突然、主婦が家出をすることがあります。たいていは実家に帰っているプチ家出が多く、夫が謝罪をして自宅に帰ることが多いのですが、行き先が全く分からず、その後も連絡がつかないこともあります。主婦が家出をしたとき、夫はどうすればいいのか、対処法などを紹介します。
妻が家出をしたらどうすればいい?
主婦が家出をしてしまうことは、そう珍しいことではありません。夫婦喧嘩の末、家を飛び出すことがあれば、忽然と姿を消して行方がわからなくなる深刻なケースもあります。また、家出した後、夫に離婚を求める主婦もいます。
妻が家出をしました。
昨夜、仕事から帰ってきたら机の上に私が好きな妻の手料理が置いてあってメモにチンして食べてねとありました。
メモの裏には私のことは探さなくて大丈夫です。
幸せになってください。とありました。そして印鑑の押された離婚届も一緒に置いてありました。
原因は一ヶ月前私の浮気が発覚したことだと思います。妻に泣かれ謝ったら一応許してくれて普通に生活してきました。
浮気したのは魔が差しただけで気持ちはずっと妻にあります。
家には旅行の時に使うキャリーバッグもカバンも置いたままです。妻の保険証もあります。スマホも置いてあって今日携帯ショップに調べにいったら解約してありました。新たに携帯を新規で作ったわけでもないようです。
妻はほぼ何も持たず家を出たようです。今日の夜たまたま妻の実家から電話があったのですが、妻の母親が○○(妻の名前)にかわって〜と言っていたので実家にいるわけでもないみたいです。(妻の母親にはスーパに行っていると嘘をつきました)
妻が今どこにいるのかわかりません。妻の携帯のアドレス帳は全て消されていました。妻の交友関係もわかりませんし探すことができません。
妻のことが好きでやり直したいです。妻の居場所はどうやって見つければいいんでしょう
老後の生活や子供や孫への資金援助が出来るように貯蓄が出来たため、
昨年に退職し現在年金生活を送っていましたところ、突然妻が家出しま
して妻が弁護士を通じて離婚を要求してきました。
妻は離婚の要求に合わせて財産分与や年金分割等を要求しております。
私の財産は貯蓄と家です。家は財産分与で私が受け取ることになると思
いますが、家を受け取ると貯蓄の分与が少なくなるため、老後の生活が
出来ない状況です。
妻は財産分与と年金分割を受け取れば何もふじゅうなく暮らせると思い
ますが、私は今後の生活が出来ない状況です。
主婦の家出にはどのような理由があるのでしょうか。また、妻に家出された夫は、どのように対処すればいいのでしょうか。家出する主な理由や、家出した妻との向き合い方、離婚を考えたときのポイントなどを解説します。
主婦が家出をする主な理由
主婦が家出をしてしまうとき、主にどのような理由があるのでしょうか。よくある理由を紹介します。
夫婦喧嘩で衝動的に飛び出した
主婦の家出で最も多いのは、夫婦喧嘩で感情的になり、家を飛び出すケースでしょう。もともと他人だった2人が生活しているのですから、考え方や価値観の違いから喧嘩をしてしまうことはあります。しかし、互いがあまりに感情的になってしまうと、ついつい相手を傷つけてしまうような言葉を発してしまうことがあります。
妻の中には、追い詰められたり、傷つけられたりすると、衝動的にその場から逃げ出してしまう人もいます。こうした家出は大抵の場合、数時間から数日で帰って来ることが多いのですが、何度も繰り返すようだと本当に妻が帰って来なくなることもあります。そうなってから夫が後悔しても、もう手遅れです。
夫との生活に耐えられない
結婚生活で長く我慢を続けてきたものの、辛抱できなくなり家出してしまう妻もいます。度重なる夫婦喧嘩や、家庭を顧みない態度で夫のことが嫌いになってしまう妻がいますし、DVやモラハラに耐え切れなくなる人もいます。過去の夫の浮気を許したつもりなのに、何度も当時の悲しみや悔しさが思い出されてつらくなってしまうという妻もいるでしょう。
