不機嫌になると暴言を繰り返す夫に疲れた妻はどうすればいいのでしょうか。夫への気持ちが冷めたと離婚を考えている妻もいるでしょう。夫の暴言に疲れた妻には、どのような選択があるのかを【体験談】とともに紹介します。離婚するときに必要な準備についても説明します。
夫の暴言に疲れた…離婚はできる?
夫の暴言に悩む妻は少なくありません。暴言にも種類があり、「お前はダメなやつだ」「役立たず」などと人格を否定するするものや「いつも暇そうだな」「家で楽ばかりしているんだろ」などと妻を見下すもの、「誰のおかげで生活できると思っているんだ」「文句があるなら稼いで来い」などと経済的に追い詰めるものなどがあります。
いずれにせよ、こうした暴言を受け続けると、妻はすっかり自信をなくし、「自分がダメな人間だから夫に迷惑をかけている」「夫がいないと生きていけない」などと思い込むようになってしまいます。夫から暴言を受けている妻はそうなる前に対策を打たなければなりません。限界を感じたら離婚も対策の一つでしょう。
暴言を繰り返す夫と離婚できる?
暴言を繰り返す夫と離婚するには、互いに話し合って離婚に合意する「協議離婚」が一番早い方法です。しかし、多くの場合、暴言を吐く夫は簡単には離婚に応じません。夫に離婚に応じてもらえない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。離婚調停では、裁判所の調停委員を介して話し合いをしますが、双方合意できない場合は「調停不調」となり終了します。
調停が不調になった場合、離婚裁判を起こす方法が残されています。裁判で離婚が認められれば、合意がなくても離婚できますが、そう簡単ではありません。暴言の程度が結婚生活を続けられないほど悪質で、実際に夫婦関係が破綻していることを証明しなければなりません。弁護士の意見も聞いて慎重に判断することが必要です。
夫の暴言に疲れたら離婚した方がいい?妻の心理とは
夫の暴言に疲れた妻はどのようなことを考え、どのような行動をとるのでしょうか。妻の体験談とともに紹介します。
暴言を直すのは無理だと諦める
不機嫌になると暴言を吐く夫に対し、多くの妻は最初、夫に変わってほしいと願い、自分の態度を改めたり、夫との接し方を変えたりすれば、平穏な夫婦生活を送れるようになるのではないかと考えます。しかし、夫がモラハラ気質だった場合、逆効果になることが多いようです。
暴言を吐いた後に、妻の態度が変わると、夫は「厳しい口調で言えば、妻は自分の言うことを聞く」と考えてしまいます。その効果を忘れられない夫は、妻を従わせるため、更に暴言を吐き、どんどんエスカレートさせていきます。やがて夫を変えようと努力することに疲れた妻は、「夫を変えるのは無理だ」と諦めてしまいます。
喧嘩になると「お前は価値なし」「お前が俺をこんな風にさせた(すぐ切れるとか、暴言はくとか)」「お前がこんなにバカじゃなかったら結婚生活はうまくいく」など数えればきりがないんですが、常に上から目線で物言われて人間として扱われてないような気におちいってしまうんです。また夫は私の家族のことを平気で悪く言ったりもします。
完全に私のことを見下しています。こんな状況の夫に変われと言っても無理な話はよくわかっています。なにせ本人は一切悪いと思っていないので。私は今別れるべきかすごく悩んでいます。
子供のために我慢する
暴言を吐く夫にストレスを抱えた妻が限界だと感じていても、子供が父親になついていると、母親として「父親と引き離すのはかわいそうだ」と考えてしまいます。「離婚したいが、子供のために我慢するしかない」と耐えている妻も少なくありません。
しかし、子供の前で父親が母親に暴言を吐いていると、その光景は子供に心に忘れられない傷として残る恐れがあります。子供の成育への影響を長い目で見て、どうすればいいのかを考える必要があるでしょう。専門家にも相談して、夫婦のあり方を考える必要があります。
結婚10年。短気ですぐにカッとなるモラハラ感のある性格の旦那との生活では口論が絶えません。
子供が出来ても変わりません。私は子どもの前での喧嘩は控えたいのですが、旦那は子供だって家族なんだから親の喧嘩だって聞きたいはずだ。と言って子供がいるいない関係無しにひどい言葉を私に言ってきます。
ちなみに、子どもの5歳の男の子にも、お母さんみたいなクソ女と結婚するんじゃないぞ。と言う。
夫婦間の口論にも言っても良いこと悪い事ってあると思うのですが、明らかにここ一年程の旦那の言葉が酷すぎてもう我慢の限界です。
こんな旦那でも子供が好きなお父さんである以上、母親として離婚せず我慢するべきでしょうか?
