩だけですまず、「もう離婚したい」とまで思い詰める人もいます。どうして妊娠中にうまくいかなくなるのでしょうか。夫婦仲が悪化する理由と、「旦那とうまくいかない」と感じたときの対処法を紹介します。
妊娠中に旦那とうまくいかない…夫婦仲が最悪…
妊娠中、「旦那がうざい」などとイライラしがちになり、「旦那との関係がうまくいかない」と悩む妻がいます。中には別居や離婚にまで発展するケースもありますが、そこまでいかなくても妊娠中に「理由もなく旦那にイライラしてしまった」「旦那への愛情が少し冷めた」という経験をした妻は少なくないでしょう。
どうして妻は妊娠中に、夫に対する嫌悪感や苛立ちを感じたり、夫を嫌いになったりするのでしょうか。妊娠中によくある妻の心境の変化やイライラしやすい心理状態のほか、「旦那とうまくいかない」と感じたときに関係修復を図る対処法などを紹介します。
妊娠中に夫婦喧嘩が増えるのはよくあること
妊娠中に夫婦喧嘩が増え、「せっかく子供を授かったのに、どうして旦那とうまくいかないのだろう」と悩む人もいるかもしれませんが、実は妊娠中に夫婦喧嘩が増えるのは珍しいことではありません。特に初めての妊娠の場合、悪阻(つわり)などの体調不良や不安な気持ちから、女性は情緒不安定になりがちです。
また、妊娠中はホルモンバランスが崩れることによって、女性は気分が落ち込んだり憂鬱になったりします。理由もなく悲しくなって涙が止まらなくなる人もいます。これはメンタルの不調の一種で「マタニティブルー」といわれるものです。こうした不安症状が夫に理解されず、喧嘩になってしまうこともあります。
中には離婚する夫婦もいるので注意が必要
夫が、マタニティーブルーなど妊娠後の妻の心理状態を知っていれば、「仕方がないことだ」と妻をいたわり気遣うこともできます。しかし、夫が無知だったり、妻の体調に無関心だったりすると、なぜ、妻がイライラしたり冷たい態度をとったりするのかわかりません。このため、寂しさから浮気する夫もいて、離婚にまで発展する騒動になることもあります。
妊娠中に旦那とうまくいかない理由とは
妊娠中は女性のホルモンバランスの変化や体調によって、情緒が不安定になりがちです。しかし、夫とうまくいかないのは、夫側にも責任があります。具体的にどのような場合に夫婦仲が悪化してしまうのか、よくある原因を5つ紹介します。
妊娠による変化を旦那が理解しない
妊娠すると、女性にはさまざまな変化が起きます。お腹が膨らみ体型が変化するのはもちろん、ホルモンバランスの変化によって精神的にも不安定になりがちです。このような状況の中で、妻は出産への不安やどうにもならない体調へのいら立ちを抱えています。
こうした妊娠中の妻の変化を夫も理解し、いたわり気遣うことができれば、妻も不安やストレスが多少は和らぎます。ところが夫が妻の心理を全く理解しようとせず、「妊娠して妻が変わった」など不平を漏らすようでは妻の気持ちも安らぎません。そうして、夫婦仲がうまくいかないようになってしまいます。
旦那が家事を手伝わない
妊娠初期は悪阻もあって、起き上がることができないほど体調が悪い日もあります。やがてお腹が大きくなってくると動きにくくなり、体を動かすのが億劫になることもあるでしょう。こんなとき、両親、義父母らが家事などを手伝ってくれればいいのですが、近くに身内が住んでいない場合、夫に頼るしかありません。
このため、夫が家事を手伝ってくれなければ、妻は体調不良でも一人で家事をしなければなりません。しかも、家事を手伝わない夫ほど妻の体調に無頓着で、「妊娠は病気じゃないんだから」「休んでばかりいないで、少しは体を動かさないと」などと無神経な言葉をかけます。こうしたことが続くと妻は「旦那がうざい」などと感じるようになるのです。
旦那に妻への思いやりや気遣いがない
妊娠中の妻の体調の変化や心理状態を理解していない夫は、妻が傷つくような言葉を平気で口にすることがあります。そうした思いやりや気遣いのなさが夫婦の間でうまくいかない原因となります。たとえば「太ったな」「1日のんびりできていいね」などと言って、妻の怒りを買う夫は少なくありません。
夫は、いつもの軽口のつもりなのかもしれませんが、妊娠中の女性は神経が過敏になっているときがあります。また、妻も妊娠によって攻撃的になることがあり、夫に不満をぶつけ、それに夫がひどい言葉で反論することもあります。いずれにしても、夫に妻への思いやりや気遣いがあれば、妻を傷つけるような言葉は出てこないはずです。
夫婦のスキンシップが減る
妊娠すると、ホルモンバランスの影響もあって、夫に触れられるのが嫌になることがあります。夫からセックスを求められても、お腹の赤ちゃんへの影響を心配して断ることも増えるでしょう。そうして夫婦間のスキンシップが減っていくと、夫婦仲がうまくいかないようになりがちです。
妻も「今は体調が悪いから」「妊娠中は我慢して」などとフォローできればいいのですが、体調が悪いこともあって「やめてよ」「触らないで」などときつい言葉で拒んでしまうこともあります。夫が妊娠中の妻を思いやるのは当然ですが、妻もスキンシップを求める夫の気持ちを理解してあげましょう。
妻の母性本能が強くなる
妊娠すると妻は母性本能が強くなると言われます。ちなみに男性が父親としての実感を持つのは、一般的に子供が生まれた後だそうです。母性本能が強くなると、子供を守ることが一番になり、夫さえも近づけようとしない妻もいます。
