モラハラ夫は暴言や冷笑といった攻撃で妻に精神的なダメージを与えます。モラハラ夫のやり方にはストレスが溜まります。夫を黙らせるために、弱点を見つけて反撃してやりたいと思っている妻も多いでしょう。そんな妻のために、モラハラ夫の弱点や効果的な攻撃方法を紹介します。
モラハラ夫に弱点はある?モラハラ夫を黙らせるには
モラハラ夫は、妻に対し傍若無人に振る舞い、容赦ない言葉で責め立てます。自分は優秀な人間だと信じ込み、実際、頭の回転が速く賢い人が多いので、妻が何か言い返せば、徹底的に反論し、妻が何も言えなくなるまで攻撃します。もう夫には何を言っても無駄だと諦めている妻も多いのではないでしょうか。
しかし、モラハラ夫にも弱点があります。その弱点を突けば、うまく反撃でき、モラハラを夫を黙らせられるかもしれません。モラハラ夫の心理的な弱点とそれを利用した攻撃方法を紹介します。
モラハラ夫を黙らせる5つの弱点
モラハラをする人が妻や子供、会社の部下などに対して容赦ないのは、自分の優位さや力を誇示して、満足したいからだと言われます。裏を返せば、自分に自信がなく、常に自分の立場を確認しておかないと安心できない小心者だということです。
実際、自分より強い人間に対しては従順なことが多く、気が強い女性や自分より収入が高い女性を嫌がるという一面もあります。こうしたコンプレックスがモラハラ夫の弱点と言えるでしょう。具体的に、どのようなときに弱点を露呈するのか、紹介します。
自分より強い人に頭が上がらない
モラハラする人が攻撃の対象とするのは、妻や子供、仕事の部下など自分より立場の弱い人です。自分より立場が強い人、気が強い人に対しては従順で逆らいません。常に自分の立場を意識していて、それが弱点だと言えます。
このため、妻がいくら言っても言う事をきかないのに、両親や義父母、先輩、会社の上司などに強く言われると、すぐに従う傾向があります。また、妻のほうが気が強かったり、収入が多かったりしても、モラハラできません。
無視されると傷つく
モラハラをする夫の心理の1つに承認欲求があります。これは自分の優秀さや強さを認めてほしいという欲求です。モラハラ夫は、妻に自分の言い分を正しいと認めさせ、屈服させることで承認欲求を満たしているのです。このため、妻が夫の言うことに関心を示さなかったり無視したりすると、欲求が満たされず傷ついてしまうという弱点があります。
もともとモラハラをする人は、自分に自信がなく、人から賞賛されたいと思っています。妻に対しても、頼りにされたい、尊敬されたいと思っています。このため、妻を支配しようとするのです。それなのに妻が無反応だと、自分がどのように評価されたのかがわからず、ひどく落ち込んでしまいます。
孤独に耐えられない
周囲から賞賛されたいモラハラ夫は、孤独を嫌がる傾向があります。1人だと、自分の優秀さを確認する相手がおらず、自尊心も満たされないからです。また、妻を束縛しようとしたり、執着心が強かったりするのも、一人になるのを恐れているといえます。
妻が夫以外の友人と話をしていたり、友人と食事に出かけたりすると、不機嫌になったり怒ったりしないでしょうか。モラハラ夫はいろいろと理屈をつけて、文句を言いますが、それは妻が自分から離れてほしくない、一人ぼっちにしてほしくないという弱さの裏返しです。
世間体を気にする
自分に対する評価を気にするモラハラ夫は、世間体を気にする傾向にあります。家の外では、よき夫、よき父親として振る舞い「優しい旦那さん」「家族思いのお父さん」と見られたいのです。実際、妻が周囲に夫のモラハラを訴えても信じてもらえなかったという話はよくあります。
妻から離婚を切り出されたときに、世間体を気にしてなかなか離婚に同意しないケースもあります。また、モラハラの加害者であると周囲に見られるのを恐れ、絶対にモラハラを認めようとしないのも特徴です。
自分の弱さを受け入れられない
モラハラ夫が常に強気な態度で、自分の正しさを主張するのは、自分の弱さを隠し、取り繕うためです。裏を返せば、自分の弱さに向き合い、それを克服する勇気がありません。自分の失敗を他人のせいにする傾向もあります。それだけ劣等感やコンプレックスが強く、自分に甘い性格だともいえるでしょう。
このため、妻から自分の欠点や弱さを指摘されると、烈火のごとく怒りだします。自分の弱さを認めたくないがため、虚勢を張り、さらにモラハラ行為がエスカレートすることもあります。自分の弱さを認められないことが、モラハラ夫の最大の弱点かもしれません。
