どこまでのモラハラなら離婚理由になる?
モラハラは、相手に精神的な苦痛を与える行為です。夫婦間のモラハラは体に傷跡が残る肉体的な暴力とは違い、配偶者の心を傷つけるので、周囲の人に理解されないこともあります。
何年もモラハラを受けていると、中にはその行為に慣れてしまい「離婚するほどのモラハラではないかも」と、考える人もいます。
もし、喧嘩もしていないのに相手から嫌がらせを受けたり、暴言を吐かれたりして冷静に話し合いができないという状況であれば、離婚理由になる可能性があります。モラハラ夫・妻の特徴や対処法、離婚するために準備すべきことを知って、今の状況からの脱出を考えましょう。
モラハラ夫・妻の特徴は?
モラハラをする人には、いくつかの共通点があります。基本的には、相手を言葉や態度で精神的に追い詰めるのが特徴です。そして、お互いの意見を言い合う夫婦喧嘩とは違い、モラハラをする夫・妻は常に上からものを言うので、夫婦関係は対等ではありません。
次に紹介するモラハラ夫・妻の特徴に当てはまる行為がいくつかある場合は、別居や離婚を考えることも必要になるかもしれません。
言葉で傷つける
モラハラ言動チェックリスト
- 「俺がいないと何もできないくせに」
- 「意気地がないから出世もできないのよ」
- 「そんなことも知らないの?」
- 「自分で調べろよ」
モラハラ夫・妻の特徴の1つは、言葉で傷つけることです。たとえば「俺がいないと何もできないくせに」「意気地がないから出世もできないのよ」など、精神的に相手を追いつめる言葉を投げかけます。なかには、些細な質問をしただけで「こんなことも知らないの?」と延々とバカにするようなことを言い続け、最終的には「自分で調べろよ」と言い放つ人もいます。
このような言葉を毎日言われる状況で夫婦関係を続けていくと、自分に自信がなくなっていきます。
感謝すべきタイミングで相手を否定する
モラハラ言動チェックリスト
- 「お前の作った料理はまずい」
- 「何をやらせても本当にダメな人ね」
- 「そんなの何の役に立つの?」
- 「お前にはわからないよ」
モラハラをする夫・妻は、相手の言動をすべて否定するという特徴もあります。妻が夫のために、夫の好きなものを作っても「お前の作った料理はまずい」「今日は食べたくない」などと言います。
モラハラ妻の場合も、家事を手伝った夫に対して「二度手間になるだけなのに」「何をやらせても本当にダメな人ね」などのように、感謝ではなく相手を否定する言葉が先に出がちです。
また、趣味の話をしたり楽しんだりしているときには「そんなの何の役に立つの?」と、相手の趣味をバカにする傾向もあります。そして、自分の趣味を否定されたときは「お前にはわからない」と言って、相手を蔑みます。
些細なことでも責める
モラハラ言動チェックリスト
- 買い忘れなど細かいミスを責める
- 一カ所だけ掃除し忘れただけでも怒る
モラハラをする人は、どんなに些細な失敗でも必要以上に責める傾向があります。完璧な人間はこの世にいないので、誰でも小さな間違いを犯してしまうことがあります。夫婦関係であっても仕事仲間であっても、ほとんどの場合は互いに許し合えるはずです。
しかしモラハラ夫・妻の場合は、買い物の買い忘れや、一カ所の掃除のし忘れのようなほんの些細な失敗でも、容赦はありません。相手を精神的に追い詰めるほどのため息をつく人もいれば、まるで楽しむかのように何時間も説教する人もいます。
また、モラハラをする人は、ミスをしたときにだけ責めるとは限りません。他のミスをしたときや相手から反論されたときなど、何かあるたびに過去のミスを持ちだして、しつこく責めることもあります。
周囲の人の前で相手を否定する
モラハラ言動チェックリスト
- 近所や親戚の人の前で配偶者をけなす
- 自分がいかにフォローしているのかをアピールする
身近な人の前で相手をけなし、自分の苦労をアピールするのも、モラハラ夫・妻の特徴です。たとえば、近所の人たちが集まる場で、モラハラ夫・妻は相手のことを「整理整頓ができない」「家事も子どもの世話もしない」などけなしてから「自分が代わりにしている」と苦労話をして献身的な自分をアピールします。
モラハラをするほとんどの人は外面がいいため、自分があとで否定しても、周囲の人はモラハラ夫・妻が言うことを信じてしまいます。人前で嘘をつかれたこと、周囲の人が信じてくれないことなどが頻繁に起これば、たいていの人は精神的に追い詰められてしまいます。
