家庭内別居状態になると、休日をどのように過ごせば良いか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。お互い顔を合わせるのが気まずかったり、会話をするのがしんどかったりするなど、さまざまな悩みが出てくるかもしれません。本記事では、家庭内別居中の休日の過ごし方や具体的な工夫方法、体験談などをご紹介します。

弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。
詳しく見る
経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。

家庭内別居の休日の過ごし方は?
家庭内別居状態になると、休日の過ごし方が特に大きなストレスになることがあります。
家庭内別居では、夫婦があえて会話を避けたり、家事や食事のタイミングをずらしたりすることが多くなります。特に休日は家で過ごす時間が長くなるため、顔を合わせるタイミングが増えて気まずさが強くなりがちです。
子どもがいる場合は、子どもにとっても家庭内の雰囲気が重くなりやすく、精神的負担を感じるケースもあるでしょう。
では、家庭内別居中でも、できるだけストレスを感じずに休日を過ごす方法はあるのでしょうか。
部屋に引きこもる
別々の部屋で過ごすことで、お互いのストレスを軽減できます。自分の部屋にこもり、映画鑑賞や読書などの趣味に没頭することで相手の存在を忘れられるかもしれません。
ただし、子どもがいる場合は完全な引きこもりは避け、最低限の会話や家事の分担は続けることが大切です。夫婦関係が冷え切っていても、子どもへの悪影響を考慮し、休日は適度な距離感を保ちながら生活することがおすすめです。
外出する
ショッピングや友達との予定を入れるなど、家の外に積極的に出ることで、気詰まりな空気から距離を置く方法もあります。カフェやスポーツジムに通うなど、自分一人で楽しめる活動もおすすめです。外出によって適度にリフレッシュできれば、家に戻ったときも心情的に少し余裕が持てるようになるでしょう。
実家に帰る
実家が近い場合は、休日だけ実家に滞在してみるのも選択肢の一つです。親兄弟と過ごす時間が増えることで精神的な支えが得られ、気まずい空間から一時的に離れることができます。ただし、実家に行き過ぎると夫婦関係の修復がさらに遠のく場合もあるので、修復の可能性がある場合はバランスを取りましょう。
ホテルで過ごす
自分一人の時間を手軽につくるために、ホテルを利用するのも一案です。日常とは違う空間で過ごすとリフレッシュ効果を得やすく、家庭内の気まずさを忘れられるメリットがあります。家庭のことを一切考えずに過ごす時間を確保することで、翌週の仕事や生活に向けて心を落ち着けることができるかもしれません。
家庭内別居の休日の過ごし方のコツ
家庭内別居中の休日を少しでも気持ちよく過ごすためには、事前の準備が大切です。家庭内別居の状態においては、お互い家で過ごす時間が長い休日に些細なことで衝突が起きやすくなります。少しでも快適に過ごすためのコツをご紹介します。
休日のルールを決めておく
起床時間や食事の時間帯、ゴミ出しなどの家事分担について、ある程度具体的に取り決めておくことで衝突を回避しやすくなります。たとえば、食事は各自が希望の時間に仕度をするなどルールを明確化しておくとお互いに行動しやすくなるでしょう。LINEなどで最小限のコミュニケーションで済むようにしておくことで、問題が起きる前に回避することができます。
生活空間の使い方を工夫する
家庭内での動線をできるだけ分け、お互いの生活リズムを尊重しながら極力顔を合わせないようにすることが重要です。部屋が複数ある場合は、それぞれの専有スペースを決めておくと良いでしょう。
共用スペースの使用については時間帯を分けるなど、具体的な取り決めを設けることで、精神的な負担を軽減することができます。やむを得ず顔を合わせる際は、必要最小限の会話に留め、感情的にならないよう心がけましょう。
家庭内別居で注意したいケース

子どもがいる場合の過ごし方
子どもがいる家庭での家庭内別居は、特に慎重な対応が必要です。子どもへの悪影響を最小限に抑えるため、休日は可能な限り普段通りの生活リズムを保つことが大切です。
たとえば、食事の時間は家族一緒に取るなど、最低限のコミュニケーションは維持するよう心がけるとよいでしょう。また、子どもの前では夫婦間の問題を持ち出さないことも重要です。
経済的な制約がある場合
経済的な余裕がない場合は、生活費の分担方法を明確にすることが重要です。特に休日の出費については事前に取り決めを設けておきましょう。
たとえば、食費は折半する、光熱費は収入に応じて案分するなど、具体的なルールを決めておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。外食や娯楽にかかる費用も、各自の裁量で使える金額を決めておくと安心です。
共働きの場合
共働きの場合は、休日の家事分担が重要なポイントとなります。掃除や洗濯などの家事は、時間帯を分けて行うなど、お互いの生活リズムを尊重した方法を取り入れましょう。
また、休日出勤がある場合は、家庭内別居中とはいえ事前に予定を共有することで余計な言い争いを回避することも大切です。子育てと仕事の両立でストレスも溜まりやすいため、自分のための時間も確保するよう心がけましょう。
【体験談】家庭内別居がしんどい…いつ終わる?
実際に家庭内別居を経験した人たちは、どのような経過をたどり、どれくらいの期間を要したのでしょうか。

