
ドメスティック・バイオレンス(DV)は、DVの定義や種類から、特にDVされやすい女性の心理的な特徴について詳しく解説します。さらに、チェックリストや対処法も紹介し、自分や周囲の人々がDVの被害に遭わないための知識を提供します。

弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。
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経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。

DVの定義と種類
DV(ドメスティック・バイオレンス)は一方的な力関係を利用して相手を支配・コントロールする行為であり、被害者の心身に深刻な影響を及ぼします。身体的暴力だけでなく、精神的虐待や経済的支配など多岐にわたる形態が存在します。
これらの暴力は表面的には見えにくい場合もありますが、被害者にとっては非常に苦しい状況を引き起こします。ここでは、DVの各種類について詳しく見ていきます。

身体的暴力
身体的暴力とは、傷害や暴力行為を通じて相手に肉体的な被害を与える行為のことです。殴る、蹴る、押すなどの直接的な攻撃のほか、怪我をさせる行為全般が含まれます。これにより、被害者は身体的な痛みだけでなく、恐怖や不安も感じるようになります。
身体的暴力の影響は即時的なものだけでなく、長期的な健康問題や心理的トラウマを引き起こすことがあります。また、被害者が助けを求めにくい環境にいる場合、暴力行為がエスカレートするリスクも高まります。
精神的暴力
精神的暴力は、言葉や態度を通じて相手の精神状態を不安定にさせる行為です。無視、脅迫、侮辱、過度なコントロールなどがこれに含まれます。このような暴力は、被害者の自己価値感を低下させ、精神的な疲弊を引き起こします。
精神的虐待は見えにくいものの、長期間にわたって行われると被害者の心身に深刻な影響を与えることがあります。特に、被害者が自分自身を疑い始めることで、自立する力を失ってしまうことも少なくありません。
性的暴力
性的暴力は、相手の同意を得ずに性的行為を強制する行為を指します。性的虐待、強制性交、性的嫌がらせなどがこれに該当します。被害者は身体的のみならず、精神的にも深い傷を負います。
性的暴力は被害者のプライバシーを侵害し、自尊心を著しく傷つけます。また、このような暴力が繰り返されると、被害者は性的健康や心理的安定を取り戻すために長期間の支援が必要になることがあります。
経済的暴力
経済的暴力は、金銭の管理を一方的に行い、相手の経済的自由を制限する行為です。具体的には、生活費の制限、収入の隠匿、資産の管理を独占するなどがあります。これにより、被害者は経済的に自立することが困難になり、暴力から抜け出す手段が制限されます。
経済的暴力は、被害者が自己防衛や逃避行動を起こす際の大きな障壁となります。経済的依存状態にあると、被害者は離脱しづらくなり、長期間にわたって暴力の連鎖に巻き込まれる可能性が高まります。
もしかしてDVを受けている?チェックリスト
DV被害に気づかないことも多いですが、自分がDVを受けているかどうかを確認するためのチェックリストを活用しましょう。以下の項目に当てはまるものがあれば、専門機関への相談を検討してください。
・機嫌を損ねられては大変と思い、要求を何でも受け入れてしまう
・怒りを爆発させて怒鳴られたり、暴力をふるわれたりすると謝ってしまう
・いつも顔色を見ながら過ごしており、常に緊張している
・頻繁に批判されたり、馬鹿にされたりする
・セックスを強要され、いやなのに応じている
・なぐられたり、けられたり、髪を引っ張られたり、突き飛ばされたり、たばこの火を押し付けられたり、縄で縛られたり、ナイフで脅されたりしたことがある
・親戚や友人と会うことにいい顔をされない
・電話やメール、交友関係をチェックされるなど、行動を監視されている
・家計の管理が独占されており、貯金や通帳へのアクセスも占有されている
・子どもの前で暴言を言われる
・暴力さえ振るわれなければいい人なので何とかやっていけると思っている
引用元:https://www.city.urayasu.lg.jp/todokede/danjo/1029897/dv/1001417.html
DVされやすい女性のタイプは?
