出産後の夫婦生活をいつから再開すればいいのか悩む夫婦は少なくありません。性欲が減退したり、痛みを感じたりする女性もいて、きっかけがなくセックスレスになる人も少なくありません。産後いつから夫婦生活を再開すればいいのか、セックスレスを回避する方法などを紹介します。
産後の夫婦生活を再開するきっかけがわからない
待望の赤ちゃんが生まれた後、女性は授乳や赤ちゃんのお世話と大忙しです。出産後、体調がすぐれなくなる人もいるでしょう。そうした女性の中には、いつから夫婦生活を再開すればいいのだろうかと悩む人がいます。早くもう一人産みたいという場合もありますし、夫からせがまれて困っているケースも少なくありません。
産後1ヶ月半なのですが、産後のSEXはいつごろから開始していいのでしょうか?
座ったり日常生活で会陰が痛むことはもうないのですが、少し触ってみると若干痛いです。なのでまだする気はないですが、痛みが完璧に無くなってからの方がいいですよね?
1ヶ月検診の時傷を見てもらった時は傷口も綺麗ですねって言われました。
産後、セックスが痛すぎてできません。ゼリーを使用しても、完全に入ることなく失敗するたびに主人に申し訳ない気持ちで一杯になります。病院に行くと何か対策があったりするのでしょうか?
できれば体調が戻り、子供に手が掛からなくなってからと考える女性もいるでしょうが、あまり夫からの誘いを断っていると、そのままセックスレスになってしまうこともあります。産後夫婦生活を再開させるきっかけづくりや、セックスレスを回避する方法などを紹介します。
産後の夫婦生活はいつから再開するのが一般的?
夫婦生活を再開する時期を考える際、大切なのはお互いの気持ちと、妻の体調です。特に体調面では、出産によって女性の体はダメージを受けます。そのダメージが癒えないうちにセックスしてしまうと、感染症を引き起こしてしまうこともあります。
一般的に、夫婦生活を再開するのはいつ頃のタイミングが良いのか、判断する基準を解説します。
約半数は3カ月以内に再開
妊娠・出産・育児情報サイト「ベビカム」が2017年に行った「産後のセックス」についてのアンケートによると、約6割の人が半年くらいのうちに夫婦生活を再開していたそうです。内訳は「1カ月健診後頃から」が22.6%で、「出産後2~3カ月後頃から」が22.8%。「半年後頃」が16.6%でした。
一方で「再開していない」が最も多く、28.9%でしたが、この調査では出産経験がある女性が対象なので、セックスレスがいつまで続いているのかまではわかりません。しかし、半年過ぎても、夫婦生活を再開するタイミングがなかったり、避けてしまったりしている人が3割弱いるようです。
出産後は頻度も少なめに
また、この調査では「出産後のセックスの頻度が変わったか」という質問もあります。これについては「はい」という回答が84.1%でした。やはり、出産後は妊娠前と同じようにはいかないようです。
「産後のセックスの頻度」で最も多かったのは「月1回」の27.5%。ついで「月2~3回」の26.6%、「年、数回程度」が24.8%と、月1回以下の人が約8割という結果になりました。妊娠前の女性への調査では、半数以上の人が「週1回以上」と回答していたといい、妊娠中から産後にかけて夫婦生活の回数は大きく減ってしまうようです。
再開は医師のOKが出てから
産後、夫婦生活を再開できるかどうかは、女性の体調の回復具合にもよります。出産直後から産後6〜8週間を産褥期といいますが、この期間は一見健康そうでも、性器内には細かい傷がたくさんあり、セックスで痛みを感じることもあります。
また、出産時には、外陰部から肛門にかけての会陰(えいん)と呼ばれる部分を切開したり、裂傷が生じたりすることがあります。この傷が治らないうちにセックスをしてしまうと、出血したり激しい痛みを感じたりすることがあり、注意が必要です。時には傷口が化膿することもあります。
出産した病院では「セックスの再開は1ヵ月健診を過ぎてから」と説明を受けたのではないでしょうか。産後の1ヵ月健診で医師から問題を指摘されなければ、体調的には大丈夫だと考えていいでしょう。
産後にセックスレスになる原因
産後、半年以上たっても夫婦生活を再開しない女性もかなりいるようです。半年も過ぎれば、多くの女性は体に元に戻っていることでしょう。それなのに、なぜ夫婦生活を再開しないのでしょうか。このままではセックスレスになってしまう恐れもあります。産後に、セックスレスのような状態になってしまう原因について説明します。
