
結婚生活の中で「旦那の嘘が次々と発覚して、もう限界」と悩む妻が増えています。日常的な小さな嘘から、浮気や借金、人間関係のトラブルなど、深刻な問題まで様々なケースがあり、「嘘つきの旦那との離婚を考えている」という声も少なくありません。結婚後に見えてきた夫の嘘つき体質に苦しむ妻のために、旦那が嘘をつく理由や、信用できない夫との離婚は可能なのか、また嘘つきの夫への具体的な対処法について詳しく解説します。
嘘つきの旦那を信用できずうんざり…

夫の嘘が原因で、離婚を考えるようになりました。些細な嘘から始まり、他人に確認を取っても平然と嘘をつき続け、バレても目も合わせず形だけの謝罪をするだけです。2歳の子どもがいるため離婚には踏み切れませんが、嘘について話し合おうとすると「仕事と家庭のストレスで限界なんだ」と軽い暴力を振るわれました。



夫の嘘が原因で、慰謝料請求を考えています。最近、知人から「あなたの旦那さんがこんなことを言っていた」と連絡があり、私の知らないところで周囲の人々にまで嘘をついていることが発覚。
夫が平気で嘘をつき、私の評判を貶めるような行為は、モラハラを超えて慰謝料請求レベルだと感じています。
一度大きな嘘をついてしまうと、その嘘がばれないように、また嘘をつき、嘘の連鎖が止まらなくなります。また、平気で嘘をつく人は、もともとの性格や資質である可能性もあり、こうした人は意識せずに嘘をついてしまいます。
理由はどうであれ、嘘に振り回されるほうはたまりません。「こんな嘘つきの旦那と暮らしていると将来が不安。すぐに離婚したい」と考える妻もいるでしょう。息をするように嘘をつく夫と離婚できるのか、嘘つきの性格を直す方法はあるのかなどを解説します。
旦那が嘘をつく理由は?
そもそも旦那はなぜ嘘をつくのでしょうか。考えられる理由を見ていきましょう。


責任回避のクセがある
嘘つきの旦那に共通するのが、自分の非を認めたくない心理です。最初は仕事の遅刻や約束の破棄など、些細な言い訳から始まりますが、次第に嘘をつくことが習慣化していきます。「自分は悪くない」という意識が強く、他人に責任を転嫁したり、事実を歪めて説明したりすることで、その場をやり過ごそうとする傾向があります。
ストレス過多による逃避傾向がある
仕事での失敗や人間関係のトラブル、収入面での不安など、様々なストレスを抱えた結果、現実から目を背けるために嘘をつくケースもあるようです。特に、上司からのプレッシャーや職場での過度なノルマに追われる中で、家庭でも本音を言えず、嘘で取り繕うことで一時的な安心を得ようとする心理が働きます。
コミュニケーション能力が欠如している
「本当のことを話すと相手が怒るのではないか」、「関係が壊れるのではないか」という不安から、正直に気持ちを伝えられない旦那も少なくありません。幼少期からの経験や性格的な要因で、素直な感情表現が苦手で、嘘をつくことで自分を守ろうとする防衛反応が身についているのかもしれません。
浮気や依存症、借金の隠蔽
ギャンブル、浪費による借金、アルコールや異性関係などの依存症的な問題を抱えている場合、それを隠すために次々と嘘をつくことがあります。最初は小さな嘘でも、問題が深刻化するにつれて嘘は大きくなり、発覚を恐れるあまりさらなる嘘で塗り固めていく悪循環に陥ってしまいます。
嘘つきの旦那とは離婚した方がいい?
夫が平気で嘘をつく性格だった場合、「旦那が嘘つき」という理由で離婚できるのでしょうか。嘘つきの夫と離婚できるケースや、離婚を検討する際の大切なポイントなどを紹介します。