夫の結婚生活で我慢に我慢を重ねて来た主婦が家出をするときは、相当な覚悟を決めています。離婚の話し合いや裁判に向けて、証拠を集めるなど相当な準備も進めている可能性があります。
義父母とこれ以上関わりたくない
夫との関係はそれほど悪くはないのに、夫の両親との関係が悪すぎて「もう義父母とは関わりたくはない」と家を出てしまうケースもあります。夫も自分の両親に肩入れをしたり、自分の親に何も言えなかったりすることが多く、そうした場合、妻は孤独を感じ「今の家には自分の居場所がない」とまで考えることも少なくありません。
妻と両親の仲が悪くても、夫が妻をしっかり守っていれば、妻も多少のことは我慢できるはずです。直接の原因は夫の両親との関係かもしれませんが、夫にも相当の責任があると言っていいでしょう。
家事や育児に疲れた
夫が家事や育児に協力してくれず、子供の教育にもあまり関心を示さないようだと、妻は疲れと共に不満やストレスを溜めこんでしまいます。そうしてためこんださまざまな感情が一気に爆発すると、妻は家を出て行ってしまうことがあります。
育児や家事で疲れた主婦が家出してしまう場合、多くの夫は妻が抱えていた不満や悩みに気づいていません。妻の気持ちなど考えたことがなかったという人もいます。妻の家出をきっかけに、妻の気持ちに気づいても、時すでに遅し。夫婦関係が壊れてしまっている可能性もあるでしょう。
不倫をしている
不倫や浮気が理由で、家を飛び出して帰って来ないケースもあります。相手の男性と駆け落ちしていることもあるでしょう。こうしたときの妻は、相手との恋愛にのめり込み、周囲が見えなくなっています。たとえ行方が分かっても、連れ戻すことは難しいかもしれません。
相手の男性が独身ならまだしも、相手も既婚者だと、相手にも家庭がありますから、泥沼の事態に陥る恐れもあります。妻との関係修復はあきらめて離婚を検討したほうがいいかもしれません。
深刻なトラブルを抱えている
昔付き合っていた男性に弱みを握られて追い回されていたり、夫に黙って作ってしまった借金があるなど、夫には相談できないトラブルを抱えて家出してしまう主婦もいます。どうしたらよいのかわからなくなり、衝動的に家を飛び出す場合のほか、夫や家族に迷惑を掛けないように出ていってしまうケースがあります。
こうした妻には、普段と様子が違ったり、こそこそと行動するなど前兆のようなものが必ずあるものです。妻の微妙な変化も見逃さず、悩み事や心配事がないか尋ねてみることも大切です。
家出をした主婦の行き先は?
突然、家出をした主婦は、どこへ行くことが多いのでしょうか。よくある行き先について紹介します。
実家
家出した主婦の行き先で最も多いのが実家でしょう。実家に帰れば、数日は過ごすことができますし、のんびり過ごして疲労やストレスを解消することもできます。ちょっと夫を困らせてやろうというプチ家出であれば、夫に心配までさせる必要はありませんから、ちょうどいい家出先でしょう。
一方、離婚を決意した場合の家出でも、実家に行く主婦は少なくありません。実家で暮らせば、当面の生活には困りませんし、子供を連れて来た場合は、子供の世話も手伝ってもらえます。夫から連絡が入っても「こっちには来ていないわよ」と匿ってくれる可能性もあるでしょう。実家を安全な場所だと感じる妻もいます。
独身の友人の家
主婦の中には、さまざまな事情から実家に頼れない人もいます。そうした主婦が家出先として選ぶ可能性が高いのは、独り暮らしの友人の家です。友人であれば、しばらく泊めてもらい、相談にも乗ってもらえるかもしれません。しかし、よほど仲が良い友人でなければ、何日も泊まることはできず、長くても数日から1週間程度でしょう。
ホテルなど宿泊施設
実家や友人の家などに頼ることができず、行くところがない主婦は、ホテルや旅館などの宿泊施設に泊まっていることもあります。それほどお金を使うわけにはいかないので、ビジネスホテルやカプセルホテルなどに泊まることが多いようです。また、サウナや個室付きのネットカフェなどで過ごす人もいます。