育児で忙しい
出産後の妻は、授乳や赤ちゃんの世話と大忙しです。夫が家事や育児を手伝ってくれれば、多少は負担も軽減されますが、夫が仕事で忙しい場合や家事が苦手で手伝おうとしてくれない場合は、家事もこれまでと同じようにこなさなければなりません。それに、赤ちゃんの夜泣きであまり眠れない時期もあります。
そうなると、女性は育児疲れや睡眠不足でセックスどころではなくなってしまいます。夫から求められても「少し休ませてほしい」と拒否してしまうこともあるでしょう。そうしたことがきっかけでセックスレスになってしまうことがあります。
ホルモンバランスの変化による性欲の減退
妊娠から出産を経て、女性のホルモンバランスは大きく変化します。生理のときに、体調が悪くなる人がいるように、ホルモンバランスが崩れると体調不良を訴える女性は少なくありません。
また、授乳することで分泌されるホルモンは母性本能を高めるため、女性は子供を第一に考える子育てモードに入ります。それによって、性欲が減退し、夫に触られたくない、近寄ってほしくないという気持ちにまでなる女性もいます。こうした時期に不仲になってしまう夫婦も珍しくありません。
性交痛がつらい
産後、まだ傷が治りきっていない時期に、セックスしようとして痛みを感じた女性の中には、セックスするのが怖いと感じてしまう人もいます。日常生活の中でも違和感や痛みを覚えることがあって「まだ、セックスは早い」と感じている人もいるでしょう。
また、産後すぐの頃は、ホルモンによって膣の中が濡れにくくなっています。このため、挿入時に痛みを感じる人は少なくありません。夫婦生活を再開する女性の中には、潤滑ゼリーを使っているという人もいます。
タイミングがわからない
妊娠中や出産に向けて夫婦生活を控えていた場合、互いにどのように夫婦生活を再開すればいいのか、タイミングをつかめない夫婦もいます。夫の中にも、授乳やお世話で大変そうな妻を見て、誘ってもいいのか迷う人もいるでしょう。せっかくムードが盛り上がってきたのに、赤ちゃんが泣きだして中断せざるを得ないこともあります。
妻のほうも、あまり自分からセックスしたいとは思わない時期なので、「夫から誘われないうちはいいか」と考えてしまうことがあります。こうして、ずるずると再開のタイミングを逃し続けていると、そのまま一生セックスレスになってしまうかもしれません。
産後に夫婦生活を再開するきっかけは?
産後、夫婦生活を再開した夫婦は、どのようなことをきっかけにしているのでしょうか。体験談とともに紹介します。
痛みを感じなくなくった
産後の1カ月検診で夫婦生活を再開してもいいか、医師から告げられますが、医師のOKがでても、まだ痛みを感じる人はいます。医師からOKが出て、痛みも感じなければ、それをきっかけにする人がいますし、痛みを感じなくなったのを機に再開するという人も多いようです。
産後1ヶ月の時に1ヶ月検診を産婦人科でやると思いますが、その段階でOKかどうかは言われます。
その後再開する人が多いんじゃないかなって。
うちは産後2ヶ月でやってみたけど、痛すぎて泣きながらした記憶あり。旦那にもごめんねって言われた…
そのあとは産後半年くらいで再チャレンジ。傷が引き攣る感じはあったけど痛みはなく、そこから再開した感じです。
妻から誘う
夫が、妻の体調を気にして誘うのを我慢しているケースもあります。また、子育てをする妻を見ていて、「今はこの子の母親なんだ」という気持ちから、あまり性欲が湧かないという男性もいます。
こんなときは、妻のほうから誘うと、夫も「もう再開してもいいんだ」と安心して応じてくれるでしょう。女性から誘われることで、性欲が湧くこともあります。夫が遠慮していたり、妻を女性として見ることをためらっていたりしているようなら、思い切って妻から誘うことも大切です。
2人目産後は私から誘いましたよ!笑
確か普通に「ねえ、したくないの?」って聞いたと思います笑
夫から求められて
男性の中には、なかなか性欲を我慢できないという人もいます。そうした男性の場合、女性が多少不安を感じていても強引に迫り、妻も仕方なく応じる形で夫婦生活を再開することがあります。あまりに激しく痛みを感じるときは、その後のセックスが怖くなることがあるので、夫を説得して痛みがなくなるまで我慢してもらいましょう。
また、男性側も嫌がる妻に対し強引にセックスすると、夫婦の間でも性暴力ととらえられる恐れがあるので、注意が必要です。
2ヶ月ぐらいだったかな?