DVされやすい女性には共通する特徴があるのでしょうか。DV加害者から逃げられないケースと、DV加害を誘発しやすいケースに分けて解説します。自分に当てはまる特徴がある場合、DVされやすい可能性があるので注意しましょう。
DV男性にハマる女性
DV男性にハマる女性は「自分に自信がない」タイプの人が多いようです。他人から嫌われることを恐れるのが特徴で、暴力をふるわれても拒絶できません。
DVされやすい女性はパートナーへの依存度が高く、自分が傷ついても関係の継続に固執するという特徴があります。一度恋愛関係になった相手から簡単に離れられず、日常的に暴力を受けるようになっても受け入れてしまいます。
DVを誘発しやすい女性
「自分より他者を優先する」女性は、男性のDVを誘発してしまう可能性があります。こうした女性は自分の気持ちを抑え込んでしまうのが特徴で、相手に不満があってもなかなか伝えられません。こうした性格が男性に「何をしても構わない」という気持ちにさせるのです。
決して女性に非はなくても、DV気質の男性は「相手が何も言わなければ、自分の言動を受け入れているのだろう」と勝手に思い込みます。こうした男性は、最初は優しくても少しのきっかけでDV加害者に豹変することがあるようです。
DVされやすい女性の特徴10選
DVに遭いやすい女性には共通する心理パターンがあるようです。以下に、特に注意すべき10の特徴を紹介します。

「私なんて」と自己肯定感が低い
「私なんて」とつい言ってしまう自己肯定感の低い女性は、自分に自信がないため、相手の言動を否定できないのが特徴です。暴力をふるわれても、自分にも悪い部分があったと思い込み、DVされやすい状況に陥ってしまいます。
気が強い女性であっても、日常的に人格を否定されるような言動にさらされると、次第に自己肯定感が失われていきます。実際の暴力はなくても、言葉や態度で相手をおとしめようとするパートナーはDV加害者に豹変する可能性があるので注意しましょう。
相手の気持ちを最優先してしまう傾向がある
相手の気持ちを優先しすぎる女性は、自分の感情や想いを後回しにしがちで、自分の感情を抑え込み、パートナーの言動に過剰に配慮してしまう傾向があります。「相手のために」と我慢を重ねることで、次第に自己肯定感が低下し、精神的なストレスを抱えやすくなります。
このような状況が続くと、DVやモラハラなどの問題に気づきにくくなる可能性があります。
過去に虐待などを受けている
幼少期に虐待を受けた経験がある女性や、厳しい束縛のある環境で育った方は、成人後もDVやモラハラなどの被害に遭いやすい傾向があります。これは、過去の心の傷により自己肯定感が低下し、暴力的なパートナーの言動を「自分が悪いから」と受け入れてしまうケースが少なくないためです。
彼氏・夫に依存しやすい
彼氏・夫に頼り過ぎてしまう女性は、多少不満があっても、自分からはパートナーの男性と別れようとしないのが特徴です。特に友達が少ない女性にとって、男性は唯一の話し相手という場合もあり、関係が断たれることに不安を感じます。
男性側も自分は女性にとって不可欠な存在であることが分かっているため、女性に対する気遣いが失われていきます。女性への不満だけでなく、普段のストレスまで八つ当たりするようになり、DVされやすい環境が生まれます。
周囲とのコミュニケーションが乏しい
孤立しがちな女性は、DVやデートDVの被害に気づきにくい傾向があります。友人や家族との交流が限られていると、パートナーからの精神的暴力や束縛が次第にエスカレートしても、自分の置かれている状況が普通なのか、それとも危険な問題を抱えているのか、判断することが難しくなります。その結果、相談先が見つからず、一人で我慢を重ねてしまいがちです。
すぐ謝ってしまう癖がある
お互いの意見がぶつかって口論になりそうになったとき、すぐに謝ってしまう女性がいますが、こうした性格もDVされやすい女性の特徴です。パートナーの男性に対して自己主張するのが苦手なので、DV被害に遭っても拒絶する意思をうまく伝えられません。
男性は、拒絶されないのをいいことにDVをエスカレートさせる可能性があります。また「やめて」という意思が感じられないため、暴力や暴言が日常化していてもDVであることに気付けません。
人から嫌われることが怖い
他人から嫌われることを恐れる女性にとって、パートナーの男性は特に嫌われたくない対象です。反発すれば嫌われるため、暴力や暴言も黙って受け止めてしまいます。
自分を傷つける相手に対して、嫌われてもいいと諦めがつくまでに時間がかかるため、DVされやすい状態から抜け出すのが困難です。
スペックの高い相手を好む
社会的地位が高く、年収の多い男性を好む女性は「お金持ちの男性と付き合っている自分」に価値があると考えます。友達にパートナーのスペックを褒められると、自分も認められたと感じて安心するなど、他人に影響されやすい性格といえるでしょう。
このため、スペックの高い男性と別れてしまうと、自分の評価も下がってしまうと考え、DV被害を受けても別れることに不安を覚えるのが特徴です。パートナーが女性の不安に気づいている場合、離れられないのを逆手にとり、DVをエスカレートさせていく可能性があります。
面倒見がよく世話好き
パートナーの男性に対して面倒見がよく世話好きな女性は、特に問題がないように見えますが、面倒見の良さはDVされやすい特徴の一つです。何かのきっかけでDVが始まっても、自分が一生懸命パートナーのために尽くせば、DVは止まると信じてしまいます。
特に「尽くすタイプ」の女性は、別れてしまうとパートナーに尽くしてきた自分の人生まで否定されたと感じるようです。そこで、なるべく関係を続けようと努力しますが、結果としてDVされやすい状態にハマってしまいます。
情緒不安定で気持ちの浮き沈みが大きい
気持ちの浮き沈みが大きく、感情のコントロールが苦手な女性は、パートナーのちょっとした言動に気分が影響されやすいのが特徴です。落ち込んでいるときに暴言や暴力を受けると反発する気力が失われ、立ち直れなくなるほどのダメージが残ります。
またパートナーに暴力をふるわれても、その後に優しい言葉をかけられると許してしまう、騙されやすい特徴もあります。パートナーの男性も、感情の不安定さをうまく利用して自分に依存させるので、女性はDVを自覚するのが困難です。
DV男性の対処法は?