モラハラ夫の弱点を突いて黙らせる対処法
モラハラ夫の弱点は、自分の弱さを認められないところや、自分より強い人には強気になれないこと、孤独に耐えられないことなどです。こうした弱点を利用して反撃する方法を紹介します。
黙らせたいときは「見限る」
自分が優秀な人間だとアピールしたくて、あれこれ文句を言ったり指図したりしてくるモラハラ夫を黙らせたいときは、相手にせず見限るに限ります。何を言われても「ふうん」「そうなの」と言って相手にせず、あんまりしつこいようだと「細かなことにうるさい人ね」「何度言わなくても、一度言えばわかるわよ」と一言で済まします。
もう、「あなたの相手をするのはやめたわ」「もう期待はしていないわ」というふうに、いかにも見限ったという態度を取れば、モラハラ夫は相当なショックを受けるはずです。そして、もう捨てられてしまうのではないかという不安に駆られ、居ても立っても居られなくなることでしょう。
自分の意見を通したいときは「理詰め」
モラハラ夫は自分勝手な理屈で、妻に自分の言うことを聞かせようとします。自分が優秀な人間だと思っているモラハラ夫は一見、論理的に攻めてくるので反論できない妻もいますが、自分の意見を通したいときは、理詰めで反撃してみましょう。
「どうして、あなたのほうが正しいと最初からわかるの」「一方的に意見を押し付けて、うまくいかなかったときは、どう責任をとるの」と相手の意見の根拠や覚悟を問いただすと、意外ともろく支離滅裂なことを言い出すもので、最後は「俺を信じていないのか」「お前のことを思って言ってやっているのに」と感情論を口にし始めます。
「じゃあ、あなたは私のことを信じていないの?」「自分のことを自分で決めて何が悪いの?」「それって、あなたの感想よね」などと言えば、さすがのモラハラ夫も撃沈するでしょう。
小ばかにされたくない時は「受け流す」
モラハラ夫は、自分のほうが優秀な人間で、価値があるということをアピールするために、妻をすぐに小ばかにします。そんな扱いをされることに嫌気がさしたら、相手の言葉をすべて受け流しましょう。
たとえば、夫が妻に意見を求めるときがありますが、これは大抵モラハラのための罠です。もし、夫に賛同すれば「俺の真似せずに自分の頭で考えろよ。考えることもできないのか」となどと小ばかにし、夫の意見に反対すると「そんなわけないだろ。全く何も考えていないな」と批判します。要するに自分のほうが優秀な人間だと言いたいだけです。
そんなときは「どうだろうね。あなたがそう思うのなら、それでいいじゃない」と自分の意見を言わずに受け流します。肩透かしをくらった形になった夫は、何も言えないはずです。それでも「お前の意見はどうなんだ」と聞いてきたら、「私の意見を聞かないと自信が持てないの?」とでも言っておきましょうか。
夫の態度が我慢できないときは「逆切れ」
モラハラ夫は自分より優秀な女性や気の強い女性が苦手です。モラハラしようとしても、逆にやり込められてしまうかもしれないからです。こうした弱点を突くために、夫の態度に我慢できなくなったら、一度逆切れしてみてはどうでしょうか。
モラハラ夫が暴言を吐いたとき、それに負けないくらいの声で「いい加減にしてよ」「あなたはそんなに偉いの?」などと言い返してやりましょう。普段から受けているモラハラをそっくりそのまま、お返ししても効果があるかもしれません。驚いておとなしくなり、どこかへ行ってくれるかもしれません。
しかし、中にはさらに激高して、しつこく怒り続ける夫もいるので注意が必要です。中には暴力を振るわれる妻もいます。少し危険なので、相手の性格をよく見極めて反撃した方がいいかもしれません。
覚悟を決めたときは「家を出る」
モラハラ夫との関係修復を諦め、離婚することになってもいいと決断したら、家を出て別居しましょう。これがモラハラ夫に対する最高の反撃です。妻がいないと、自分と比較する対象がいなくなり、威張り散らすこともできません。何よりそばで束縛しておきたかった相手がいないのですから、相当なショックを受けるはずです。
多くのモラハラ夫は妻が出て行くと、あの手この手で妻を呼び戻そうとします。「生活費は払わない」と言ったり「慰謝料を請求する」と脅したり、中には「許してほしい」と泣きつく夫もいます。しかし、妻が家に戻ると、多くの場合、再びモラハラが始まります。安易に妥協しない強い決意が妻には求められます。
モラハラ夫の弱点を突いてもダメなときは離婚?
