「離婚を切り出したいけれど、直接は言いづらい」というときに、手紙で気持ちを伝える方法があります。手紙であれば、自分の気持ちを整理して伝えることもできるでしょう。離婚したい気持ちをどのように伝えればよいのか、離婚を切り出す手紙の例文や注意点などを紹介します。
離婚を切り出せないときは手紙で伝えるのも効果的
夫に離婚を切り出したいけれど、どうやって伝えればよいのか、切り出し方がわからないと悩む妻は少なくありません。離婚を切り出すというのは、勇気がいるものです。そんなとき、手紙で気持ちを伝えてはどうでしょうか。
手紙なら、自分の気持ちを整理して伝えることができますし、とりあえずはその場で言い合いになることも避けられそうです。しかし、手紙で離婚を切り出すときもいくつか注意したいポイントがあります。離婚の切り出し方のポイントを、手紙の例文とともに紹介します。
【理由別】離婚を切り出したいときの手紙の例文
離婚したい理由は、「相手の不倫」や「モラハラ」「金銭面」「性格や価値観の不一致」など人によってさまざまです。離婚を手紙で伝える場合、離婚したい理由によって書き方や伝え方も変わります。また、自分の気持ちを伝わりやすく書くことも重要です。離婚の理由別に、離婚をしたいときの手紙の例文を紹介します。
相手の不倫が理由の場合
夫の不倫を理由に離婚を切り出す場合は、夫婦関係を続けるにあたって努力したこと、しかし、今もなお、心の傷に苦しみ続けていることを伝えることが大切です。不倫が理由の場合は相手を責める文章になりがちですが、例文のように相手にも配慮して、一方的に傷つける内容にならないように注意しましょう。
また、不倫をした側は「もう終わったこと」と軽く考えていて、「今更…」と感じることもよくあるので、これまでの関係修復のために努力した経緯や苦痛だった思いなどを伝えることが大切です。
不倫した夫に離婚を切り出す際の例文
手紙で伝える形になってしまい、ごめんなさい。◯年前にあなたが不倫をしたときに、2人で話し合い、これからも一緒に頑張っていくと決めましたが、それから何度も思い出してしまい苦痛でした。何度もやり直そうとしてきましたが、それも限界でもう頑張れそうにありません。これからの2人の将来のために、離婚について話し合ってくれませんか。
相手のモラハラが理由の場合
離婚の理由が相手のモラハラだった場合、相手の感情を刺激しないようにすることが大切です。手紙によって、より状況が悪化することを防ぐためです。しかし、手紙を書くことによって相手が怒ったり暴力を振るうことが考えられるようなら、手紙で別居することを伝えて離れた方がいいでしょう。
モラハラを繰り返す夫に離婚を切り出す際の例文
私の気持ちを口ではうまく伝えきれないと思い手紙を書きました。私が至らないこともあると思いますが、あなたの言葉に傷ついてしまうことが多く、精神的に疲れてしまい、さらなる苦痛に耐える自信がなくなってしまいました。お互いのためにも離婚を考えてくれませんか。
金銭面のトラブルが理由の場合
ギャンブルや浪費、借金など金銭面でのトラブルを理由に離婚するときも、できるだけ相手を責めるのは避けましょう。金銭面にだらしない相手でも、一方的に相手を責めるのではなく、家計のために努力してきたが、結婚生活を続けていく自信がなくなってしまったことを伝えるといいでしょう。
金銭面のトラブルで離婚を切り出す際の例文
いつも仕事を頑張ってくれてありがとう。うまく伝えられないと思ったので、手紙にしました。ずっと家計を支えるために努力してきましたが、あなたと金銭面の価値観が合わず、また借金が増えたことでこの先もやりくりする自信がなくなってしまいました。これからの2人のために、離婚について話し合ってもらえないでしょうか。
性格や価値観の不一致が理由の場合
夫婦とはいっても他人同士なので、性格や価値観が合わないこともあります。お互いが不満を感じている場合もあれば、片方だけが悩んでいることもあります。自分が感じている不満が、相手には伝わっていないこともあるでしょう。
性格や価値観の不一致が離婚したい理由の場合、手紙では感情をぶつけるのではなく、良好な関係を保つために努力したが難しいと伝えることが大切です。
性格や価値観の不一致で離婚を切り出す際の例文
突然の手紙でごめんなさい。最近は話すたびに喧嘩になるのでうまく伝えられないと思い、手紙にしました。お互いの価値観が合わず、毎日のように喧嘩していることで精神的に疲れてしまいました。何度か関係の改善を試みたのですが、やはり喧嘩になってしまい、もう昔のように優しくはなれません。2人の将来のために、離婚を考えてくれませんか。
【状況別】離婚を切り出したいときの手紙の例文
離婚するとき、子供がいたり別居中だったりする場合は、話し合いたいことも増えます。しかし、長々と条件を書いた文章では、相手に真意がうまく伝わりません。子供がいる場合や別居中など状況別に合わせて、離婚したいときの手紙の例文を紹介します。
子供がいる場合
子供がいる場合の離婚は、親権や養育費、面会交流などの問題もあります。手紙で全て伝えようとすると長文で分かりにくくなってしまうので、簡潔に離婚したいことを伝えて、詳しいことは後日話し合うといいでしょう。また、子供の親権や養育費などの条件をいきなり書くと、相手の反発を招くことがあるので避けましょう。
子供がいる場合に、離婚を切り出す手紙の例文
いつも仕事を頑張ってくれてありがとう。子供たちがいると話し合う時間があまりなかったので、手紙にしました。お互いの教育方針の違いで喧嘩が絶えず、子供たちにとっても良くない生活環境になっていると思います。たくさん考えましたが、やはりお互いや子供たちのために離婚について話し合いませんか。
別居中の場合
別居中の場合は、すでにある程度話し合いが進んでいる場合が多いので、離れて冷静に考えた結果、離婚の気持ちが固まったことを伝えましょう。別居してすぐに手紙を書くと、感情的な手紙になりがちで、互いに冷静な話し合いができなくなる恐れがあるので、少し期間を空け、落ち着いてから手紙を送るのが肝心です。
別居中の夫に離婚を切り出す手紙の例文
お元気ですか。突然のお手紙でごめんなさい。○カ月間あなたと離れて暮らしてみて冷静に考えてみましたが、やはり、もう1度やり直すことは難しいと感じています。お互いの将来のためにも離婚した方がいいと思っていますが、あなたの意見も聞きたいので、話し合いの時間を作ってくれませんか。
離婚したい気持ちを手紙で伝えることは有効?