誰でも小さな嘘をついてしまうこともありますが、このような相手を傷つける嘘はモラハラです。
全て自分が正しいと主張し続ける
モラハラ言動チェックリスト
- 自分の非を認めない
- 自分がいかに正しいか主張し続ける
モラハラ夫・妻は、どんなときでも自分が正しいと思っています。モラハラ夫・妻は自信に満ちあふれていて配偶者よりも優位に立とうとし、自分の言い分を必ず通そうとするのが特徴です。
自分に間違いがあって指摘をしても「お前(あなた)のせいだ」と喧嘩腰で言い、間違いを認めることも、謝ることも絶対にありません。モラハラをする人は自分の中にルールがあり、客観的に自分を見られないという特徴もあります。
モラハラ夫・妻は自分が絶対だと信じるルールの中でしか生きられず、モラハラをしている相手に対してはいつでも強気の態度を取ります。
相手を束縛・監視する
モラハラ言動チェックリスト
- LINEを即レスしないと怒る
- 交友関係を制限して束縛する
- スケジュールを把握して監視する
モラハラをする夫・妻は、相手を異常なほど束縛したり、監視したりする傾向が強いのも特徴です。モラハラ夫・妻の中には、配偶者に対し自分が作ったスケジュール通りに行動するよう強要する人がいます。
そして、配偶者が家にいるはずの時間に自宅に電話をかけて、出なかったときには「どこで何をしてたんだ!」と怒り狂うこともあります。また、電話には必ず出る、LINEの返信は5分以内にするなどのルールを勝手に作り、相手に押し付けます。
一度でもルールを守れなければ、会社から帰宅してすぐにモラハラ夫・妻から何時間も説教されるという人もいます。相手を自分の監視下に置くため、モラハラ夫・妻が友達や仕事仲間との付き合いを断らせるという話も珍しくありません。
実家を行き来したり、電話で話したりすることさえ気に入らず、文句を言ったり嫌味を言ったりするモラハラ夫・妻もいて、配偶者が実家と疎遠になるケースもあります。
理由がないのに無視をする
モラハラ言動チェックリスト
- 何もしていないのに急に無視される
- 突然機嫌を直して話しかけてくる
何も理由がないのに無視をするのも、モラハラ夫・妻の特徴です。喧嘩をしたり、夫や妻が機嫌を損ねるような言動をしたりしたわけでもないのに、急に無視し始めます。中には、子どもも無視する人もいます。
喧嘩などの前触れもなく無視をされると「自分が何か悪いことをしたんだろうな」などと、人は不安になります。モラハラ夫・妻のなかには、不安にさせて精神的に弱らせれば、自分の思い通りになると考えて、わざと無視をする人もいるのです。
モラハラ夫・妻が離婚したがらないのはなぜ?
モラハラ夫・妻は、相手から「夫婦関係を終わらせたい」と言われても、簡単に離婚に応じないケースが多いといわれます。夫婦での話し合いだけでは平行線のままで、離婚調停を進めたとしても、決着がつくまでに長期化することも多いのです。
なぜモラハラ夫・妻は離婚をしたがらないのでしょうか。モラハラをする夫・妻が離婚をしたがらない理由を解説します。
プライドが高い
モラハラ夫・妻が離婚をしたがらない理由の一つは、プライドが高いからです。モラハラをする人は「自分は正しくて、相手が間違っているから教えてやっている」という考え方を持っています。
別居や離婚を要求されるということは、相手から自分自身を否定されたり拒否されたりすることと同じです。そのため、相手からはっきりと離婚をつきつけられたモラハラ夫・妻はプライドが傷ついて、その事実を認めようとしないのです。
また、離婚したがらないのは、会社や世間体を気にして離婚だけは避けようとしている可能性もあります。外面がよくてプライドが高いモラハラ夫・妻は、離婚をすると自分のイメージが悪くなるかもしれないと考えているのです。
自分に自信がない
モラハラをする人は、普段の言動からはイメージできないほど、自分に自信がない人も多くいます。このような人は「何を言っても許される」と思う相手にしか強気になれません。
気が小さかったり、自己主張が苦手だったりする人は精神的に弱い部分があり、夫婦関係にある相手を所有物として扱う傾向もあります。それがエスカレートして、モラハラにつながっていく可能性もあるのです。
