愛情を持って結婚したはずなのに「旦那の顔も見たくない」と夫を毛嫌いする妻がいます。嫌いになったきっかけはさまざまですが、夫婦仲が悪いと子供に悪影響を及ぼします。よくある夫を嫌いになったきっかけと対処法を紹介します。夫婦関係を見直す参考にしてください。
誰しも夫を嫌いになることがある?
SNSで「旦那が嫌い」「旦那と一緒にいるとイライラする」といった投稿を見ることがあります。実際、婚活などの出会いメディアe-venzを運営するノマドマーケティングが2021年に行った調査によると、30代から50代の既婚女性1000人のうち「旦那が嫌いな人の割合」が21%にのぼりました。
いったい、妻たちはどのような理由で夫を嫌いになるのでしょうか。また、嫌いになったとき、どのように対処したらよいのでしょうか。「最近、妻に嫌われているのでは」と感じている男性も、妻が夫を嫌いになったきっかけを知っておきましょう。
嫌いな期間が25年以上の女性も
調査結果によると、夫を嫌いになった理由や嫌いになった時期はさまざまです。理由として多かったのが、「自己中心的」「双方の家族との問題」「浮気・不倫」などでした。ほかにも「子供が生まれた後、支えてくれなかった」といった理由もありました。
夫を嫌いになったきっかけは「浮気がわかったとき」はもちろんのこと、「義母に自分の悪口を言っていることがわかったとき」「何を言ってもダメだと気付いたとき」など夫の本性に気付いたことを挙げる人が多いようです。また「25年前」と回答した人もいて、「嫌い」という気持ちを抱えたまま長期間、結婚生活を続けている妻もいました。
夫を嫌いになるのは「恋愛ホルモン」が切れるから?
互いに愛情を持っていたはずの夫婦がどうして相手を嫌いになるのかについて、恋愛初期に脳から分泌される「フェニエルエチルアミン(PEA)」というホルモンが影響しているという説があります。恋愛中の胸のときめきや幸福感をもたらすホルモンだそうですが、その効果は長くて4年しか持たないともいわれます。
PEAが分泌されなくなると、相手への関心も薄れがちになり、胸のときめきも減っていきます。通常はそこから、落ち着いた夫婦関係へと移行していくのですが、ちょうど子育てで忙しい時期や、夫婦間でトラブルを抱える時期と重なってしまうと、急激に愛情が失われる可能性があります。
結婚から数年たち、PEAの効果が薄れ幸福感をあまり感じられなくなったところに、夫への不満とストレスが重なるのが夫を嫌いになる原因なのかもしれません。
夫を嫌いになる7つのきっかけ
妻が「旦那を嫌いだ」という場合、嫌いになったきっかけはどのようなことだったのでしょうか。よくあるきっかけを7つ、体験談とともに紹介します。
家事・育児を手伝ってくれなかった
夫を嫌いになるきっかけとして、夫が家事や子育てに協力してくれなかったことを挙げる女性は少なくありません。特に、共働きをしている女性は「自分も仕事をしているのに手伝ってくれない」と不満を募らせます。
「自分は育児や家事を手伝っている」と言っている男性も、会社に出勤する途中で、ごみを出すとか、子供の遊び相手になるといったことくらいしかせず、妻は「簡単で楽なことしかしていない」と感じていることもあります。そうした不満がやがて、怒りに変わり、「役立たずの旦那は嫌い」という感情に変化していきます。
気が向いたときだけ育児に関わろうとする旦那。子供が眠そうだからお風呂に入れてと頼んでも、テレビを見終わってからなどと自分の都合を優先させるので、結局私がやることが多いです。
役に立たないくせに、外ではイクメンを気取っているので腹が立ちます。
亭主関白で偉そうな態度を取る
「家の中で一番偉いのは俺だ」と妻や子供に対して傲慢に振る舞う、いわゆる「亭主関白」の夫も妻に嫌われることがあります。結婚当初は「頼りがいのある人」だと思っていても、夫があまりに自己中心的な振る舞いを続けていると、妻は「私の気持ちをちっとも考えてくれない」などと不満を募らせます。
また、亭主関白の男性はモラハラ気質の可能性もあります。相手の人格を否定するような暴言や、見下した態度が見られるときは、モラハラの可能性があります。そうした夫の態度に反発して、夫を嫌いになる妻もいます。
自分のほうが稼いでいるからと言って旦那は家事も育児もまったくやりません。
そのくせ、おかずが少ないとか子供のしつけがなってないとか偉そうに文句ばかり。私がいないとご飯も食べられないのに何様のつもりなのでしょうか。
言葉づかいや態度が悪い