まだ傷が痛かった記憶がある。
とりあえず、半年後にはまた妊娠した。年子で出産。
夫に襲われたようなもの。笑
産後のセックスレスを回避する方法
産後に夫婦生活をスムーズに再開させられないと、そのままセックスレスになってしまう恐れもあります。今はセックスに不安があっても「いずれはセックスもある仲良しの夫婦に戻りたい」「一生セックスレスは嫌だ」と思っている妻もいるでしょう。セックスレスを回避して夫婦生活を再開する方法を紹介します。
寝室を一緒にする
子供が生まれたのを機に、寝室を別にしてしまう夫婦もいますが、それでは夫婦生活を再開するきっかけがつかめません。寝室を一緒にすることが大切です。横で寝ていれば、ちょっとしたきっかけからムードが高まることもあるでしょう。
セックスをしなくても、寝室で一緒に過ごしていれば2人の時間を確保でき、夫婦の会話も増えます。夫婦生活の再開まで時間がかかったとしても、愛情を確かめることはでき、夫婦仲が悪化することも避けられるでしょう。
スキンシップを増やす
セックスができないときも、スキンシップはできるはずです。子供の世話が一段落したときに、軽くハグしたり、手をつないだりして触れ合うことはできます。そうして、スキンシップを欠かさないようにしていれば、いずれ自然と夫婦生活を再開できるでしょう。
互いにマッサージをしあうのも良い方法です。自分の体を相手に委ねられるのは、相手を信用しているからです。マッサージをしながら、相手の体をいたわり、会話を楽しんでいるうちに、互いに気持ちが高まり、自然と相手を求めるようになるかもしれません。
2人で過ごす時間を増やす
夫婦が仲良しでいるには、2人きりの時間を作ることも大切です。子供にかかりきりで、2人きりで過ごす時間が減ってしまうことが、夫婦の距離を遠ざけてしまうこともあります。ときには、子供を誰かに預けて2人きりの時間を作りましょう。預け先は実家でもいいですし、ベビーシッターや保育園の一時預かりという方法もあります。
2人で買い物や食事をしてデート気分を味わうだけでも構いません。そうしたことの積み重ねで、自然と夫婦生活も再開するはずです。もちろん、せっかく2人きりになれたのですから、セックスを楽しんでもいいでしょう。子供を預けてセックスをすることで、夫婦仲が保たれるのであれば、決して悪いことではありません。
産後に夫婦生活を再開しないとどうなる?
産後、夫婦生活を再開せず、そのままにしているとどうなるのでしょうか。考えられるリスクを解説します。
子供が生まれない
当然のことですが、夫婦生活がなければ子供ができません。今は目の前の子供の世話で大変かもしれませんが、次の子が欲しいと思っても、もう夫に相手にしてもらえなくなるかもしれません。「子供が欲しいから、セックスしたい」と言っても、夫は「自分は子供をつくるためだけの存在か」と機嫌を損ねてしまう恐れがあります。
たとえ、夫が応じてくれたとしても、子供ができれば、またセックスレスになってしまうかもしれません。そうなると、夫婦の関係修復は困難になってしまうでしょう。
不倫や浮気の原因となる
最初は妻のためを思って我慢をしていた夫も、いつまでたっても夫婦生活が再開しないと、しだいに妻に疑念を抱くようになってしまいます。「もう、自分に対する愛情はなくなったのではないか」と感じることもあるでしょう。もちろん性欲もたまっていきます。
そんなとき、夫と気が合う女性が現れたら大変です。夫はつい、その女性に気持ちが傾いてしまうかもしれません。欲求不満が溜まっているだけに、簡単に一線を越えてしまう可能性もあります。夫の気持ちをつなぎとめておくためにも、夫婦生活の再開は大切なことです。
離婚の理由になる
夫婦生活がなくなると、夫は離婚を考え始めるかもしれません。たとえ妻が離婚を拒否しても、あくまでも離婚を求めて裁判を起こす可能性があります。そのとき、セックスレスの期間が1年以上に及ぶのなら、裁判所も離婚を認めるかもしれません。
裁判所は個別の事情から離婚を認めるべきかどうかを判断しますが、重要なのは民法で定められた離婚理由に該当するかという点と、夫婦関係が破綻しているかという点です。1年以上のセックスレスは離婚理由に該当すると判断されることが多く、離婚が認められる可能性は十分にあります。
もちろん、体調面や子育ての大変さなどの事情も考慮されますから、一年以上夫婦生活がないからといって自動的に離婚が認められるわけではありません。しかし、事情もないのにセックスレスが長く続くと、ある日突然、夫から離婚を切り出される恐れがあることは覚えておきましょう。
産後のセックスについて悩んだら専門家に相談を
産後、夫婦生活をいつ再開するのかという問題は非常にデリケートで、夫婦によって事情もさまざまです。特に悩むことなく再開する夫婦もいれば、なかなか再開できず関係がぎくしゃくしてしまう夫婦もいるでしょう。
どうやって再開すればいいのかわからない、夫のことは好きなのにセックスに抵抗があるという場合は、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談してみるのも一つの方法です。再開できるようになるまで夫に待ってもらう方法や、自然と再開する方法などについて良いアドバイスが受けられるはずです。