夫と合意できれば離婚も可能
嘘つきの夫と離婚したいと思ったとき、話し合いの結果、夫も離婚に同意してくれれば離婚は可能です。夫も、嘘に嘘を重ねて、どうにも言い訳をするのがしんどくなり離婚も仕方がないと諦めていることもあります。このように話し合いで離婚することを協議離婚といいます。離婚で最も多いのが協議離婚で、離婚の理由を問われることもありません。
ただ、夫が「離婚はしたくない。もう嘘はつかない」などと謝っている場合、すぐには離婚できません。また、離婚には応じるものの、財産分与などの条件をめぐって話し合いがつかないこともあります。そのときは離婚を求めて話し合いを続けるか、法的な手続きに基づいて離婚を求めていくしかありません。
離婚の合意を得られないときは調停という手も
夫が離婚に反対したり、離婚には同意してもらえても条件で折り合えなかったりした場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。調停とは裁判所の調停委員を介した話し合いで、調停委員が双方の意見を聞き、言い分を整理して合意を目指します。しかし、合意できる見込みがないときは調停不調として打ち切られてしまいます。
調停が打ち切られると、再び夫との間で協議離婚を目指して話し合うか、離婚裁判を起こして裁判所に離婚を求めることになります。裁判で認められれば、相手の合意がなくても離婚が可能です。
離婚裁判で必要な離婚事由
離婚裁判を起こすには条件があり、離婚調停の後にしか起こせません。また、民法で定められた「離婚事由」がなければ、裁判を起こしても離婚が認められる可能性はほとんどありません。離婚事由とは、次の5つの事情です。
・配偶者が浮気や不倫(不貞行為)をした
・一方的な別居や生活費の未払いなど配偶者の悪意で遺棄された(悪意の遺棄)
・配偶者の生死が不明で3年以上経つ
・配偶者が重症の精神病で治る見込みがない
・婚姻を継続しがたい重大な事由がある
離婚の裁判では、夫婦間の事情がこれら離婚事由に当てはまり、夫婦関係が修復不可能な状態にあるかが審理されます。たとえ離婚事由があっても、「夫婦関係の修復は可能だ」と判断されて離婚が認められないこともあります。
嘘つきは離婚事由になる?
「旦那が嘘をつく」と言う理由は、残念ながら離婚事由には含まれず、単に「嘘をついた」というだけでは裁判で離婚を認めてもらうのは困難です。問題は嘘の内容で、重大な内容の隠し事があり、それが夫婦関係に大きな影響を及ぼした場合は、離婚が認められるかもしれません。
例えば「嘘をついて妻の預金を使い込んでいた」「仕事をしていると言いながら、実は既に退職し収入の目途もない」という場合は、「悪意の遺棄」や「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当てはまる可能性があります。もちろん、浮気をごまかすために嘘をついていた場合は、「不貞行為」にあたります。
嘘つきの旦那から慰謝料は取れる?
夫の嘘に振り回され、ストレスで疲れ切ってしまった妻は「嘘つきの旦那から慰謝料を取りたい」と考えることもあるでしょう。果たして「旦那が嘘つきで被害を受けた」という理由で慰謝料を請求できるのでしょうか。
不法行為がなければ慰謝料は取れない
慰謝料とは、精神的苦痛や精神的な損害を受けたとき、加害者から被害者に支払われる賠償金です。ただし、「嫌な思いをした」「つらかった」からと言って、すぐに相手に請求できるわけではなく、一般的に相手に不法行為がある場合に請求できると考えられます。
嘘をつくという行為が不法行為にあたるかどうかは、嘘の内容次第です。ましてや、夫婦間で「相手は嘘つきだ」という認識がある場合には、嘘をついたというだけで慰謝料を請求するのは難しいでしょう。しかし、嘘をついていた理由が浮気や、妻の所有物を壊したというものであった場合は、当然、浮気の慰謝料や壊した物に対する損害賠償は認められます。
嘘つき旦那への復讐方法
息をするように信じられない嘘を重ねる姿に「この嘘つきの旦那をこらしめたい!」と考える妻もいるでしょう。嘘つきの夫をこらしめて溜飲を下げる方法を紹介します。