今までモラハラの対象だった配偶者から「別居したい」「離婚したい」と言われると、自分がモラハラをしてきたという自覚がないために戸惑ってしまう人も少なくありません。夫婦関係を終わらせたいと言われたこと、相手がこのように考えていることを受け入れられず、なかなか離婚に同意しないケースが多いと考えられます。
相手の気持ちが想像できない
モラハラ夫・妻が離婚したがらないのは、相手の気持ちが想像できないからです。そもそも、相手の気持ちを考えて行動できる人であれば、モラハラ自体しないはずです。
モラハラをする人は「自分が正しい」と思っているので「相手の間違いを正してやっている」という意識が強い傾向があります。そのため、別居・離婚を要求されても、相手のつらい気持ちを理解できず、自分の正しさを押し通すためにさらに強い言動をするのです。
普通であれば、自分の言動によって別居・離婚まで考えている相手に対して、きつくあたったり、喧嘩腰の態度で接したりすれば、さらに離婚したい気持ちが強くなるのは想像できるはずです。しかし、そのようなことさえ想像できないほど、人の気持ちに対して鈍感になっているのでしょう。
モラハラ夫・妻と離婚できる場合【事例付き】
モラハラを理由に離婚するには、そのモラハラが「夫婦関係を継続しがたい重大な事由」である必要があります。「夫婦関係を継続しがたい重大な事由」とは、たとえば、不倫や生活費の不払い、暴力、重い精神病を患ったときなどが該当します。
ですから、モラハラによって常に喧嘩腰で接してくる、束縛・監視がひどいなどの被害が認められれば、モラハラ夫・妻との離婚が認められる可能性は高まります。実際に、モラハラ夫・妻と離婚できた事例をいくつか紹介します。
長期間のモラハラと夫の不倫
何年、何十年もの長い期間、夫や妻からモラハラを受けている場合は、離婚が認められる可能性があります。モラハラの証拠となる日記や音声データがあると、さらに有利になります。
さらに、相手が不倫をしている場合には、夫婦関係を継続しがたい重大な事由に該当するため、調停や裁判になっても離婚できる可能性は高いでしょう。
子どもへの暴力があった
モラハラ夫・妻と離婚できる事例として、子どもへの暴力があった場合も挙げられます。モラハラだけでなく、配偶者へのDVや子どもへの虐待があった場合は、夫婦関係を継続しがたい重大な事由にあたるため、ほぼ確実に離婚できるでしょう。
こうしたケースでは、夫婦間での話し合いで相手が離婚に合意しなかった場合も、調停や裁判になれば離婚が認められる可能性は高いでしょう。被害者側に子どもを育てられる安定した収入があれば、子どもの親権も得られるはずです。
#離活 #離婚 モラハラと子への暴力あり実家へ。そして夫は不倫。弁護士を雇い準備を整えつつ上場企業の営業となり担当店を1番にし築50年の実家を建替えもうすぐ完成。ここ1年半の出来事。大変だけどモラハラ無いだけで心が楽になると実感してます。こんな経緯ですが怪しいアカウントじゃないです。笑
— ®️ (@RRR_donatella) August 6, 2019
うつ病を発症した
夫や妻のモラハラが原因でうつ病などの精神的疾患を発症した場合にも、離婚できる可能性は高くなります。夫婦間の話し合いの時点では、うつ病になったことを話しても「お前(あなた)が弱いからだ」と言って離婚要求に応じないこともあります。
しかし、調停や裁判に持ち込めば、精神的疾患を発症したことが、モラハラの証拠と見なされることがあるのです。病院を受診した記録や診断書を証拠として提出すると効果的です。
離婚は相手に私から告げた。鬱状態でも実家に出戻りしてから作戦を考えた。精神的に追い詰めて、慰謝料も請求。鬱病になってからの医療費は全部請求した。私が納得する形で離婚できた😊今までされたモラハラの仕返しはできたと思ってる。もう相手は他人だから、今どうなってようが知らない。
— うさえ (@usae0412) September 25, 2021
夫婦関係の破綻が認められる証拠を残した
被害者側が夫婦関係の破綻が認められる証拠を残していたため、モラハラ夫・妻との離婚が認められたケースもあります。