あてもなく家を出た人は、たまたま見つけたラブホテルや民宿などに泊まっているケースもあります。しばらく帰るつもりがない人は、ウィークリーマンションを借りているかもしれません。
浮気相手の家
家出した主婦に独身の浮気相手がいる場合、浮気相手の家にいるかもしれません。もし、浮気相手の家にいることを確認し、証拠を押さえることができれば、夫は慰謝料を請求できる可能性があります。
浮気相手も既婚者だった場合は、2人で行動している可能性もあります。こうした2人は、家出したその後のことを考えず、無計画で行動していることが多く、どうしようもなくなってトラブルを引き起こすこともあります。
主婦である妻が家出をしたときの対処法
専業主婦だった妻が突然家出をしたとき、夫はどうすればいいのでしょうか。とりあえず、相手を見つけないことには、対応ができません。妻の行き先を突き止めることが先決です。妻の行方を捜す方法を紹介します。
しかし、注意が必要なのは、家出の原因が夫の暴力やモラハラだった場合です。妻は誰かに匿われている可能性があり、強引に妻の行き先を突き止めようとすると、ストーカー行為とみなされる恐れがあります。この場合は、第三者を間に入れて妻の意向を確認するのが賢明でしょう。
行きそうな場所を探してみる
妻がいなくなったときは、できるだけ早く捜すことが大切です。事前に準備していた場合は、既に落ち着き先を見つけているかもしれませんが、突然出て行った場合は、行き慣れた場所や、頼りになりそうな人の所にいるはずです。心当たりのある場所を捜してみましょう。
妻の実家や友人などにも行方を知らないか尋ね、立ち寄りそうな場所についても聞いてみることも必要です。比較的近くにある格安の宿泊施設、スーパー銭湯やカラオケやネットカフェなども当たってみましょう。
妻のスマホに電話やSNSで連絡する
妻がスマホを持って家を出たときは、電話をかけてみましょう。もし、メッセージを残せることができるのなら、本人に連絡を取ることも大切です。LINEなどのSNSにメッセージを送ってもいいでしょう。SNSの場合、既読であることがわかれば、連絡がつく可能性があります。
妻の持ち物をチェックする
妻の行き先の手掛かりは、妻が持って行ったものや、残していったものから見つかる可能性があります。財布や通帳、身分証などがなくなっていて、衣服や旅行かばんもないようなら、事前に家出を計画していた可能性があります。そうなると、見つけるのは簡単ではないかもしれません。また、妻からの置き手紙が残されていることもあります。
逆に財布やスマホが残されている場合は、ただの家出ではなく、事件やトラブルに巻き込まれているのかもしれません。実家や友人などできるだけ多くの人の力を借り、早急に行方を捜すことが重要です。場合によっては警察に相談することも検討してください。
探偵事務所や興信所に調査を依頼する
さまざまな手を尽くしても妻を見つけられない場合は、探偵事務所や興信所に調査を依頼する方法もあります。警察が捜査に乗り出すのは事件性が疑われる場合ですから、家出の可能性が高い場合は捜査の対象にはなりません。この場合、費用を払ってでも、専門家に頼んだほうが見つかる可能性が高くなります。
費用のことが心配なら、無料相談を受け付けている探偵事務所などに相談してみてもいいでしょう。状況などから緊急性が高いのかどうか判断してもらえますし、大まかな費用についても教えてもらえます。
トラブルが考えられる場合は警察に届ける
財布やスマホも持たずに出て行ったきり帰って来ない場合や、多額の借金などトラブルを抱えていることがわかった場合は、深刻な事態になっている恐れもあります。連絡も取れず、誰も行方を知らない場合は、警察に相談し捜索願を出すことも考えましょう。事件性があると判断すれば、警察も行方を捜してくれる可能性があります。
捜索願を出しておけば、交通事故に遭ったり、職務質問で身元を確認されたりしたときに、警察から発見の連絡が入ります。
家出して帰ってこない妻と離婚できる?
