夫・妻から人格を否定する言葉を言われる…これはモラハラ?
「モラハラ」というワードは昨今よく耳にするほど話題にはなっていますが、一体どのような態度がモラハラに当たるのか、はっきりとわかっていない方もいるのではないでしょうか。
モラハラは愛情が失われ、離婚につながる恐れもあります。まず、モラハラに該当するかもしれない言動について確認していきましょう。思い当たる点が一つでもあれば、それはモラハラかもしれません。
・夫、妻の人格を否定するような悪口を言う
・夫、妻の趣味や楽しみを否定する
・夫、妻の家族や友人を否定的に見ている
・子供に夫、妻の悪口を言う
・夫、妻の行動を制限する、もしくは監視する
・夫、妻の行動に小言や文句を言う
・夫、妻を家事や育児に参加させない
・夫、妻に対してため息をついたり、舌打ちしたり、にらんだりすることがある
・夫、妻の前で不機嫌そうな態度を取ることが多い
夫婦間で人格を否定する言葉とは?
「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあるように、たとえ夫婦間であっても使ってはいけない言葉があります。モラハラに当たる言動にはさまざまなものがあります。今回は特に、モラハラに当たるかもしれない、相手の人格を否定する「言葉」を具体的に紹介していきます。
①性格・性質を否定する言葉
・全ての動きがトロいんだよ
・愛想悪すぎて仕事も上手くいかないでしょ?
・細かいこと気にしすぎ。見ててイライラする
生まれ持った性格や性質などは、自分の力ではどうしようもないものです。どうしようもないものだからこそ、言葉で攻撃することによって、相手の精神を深く傷つけてしまいます。
②身体的な特徴を否定する言葉
・デブすぎて目も当てられない
・最近禿げてきてみっともない
・ガリガリすぎて気持ち悪い
「太っている」などの身体的な特徴を否定し、貶すことは、夫婦やどんなに仲の良い間柄であっても言ってはいけません。
③他人と比較する言葉
・普通の主婦はみんなやってる
・◯◯さんの家が羨ましいよ
・うちの親と比較してお前はまだまだだ
誰しも、家庭内と外では見せる顔が違うものです。自分の家庭と比較して他がどんなに素敵に見えたとしても、それは他所行きのもので比較することはできません。
④生き方を否定する言葉
・育ちが悪くて子供の教育に悪い
・お前みたいな田舎者にはわからない
・パパみたいなマザコンになっちゃダメよ
生き方を否定することは、相手だけでなく相手の環境も否定することになります。それはつまり、相手の周りの人をも貶すことに他なりません。
⑤能力を否定する言葉
・何をやってもダメだな
・お前はそんなことも知らないのか。よく生活できてるな
・文句があるなら俺より稼いでから言ってみろ
・どうしてこんなに料理が不味いんだ
仕事や家事の能力を否定することもモラハラに当たる可能性があります。否定するのではなく、話し合って解決していくことが夫婦として大切です。
⑥存在を否定する言葉
・教育に悪い
・お前と結婚しなければよかった
・もっと綺麗なパパ/ママと結婚すればよかった
・うっとうしくて目障りだから出ていけ
存在を否定する言葉もまた、夫婦以前に人間として言ってはいけません。夫婦間に深い溝が生まれ、離婚につながりかねないからです。
⑦責任を押し付ける言葉
・お前の育て方が悪い
・俺の方が疲れている
・家事は女の仕事だろ
家庭内で起きたことには、夫婦どちらにも責任があります。その責任を一方的に押し付け、精神的にダメージを与える言葉は、モラハラに当たる場合があります。
人格を否定する言葉を使う心理は?
愛情を持って結婚したはずなのに、人格を否定するような言葉を使うのはなぜなのでしょうか。モラハラを行う人の中には、自覚なく相手を傷つけてしまっている人もいるかもしれません。その心理として、以下の3つが考えられます。
コミュニケーションを取れていると思い込んでいる
普段から気軽なコミュニケーションを取り合っている夫婦では、人格を否定する言葉を軽口の一環だと捉えている場合があります。親しい人にほどからかうような対応をしてしまう人が一定数いるように、親しいからこそ相手を思いやらないひと言を発してしまうのかもしれません。
プライドが高く、優位に立ちたい
プライドが高い人は、他の人を下に見ることでプライドを保っていることも多いです。家庭内という自分をさらけ出せる場所で、相手を貶す言葉を使い、ぞんざいに扱うことで、優位に立とうとしているのかもしれません。ある種、相手に甘えているのです。
ストレスが溜まっている
仕事や家事、育児のストレスを相手にぶつけてしまい、結果的にそれが人格を否定する言葉となってしまうパターンもあります。心理的・精神的に余裕がないとどんなに相手に対する愛情があっても、強い態度を取ってしまったり、嫌味のような言葉を発したりしてしまう場合もあるからです。
人格を否定する言葉を言われた時の対処法
日常的に人格を否定する言葉を使われると、夫婦関係の悪化を招き、離婚に繋がってしまいます。それを防ぐためには、どのように対処していけば良いのでしょうか。
話し合う
何よりもまず、じっくりと腰を据えて話し合うことが大切です。相手が自分を貶す要因はコミュニケーションのすれ違いなのか、プライドの高さなのか、ストレスなのかなど今一度しっかりと話し合う必要があるからです。原因を見つけ、協力し合っていくことが問題解決の糸口です。
夫婦のルールを決める
「体型のことには触れない」「◯◯という言葉は使わない」など、夫婦で明確にルールを決めることで、人格を否定する言葉を使う機会を減らすことができます。
そういった言葉を使う人の中には、自分が相手を傷つけているという自覚がない場合も多いです。こんな言葉をぶつけられると傷つく、ということをしっかりと伝え、線引きをしましょう。ルールに反した場合は、ペナルティを課すことを約束するのも大切です。
相手にしない
人格を否定する言葉を使われた場合、完全に無視するのも一つの手です。残念ながらモラハラは、どんなに話し合っても解決しない場合が多いです。言葉で通じないならば、毅然とした態度で示しましょう。
北松戸ファミリオ法律事務所
ただし、無視自体もモラハラになりうる行為ですので、状況に応じた対応が必要です。
人格を否定する言葉はモラハラに該当する可能性がある
人格を否定する言葉は、モラハラに当たる可能性があります。しかし、愛情を持って相手と接せば、相手を傷つける言葉を使う機会は減っていくはずです。離婚という結末を迎える前に、今一度夫婦で話し合い、コミュニケーションの取り方を見直していきましょう。
北松戸ファミリオ法律事務所(千葉県弁護士会所属)
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