離婚を検討する
妻への暴言がエスカレートすると、暴力にも発展することがあります。また、妻だけでなく、子供にも暴言を吐くようになることもあります。そこまでエスカレートすると、妻も我慢できなくなることが多いようです。たとえ、夫に発達障害や病気などの理由があったとしても、子供への影響を考えると、離婚を考えざるをえないでしょう。
しかし、中にはこうした状況に陥っても、「自分が我慢すればいいのだから」と離婚をためらう妻がいますが、そうした妻は洗脳に近い状態である可能性があります。妻が夫に支配されているような家庭環境では子供にも悪影響が及びます。夫の暴言がひどくなってきたら、早めに専門家に相談しましょう。
旦那の暴言に嫌気がします。
年々旦那の暴言が酷くなる一方です。
最近では、子どもの前でもお構い無しで、酷い時は子どものお尻を思いっきり叩いたり、私の事も殴ってきます(腕や足ですが)
家の中だけではなくて、外でも暴言を吐く時も稀にあります。
言葉遣いも乱暴でイライラがおさまりません。
本人は、一度イライラすると周りが見えなくなるくらい暴走するみたいで、落ち着くと暴言や暴走してた記憶があまりないようです。
最近精神科で頓服の安定剤を貰ったりしてますが、
あまり効果は見えず年々酷くなる一方で子どもにも悪影響な気がして離婚を考えてます。
暴言を繰り返す夫と関係修復はできる?
暴言を繰り返す夫にストレスを抱えながらも「それでも関係修復をしたい」と考える妻もいます。「夫に愛情が残っている」「子供のために離婚したくない」「一人では生活できない」など理由もさまざまですが、暴言を繰り返す夫との関係修復は可能なのでしょうか。
関係修復は難しい
結論から言ってしまうと、関係修復は非常に困難です。もちろん、関係修復できた夫婦も少なくありませんが、それには夫が自分の暴言に気付き反省することが必要です。しかし、夫がモラハラ気質の場合、夫は自分の非を決して認めようとしません。関係修復ができたケースでも、長い期間、お互いに努力して修復に至ったというケースが多いようです。
暴言を繰り返す夫は、パーソナリティー障害や自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)、鬱病などの精神的な疾患や障害を抱えていることもあります。そうした疾患や障害の治療を受けることで、暴言がなくなる可能性はあります。ただ、治療を本人が進んで受ける必要があり、そう簡単ではありません。
関係修復には専門家の助けが欠かせない
たとえ多少の困難があっても、夫婦関係を修復したいと思ったら、専門家の助けが欠かせません。まずは、夫婦関係に詳しいカウンセラー、自治体やNPOが開設している相談窓口などで話を聞いてもらい、客観的に夫婦関係がどのような状態なのかを判断してもらいましょう。
もちろん、納得のいく答えが得られるかどうかわかりませんが、一つの判断材料となるはずです。それによって自閉スペクトラム症などの発達障害や鬱病など精神疾患の可能性を指摘されたら、夫に受診を勧めてみましょう。もし、自分自身も暴言によって心身に不調をきたしているのなら、自分で精神科を受診し、夫婦関係について相談する方法もあります。
関係修復できるかは夫婦の協力しだい
不機嫌になる暴言を繰り返す夫と関係修復するには、夫が自分の暴言に気付き深く反省できるかどうかにかかっています。そのためには妻の働きかけが欠かせませんし、互いに関係修復に向けて努力する姿勢も大切です。関係修復をすると決めたら、専門家の助けも受けながら、辛抱強く夫と話し合いを続けていきましょう。
夫の暴言に疲れた妻が離婚するときに必要な準備