モラハラ夫の弱点を突いて攻撃をすると、さすがのモラハラ夫も黙り込むことが多いのですが、それでモラハラが治ったり、態度を改めたりするわけではありません。ときにはムキになってモラハラ行為をエスカレートさせることもあります。
こうしたモラハラ夫の言動に耐えられなくなり、離婚を考える妻もいます。妻からの反撃を受けても一向に反省しないモラハラ夫と離婚できるのでしょうか。モラハラ夫との離婚を考える際のポイントを紹介します。
モラハラ夫と離婚できる?
結論から言うと、モラハラ夫との離婚は容易ではありません。離婚するには基本的に夫婦で話し合い、離婚の条件に合意する「協議離婚」を目指しますが、モラハラ夫は多くの場合、離婚には応じません。なぜなら、妻を束縛したいと思っており、世間体が悪いのも嫌がるからです。そのうえ、自分のモラハラが離婚原因だとは絶対に認めません。
たとえ、離婚に応じるようなそぶりを見せても、離婚の原因は妻側にあるとして多額の慰謝料を要求したり、「一切財産を請求しない」といった法外な条件を出したりして、条件面で折り合えないようにします。あっさり離婚に同意してもらえることは、ほとんどないと覚悟しておきましょう。
離婚裁判を覚悟する必要も
モラハラ夫が離婚を拒否した場合や、子供の親権や養育費、財産分与などの条件面で折り合いがつかない場合は協議離婚を諦めて「離婚調停」を家庭裁判所に申し立てます。調停とは裁判所を介した話し合いです。調停をしても、モラハラ夫が離婚に同意する可能性は低いのですが、「調停前置主義」といって離婚裁判を起こす前には必ず調停を行うのがルールです。
調停では、家庭裁判所の調停委員が間に入り、離婚の条件などについて話し合います。基本的には夫婦それぞれが調停委員と話をし、夫婦同士が直接話をすることはほとんどありません。調停でも、双方が離婚に同意しなければ調停不成立となり、「離婚裁判」に進みます。モラハラの実態を調停委員に理解してもらうのは難しく、証拠集めなどの準備も重要です。
別居を続けられるのなら確実
離婚協議でも調停でも離婚に合意できない場合、最後は離婚裁判で裁判所の判断を仰ぐことになります。しかし、モラハラを理由に離婚を認めてもらうには相当高いハードルがあります。特に夫が反省の態度を示して関係修復を望んでいる場合、「夫婦関係が破綻しているとはいえない」と判断され、離婚できない可能性が高くなります。
このため、多くのケースではモラハラ以外にDVや不倫などほかにも、離婚の理由となる行為がないか探すことになります。別居期間が長いと夫婦関係が破綻していると認められやすくなるため、とりあえず別居を選択することもあります。別居期間は事情にもよりますが、5年以上続くと離婚が認められやすくなります。
弱点を突いてもモラハラ夫を改心させるのは難しい
モラハラ夫は、妻には強い態度を見せる一方で、心に弱さを抱えています。自分でそれを認めたくなくて虚勢を張るのです。夫の弱点を知れば、モラハラへの対応もしやすくなります。うまく弱点を突いてモラハラ夫に一矢報いましょう。
しかし、いくら弱点を突いても、それでモラハラがすぐに改善するわけではありません。モラハラ気質は簡単には治らず、妻は悩まされ続けることになるでしょう。どうしても我慢できないときは別居や離婚を考えることも必要です。モラハラに詳しい弁護士に相談して、今後の夫婦のありかたについて考えてみましょう。
遠藤 裕子
モラハラに関するご相談は年々増えています。夫婦喧嘩の域から、当事者達が「モラハラ」に気付かず問題が深刻化しているケースまでさまざまです。
対処法はモラハラの種類や程度、夫の性格、気質によっても異なります。不用意に弱点を攻撃すると激昂して暴れたり、モラハラがエスカレートしたりする場合もあり、注意が必要です。
専門家はさまざまな事例をみていますので、ご主人様の弱点や効果的な対処法をご提案できると思います。ぜひご相談ください。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。
過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー
LABプロファイルプラクティショナー
ホームカウンセラー