夫がすぐ不機嫌になってめんどくさい!
夫婦ともに機嫌よく過ごせるのが理想ですが、誰しも怒りや不満を感じることがあり、不機嫌になってしまうのは仕方のないことです。しかしあからさまに不機嫌な態度をとられると、周囲は気を遣って心が休まりません。
中には、不機嫌なまま黙る夫や突然強い口調でキレる夫のフォローに疲れて、もうめんどくさいと感じている妻もいるでしょう。そこで、どうすれば不機嫌な夫に振り回されずに済むのか、不機嫌になる理由とともに対処法を紹介します。
夫がすぐ不機嫌になるのはなぜ?
不機嫌の理由をたずねても「別に」「なんでもない」としか答えない夫は珍しくないようです。はっきりしない返答に、自分のせいで不機嫌のなっているのではと不安になるかもしれません。夫が不機嫌になる理由として考えられるケースを5つ紹介します。
外でストレスを受けているから
妻が夫の不機嫌な言動をめんどくさいと我慢しているのと同じく、夫も職場で上司や取引先からの理不尽な指示や要請に耐えている可能性があります。仕事など外的要因によるストレスで不機嫌になっているか、精神的に疲れて話したくないだけなのかもしれません。
不機嫌の原因に妻は直接関係ありませんが、夫の立場で考えると理解できる部分もあるのではないでしょうか。ただし、仕事がストレスだからといって、妻や家族に八つ当たりしてよい訳ではありません。
言語化することが苦手だから
自分の気持ちをうまく説明できない夫は、怒りや不満を不機嫌な態度で示すことがあります。妻にとってはめんどくさいだけですが、そのような夫は妻が自分の気持ちを汲み取って対処してくれると信じているようです。
自分だけ楽したいから
夫の機嫌が悪そうなとき、妻は夫に話しかけたり頼みごとをしたりするのを遠慮しがちです。そこで、わざと不機嫌な態度をとって妻や子供を遠ざけ、子育てを妻に押し付けようとする夫もいます。これは単に自分が楽をしたいだけです。
そのような夫は、妻が不機嫌に気付かず子供の相手を頼んでも、嫌そうな態度でなかなか動こうとしません。めんどくさいと感じた妻は、自分でやったほうが早いと失望してしまいます。
妻を思い通りに動かしたいから
不機嫌な態度を示して妻を萎縮させることで、妻の行動をコントロールしようとする夫もいます。たとえば、大げさにため息をつきながら皿洗いなどをして、妻に罪悪感を抱かせようとする方法があります。不満そうに家事をする夫を目にした妻は、めんどくさい家事を頼んだために夫を傷つけてしまったと自分を責めがちです。
直接的な言葉で命令される場合と違って、不機嫌な夫への配慮は妻の自発的な行動であるかのように見えます。妻はコントロールされていると気付けず、夫の機嫌を損ねないよう常に顔色をうかがうようになってしまうかもしれません。
モラハラ気質だから
急に不機嫌な態度をとって妻を不安にさせるのは、モラハラ気質の夫に特徴的な行動の一つです。相手に精神的な苦痛を与えるモラハラには、直接的な暴言だけでなく、わざと大きな音を立てたり無視をしたりといった行動や態度も含まれます。
黙ったまま不機嫌さをアピールする夫に対して、妻は夫の真意が分からず自分が悪いのではないかと思い悩むかもしれません。モラハラ気質の夫は、そのような妻の心理を利用して精神的に追い詰めようとしています。
夫が不機嫌でめんどくさい時の対処法は?【体験談】
一緒に暮らす夫にはなるべく機嫌よくいてもらいたいものです。しかし、夫が不機嫌になるたび、いちいち構っていては妻は疲弊してしまいます。そのような夫には、ときには毅然とした態度で接することも大切です。不機嫌な夫への対処法を7つ紹介しますので、夫への対応がめんどくさいと感じたら参考にしてください。
機嫌が直るまで放置する
理由も言わずにただ不機嫌そうにしているだけなら、しばらくそっとしておくと、いつの間にか機嫌が直っているかもしれません。不機嫌な夫の様子が心配で、理由を聞こうとあれこれ話しかけると、夫を余計にイライラさせる可能性があります。
ただし、長期間放置してしまうと、妻から無視されていると傷つく夫もいるようです。ある程度機嫌が直ったら「何かあったの」など軽く聞いてみるとよいでしょう。
夫が不機嫌そうなときは、めんどくさいので放置して近寄らないようにしています。気を遣って話しかけると、こちらに八つ当たりされて腹が立ったことがあるので。