結婚して、気心が知れてくると、しだいに言葉遣いや態度が横柄になっていく夫もいます。「親しき仲にも礼儀あり」と言いますが、夫婦の間でも相手への思いやりや丁寧な態度は欠かせません。モラハラ気質の夫には、妻を自分の所有物かのように扱う人もいます。
夫に悪気がなかったり、無頓着だったりしても、夫の乱暴な言葉や横柄な態度に「ぞんざいに扱われた」と感じてイライラする妻もいます。夫がそうした妻の気持ちに気付かずにいると、妻は夫を嫌いになっていきます。
機嫌が悪くなると旦那は理不尽にキレて怒鳴ってきます。言い返すとさらに激昂するので、私は別の部屋に逃げますが、私がいなくなっても、1人で大声を出したり物に当たったりする音が聞こえてきます。
子供も懐いて優しい旦那なのですが、機嫌が悪いときは結婚を後悔するほど嫌いになります。
浮気が発覚した
浮気は、妻に対する裏切り行為です。たとえ謝罪した夫を許して夫婦関係の修復に合意したとしても、心の傷は簡単に癒えるものではありません。夫の中には許してもらえたことに安心して、「浮気は男の甲斐性」などと開き直る場合もありますが、そんなに軽いものではありません。
表面上は平気な顔していても、つらい思いに耐えていたり、心の中で憎悪を抱いていたりすることもあります。離婚しなかったのは、経済的な事情や子供を思ってのことだと、夫は思っていたほうがいいでしょう。妻の中には浮気をされたのをきっかけに、夫を生理的に受け付けなくなる人もいます。
旦那の浮気が発覚しましたが、本人も反省していて、子供もまだ小さいので、離婚はせずに夫婦関係を再構築することにしました。しかし、許したくても旦那に裏切られた気持ちが強く、以前のような愛情を持てません。
マザコンで自分の親にべったり
結婚生活は、違う環境で育った2人が、時には折り合いをつけながら新たな生活スタイルを築いていくものですが、そこに夫の母親が口をはさむことがあります。いわゆる嫁姑問題です。母親の立場から夫の結婚生活を見ると、自分の生活スタイルが否定されたように感じるのかもしれませんが、妻の側も自分の考えを押し付けられているようにしか感じられません。
こうしたとき、夫が「自分たちで決めたことだから」と妻をかばってくれればいいのですが、中には「お袋が言うんだから、仕方がないだろ。うまくやってくれよ」と母親に強く言えない夫もいます。さらには、母親べったりで実家に入りびたりの夫までいます。妻から見れば完全に「マザコン」。愛想を尽かして嫌いになるのも当然かもしれません。
家電など高額な買い物をするとき、旦那はいつも母親に相談して決めます。すでに購入手続きしたものでも、母親が反対だからと注文をキャンセルしたこともあります。
何かあるとすぐ母親に電話する旦那が自立していないように見えて情けなく思えます。
価値観が違う
違う環境で育った夫と妻の間で性格や価値観が異なるのは当然です。それを互いが「そういう考え方もあるんだね」「そういう性格は立派だね」と認め合えば問題はないのですが、お互いの考えを押し付け合うと衝突してしまいます。特に金銭面での価値観は譲り合えないことが多いようです。ほかに子育てや教育方針をめぐってぶつかる夫婦もいます。
金銭感覚や子育て、教育方針など大きな問題で互いに不信感を抱くと、しだいに相手の細かなところまで気になるようになります。ごみの分別の仕方や脱いだ靴の並べ方、箸の使い方まで、気に入らないことがどんどん増えていくと、最後は相手を嫌いになってしまいます。
旦那と金銭感覚が合わず衝突してしまいます。結婚前から趣味やファッションにお金をかける人でしたが、子供ができて貯金しようと提案しても浪費を続けています。家族を持った自覚がないのかとあきれてしまいます。
セックスレスになった
子供が生まれて、育児や家事に追われるようになると同時に、夫も責任のある仕事が増えてくると、夫婦で過ごす時間も減っていきます。そのためセックスレスになってしまう夫婦もいます。セックスレスになることで、互いの距離を感じ、「旦那を好きじゃない」と感じるようになる妻もいます。
中には、妻にセックスを求められても「忙しいから」と断る夫もいます。勇気を出して誘った妻にとってはショックな出来事で、深く傷つきます。恥をかかされたと感じた妻は一気に愛情が冷め、夫を嫌いになるかもしれません。
旦那とはもう1年以上セックスレスです。こちらから誘っても性欲が無いからと言って相手にされません。それなのにPCにはアダルトサイトや風俗店の検索履歴が残っており、嘘ばかり言う旦那が信じられません。
夫を嫌いになったときの対処法