家出して帰ってこない妻とは離婚できるのでしょうか。家出をしたまま生死も分からず何年も家に帰って来ない場合は、裁判を起こして離婚できる可能性があります。ただし、何らかの方法で妻が生きていることが確認できる場合は当てはまりません。
妻が別の場所で暮らしていることははっきりしているものの、家に帰って来ないという場合、妻と離婚できるのかどうかについて解説します。
妻と合意できれば離婚も可能
離婚は基本的に、夫婦の双方の合意によって成立します。家出している妻と連絡が取れ、双方が合意できれば離婚できますが、財産分与や親権、養育費、慰謝料などの条件で折り合いがつかない可能性もあります。特に家出の理由によっては、どちらかが慰謝料を請求できる可能性もあるため、離婚理由をめぐって話し合いがつかないこともあるでしょう。
おそらく家出をしている妻は直接話し合うことを拒否するでしょうから、間に第三者を入れた話し合いになると思われます。親や友人を間に入れてもいいのですが、中立的な立場で話し合いを仲介してもらえるかどうかわからないので、弁護士を代理人に立てることも検討しましょう。
離婚の合意を得られないときは調停という手も
何らかの理由で妻が離婚に反対したり、離婚の条件で折り合えなかったりした場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。調停とは裁判所の調停委員を介した話し合いで、調停委員が双方の意見を聞き、言い分を整理して合意を目指します。しかし、合意できる見込みがないときは調停不調として打ち切られてしまいます。
調停が打ち切られると、再び妻との間で離婚の話し合いを続けるか、離婚裁判を起こして裁判所に離婚を求めることになります。裁判で認められれば、相手の合意がなくても離婚が可能です。ただし、離婚裁判を起こすには離婚調停を行うことが前提で、離婚調停を行わずに裁判はできません。
裁判で離婚できることも
離婚裁判では証拠に基づいて離婚を認めるべきかどうかが審理され、裁判で認められると、相手の合意がなくても離婚できます。離婚の条件についても裁判所が判断します。ただし、離婚が認められるには、民法で定められた「離婚事由」があり、夫婦関係の修復が困難だと裁判所に判断してもらわなければなりません。離婚事由とは、次の5つの事情です。
・配偶者が浮気や不倫(不貞行為)をした
・一方的な別居や生活費の未払いなど配偶者の悪意で遺棄された(悪意の遺棄)
・配偶者の生死が不明で3年以上経つ
・配偶者が重症の精神病で治る見込みがない
・婚姻を継続しがたい重大な事由がある
妻が家出した場合は「悪意の遺棄」に該当するかどうかが一つのポイントでしょう。どのような場合なら、悪意の遺棄と判断されるのかを解説します。
悪意の遺棄となり得るケース
妻側の「悪意の遺棄」が認められるのは、夫側に何も問題がなく妻が一方的に家出した場合です。もちろん、家出の原因が不倫や浮気だった場合は「不貞行為」も加わります。妻側の悪意の遺棄が認められた場合、夫には慰謝料の請求が認められる可能性もあります。たとえば、次のようなケースです。
・「夫と一緒に暮らしたくない」「1人になりたい」などと言って家を出た
・義父母と不仲だったが、夫と話し合いをすることもなく一方的に家出した
・「好きな人ができた」と言って一人暮らしを始めた
悪意の遺棄とは言い難いケース
妻の家出に正当な理由がある場合、「悪意の遺棄」とは認められない可能性があります。たとえ、離婚が認められても慰謝料請求は難しいでしょう。逆に家出の理由が夫側にある場合、夫が慰謝料を請求されることもあります。
・家庭内別居など夫婦関係が既に破綻していた
・義父母と不仲で夫に助けを求めたが、夫が何も手立てを取らなかった
・夫のDVやモラハラに耐え切れず、妻が家を出た
・夫の不倫や浮気を許せず、家出した
家出して帰ってこない妻に悩んだら専門家に相談を
主婦が家出するのには、さまざまな事情や理由があります。しかし、理由が何であれ、早く見つけることが大切です。特に夫が関係修復を願っている場合、家出が長引くほど、事態が悪化する恐れがあります。
どうしても見つけられないときは探偵事務所や興信所、警察など専門家に相談することも大切です。勝手に家出をした妻に愛想を尽かし、離婚を考えたときは離婚問題に詳しい弁護士に適切な対処法を相談してみましょう。