一人になる時間を作ってあげる
職場などで感じたストレスをうまく発散できず、家庭に持ち帰ってしまう夫は少なくありません。そのような夫には、少しでも気分転換できるよう一人になる時間を作ってあげましょう。
妻が子供を連れて半日ほど外出したり、逆に夫に散歩などをすすめて家庭の外でリフレッシュしてもらったりする方法があります。一人で過ごす間に夫も冷静さを取り戻し、苛立った態度を改めるかもしれません。
夫がイライラしているなと感じたら「買い物行ってくるね」とさっさと家を出るようにしています。同じ空間にいるとギスギスした雰囲気にこっちまでイライラしてしまいます。
愚痴や悩みを聞く
夫のほうから話しかけてくるようなら、不満の原因である愚痴や悩みに耳を傾けてみるとよいでしょう。妻に対する理不尽な文句も含まれているかもしれませんが、一度しっかり受け止めることで、夫も気持ちの整理がつくはずです。夫婦で話し合う機会が増えれば、夫が不機嫌な態度や言動で不満をアピールする頻度も減る可能性があります。
以前はわざわざ夫の機嫌をとることもありましたがめんどくさいし疲れました。過剰に反応せず、夫が話したそうにしているときだけ、じっくり聞くようにしています。
お互いのためにならないことを伝える
ストレスでつい不機嫌になるだけでなく、不機嫌な態度をとれば妻が気を遣って優しく接してくれると思っている夫もいます。しかしそのような勘違いは妻にとってはめんどくさいだけ。夫婦や家族で楽しく過ごす時間を無駄にしていると伝えるべきです。
さらに、夫が自分勝手な理由で不機嫌な態度をアピールしてきても、必要以上に夫に構うのは控えましょう。自分の言動が妻の信頼を失っていると気付けば、夫も妻への接し方を見直すはずです。
夫の気に入らない返答をすると不機嫌になり「自分はもうだめだ」「離婚してほしい」などと言って私がフォローする言葉をかけるまで続きます。
自分を受け入れてほしいという気持ちは分かるのですが、あまりにしつこいと正直めんどくさいです。
機嫌のよいときに話し合う
道路の渋滞などささいな出来事ですぐに機嫌を悪くする夫は、不機嫌な言動が癖になっている可能性があります。イライラしている夫にその癖を直してほしいと頼んでも、不機嫌であることに自覚がない場合さえあります。
そのような夫と冷静に話し合うには、機嫌のよいタイミングを選ぶことが大切です。今のような穏やかな夫が好きであることや、運転中の不機嫌な状態には気疲れすることなど、具体的に伝えると夫も理解しやすいようです。
イライラしていると何を言っても喧嘩口調で話し合いにすらなりません。夫に相談したいことがあるときは、機嫌がよさそうなときに、タイミングや場所まで選んで話しかけます。
それでも意見がぶつかることはありますが、めんどくさい言い争いにはなりません。
子供に悪影響があることを伝える
わざと不機嫌になって妻に気遣ってもらおうとするめんどくさい夫は、わがままを言う子供と大差ありません。さらに、子供のいる家庭でも同じようにふるまうと、不機嫌な態度で相手を困らせれば要求が通ると子供が間違って理解する危険があります。こういった子供の教育への悪影響も交えて話し合えば、夫も問題の重大さを実感するはずです。
夫の機嫌を損ねないよういつもビクビクしていました。でも私たち夫婦を見て、子供も同じように成長してしまったらと思うと現状の深刻さに気付きました。落ち着いて話せる機会を見つけて話し合いたいと思います。
専門家に相談する
妻や家族による配慮や気分転換だけでは不機嫌が直らない夫もいます。中には自分で感情をコントロールするのが苦手で、怒りや不満といった気持ちをついぶつけてしまう夫もいるようです。
このようなケースは、夫婦だけでは解決が難しい場合があるため、カウンセラーなど専門家に相談しましょう。夫の特性に合った対処方法など、夫とうまく付き合っていくために役立つアドバイスが受けられる可能性があります。
夫婦関係がうまくいかなくてカウンセリングを受けたら、夫に発達障害の疑いがあると分かりました。
以前はなぜ急に不機嫌になるのか理解できず不安だったのですが、工夫すればうまく付き合えると分かってよかったです。
不機嫌な夫にもう疲れた…離婚はできる?
