モラハラ夫は離婚後もしつこい?復讐が怖い…
離婚後もしつこく干渉してくることが多い
残念ながら、離婚後もしつこく元妻に連絡を取って、復縁を求めたり、子供に会わせるよう求めたりするモラハラ夫は少なくありません。モラハラ夫は「自分の言うことを聞いていれば失敗はない」と信じ込んでいるので、離婚後であっても元妻を自分の支配下に置こうとするのです。
元夫は養育費の支払いや子供との面会交流など、あらゆる機会を利用して接触を図ります。しかし、元妻にとって、それは恐怖でしかありません。中には、夫の顔を見たり声を聞いたりしただけで、モラハラを受けていた当時のことがフラッシュバックして精神的な不調を訴える人までいます。そうならないためにも、元夫が簡単に連絡できないようにすることが大切です。
モラハラ夫の離婚後も続くしつこい嫌がらせとは?
子供を口実にしつこく連絡してくる
子供がいる場合、モラハラ夫が離婚後にまず目をつけるのが、子供を介した妻への接触です。「養育費について話がある」「最近の子供の様子はどうか」などと断りにくい口実を付けて、電話をかけてきたり、LINEを送ってきたりします。面会以上の子供との交流を求めてくることもあります。
ほとんどの場合、「子供のため」というのは口実で、目的は妻と接触し、再び支配下に置くことです。このようなときは、たとえどんな理由であっても、直接連絡を取ってはいけません。信頼できる家族を通じて回答するか、弁護士を窓口として立てるべきです。
自宅や職場付近をうろつく
モラハラ夫が自宅や職場付近をうろつき、接触する機会を求めるというのも、よくある行動パターンです。まだ遠くから様子をうかがうとか、偶然を装うのならまだしも、自宅や職場に押しかけるケースもあります。モラハラ夫は、自己中心的な考え方しかできず、絶対に自分が正しいと思っていますから、被害者の心理など考えません。
このため、妻は強いストレスを受け、疲れ切ってしまいます。そして、モラハラ夫はそうした妻の心理の弱みを突こうとします。ですから、こうしたときは、あいまいな対応ではなく、断固して接触を拒否する姿勢が重要です。周囲や弁護士らの協力も得て、元夫を近づけないようにしましょう。
ストーカー化する
元妻が元夫との接触を拒み続けていると、ストーカー化することがあります。モラハラ夫はもともとしつこい性格をしていますから、これも十分予想がつくことです。決して元妻が悪いわけではありません。「どんな手段をとっても接触しなければならない」という心理状態になる元夫の性格が問題で、ひょっとすると精神的な病気を抱えているのかもしれません。
鯨飲はともかく、ストーカー化したモラハラ男は、何をするかわかりません。妻や妻の協力者に危害を加えようとすることもありますし、最悪の場合は世間に対して恨みを募らせることもあります。できるだけ早く警察や弁護士に相談し、自分の身の安全を図るとともに、元夫の暴走を防ぐ必要があります。
子供に直接連絡して面会日以外にも会おうとする
子供の話を利用して妻と連絡を取ろうとしてもうまくいかない場合、元夫は子供と直接連絡をして、面会日以外にも会おうとします。元夫が子供には優しかった場合、子供も父親として慕っているでしょうから、容易に誘いにのってしまうことがあります。この場合、子供を責めるわけにもいきません。
元夫が子供には優しかった場合、連れ去ったり危険な目に遭わせたりするようなことはないと思われますが、子供を通じて元妻の様子を聞き出し、接触するきっかけにしようとします。もしかすると、子供を味方につけようとするかもしれません。常日頃、子供からよく話を聞き、元夫との関係に変化がないか注意を払う必要があります。
彼氏ができると怒って執着する
モラハラ夫は独占欲が強く、妻を自分の所有物だと思う傾向があります。離婚すると、自分が大切にしていた物をなくしたような心理状態となり、取り戻そうと躍起になるのです。このため、元妻に交際相手ができると激しく嫉妬して怒り、さらに執着するようになる元夫もいます。
嫉妬に駆られたモラハラ気質の元夫は、まずは元妻と交際相手がどのような関係なのかを詳しく知ろうとし、別れさせようとします。交際相手の悪口を言い、「別れないと養育費を払わない」と言い出すこともあります。嫌がらせがしつこい場合は、早めに交際相手に全て正直に話すとともに、弁護士や警察に相談したほうがいいでしょう。
復縁を迫る
モラハラ夫が離婚後もつきまとったり、しつこい嫌がらせをしたりするのは、元妻と関係修復を図り、復縁するためです。そうした間接的な方法がうまくいかないと、直接復縁を迫ることもあります。このとき、元夫は謝罪し、心からの反省を訴え、中には涙を流す人もいるそうです。
モラハラ夫がいくら「心を入れ替えた」と言っても簡単に信じてはいけません。モラハラ気質を治すのは難しく、たとえ本人に自覚があっても、言動を治すのは容易ではありません。モラハラ夫にはモラハラをしてしまう考え方や行動が染みついているのです。
モラハラ夫の離婚後の嫌がらせを防ぐ方法はある?