スキンシップを嫌がるのも、体調やホルモンの影響だけでなく、母性本能が強くなったためかもしれません。夫も「赤ちゃんを大切に守りたい」という妻の気持ちに共感して寄り添えば、妻は安心感を得られ、気持ちも落ちつくでしょう。
妊娠中に旦那とうまくいかないときの対処法
妊娠中は夫への愛情が薄れてしまったわけではないのに、つい冷たい態度を取ったり強い口調で夫を非難したりして、夫婦仲もぎくちゃくしがちです。「旦那とうまくいかない」と感じたときに、夫婦関係を悪化させないための対処法を紹介します。
2人で妊娠や出産に対する知識を学ぶ
妊娠中の妻と夫の仲がぎくしゃくするのは、互いに妊娠中の夫婦の心理についてよく知らないのが原因かもしれません。妻自身、なぜ自分がイライラするのか、よくわかっていないこともあります。
こうした場合は、2人で妊娠や出産について学ぶと互いの気持ちがわかり、自然と相手を思いやれるようになります。共通の話題もできて、夫婦で話し合う機会も増えるでしょう。自治体や地元の保健所、かかりつけの病院などで、夫婦や妻、夫向けのセミナーや学習会がないか、一度聞いてみましょう。
イライラしやすい時期であることを自覚する
妊娠中はホルモンバランスで「旦那がうざい、嫌い」などと感じやすい時期です。だからと言って、夫に「わがままな言動もすべて受け入れて、受け流してほしい」というのも、夫が少しかわいそうです。妻も「今は情緒が不安定で、イライラしがちな時期だから」と自覚して、夫に感情をストレートにぶつけてしまわないよう気を付けましょう。
自分がイライラしやすい時期であることを自覚していれば、つい夫に言い過ぎてしまったときも、理由を説明したり、素直に謝ったりできるはずです。夫もそうした妻の状態を理解すれば、夫婦喧嘩になることも減り、気遣いを見せてくれるようになるでしょう。
夫への感謝を忘れない
妻には不十分に思えても、おそらく夫は夫なりに妻を心配し、気遣っているはずです。それに妻が安心して子供のことを考え、将来のことをあれこれ想像できるのも、夫が働いて収入を得てくれているからです。そうした夫に感謝の気持ちを持って接しましょう。
夫への感謝の念があれば、多少の不満があっても「旦那もほかのことでは頑張ってくれているから」と我慢できるようになるはずです。もちろん、夫の側に思いやりや気遣いがなければ、時にはビシッと言うことも大切。夫婦とはいえ、お互いに敬意と感謝の念を持って接したいものです。
夫に期待するのをやめる
妻が自分の体調や気持ちを伝えても、よく理解できず、家事の手伝いもしないような夫には期待をするのをやめましょう。「きっと父親としての自覚をもってくれるだろう」「旦那も家事を手伝ってくれるだろう」と期待するから、腹も立ちます。最初から期待しなければ、「そんなものね」とあきらめもつくでしょう。
期待するのをあきらめると言っても、この先ずっと、夫がその調子では困ります。今は夫が父親の役割を学ぶ期間だと思い直して、父親学級などの勉強会に誘ったり、父親向けの育児の本を渡したりして、勉強してもらいましょう。しばらく我慢すれば、夫も良きパパに変わってくれるかもしれません。
ストレス解消法を見つける
妊娠中はストレスを溜めすぎないようストレス解消法を見つけるのもいいでしょう。夫につらく当たらないようにするだけでなく、お腹の赤ちゃんのためにもストレスを溜めず、リラックスして過ごすことが大切です。
新しい趣味を始めてもいいですし、保健所や病院、乳幼児用品店などで開かれる母親学級に参加してママ友を作ってもいいでしょう。妊婦として同じ悩みや不安を抱える女性同士で話をすることで、気分がすっきりすることもあります。ストレスが解消すれば、夫にも余裕を持って接することができるようになるでしょう。
「旦那とうまくいかない」と悩んだときは専門家に相談を
妊娠中の女性は体も心もデリケートで、イライラしがちです。子供ができたことで、夫との関係も変わり始め、どうしても喧嘩も増えてしまいます。中には関係がこじれて、別居や離婚にまで発展してしまうケースも少なくありません。
つらい時期があっても2人で乗り越え、仲良く新たな家族を迎え入れるには、互いの理解や気遣いが欠かせません。「旦那とうまくいかない」と悩んだときは、かかりつけの病院の医師や助産師などに相談してみましょう。夫婦問題に詳しいカウンセラーに相談してみてもいいでしょう。きっと良いアドバイスが受けられるはずです。
遠藤 裕子
妊娠は病気とは違いますが、身体・心、ともに変化が著しく、妻自身が思う以上に辛いことが多いです。一方、夫も不安や心配、責任感等、複雑な気持ちを抱えています。
まずは、なぜ夫婦関係が上手くいかないのか、原因や問題を正しく把握する事が大切です。対処方法は一人一人違いますので、カウンセラーにご相談ください。効果的なアドバイス、知識・情報が得られるだけでなく、気持ちを吐き出してスッキリしたり、不安が和らぐことでしょう。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。
過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー
LABプロファイルプラクティショナー
ホームカウンセラー