いくら夫婦といっても、互いに欠点もある人間同士ですから、相手のことを嫌いになることもあります。相手がすぐに気づいて謝り、仲直りすることもあれば、時間が解決してくれることもあるでしょう。中には「旦那が嫌い」という感情を心に秘め、我慢しながら結婚生活を送り続ける人もいます。
我慢して結婚生活を続けるとき、気を付けなければならないのは、子供への影響です。子供は両親の関係がぎくしゃくしていることに、すぐに気づきます。両親の仲を心配しながら、生活することは子供の成育によくありません。子供のためにも、関係の修復を考えましょう。夫を嫌いになったときの対処法を紹介します。
嫌がらずに話す時間を作る
すれ違ったまま気持ちを近づけ、関係を修復するには、話し合いが一番の解決法です。夫が嫌いになってから、本音で話すことなどなくなっていたのではないでしょうか。夫が話し合いに応じてくれないときは、「子供が心配しないように」「子供の前でいがみあいたくない」などと言うと応じてもらえるかもしれません。
最初は短い時間でも構いません。お互いが自分の気持ちを話すだけで十分。最初は内容よりも続けることが大切です。また、相手の話をよく聞き、相手の意見を決して否定しないことも大切です。相手の気持ちを知り、互いに折り合えることができれば、「旦那を嫌い」という気持ちも少しは和らぐでしょう。
ストレス発散方法を準備する
夫への不満でイライラが募ると、「旦那が嫌い」という感情も高まってしまいます。イライラを解消する方法を用意しておくと、ストレスを発散して気持ちを静めることができます。中には「旦那に夫に気付かれないように嫌がらせをする」「心の中で夫の悪口を言う」という人もいますが、できれば精神衛生上、気分も晴れやかになる方法がいいでしょう。
好きな本を読んだり、音楽を聴いたりしてもいいですし、軽く体を動かしてもいいでしょう。時間があれば、楽しそうな趣味のサークルに参加するのも一つの手です。自分にあったストレス解消法を見つけましょう。
夫を家族ではなく、他人と考える
自分から歩み寄っても夫に応じる気配がない、今さら夫との関係を修復する気持ちはない、という妻もいるでしょう。いっそ離婚したいけれど、経済的な問題や子供のことを考えると離婚はできないというケースもあります。そうしたときは「旦那はただ同居しているだけの他人だ」と割り切りましょう。
そもそも、相手を夫や家族だと思い、夫としての振る舞いや家族への貢献を期待するから、期待通りにしてもらえなかったときにイライラして「役立たず」と怒りを募らせるのです。最初から期待しなければ、怒りも湧いてきません。たまに何かしてもらえると、むしろ「ラッキー」とうれしくなるかもしれません。
知人や専門家に相談する
嫌いになった夫と関係を修復したいときは、信頼できる知人やカウンセラーなどの専門家に相談してみてもいいでしょう。自分より結婚生活が長い知人なら、夫を嫌いになったときの経験談や対処法を話してくれるかもしれません。カウンセラーも豊富な経験から心の持ちようや関係修復のためのアドバイスをくれるでしょう。
友人と食事をしながら愚痴を聞いてもらえば、ストレスの解消にもつながりますし、カウンセラーに日頃の不満を打ち明けるとすっきりするという人もいます。
夫が嫌いになったときは早めに対処を
普段は仲のいい夫婦でも、ちょっとした行き違いや意見の相違で喧嘩をすることはありますし、それがきっかけで夫を嫌いになることがあります。しかし、夫婦仲が悪いと、毎日の生活が味気ないものになりますし、子供への悪影響も心配です。
できることなら、夫との関係修復を図ってみましょう。カウンセラーなどの専門家に相談すれば、良いアドバイスを受けられるでしょう。専門家に相談すれば、夫の態度が変わらず関係修復がうまくいかない場合の対処法についても相談にのってもらえるはずです。
遠藤 裕子
我慢したり、いがみ合いを続けることは何の解決にもなりませんし、精神的・身体的に良くありません。「何度も話し合ったが無理だった。」というご相談者様に詳しく話を聴くと、効果的な話し合いがなされていないことも多いのです。夫婦関係の悪化にはレベルがあり、レベルによって話す内容や対処方法も異なります。「コツやポイントを押さえたら有意義な話し合いが出来た!」というご報告を沢山頂いております。諦める前に是非ご相談下さい。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。
過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー
LABプロファイルプラクティショナー
ホームカウンセラー