離婚後も続くモラハラ夫によるしつこい嫌がらせやつきまといを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。一番大切なのは直接話をしないこと、連絡をとらないことです。しかし、油断していると元夫は、あらゆる手段を使って元妻の個人情報を入手し、連絡を取ろうとします。元夫からの嫌がらせを防ぐための方法を知っておきましょう。
離婚前までに連絡が必要なことは全て済ます
離婚が正式に成立するまでに、夫との連絡が必要な手続きや作業はすべて済ませておきましょう。例えば、健康保険証の名義変更などを離婚後に行うと、手続きがスムーズに進まないように嫌がらせをされるかもしれませんし、隠しておきたい新たな住所を知られる可能性もあります。離婚前に済ませておきたい手続きや作業には次のようなものがあります。
・社会保険の異動届
・車や自宅などの名義変更
・私物の処分
・その他、書類が必要な手続き
夫の扶養に入っている場合、離婚すると夫の健康保険から外れて、新たな健康保険に加入しなければなりません。このとき脱退手続きは、夫にやってもらう必要があるので、できるだけ早く済ませるのがいいでしょう。また、書類に住所などを書かなければならない手続きも離婚前に済ませておくのが賢明です。
私物の処分については、夫が勝手に処分していてトラブルになることがあります。これも早めに把握して、離婚協議の中で解決しておきましょう。離婚後に争うことになると面倒です。
離婚時に公正証書を残す
公正証書とは、公証人という法律の専門家が作成する公文書のことです。裁判の判決と同程度の法的効力を持つ文書で当事者は書かれた内容に従わなければなりません。離婚時に話し合いでさまざまな取り決めが行われたときに、その内容を公正証書として残しておけば、優位な立場で確実な履行を相手に求めることができます。
特にモラハラ夫が相手の場合は、約束が守られないことが多く、復縁を求めてしつこい嫌がらせをしてくることもあります。そうしたことが起こらないよう、事前に弁護士とも相談して、しっかり約束事を公正証書として残しておくことが大切です。
婚姻戸籍に転居先の住所を残さない
モラハラ夫は離婚後もしつこい嫌がらせを続ける可能性があります。このため、元夫に新しい住所を知られたくないという人もいるでしょう。こうした人は、移転の手続きを慎重に進める必要があります。気を付けなければ、簡単に元夫に新しい住所を知られてしまいます。
離婚すると、妻は夫の戸籍から離れ、新たに戸籍をつくるか、実家の戸籍に入ることになります。このため、夫に新たな住所を知られたくない場合は、これまでは全く別の住所に本籍を置いて新たな戸籍を作る必要があります。本籍は地番があればどこに置いてもいいので、全く行ったことのない町や離島でも構いません。そのうえで新しい住所で住民登録しましょう。
こうすれば、戸籍から新しい住所を割り出すのが難しくなりますが、さらに子供がいる場合は、戸籍の閲覧・交付制限をかけておきましょう。子供の父親である元夫は、子供の戸籍を請求できます。しかし、閲覧・交付制限をかけておけば、父親であっても閲覧・交付を請求できません。詳しくは弁護士に相談するといいでしょう。
子供の面会交流は第三者を介す
子供との面会交流は、元夫にとって元妻との接触を図る最大のチャンスです。面会交流を口実に、元妻と連絡をとり、さまざまな要求をしてくることがあります。このため、面会交流といえども夫と直接連絡しないようにするのが肝心です。
面会交流の場には親や兄弟に行ってもらうのも一つの手で、何か用件があれば親や兄弟を通してもらいます。家族に頼める人がいない場合は、自治体やNPOなどの第三者機関に依頼する方法もあります。第三者機関は両親に代わって、面会の連絡や子供の受け渡しなどを行います。費用は通常有料ですが、自治体は一般的に無料です。
モラハラ夫の離婚後の嫌がらせの対処法は?
基本的に相手にしない
モラハラ夫がメールやLINE、手紙などの連絡をしてきても決して相手をしてはいけません。相手にせず、無視するのが一番です。中には、モラハラされたことがフラッシュバックして怒りがこみあげ、つい返事をして相手を非難してしまう人もいますが、それでは相手を喜ばせるだけです。
モラハラ男は、どんな反応であれ、反応があることに喜び、自分にまだ関心があると勘違いします。諦めるまで無視を決め込みましょう。
警察に相談する
連絡を無視されるとプライドが傷つき、元妻への恨みを募らせる元モラハラ夫も少なくありません。こういうタイプは、行動をエスカレートさせる可能性があります。そうなると、元妻や周辺の人に危害を加える恐れさえでてきます。
モラハラ夫からの連絡の文面が過激になってきたり、あからさまに付け回すようになったりと行動が変わってきたら注意が必要です。警察に相談してみましょう。警察もストーカー犯罪への対応に力を入れており、必要に応じて自宅周辺のパトロールを増やしたり、相手に警告してくれたりします。
弁護士に相談する
ストーカー行為に対する対応が強化されているといっても、はっきりストーカーと言えない場合は、警察も対処しにくいケースがあります。「元夫の性格を考えると、嫌がらせがエスカレートするのは間違いない」と訴えても、現実に何も起こっていなければ、警察も介入しにくいというのが実情です。
こうした場合は弁護士に相談する方法もあります。弁護士であれば、ある程度今後起こり得ることを想定したうえで、どうすれば未然に防げるか、どのような対処法があるのかを考えてくれます。ただ、弁護士にも専門分野がありますから、モラハラ問題に詳しい弁護士を選ぶと頼りになるでしょう。
モラハラ夫の離婚後のしつこい嫌がらせは事前に対策しよう
モラハラ夫と離婚するときは、しつこい嫌がらせやつきまといがあることを想定して事前に対処法を準備しておくなど、弁護士とも相談して早め早めに対処しましょう。