DV男性の典型的な特徴は?
感情の起伏が激しい
DV男性の典型的な特徴の一つが感情の起伏が激しいことです。実は、DV男性は常に怒っているわけではなく、落ち着いていたり気弱になっていたりすることもあります。そのようなとき、一般男性とほとんど様子が変わりません。
しかし、些細なきっかけで気に入らない出来事が起こったとき、DV男性はたちまち豹変し、一般男性とは異なる態度を見せます。感情のコントロールが苦手なため、怒りを抑えきれず、暴言を吐くなど身近な人を相手にストレスや不満を発散させてしまうのです。
言葉で自分の考えや気持ちを伝えるのが下手
DV男性の中には、自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手な人が多くいます。普段からコミュニケーションがうまくいかないことからストレスがたまっており、爆発してパートナーを傷つけてしまうと考えられます。
こうした男性は、一緒にいる時間が長いパートナーは何も言わなくても自分の気持ちを察してくれると思い込んでいます。そのため、パートナーが自分の思いと異なる言動をしたときに、突然怒りだすことがあります。そんな夫や彼氏の思いなど知らないパートナーは、相手が何を考えているのか理解できず、突然怒りだす男にしか見えません。
我を忘れて暴力を振るってしまう
DV男性は感情のセルフコントロールが苦手で、一度怒り始めると、家族など周囲の人間では止められなくなることがあります。そのような状態のとき、DV男性本人は周囲が見えません。このため、我を忘れて暴力をふるってしまうのです。
いわゆる「怒りで頭が真っ白」になった状態で、一通りの暴力が終わったあと「あれは本当の自分ではなかった」と泣きながら謝罪することさえあります。
怒った後に優しくなる
DV男性は常にパートナーへ暴力的なふるまいをしているわけではありません。周期的にパートナーに甘い言葉をかけて優しく接する「ハネムーン期」と呼ばれる時期が訪れ、これは怒りを発散した後によくみられます。
夫や彼氏が急に優しくなるのは、DVを受けたパートナーが逃げたり離婚したりしないようにするのが目的で、穏やかな状態は長くは続きません。DV男性から被害を受けていたパートナーの中には、改心してDVをやめたのだと勘違いする人もいますが、すぐに再びDVが始まるケースがほとんどです。
DV男性の定番セリフ7選
DV男性は性格や行動だけでなく、使うセリフにも共通点がみられます。暴力をふるいながら言うセリフや、パートナーに許しを請うときのセリフなど、特定の状況でよく使うセリフはたいてい同じです。DV男性がよく使うセリフ7選を紹介するので、パートナーや自分自身がよく言っているセリフがないか確認しましょう。
俺の言った通り
DV男性は基本的に女性より優位な立場にいたいと考えているため、常に高圧的なセリフを使います。「俺の言った通りにやればいいんだ」など自分の正当性をアピールし、パートナーが別の意見を言おうとすると不機嫌になります。
お前がいないと生きていけない
暴力をふるった後の「ハネムーン期」によく聞かれるセリフです。パートナーへの愛情を示すために使うセリフですが、本当の目的は、パートナーが逃げないように束縛することです。
特に彼氏や夫にハマってしまっている女性は、こんなセリフを聞かされると「自分を必要としてくれているのだ」と信じてしまい、DV男性から離れるチャンスを逃してしまうことがあります。
こんなに愛しているから分かってほしい
DV男性が暴力や暴言でパートナーをさんざん傷つけた後に出てくるセリフです。愛していることを免罪符に、殴ることを許してほしいと要求しています。冷静になって考えれば、許されるわけがありません。しかし日常的にDVを受けているパートナーは、愛しているのならしょうがないと受け入れてしまうことがあります。
怒らせるのが悪い
パートナーに暴力をふるうのはDV男性が悪いのではなく、怒らせたパートナー自身という意味のセリフです。暴力はよくないと認識していながら、自分の正当性を示すため、パートナーに責任転嫁しています。明らかに論理が破綻していますが、パートナーは反論する機会も与えられず、自分を責めるしかありません。
今どこにいるの?