毎日のように喧嘩腰で言葉を浴びせられたり、内容があまりにもひどかったりする場合は、その証拠を示すことで、夫婦関係の破綻が認められるケースも多いのです。モラハラ夫・妻から「少しでも早く逃げ出したい」と被害の証拠もないまま別居をすると、離婚できない可能性があります。
モラハラ夫・妻と離婚できない場合【事例付き】
モラハラは夫婦間でしか分からないことも多いため、明確な証拠がなかったり、モラハラの程度が軽かったりすると離婚できないケースもあります。モラハラ夫・妻と離婚できないケースを事例とともに紹介します。
モラハラの程度が軽い
モラハラの程度が軽いと判断されると、モラハラ夫・妻と離婚はやや難しくなります。たとえば、「生活費を少ししか入れてくれない」という場合は、「少しだが、必要な生活費は入れている」と反論することも可能で、離婚の理由としては不十分とされがちです。
モラハラ夫・妻の言動がきついという理由も、「喧嘩で感情的になっただけでは」と見られることが多く、調停や裁判では離婚の理由としてなかなか認められないようです。
そうなんです。おっしゃる通り、調停で離婚の理由としては弱い(これでは離婚できない)と調停員さんに助言されたそうです。夫側は妻の離婚希望時点から弁護士つけてて完全包囲って感じですし…経済DVとモラハラの記録証拠が揃っていないから厳しそうです。
— danbe/団部A子 (@danbedyv) March 5, 2020
モラハラの証拠がない
夫や妻から受けたモラハラの証拠がない場合も、相手の合意がない限り離婚は難しいと考えたほうがよいでしょう。ひどい暴言を吐かれたり、人前でばかにされたりして、どんなに傷ついても、証拠がなければ離婚の理由としては認められません。
また、証拠がない状態で調停や裁判に持ち込んでも、モラハラ夫・妻が「喧嘩をして、思ってもいないことを言ってしまった」「喧嘩をした後だったから、きつい態度をとってしまった」などと言う可能性もあります。
そうなると、離婚に向けての話し合いが長引くどころか、離婚が認められないこともあるのです。
産後すぐ、「もっと産ませるつもりだから」って言われて恐怖だった。「お前が嫌でも俺が応じなければ離婚申し立てても無駄だよ」と。実際裁判でも自分の弁護士に「DVの明らかな証拠が無いから離婚は認められないかも」と言われた。モラオ本人にモラハラだと言った時も、「証拠は?」って言われた。
— ふられぼん (@flarebonkapuka1) November 28, 2017
モラハラ夫・妻との離婚協議で揉めている
モラハラ夫・妻との離婚調停でモラハラを認められず、財産分与や親権などで揉めた場合にはすぐに離婚はできません。和解をしてすぐに離婚をすることはできますが、モラハラが認められていないため、相手が慰謝料を請求してきたり、名誉棄損で訴えてきたりする恐れもあります。
離婚調停を行った時点で別居していれば、別居期間が3~4年ほど経過することによって夫婦関係の破綻を証明できる可能性があり、その場合は別居状態が続いていることを理由に離婚できるかもしれません。
離婚できないかもと言われてショックでしたが4年後に確実に離婚できるならそれでも良いのかな…
— ママちゃん別居3年半 (@t27nqK7HKxhTdJD) March 12, 2019
モラハラも十分人を傷つけるし場合によっては精神を殺されるし、夫婦関係が破綻するのに認められないなんて。
モラハラ夫・妻との離婚準備に必要なこと
裁判をせずにモラハラ夫・妻と離婚をするには、夫婦間の話し合いで決める協議離婚、家庭裁判所の調停委員に間に入ってもらう調停離婚の2つの方法があります。
ほとんどの場合は、調停離婚で話し合いはまとまりますが、モラハラ夫・妻が話し合いで離婚に同意しない場合は、裁判にまでもつれこむことも少なくありません。
いずれの方法を取るにしても、離婚に向けて準備する必要があります。モラハラ夫・妻との離婚準備に必要なことを詳しく紹介します。
モラハラ行動の証拠を集める
モラハラ行動の証拠になるもの
- モラハラ行動を綴った日記
- 録音・録画
- LINE・メールの履歴
- 電話の録音データ
- ボイスレコーダー
- 目撃者の証言
モラハラ夫・妻との離婚準備に必要なのは、モラハラ行動の証拠集めです。モラハラは言葉や態度によるハラスメントです。
そのため、弁護士や調停員に「こんなことをされた」「こんなことを言われた」と訴えても、モラハラをした方が「そんなことはしていない」「ただの夫婦喧嘩」と言えば、水掛け論になってしまいます。