数ヶ月で終わった人の体験談

些細な言い合いから始まった家庭内別居でしたが、お互いの冷却期間として良い時間になりました。別々の部屋で過ごす中で、夫婦関係を見つめ直す機会となり、約3週間で話し合いを持つことができました。一時的な感情の行き違いだったと気づき、今は以前のように普通に暮らしています。
(30代女性)
子育て中の人の体験談



小学生の子どもがいる中での家庭内別居は本当にしんどいです。子どもへの悪影響を考えて表面的には普通に接していましたが、夫婦間のストレスは相当なものでした。家事の分担や金銭面の問題で話し合いが必要な場面も多く、完全な別居は難しい状況です。子どものために我慢している部分も大きく、今も家庭内別居を継続中です。
休日はほぼ一週間おきに私か夫のどちらかと過ごすようにしています。
(40代女性)
数年かかった人の体験談



家庭内別居の状態が3年続きました。別々の部屋で生活し、生活費は折半。最小限の会話しかない生活でした。お互いの収入があったため、経済的な問題はありませんでした。結局、話し合いを重ねた末、籍は抜かずに別居して新しい生活を始めることを選択しました。
(50代男性)
関係修復した人の体験談



約1年の家庭内別居を経て、夫婦関係を修復できました。最初は無視し合う日々でしたが、夫婦カウンセラーに相談する中で、お互いの気持ちを整理する時間を持てました。ペットを飼うことで、徐々にコミュニケーションを取り戻していきました。今では危機を乗り越えた分、会話は少ないながらも絆が深まったと感じています。
(40代女性)
離婚した人の体験談



2年の家庭内別居を経て、最終的に離婚を選択しました。浮気が原因で信頼関係が完全に破綻していたため、修復は難しいと判断しました。子どもの親権や養育費など、具体的な話し合いを重ね、弁護士を交えて円満な解決を目指し、今は新しい生活を送っています。家庭内別居の期間があったからこそ、冷静な判断ができたと思います。
(30代女性)
家庭内別居がつらくなったときの対処法
家庭内別居は放置すると、知らず知らずのうちに双方のストレスが高まり、冷静な判断が難しくなることもあります。限界を迎える前に、自分の心身を守るためにできるアクションを早めに把握しておくと安心です。精神的な負担が限界に達する前に、可能な選択肢を知っておくことが大切です。


話し合う
相手とのコミュニケーションが極端に減っている場合、まずはお互いの現状や意見を確認する話し合いの場を設けることが第一歩です。冷静に話せるか不安な場合は、会話する時間や場所をあらかじめ決め、なるべく感情的にならないように工夫しましょう。根本的な問題点を共有することで、少しずつ解決策を模索しやすくなります。
夫婦カウンセリングを受ける
第三者の視点を交えて、夫婦関係における課題や心情を整理するのが夫婦カウンセリングの目的です。プロのカウンセラーと一緒に話すことで、感情的になりやすい部分を落ち着いて捉え直すきっかけが得られます。自分たちだけでは解決が難しいと思ったら、専門家の手を借りて状況を俯瞰的に見つめることが有効な手段となります。
別居する
家庭内別居が続く中で、経済的にも住環境的にも許されるならば、実際に物理的な距離をとる“別居”も選択肢となります。家庭内の緊張感を大幅に緩和できる一方で、生活費や住まいの確保など課題は多いかもしれません。
離婚する
最終手段として離婚を考える人もいるでしょう。家庭内別居が長期化し、互いの信頼関係を修復できないと判断した場合にはやむを得ない選択となります。子どもがいる場合は特に慎重に判断する必要がありますが、もし離婚を選ぶならば書類や財産分与などの手続き面を含め、専門家に相談しながら進めることが望ましいです。
家庭内別居中の休日をより良く過ごすために
家庭内別居中の休日の過ごし方は、その後の夫婦関係を大きく左右する重要なポイントとなります。ストレスの多い状況だからこそ、お互いの時間と空間を適切に管理し、最小限のルールを設けることが大切です。
状況や家族構成によって最適な過ごし方は異なりますが、まずは自分自身の心の安定を保つことを優先し、その上で子どもへの配慮や経済面での取り決めなど、必要な事項について冷静に考えていきましょう。一時的な危機を乗り越えるためか、もしくは新しい選択への準備期間として、この時間を建設的に活用することが望ましいといえます。