物を片付けられない夫にストレスを感じ、イライラする妻がいます。片付けられないと言っても、物を使った後、元の場所に戻せなかったり、私物を捨てられなかったりとさまざまですが、いずれにしてもきれい好きの妻は耐えられません。片付けられない夫の心理と対処法を紹介します。
片付けられない・捨てられない夫がストレス…
物を捨てられないため、どうしても部屋を片付けられない夫や、そもそも整理整頓が苦手な夫がいます。きれい好きな妻は、そんな夫に我慢ができず、不満やストレスがたまることもしばしばです。妻が「片付けてほしい」と頼んでも「まだ使えるから」「いずれ片付けるから」などと言って、一向に片付けようとはしません。
中には妻が片付けようとすると「勝手に触らないでくれ」と逆ギレする夫もいて始末に負えません。中には離婚まで考える妻もいるようです。
物を捨てられない、片付けられない夫に悩まされています。
一般的な3LDKに夫婦二人暮し、個室の間取りは寝室、夫の部屋、将来の子供部屋に分けています。
夫は個室があるにも関わらず物が多すぎて将来の子供部屋の押入れも彼の物で溢れかえっています。
中身を見ると大量の衣類(学生時代に着古した服もたくさんあります)、趣味のゴルフ、スノボ、野球グッズ(ゴルフ以外は年に一度くらいの使用)、などあまり出番がない物が多いです。
趣味の物はともかく服は整理してくれとお願いしても、まだ使えると断固拒否。
今は子供がいないのでいいですが、子供ができたらどうするんだと心配です。
片付けない旦那。注意すると逆ギレします。
友人が自宅に来ることもあり、旦那に、散らかっている旦那の私物を片付けてほしいと1週間前くらいから告知していました。結局、毎日片付けてねとお願いしても、動いてくれません。
私が片付けても良いのですが、私が片付けようとすると、「自分でやりたい!」と怒るので動かせません。
どうして、妻が頼んでも夫は素直に片付けてくれないのでしょうか。片付けられない夫の心理や、夫に片づけをしてもらうための方法などを紹介します。
片付けられない夫にイライラする瞬間
片付けられない夫と言っても、いくつかのタイプがあります。夫のタイプによって、妻がイライラする場面も異なります。どのようなときに、妻はイライラするのか、よくある場面を紹介します。
使ったものを出しっ放しにしている
片付けられない夫の一つ目のタイプは、自分で使った物を、元の場所に戻さず置きっぱなしにする人です。ハサミやペンなどを使ったら、元の場所に戻さずテーブルの上に置きっ放しにしていることが多く、自分の机の上や部屋はいつも乱雑です。また、使った食器をテーブルに放置したり、玄関で靴を揃えなかったりするのも特徴でしょう。
きれい好きな妻は、物が乱雑に散らばっているのを見るだけでもイライラするのに、こうしたタイプの夫は、自分の持ち物を置いた場所を忘れて「大切なものがなくなった」と騒ぎ出すこともあります。そんな夫の姿に妻は「きちんと片付ければ、そんなことにはならないのに」とうんざりします。
物を捨てたがらない
一度買った物をなかなか捨てられないため、部屋などが物であふれかえり、散らかってしまうタイプの夫もいます。こうした夫は、学生時代に使っていたものや参考書なども大切に保管し、しだいに物を置く場所がなくなっていきます。また、収集癖があることも多く、趣味のグッズなどで部屋をいっぱいにしてしまう人もいます。
また、物に対する執着も強いので、他人に自分の物を触られるのを嫌います。このため、妻が片付けたり捨てたりしようとすると「勝手に触るな」などと逆ギレすることがあります。このため、妻はイライラするのに、容易に手が出せません。
落としたものを拾わない
床に物が落ちてたり、紙屑などがごみ箱に入らなかったりしても、無頓着で気にしないタイプの夫もいます。散らかっていることに全く気付いていないのか、気づいていても見て見ぬ振りをしているようにも見えます。妻には「どうせ誰かがやってくれるだろう」と思っているようにも感じられます。
こうした夫は多少部屋が散らかっていても全く気になりませんし、気になったとしても、今すぐ片付けるべきだとは考えません。きれい好きな妻は、そうした感覚を理解することができず、考えの違いにイライラしてストレスを感じます。
片付けられない夫の心理は?