調停や裁判では、どちらかの意見に偏ることなく証拠によって判断するという姿勢を取りますので、こうした場合は、モラハラによる離婚を認めないケースがほとんどです。モラハラがあったという証拠を示すことが何よりも重要です。
調停や裁判でモラハラの証拠として有効なのは、日記や電話の録音データ、LINE・メールの履歴、録画データなどです。友人や子どもなど、モラハラ行為を目撃した人がいる場合は、証言を依頼するのもよいでしょう。
離婚後の生活費を貯める
モラハラ夫・妻との夫婦関係を解消するには、離婚後の生活費を用意しておくことも大切です。離婚をして一人で暮らしたり、子どもと暮らしたりする場合には、毎月の家賃や食費、光熱費などをすべて自分の収入でやりくりする必要があります。
離婚を決意したら、正社員で働けるところに転職したり、配偶者に渡す生活費とは別の口座で貯金をしたりするなど、少しずつ別居・離婚の準備を進めてください。モラハラ夫・妻からの慰謝料や子どもの養育費が期待できる場合も、別居する前にある程度の貯金はしておきましょう。
離婚後の生活費を貯める以外にも、自立するために資格取得や給与の高い職場への転職を目指すのもおすすめです。ただし、モラハラ夫・妻にバレてしまうと、咎められてやめさせられるなどして、離婚が遠ざかる可能性もあるので注意しましょう。
こんにちは😊あぶさん正社員でお勤めですか??
— ふじこ♡12y3y1y (@QbvQLicgV0irgTn) May 6, 2020
私は離婚前に正社員の仕事について収入の安定を得てからすぐにアパートを借りました。
モラハラの証拠を集めつつ、子供の為にと心を決めて
3ヶ月くらいを目標にして準備しましたよ。
今現在の貯金なんかもせっせと新生活に回しました。
別居の準備を進める
モラハラをする夫・妻と離婚をするためには、離婚の話し合いをする前に別居の準備を進めましょう。モラハラをする人と同居した状態では、モラハラが止むことはなく、少しずつ確実に精神的に追い詰められていきます。
離婚をしてから別居しようとしても、離婚話を切り出した時点でモラハラがさらにひどくなる恐れもあります。アパートやマンションなどを借りる場合には、敷金・礼金など賃貸契約にかかる初期費用も準備しておきましょう。
少しでも早く別居をするために住居を探す場合は、家具・家電つきのマンスリーマンションやウィークリーマンションに短期間入居し、落ち着いて引っ越し先を探してみてもいいでしょう。
朝からクリニック行って法テラス行ってきた。モラハラの場合別居から始めたほうがいいらしい。しかも淡々と準備を初めて何も言わずに引っ越す。私が本当に辛いのならそれが一番らしい。ただ、そうでなければ離婚を告げて協議、協議が無理なら即調停に申立てでオッケーらしいけれど…
— こっちゃんママ✨🌈 (@cocotuntun) November 27, 2019
離婚調停に必要な書類を集める
離婚調停に必要な書類
- 離婚調停の申立書
- 付属書類
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
- 年金分割のための情報通知書
- モラハラの証拠となる書類
話し合いでは、モラハラ夫・妻と離婚の合意に至りそうにないときは、離婚調停を申し立てることになります。そのためには離婚調停に必要な書類を集めなければいけません。離婚調停に最低限必要なのは、離婚調停の申立書と付属書類、戸籍謄本、年金分割のための情報通知書です。
離婚調停の申立書と付属書類は、家庭裁判所や裁判所のホームページで取得できます。戸籍謄本は、本籍がある市区町村の役所でしか取得できないため、離婚調停を行う必要がでてきたら、早めに取得しておきましょう。
年金分割のための情報通知書は、離婚調停と同時に年金分割の申立ても行う場合に必要になります。これらの書類のほかに、日記や預金通帳などモラハラ証拠となる書類があれば、準備しましょう。
30代男性
日本の離婚届用紙に必要事項を記入して、ここ異国の地での離婚裁判判決書及び戸籍謄本をして大使館に提出、その後大使館経由で日本の区役所に離婚届が提出され、区役所で受理されてようやく日本でも離婚が成立する。
モラハラ夫・妻との離婚で慰謝料は貰える?