家族や友人同士で一般的によく使われる言葉ですが、DV男性が使う目的はパートナーを束縛するためです。今どこにいて誰といるのか、いつ帰ってくるのかなどを細かく質問し、常にパートナーの行動を管理しようとします。
俺をバカにしているのか
パートナーが少しでもDV男性を否定するような意見を言うと、大声で怒鳴りながら言う定番のセリフです。だんだんと怒りがヒートアップして、手がつけられなくなる段階でもよく使われます。上位の存在である自分に歯向かうパートナーを咎める意味に聞こえますが、実際は自分に自信がないことの表れです。
俺がいなければ何もできない
パートナーの能力を見下してバカにしたセリフです。一方で、言葉どおりにDV男性は自分がパートナーにとって不可欠な存在であると信じていることが多いようです。実際にDV被害を受けやすい女性は相手への依存度が高いと言われ、そうした気持ちに付け込んで、彼氏や夫がDVをエスカレートさせるケースもあります。
【体験談】DV男性と円満に別れる方法は?
パートナーへの執着が強いDV男性は、離婚に応じなかったり、ストーカー化したりする可能性が高く、別れるのも簡単ではありません。DV男性となるべく円満に別れるために大切なポイントを紹介します。
DV被害を証拠に残す
DV男性から逃げたい・離婚したいというときに、頼りになるのが警察官や弁護士といった専門家です。DV被害の証拠は、法的な手続きを踏む際に不可欠ですから、訴える予定がなくても万が一に備えて証拠を残しておきましょう。DVの証拠として採用されやすいものに、DVを受けて際のけがの写真や治療した医師の診断書、暴言の録音などがあります。
夫からDVを受けていましたが、別居を経てやっと離婚を切り出せるまでに至りました。しかし、夫はDVを認めず暴力をふるったことはないとまで主張しました。
そのときに役に立ったのが、DVの証拠でした。市の相談センターでアドバイスされた通り、怪我の写真や病院の診断書などが証拠として有効だったので、こちらの要求が通りやすくなりました。
丸の内ソレイユ法律事務所
裁判をする場合に証拠が不可欠というのはそうですが、協議や調停で離婚する際も、そいうった証拠があるとDVを否定する相手方との関係で有益です。
専門機関に相談する
DV被害を受けたら早めに専門機関に相談するのがおすすめです。友人への相談も有効ですが、専門家でない人への相談では、具体的な解決策が見いだせない場合がほとんどです。内閣府が設置する「DV相談プラス」や都道府県ごとに設置される「配偶者暴力相談支援センター」などを利用して早期の解決を目指しましょう。
元夫はときどき小突いたりしてきましたが、暴力だとは思っていませんでした。ある日夫に突き飛ばされて初めてDVを疑いました。
自分では判断できなかったので、役所へDV相談すると、すぐに逃げてくださいと言われました。別居して冷静になると、DVだったと改めて認識できます。DV相談しなければ、今も同じ状況だったかもしれません
物理的・精神的に距離をとる
エスカレートしたDVはときに命を奪う危険性もあるため、深刻化する前にDV男性と別居するのが安全です。物理的・精神的に距離をとることで、DV男性との関係を客観視でき、今後の解決策を見出すきっかけが得られます。
別居後、DV男性によるストーカーやつきまといの被害が心配な場合は、最寄りの警察署に相談しましょう。
元夫からDVを受けていたときは、恐怖で先のことが考えられませんでしたが、このままではよくないと思い、意を決して家を出ました。
一人で冷静になって考えてみると、自分の気持ちに気づくことができ、無事離婚することができました。
人目につく場所で別れ話をする
DV男性と一定期間別居すると、DV男性のほうから連絡が来るかもしれません。会わないという選択肢もありますが、今後のことを話し合うなら、ファミレスなど密室でない場所を選びましょう。仮にDV男性が逆上しても、人目がある場所なら暴力をふるわれるリスクが抑えられます。
離婚の話し合いをするときに、注意したのは場所選びです。話が冷静かつスムーズにでき、何より周りに人が多いところを条件に選びました。
相手は自宅を指定してきましたが、何をされるかわからないので拒否しました。
DV男性のセリフに身に覚えがあったら注意しよう
DV男性は性格や言動に共通点が見られます。暴力をふるった後に優しい言葉をかけてくるのは典型的なDV男性の行動パターンです。自分の優位性をアピールするときや、相手を黙らせるときに使うセリフにも特徴があります。パートナーも同じセリフを言っているならDVの疑いがあります。専門家に相談するなど早めに対策を取りましょう。
弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。