片付けられない夫にも、タイプがありますが、部屋が散らかっていることを、夫はどのように感じているのでしょうか。よく見られる考え方や心理状態について説明します。
片付ける習慣がない
片付けられない夫は、子供の頃から片付ける習慣が身に付いていないのかもしれません。親が子供が散らかしたものをすぐに片付け、自分でやらせてこなかった場合、子供は「片付けは誰かがやってくれるもの」と考えるようになることがあります。また、逆に親も片づけが苦手だった場合、子供は散らかっていても平気な性格になる可能性があります。
片付ける習慣を身に付けずに育った人は、部屋が散らかっていても、あまり気にならず「時間があるときに片付ければいい」「誰か手が空いている人がやってくれるだろう」と考えがちです。
いつか役に立つはずだと思い捨てられない
物を捨てられない人は、残しておけば、いつか役に立つかもしれないと考えています。確かに、物を大事に取っておけば、何か困ったときに役に立つこともあります。たまたま取っておいた物が、非常に役立った経験があり、そのことを忘れられないのかもしれません。物を大切にする性格だともいえます。
また、捨てられない人は収集癖があるのかもしれません。自分の好きな物をとことん集めれば、それが学問になることもありますし、何十年も経ってから価値が上がることもあります。興味がない人にはがらくたにしか見えなくても、本人には貴重な物である可能性があり、そのため、勝手に触ると烈火のごとく怒りだすのです。
妻が片付けると思っている
子供の頃から親がいつも身の回りの物を片付けてくれていた夫は、結婚した後は「妻が片づけをしてくれるはず」と考えている可能性があります。妻が専業主婦であれば、そんなわがままにも応えてくれるかもしれませんが、共働きで妻も忙しい場合は、そんなところまで手が回りません。
しかし、夫には「片づけは妻がやるもの」という固定観念があるため、なかなか自分でやるという発想にはなりません。そして、妻に「それくらい自分でやってよ」と言われると、「どうして自分がやらなければいけないのか」と不機嫌になります。
どこに片付ければいいのかわからない
片付けられない夫の中には、どこに何を片付ければよいのかわからないという人もいます。こうした夫は、家事をすべて妻に任せきりで、妻がどのように家事をやっているのかもわかりません、このため、何をどこに仕舞えばいいのかも分からないのです。自分で適当な場所に仕舞って、「どうしてこんなところに入れるの」と妻に怒られることもあります。
こうした夫は、イチから教えるつもりで、片付ける場所や片付け方を教えないと、いつまでたっても部屋をきれいにしようとはしません。
プライドが高く素直に言うことを聞きたくない
プライドが高く、人から注意されるとつい反発してしまうという夫もいます。こうした夫は、妻に「ちょっと、片付けてよ」などと強い口調で言われると、「今やろうと思っていたところなのに」「言われなくてもやるよ」と文句を言います。「そんな言われ方をしたら、やる気がなくなる」という人もいます。
だからと言って、急に片付け始めると、妻の言いなりになったようで癪に障ります。そこで「今すぐやらなくても」という気持ちになり、そのうち忘れてしまって放置したままとなってしまうのです。
片付けられない夫は発達障害の可能性も
片付けられない夫の中には、発達障害が疑われる人もいます。発達障害とは脳機能の発達が原因で起こる障害で、他人とのコミュニケーションや対人関係を築くのが苦手です。発達障害もいくつかの病名に分けられますが、片付けられない人は注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)に多いとされます。
ADHDには一つのことに集中できなかったり、衝動的な行動をしてしまったりするという特徴があり、片付けに途中で飽きたり、別のことに気を取られたりして、片付けを終わらせることができません。また、ASDの人はこだわりが強いという特徴があり、本人は片付けているつもりでも、他人には片付けているように見えないといったことが起きます。
発達障害が疑われる3つの特徴を紹介します。心当たりがあれば、専門医を受診したほうがいいかもしれません。
集中力が続かない
発達障害のため、集中力が続かない人は、片付けを始めてもすぐにほかのことに気を取られます。古いアルバムや手紙を見つけて、手が止まってしまうことは誰にでも有りますが、発達障害の人は完全に気持ちが移ってしまい、片付けを忘れてしまいます。
片付け方がわからない
発達障害の人は、物の配置や方向、空間の広さなどの空間認識能力が低いことがあります。すると、片付けようと思っても現状を把握し、何をどこに仕舞えば、スッキリするということを考えるのが苦手になります。そのため、結局物を一個所に集めたり、積み上げたりするだけで片付けが終わってしまいます。
また、物事の優先順序を付けるのが苦手な人もいて、そうした人は何から手を付けていいのかわかりません。周囲が片付けのルールを決めるなどのサポートが必要になります。
今やらなくても、と考えてしまう
発達障害の人は、嫌なことをできるだけ避け、目先の好きなことをしたがるという傾向も見られます。このため、片付けを始めようと思っても「明日でもできるから、今はゲームをしよう」「好きなテレビ番組があるから、片付けは今日でなくてもいいや」などと考えがちです。
こうして、何かと理由を付けて片づけを後回しにしてしまうため、いつまでたっても物を捨てられず、片付けられないということになります。
片付けられない夫への効果的な対処法は?