手紙は、自分が伝えたい感情や用件を冷静にまとめられるので、離婚の切り出し方としては有効的な手段です。話し合いで感情的になると、話が脱線してしまうこともありますが、手紙で用件や思いを整理して伝えれば、伝え漏れを防げます。手紙では、特に次の4つの内容を入れて、自分の気持ちが正確に伝わるようにしましょう。
・自分の反省内容
・反省して努力したこと
・努力したが難しかったこと
・離婚をしたいという意思
さらに、別居していて子供がいる場合は、子供のことや別居中の様子などを記載すると効果的です。相手が心配していることを手紙に盛り込むことで、相手を少し落ち着けるためです。感情的な文や相手を傷つけるような文は逆効果になることがあるので避けてください。
離婚したい気持ちを伝える手紙の書き方・注意点
離婚を切り出すときは、いろいろな感情が込み上げてきて、書きたい内容をなかなかまとめられないことがあります。相手の感情を逆撫でするような文章や喧嘩が起こりそうな文章で、離婚話をこじらせてしまうかもしれません。そうならないよう、離婚したい気持ちを手紙で伝えるときの上手な書き方や離婚の切り出し方の注意点を紹介します。
素直に気持ちを簡潔に伝える
離婚を切り出したいとき、離婚したい理由やこれまでの暮らし、思い出や子供のことなどを振り返ると、書きたい内容が山ほどあるでしょう。しかし、日頃思っていることや離婚条件など、全ての内容を盛り込むと長く分りづらい文になってしまいます。離婚したいという素直な気持ちを簡潔にまとめることが大切です。
相手を一方的に傷つけるような内容を書かない
手紙は、一方的に思いを伝える手段です。離婚をしたいことを伝えるとき、憎しみや苛立ったことを書いてしまいそうになりますが、相手を傷つけるような内容は書かないようにしましょう。日頃の感謝や、相手の意見を尊重するような言葉を添えると、相手にも落ち着いて読んでもらえる可能性が高くなります。
衝動的に書かない
離婚をしたいという強い気持ちから、余計なことまで書いてしまうこともあります。特に夜は感情的になりやすいと言われていて、冷静に手紙を書けないかもしれません。手紙は衝動的にならないよう、落ち着いていて冷静な日中に書くほうがいいでしょう。そして、書いた文は少し時間をあけて読み返して、気持ちが伝わる手紙かどうか冷静に判断してください。
写真やコピーなどをして保存する
離婚の話し合いが長引いたりこじれたりしたとき、手紙の内容が証拠の一つになることがあります。時間が経てば自分で書いた内容を忘れてしまうことがあるので、何を書いたかを後から確認できるよう、手紙の写真をとったりコピーをしたりして保存しておきましょう。
手紙で離婚したい気持ちを伝えたいけれど不安な場合は専門家に相談を
相手からDVやモラハラを受けているときは、離婚の意思を手紙で伝えることも不安に感じることもあるでしょう。1人で離婚話を進めて危険な目に遭う可能性もあります。また、互いに感情的になっているときは、話し合いが難しいこともあります。そんなときは、弁護士やカウンセラーへ相談するのも1つの手段です。
離婚話は気が重くつらいものですが、悩みを一緒に考えてくれる人がいることで心強くなります。離婚したい気持ちを相手にうまく伝えられないと感じたときは、専門家の手を借りましょう。
遠藤 裕子
手紙で離婚の意思を伝える場合、冷静に意見を伝えられるというメリットはありますが、直接話すよりも冷たい印象を与えてしまったり、意思が正確に伝わらなかったりするリスクもあります。書いた手紙が、不利な証拠として使われてしまったケースもありました。
一度離婚を切り出すと、もはや後戻りはできません。本当に離婚でいいのか、気持ちの整理や切り出し方も含めた離婚の進め方について、カウンセラーや弁護士にご相談いただくと安心です。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。
過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー
LABプロファイルプラクティショナー
ホームカウンセラー