モラハラは夫婦関係を破綻させる違法な行為であるため、モラハラをした夫・妻に慰謝料を請求できることがあります。ただし、すべてのケースで慰謝料を請求できるわけではありません。
ここでは、モラハラ夫・妻との離婚で慰謝料を請求できるケース、請求できないケースを解説します。モラハラによる慰謝料の相場や慰謝料を増額する方法も紹介します。
慰謝料が貰える場合
モラハラによる離婚で慰謝料を請求できるのは、モラハラの程度がひどく、長期間継続して被害を受けた場合です。本来、慰謝料は相手の不法行為による精神的損害に対しての損害賠償を意味します。
そのため、慰謝料を請求するには、強度な不法行為があったという事実・証拠が必要です。たとえば、夫婦関係が始まってから1度も生活費を入れてくれない、深夜でも説教が何時間も続くことが頻繁にあるなどです。
また、モラハラが原因でうつ病などの精神疾患を発症したり、うつ病と診断はされなくても病院を受診したりした場合には、高額の慰謝料が認められる可能性があります。
慰謝料が貰えない場合
夫・妻からのモラハラが理由で離婚をする場合も、モラハラの程度が軽いと判断されれば、慰謝料の請求が認められる可能性は低くなります。
たとえば、夫婦喧嘩のたびに暴言を吐く、自己中心的な言動が多い、少し言い方がきついなどの場合には、強度な不法行為とはいえないため、慰謝料は認められません。
また、精神的な病気を患うほど強度な不法行為があったとしても、実際に慰謝料を受け取れるかどうかは相手の支払い能力にもよります。調停や裁判での話し合いで慰謝料が認められて、相手も「払う」と約束をして離婚したのに、実際には支払い能力がないとして未払いになるケースも少なくありません。
慰謝料の相場は?
モラハラによる離婚の慰謝料の相場は50万円〜300万円です。慰謝料の金額はモラハラの頻度・期間や精神的疾患の有無など被害の程度で決まります。ただ、相手側から「喧嘩して互いに口調がきつくなった」「相手にも落ち度がある」などと反論された場合、その主張が認められると、慰謝料が認められても減額されることがあります。
このほか、子どもがいる、婚姻期間が長い、加害者の年収・資産が多いなどの事情がある場合には、モラハラの程度に関わらず慰謝料の請求が認められやすくなります。
主な事例としては、相手の不貞を疑って問い詰めるだけではなく、行動を監視したり所持品など検査をしたりしたモラハラ夫に対して200万円の慰謝料が認められています。
夫が妻の不倫を疑って妻を家から追い出して別居し、電話や手紙で嫌がらせをしたうえに、妻の両親を提訴したとして、夫に500万円の慰謝料の支払いが命じられたケースもあります。
慰謝料を増額するコツは?
夫や妻のモラハラによる離婚の慰謝料を増額するには、モラハラがあったことを第三者が判断できる証拠が必要です。特に裁判で離婚協議を行う場合、裁判官によって請求額が妥当か判断され、慰謝料額が決定します。
そのため、モラハラ被害の証拠や夫婦それぞれの収入・資産などがはっきりとわかるものを提示する必要があります。モラハラを受けたことで精神疾患になってしまった場合には、病状や予想される回復期間などを記載した詳しい診断書を担当医に書いてもらいましょう。
モラハラ夫・妻との離婚で子どもはどうなる?
モラハラ夫・妻との間に子どもがいる場合は「子どもがいるから離婚できない」「子どもの親権を取られるかも」などの思いがあって、モラハラを我慢し続けている人も多いのではないでしょうか。
しかし、モラハラのある夫婦関係を続けるよりも、離婚をした方が子どもにとってもよい場合もあるのです。それでは、実際に夫・妻のモラハラが理由で離婚をするときは、子どもの親権や養育費はどうなるのでしょうか。
子どもの親権
モラハラが理由で離婚をする場合、被害者側が子どもの親権を得られるとは限りません。子どもの親権がどちらに認められるかは、子どもを養育できる環境が整っているかどうかを調停委員や裁判官が判断します。
モラハラ夫と離婚をして確実に子どもの親権者になるためには、子どもを養育する環境が整っていると、客観的に認められることが重要です。特に勤務先を決めるなどして、子どもを育てるための安定した収入を確保しておく必要があります。
一般的に女性の場合には、「子どもは母親と一緒にいたほうがいい」という考え方から、子どもの親権を得られやすいといわれています。そのため、モラハラ妻と離婚をして子どもの親権者になりたい男性の場合には、子どもを育てられる環境をしっかり整えることが大切です。
たとえば、休日はきちんと休んだり、平日も残業をできるだけしないようにしたりして、子どもと過ごす時間を確保しましょう。親と同居するか近くに住んで、自分の母親にも子どもの面倒をときどき見てもらえる状況にすると、親権を得られる可能性が高くなります。
子どもの養育費
モラハラ夫・妻との離婚が認められて、子どもの親権を得られれば、相手に子どもの養育費を請求できます。養育費の金額は、子どもの年齢や人数のほか、互いの収入によって決まるのが一般的です(※1)。
養育費の適正額の算出方法は複雑なので、自動計算ツールを利用して、どれくらいの養育費を請求できるか計算してみましょう。
モラハラ夫・妻との離婚に関するお悩みQ&A
モラハラ夫・妻との離婚を考え始めても「本当に離婚すべきか?」「離婚準備をするときに何に気をつければいいのか」など、不安になることも多いはずです。モラハラ夫・妻との離婚に関するお悩みQ&Aを紹介します。
離婚準備で気を付けるべきことは?