片付けられない夫にも、いくつかパターンがあり、片付けられない理由も人それぞれです。しかし、夫が片付けられない理由がわかれば、対応策もあるはずです。効果がありそうな方法を4つ紹介しますので、夫の性格や考え方に合わせて試してみてください。
自分がお手本になる
「夫が片付けてくれない」と不満を持っている妻も、意外と片付けができていないということがあります。自分はしっかりやっているのか、振り返ってみましょう。妻が片付けているつもりでも、夫から見れば全く片付いていないという場合もあります。そんな状態で夫に「片付けて」と言っても、「自分はどうなんだ」と反発されるだけです。
まずは、自分がお手本になるつもりで、自分で片付けをしっかりしましょう。妻がきれいに片付けていれば、夫も「自分もきれいにしなければ」と思うかもしれませんし、妻のすることを真似し始めるかもしれません。
片付ける場所や方法を具体的に教える
片付けの方法や物を仕舞う場所がわからないという夫には、丁寧に教えることが大切です。「片付けてよ」と言うだけでは、いつまでたっても片付けてもらえません。夫に教えようとしたときに、自分もいい加減なルールで片付けていたことに気づくこともあります。きちんとルールを決めて夫にも伝えましょう。
ルールを決めるときは、夫の意見を尊重することも必要です。妻のマイルールにも、非効率な部分や無駄があるかもしれません。夫の意見も採用されたルールなら、夫も「きちんと守ろう」という気持ちが強くなるはずです。
怒らずにお願いする
夫が片付けられなかったり、物を捨てられなかったりすると、怒り出す妻もいますが、決して怒ってはいけません。夫にも、夫なりの考えややり方があるのかもしれません。片付けられない自分に悩んでいる場合もあり、そんなときに怒ると、夫を傷つけるだけです。プライドの高い夫なら、反発するだけでしょう。
片付けてほしいときは、怒るのではなく、丁寧にお願いすることが、夫をうまく動かすコツです。妻に頼まれると、大抵の夫は嫌だと言えません。頼りがいのあるところを見せようと、張り切る夫もいるはずです。
「夫が自分が散らかしたのに、どうして私が頼まなければならないの」と不満を感じる妻もいるかもしれません。しかし、夫に反発されたり、放置されたりするのに比べれば、大したことではありません。ここは夫の顔を立てましょう。
片付けたときは褒める
夫に気分よく片づけをしてもらおうと思えば、もう一つ大切なことがあります。それは褒めて感謝することです。褒められ、感謝されて嫌な気分になる人はいません。たとえ、妻の頼みでようやくやってくれた片付けであっても、「ありがとう。きれいになったわ」と感謝し、褒めましょう。
夫の片付けに多少の不満があっても、注意したり、怒ったりしてはいけません。嫌な気分になった夫は「どうせやっても文句を言われるだけ」と思い、2度とやってくれないかもしれません。多少のことは目をつぶりましょう。
人は褒められると、それが成功体験として記憶に残り、またやってみようという気持ちになります。そうして、何回も片づけをしていくうちに、夫も片付け上手になっていくはずです。
片付けられない夫に悩んだら専門家に相談を
きれい好きな妻にとって、片付けられない夫はストレスがたまるものです。「こんな夫とは離婚したい」と思うこともあるでしょう。しかし、片付けられない夫にも、夫なりの理由やこだわりがあります。夫の気持ちを汲みながら、片付けをするように仕向けるのも妻の腕です。
ただし、中には発達障害のために片付づけられないという夫もいます。この場合は、夫の特徴にあわせた接し方も必要です。片付けられない夫に悩んだら、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談してみてはいかがでしょうか。思わぬ理由に気付かされ、良い対処法が見つかるかもしれません。