いくら妻が関係修復を望んでも、夫に「暴言を繰り返している」という意識がなければ、離婚を検討せざるを得ません。暴言で傷ついた心をそのままにして、ストレスのかかる同居生活を続けても、いずれは妻の心身が限界を迎えるだけです。どうしても夫が変わらないのであれば、自分の身を守るためにも離婚を検討しましょう。
離婚裁判を覚悟して準備を進める
離婚するには、夫婦で話し合って離婚する「協議離婚」が基本ですが、暴言の自覚がない夫が離婚に応じる可能性は低いでしょう。特にモラハラ気質の夫は、妻を支配しようと夫婦関係に執着するため、ほとんどの場合、離婚には応じません。離婚に応じても、自分の非は認めず「責任は妻にある」と主張するでしょう。
離婚調停になっても態度は変わらないでしょうから、離婚裁判を考えざるを得ませんが、「暴言で心が傷ついた。夫への気持ちが冷めた」と訴えても、それだけでは離婚が認められる可能性は低いと言わざるを得ません。
裁判では、夫の言動が夫婦関係の継続が困難なほど悪質で、重大な程度だということを証明しなければならないからです。
新大塚法律事務所
婚姻を継続することが困難なほどに重大かは、暴言等の内容、期間・頻度、暴言を受けた配偶者側の被害の程度(症状の重大性)、暴言に至る原因などを総合考慮して判断されますので、それらを証明する証拠が必要となります。
このため、裁判になれば暴言自体の証拠はもちろん、その内容、期間、頻度、それによる被害の程度などの証拠も必要です。
暴言のみで夫婦関係が継続し難い重大な事由とまでいえなくても、浮気のようにそれだけで離婚が認められやすい事由のほか、DVや家計を傾かせるほどの浪費など結婚生活を継続し難い事由などがある場合は、それらを合わせた総合判断で離婚が認められやすくなる可能性があります。
離婚が認められる可能性はあるか、どのような証拠が必要なのか、など事前に弁護士に相談するといいでしょう。
離婚が難しければ別居から
すぐに離婚が難しければ、とりあえず別居する方法があります。別居すれば、夫の収入のほうが妻より多い場合、婚姻費用として生活費を受け取れますし、別居が長期間に及べば、離婚が裁判で認められやすくなります。夫が生活費の支払を拒否した場合、「婚姻費用分担請求」もできます。
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ただし、理由なく別居すると、逆に同居義務違反だと主張される可能性もありますので、あくまで、暴言などを苦にしての別居など、夫側に同居を困難にさせる原因がある場合に、別居するのも1つの手だということです。
別居を選んだにせよ、夫からの引き止めや妨害が予想されます。自分に有利な条件で別居できるよう、弁護士に相談しながら物事を進めることが必要です。また、いずれ離婚するときのために、自立して生活できるよう準備もしておきましょう。
不機嫌になったら暴言を吐く夫に疲れたら専門家に相談を
不機嫌になったら暴言を吐く夫は、自分の言葉で妻が傷ついたりストレスを感じたりしているとは思っていない可能性があります。また、夫がモラハラ気質の場合、妻を心理的に追い詰め束縛しようとしているのかもしれません。
夫に暴言をやめてもらおうと思ったら、夫がなぜ暴言を吐くのか心理状態を知ることが必要です。夫の考えや性格を理解したうえで、関係修復か別居・離婚かを決めてもいいでしょう。いずれにせよ、専門知識を持った第三者の力を借りることが大切です。専門医やカウンセラー、弁護士などにできるだけ早く相談しましょう。
新大塚法律事務所(第一東京弁護士会所属)
離婚等の家族に関する案件や男女トラブルの案件を多く取り扱っている事務所です。法律的な観点だけでなく、人生の再出発に向けた総合的なアドバイスを様々な角度からさせていただきます。