夫のための家事をしない
嘘はとっくにバレていて、自分は怒っているということを伝える方法の一つとして、夫の家事のボイコットがあります。夫の衣服の洗濯や部屋の掃除、食事の準備などを一切やりません。当然、夫は「どうしてやってくれないんだ」と言うでしょうが、そこで「私に嘘をついていない?」と聞いてみましょう。心当たりがあれば、夫は黙り込んでしまいます。
ただ、相手も嘘をつきなれているので、白を切るかもしれません。そのときは「よく考えてみて」と突き放しましょう。それで妻が怒っていることは、夫に十分伝わるはずです。ただし、この方法を長く続けていると、夫婦関係が悪化してしまう可能性もあります。
着実に証拠を集める
夫の嘘による離婚を考えている場合、まずは証拠集めが重要です。スマートフォンで会話を録音したり、嘘をついた内容とその日時をメモに残したりするなど、地道な記録が必要です。特に金銭トラブルや不倫の証拠は、慰謝料請求や離婚調停の際に大きな武器となります。
また、夫の嘘が原因で精神的な苦痛を受けている場合は、通院記録や診断書も重要な証拠となるため、必要に応じて心療内科などの受診も検討しましょう。
周囲への事実確認と味方を作っておく
嘘つきの夫と離婚するためには、周囲の協力が重要な鍵となります。夫が日常的にどんな嘘をついているのか、知人や親族に確認を取ることで、嘘の実態が具体的に見えてきます。ただし、味方になってくれそうな人を慎重に見極めることも大切です。
特に夫の嘘を直接聞いた人や、不自然な言動を目撃した人には、証拠として残せるよう、メールやLINEでの会話記録を残しておくことがおすすめです。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することで、心の支えも得られます。
離婚を切り出す
どうしても夫の嘘が許せず、「旦那に反省する気がないのなら離婚をしても構わない」という決意なら、離婚を切り出すのも夫をこらしめるのに有効な方法です。夫に離婚する気がない場合は、自分の嘘の重大さに気付き、さすがに「もう嘘をつくのはやめよう」と考えるかもしれません。
ただし、夫婦仲が良くない場合は、安易に離婚を切り出すと、本当に離婚に向けて事態が動き始めることもあります。離婚することになって後悔しないよう、しっかりと覚悟を決めて離婚を切り出しましょう。
嘘つき旦那への対処法
息をするように嘘をつく夫の性格を直すことはできるのでしょうか。嘘をつく夫への対処法を5つご紹介します。


証拠を突きつけて話し合う
嘘つきの旦那と向き合うときは、感情的な追及は逆効果です。事前に証拠を整理し、落ち着いた場所で冷静に話し合いましょう。第三者への確認で判明した事実や、会話の記録などを具体的に示しながら、なぜ嘘をついたのか、その理由を聞き出すことが重要です。ただし、相手が逆上する可能性もあるため、安全な環境で話し合うことを心がけましょう。
夫婦カウンセリングを受ける
夫婦だけでの話し合いでは、感情的になったり平行線に終わったりしがちです。夫婦カウンセリングでは、中立的な立場の専門家が間に入ることで、冷静な対話が可能になります。
カウンセラーは双方の言い分を公平に聞き、問題の本質を見抜き、具体的な解決策を提案してくれます。一人で抱え込まず、第三者の客観的な意見を取り入れることで、夫婦関係の修復への糸口が見つかるかもしれません。
約束と改善計画を設定する
問題の改善には、具体的な約束事を決めることが大切です。嘘をつかない、疑問があれば必ず話し合う、などの基本的なルールを設定し、定期的に振り返る機会を作りましょう。一度に完璧を求めるのではなく、小さな目標から始めて、徐々に信頼関係を築いていくことが重要です。
嘘をつく原因を理解する
嘘をつく背景には、コミュニケーション不足や自尊心の低さ、過去のトラウマなど、様々な要因が潜んでいる可能性があります。職場でのストレスや実家との関係といった悩みも嘘の背景にある可能性があるでしょう。
まずは相手の立場に立って話を聞き、嘘をつかざるを得なかった状況を理解することから始めましょう。相手を一方的に責めるのではなく、二人で解決策を探ることが大切です。
病院での治療を検討する
もともと嘘をついてしまう性格の人、嘘をつくことにあまり罪悪感を覚えない人もいます。こうした人は、病気の可能性があり態度を改善するのは困難です。小さな嘘から重大な嘘まで、どうしても嘘をついてしまう性質のことを「虚言癖」といいますが、パーソナリティ障害の人には虚言癖の傾向があると言われます。
パーソナリティ障害は人格障害ともいいますが、生まれつきの特徴的な性格や振る舞いによって、人間関係がうまくいかない病気です。周囲に迷惑をかけるだけでなく、自分の性格や行動に本人も悩むことがあります。こうした障害が理由で嘘をついてしまう場合は、心療内科や精神科などで専門的な治療を受ける必要があります。
嘘つきの旦那の対処に困ったら専門家に相談を
夫が嘘に嘘を重ねる性格だと、妻は嘘を聞かされるたびストレスがたまり、夫を信じられない気持ちになります。「将来のことを考えると、旦那と離婚するしかない」と思い詰める人もいるでしょう。
しかし、「旦那が嘘つき」というだけでは、簡単に離婚できないこともあります。夫とやり直せる道があるのか、離婚する方法はないのか、答えは夫婦の事情によって異なります。夫婦関係に詳しいカウンセラーや弁護士といった専門家にも相談して、じっくり夫婦の関係について考えてみましょう。