急に不機嫌になるめんどくさい夫に気を遣ってばかりいると、ふと離婚を考えることがあるかもしれません。不機嫌な夫と離婚する方法や離婚を準備するときに知っておきたいポイントを紹介します。
基本は話し合いによる『協議離婚』
夫婦で話し合って離婚に合意する「協議離婚」は、離婚理由に関わらず、役所で離婚届が受理されたら離婚が成立します。離婚調停や裁判離婚とは違い、費用や手間が掛からないため、まずは協議離婚による解決を目指すのが一般的です。
ただし、協議離婚するには、子供の親権や養育費、財産分与といった細かい条件について、双方が同意する必要があります。不機嫌な夫と詳細な離婚条件について話し合うのが困難であれば、早めに弁護士に相談しましょう。話し合いの場への同席が可能な場合もあり、相手とのスムーズな交渉が期待できます。
加藤 惇
準備なく離婚を切り出してしまうと、夫が自分に不利な証拠を隠してしまったりするなどして、離婚を有利に進めることが難しくなってしまうことがあります。協議離婚を目指して夫に離婚を切り出す前に、どのような方針で協議離婚を切り出すのか、弁護士に相談をすると良いでしょう。
モラハラ夫であれば法的に離婚が認められることも
夫が離婚に合意せず協議離婚で解決できない場合、家庭裁判所に離婚調停を申立て、調停委員を介した話し合いを行います。離婚調停でも合意が得られず、妻に責任がなければ離婚訴訟を提起して、裁判所の判決で離婚の成立を目指します。裁判では民法で定める離婚事由があり、結婚生活が破綻していると認められると、相手の合意なしに離婚が可能です。
夫が不機嫌でめんどくさいという理由だけでは、離婚理由として認められません。離婚裁判では、夫のモラハラなど結婚生活の継続が困難な理由があることを立証しなければなりません。そのためには、夫が不機嫌になったときの会話の録音や詳細な言動を日時とともに記した日記を残すなど、証拠集めをして準備しておきましょう。
夫が不機嫌でめんどくさい時は距離を置くことが大事
夫が不機嫌でめんどくさいと感じたら、思い切って一定期間距離をおくと、お互い余計なストレスを溜めずに済むケースもあります。また、ストレスや疲労が原因ではなく、わざと不機嫌になって妻を追い詰めようとするモラハラ気質の夫もいます。
夫の不機嫌がめんどくさいだけでなく、精神的な負担になっていると感じるなら、カウンセラーや弁護士といった専門家へ早めに相談しましょう。
加藤 惇/CSP法律会計事務所(第一東京弁護士会所属)
弁護士として、婚姻費用・財産分与・養育費・慰謝料・不貞・親権・面会交流など、離婚にかかわる事件を特に重点的に取り扱う。依頼者の意向を丁寧にくみ取り、常に依頼者の利益を最大化することを目標に活動している。離婚事件のほか、いじめなどの学校事件も多く扱っており、子供に関する問題にも詳しい。CSP法律会計事務所所属。