DVを受けていると感じたら、できるだけ早い段階での対応が重要です。「自分にも非があったから」「今回は偶然」と我慢を重ねてしまうと、パートナーからの暴力や精神的暴力が徐々にエスカレートし、より深刻な状況に発展する可能性があります。安全を第一に考え、状況に応じた適切な対応方法を見つけていきましょう。
第三者に相談する
自分がDVの被害者ではないかと感じたら、まずは誰かに相談することが大切です。家族は感情的になりやすいため、友人や職場の同僚など、第三者からの客観的な意見を聞くことをおすすめします。
さらに、弁護士に相談すれば、離婚や別居に向けた準備、慰謝料請求、保護命令の申立てなど、法的な対応について無料相談できる場合も多くあります。
また、夫婦カウンセラーは、パートナーの言動を専門的な視点から分析し、モラハラや精神的暴力の判断、具体的な対処法についてアドバイスを行います。
一人で抱え込まず、状況に応じて専門家のサポートを受けることで、問題解決の糸口が見つかるはずです。
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相談機関に連絡する
DV問題に特化した専門機関では、加害者・被害者それぞれの立場に応じた適切な支援を提供してくれます。
配偶者暴力相談支援センターでは、DVに関する専門的な知識を持つカウンセラーが、電話やメールでの無料相談に応じています。パートナーへの暴力を認識し、改善したいと考えている男性向けには、怒りの感情をコントロールする方法や、健全なコミュニケーションの取り方についてのカウンセリングを行っています。
交友関係を広げて他に居場所を作る
パートナーと過ごす時間が多いほどDVされやすいため、交友関係を広げて家以外に居場所を作りましょう。子育てやボランティアのサークルは、子供や地域の役に立つと主張できるのでおすすめです。また、交友関係が広がることで得られる新たな視点は、今後の対策を考える際にも役立つでしょう。
DVされた証拠を集める
DVを受けたら被害の大小にかかわらず証拠を残しましょう。打ち身や擦り傷などがあれば、写真を撮り、日時や場所、そのときの状況などとともに記録します。病院で治療を受けたときは医師に診断書を作成してもらいましょう。これらの証拠は、後で夫にDVの加害者であることを認めさせるときや、離婚調停で効力を発揮します。
物理的・精神的に距離を置く
夫と別居し物理的・精神的に距離を置くことは、DVされやすい状況から身を守る有効な手段です。夫が追いかけてきて連れ戻される心配があるときは、警察や自治体の女性相談窓口で相談しましょう。一時保護施設や民間のシェルターに入居できる場合があります。
一人で抱え込まず、早めに専門家に相談を
DVは身体的暴力だけでなく、モラハラなどの精神的暴力、経済的暴力など、様々な形態があり、時間の経過とともにエスカレートする可能性があります。「我慢すれば変わってくれる」という考えは危険です。
配偶者暴力相談支援センターでは、専門家による無料相談が可能です。また、状況に応じて弁護士への相談も検討しましょう。被害の証拠を集め、必要な場合は保護命令の申立てなど、法的な対応を取ることも選択肢の一つです。
あなたの安全を守ることは当然の権利です。一人で抱え込まず、まずは専門機関や第三者に相談することから始めましょう。
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