モラハラ夫・妻との離婚準備で気をつけるべきことは、第三者に相談する際に相手を選ぶことです。一般的に、モラハラをする人と離婚に向けて話し合いをする場合には、第三者を交えるべきでしょう。
その理由は、すでに夫婦関係がモラハラの加害者と被害者になっている時点で、夫婦だけでまともな話し合いはできないと考えられるからです。ただし、モラハラをする人は、外面がいいという特徴があります。
そのため、相談した相手によっては「ただの夫婦喧嘩でしょ?」「考え直した方がいいよ」などと、モラハラがあることを信じてもらえないこともあるのです。
そうなると、モラハラによって傷ついた心は、さらに追い詰められてしまいます。心から自分のことを信じてくれる人や医師・弁護士などの専門家に相談をするとよいでしょう。
普通の離婚なら協議でいいと思いますが、
— し お (@shio2624) August 21, 2020
相手がモラハラやDVをする相手の場合、第三者を交えた調停の方がいいと言われるのは、相手とまともな話し合いというものが成立しないから
そもそもモラハラ夫・妻とは離婚するべき?
夫や妻からモラハラを受けている場合は、まず専門家に相談しましょう。モラハラ行為をする相手に、つらい気持ちや離婚したい気持ちを伝えても、態度を改める可能性はほとんどありません。さらにひどいモラハラが始まることがあり、被害者の中には精神的に追い詰められて取り返しのつかないことになる人もいます。
また、夫婦間でモラハラがあったり、頻繁に夫婦喧嘩をしたりする環境は、子どもにとっても悪い影響を及ぼします。「子どものために」と考えて我慢する人もいますが、モラハラ夫・妻の行為がエスカレートしたら、モラハラ行為が子どもにまで及ぶケースもあります。
モラハラをする人は、自分の配偶者にだけモラハラをするという人も少なくありません。婚姻関係を解消することでモラハラがなくなる可能性もありますので、耐えがたいモラハラに悩んでいる場合は、離婚も検討してみましょう。
離婚成立するまでにどれくらいかかる?
モラハラによる離婚成立までにかかる期間は、状況によって異なります。夫婦間での話し合いで離婚に同意してくれれば比較的早く離婚できますが、モラハラ夫・妻は簡単に離婚要求を受け入れないことが多いようです。
そのため、調停や裁判で離婚について争うことになると、早くても数カ月、長くなると離婚成立までに何年もかかることもあります。
2年かかりました。お互い弁護士いれてましたが先にすすまないので1回だけの調停をして裁判官に決定してもらい相手のサインなしで離婚届け出しに行きました!
— ⓜⓘⓚⓞ (@M_I_K_O_TU) May 14, 2022
モラハラ夫・妻との離婚を考えたら弁護士へ
モラハラ夫・妻と離婚する場合には、話し合いで決着がつかなければ、調停や裁判で争うことになります。調停の手続きは個人で行うこともできますが、離婚成立までには時間がかかり、精神的な負担もかかります。
一人でモラハラ夫・妻と戦おうとすると、相手の反撃されたとき、うまく対応できないこともあります。専門家などの第三者が入ることで離婚に向けての話し合いがスムーズにいくこともあるでしょう。モラハラ夫・妻との離婚を考えているのであれば、調停や裁判も視野に入れ、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。