家のことを何もしない旦那はいらない…?
女性の社会進出によって共働き家庭が増えた現代では、家事や育児を男女で分担することが望まれています。しかし、実際は、家事や育児を何もしない旦那がいる家庭も少なくありません。家のことを何もしない旦那のことをどう思っているのか、妻たちの意見を紹介します。
旦那はいらない派の意見
「家のことを何もしない旦那ならいらない」と感じている妻は多く、次のような意見があります。
・旦那がいない方が楽
・お金さえあれば旦那はいらない
・旦那がいると子供が1人増えたように感じる
家事や育児をしない旦那が家にいても、妻の負担は減るどころか、かえって増えてしまいます。特にゲームをしたりテレビを見たりと、自分の好きなことばかりしている旦那の場合、妻は「子供が1人増えたようで疲れる」と感じています。
最近はテレワークで自宅に長時間いる旦那も増え、妻はより多くのストレスを感じているようです。金銭的な理由で離婚しないものの、お金さえあれば旦那と別れたいと考えている妻も少なくないでしょう。
私が仕事で疲れて帰ってきたら、ソファに寝っ転がりながら「お帰り、今日のごはんまだ?」という旦那。こんな大きくて面倒くさい子供、いらないと感じてしまいます。
旦那はゲームとかガンダムとか、自分のやりたいことばかりしています。家のことを何もしてくれないから旦那が家にいない方が楽です。別居も検討したことがありますが、子どもが嫌がるので我慢しているだけです。本当は旦那なんていらない。
旦那は必要派の意見
家のことを何もしない旦那でも、次のような理由から必要だと感じている妻もいます。
・1人で子育てをする自信がない
・妻の精神的な支えになっている
・旦那といると楽しい
・旦那は必要だけどほどよい距離感がほしい
家事や育児をしてくれなくても、妻が旦那を信頼していて、旦那を精神的な支えにしていることがあります。特に反抗期の子供を抱えている場合、1人で子育てをする自信がなく、旦那にそばにいてほしいと感じる妻が多いようです。
また、単純に旦那といると楽しいから一緒にいたいという意見もあります。一方、金銭的な理由や子供のために旦那は必要だけど、週末婚や別居を望む妻も存在します。
旦那は家事も育児もほとんどしないので、正直ATMとしか思っていません。とはいえ、私1人で働きながら家事と育児は無理ですし、週末子どもと遊んでくれて、お金を持って来てくれる安心感があるのは大きいと思います。なんだかんだ言っても、やはり旦那は必要です。
子どもが5歳くらいまでは家事も育児にも参加しない旦那のことを「いらない」と思っていたのですが、息子が反抗期になってから、私に反抗する代わりに旦那の言うことはよく聞くので助かっています。
家のことを何もしない旦那に対するイライラ【体験談】
家事や育児に協力してくれない旦那との生活に、ストレスを抱えている女性は少なくありません。家のことを何もしない旦那にイライラした妻の体験談を紹介します。
家事を頼むと逆ギレ
家のことは妻がやって当たり前だと感じている旦那は、家事を頼むと怒り出す場合があります。「仕事で疲れてるのに家事までやらせるのかよ」などと旦那は言いますが、いつも仕事や家事を一人でこなしている妻はうんざりしてしまいます。このようなことが続くと、「怒らせるくらいなら頼みたくない」と、妻は一人で抱え込んでしまいがちです。
旦那が全く家事を手伝ってくれません。この間職場の上司が「週末に家族と模様替えをして大変だったよ」と話しているのを聞き、本当に羨ましくなりました。
うちの旦那は家事をしてくれないどころか、お願いすると逆ギレし、その話題を数か月後のケンカの時まで持ち込みます。洗濯炊事だけでなく、畳や障子の貼り替えまで私。こんな旦那いらないと思ってしまいます。
家事をしないくせに文句を言う
家事をしないくせに、妻のやり方が気にいらず、文句だけ言う旦那もいます。特に神経質な性格の旦那にありがちなパターンで、「洗濯物のたたみ方が雑」「食器がきれいに洗えていない」など、細かい部分を指摘してきます。このような旦那に対し、「気にいらないなら自分でやってよ」と感じている妻は多いでしょう。
神経質な旦那は、「洗面所に髪が落ちてるよ」「タンスの中汚いね」など、小姑のようにいちいち口を出してきます。「じゃあ自分でやれよ!」と毎回心の中で叫んでいますが、言い返すと不機嫌になるのでイライラを抑えています。でも、もうそろそろ限界。爆発しそうです。
少し家事をしただけで恩着せがましい
普段何もしない旦那は、少し家事をしただけで「食器洗っておいたよ」「ゴミが落ちてたから拾っておいたよ」など、いちいち報告してくることがあります。大抵の場合は妻から「ありがとう」と言って欲しくて報告するようですが、もっと多くの家事をこなしている妻にとってはストレスが溜まるものです。
ろくに家事をせず頼んだ時にだけ渋々やる程度のくせに、たまに家事をすると恩着せがましく報告してきます。「(妻)ちゃんのシャツも洗ったよ」「(子ども)ちゃんの髪の毛落ちてたから拾ってあげたよ」など…。
私も普段あなたの服を全部洗っているよね?掃除ができていないという嫌味かな?と、十中八九褒められ待ちなのですが、イライラします。ちなみに共働きです。
共働きなのに自分のことしかしない
共働き夫婦の場合、旦那が家事や育児に非協力的だと、妻にはより多くの負担がかかります。お互い仕事で疲れているのに、旦那は食事の用意もせず食器も洗わない、朝はベッドも整えない、子供の面倒も見ない、となると、妻は「そんな旦那いらない」とさえ思うようになるでしょう。
仕事でクタクタになって帰宅すると、私より先に帰っていたのに何もせずゴロゴロしていた旦那から「お腹すいた」の一言。イラッときましたが、着替えもせずに食事の用意をして、無言で食べました。食後も旦那は食器も洗わず、「今日は疲れた〜」と言って再びゴロゴロ。
せめて食器を下げるくらい、できないのでしょうか。本当に自分のことしか考えていないので、イライラを通り越して呆れています。
体調不良の妻を思いやらない
妻が体調不良のときでも、家のことを何もせず、妻を思いやることさえしない旦那がいます。特に、妊娠中で体調が悪いのに思いやりを示さない旦那に対し、苛立ちを募らせる妻は少なくありません。
妊娠7ヶ月、体調もメンタルも不安定なのに、旦那から思いやりを感じられません。家のことを何もしないので私が全部やらなければいけないし、妊婦がいるのに平気で煙草を吸います。旦那がいると余計に体調が悪化するので、旦那はいらないと感じてしまいます。
何もしない旦那はいらない?対処法は?
家事や育児を何もしない旦那との生活はストレスが溜まりますが、イライラしたり感情的に旦那を責めたりしても何も解決しません。旦那の態度が変わることを期待せず、趣味で気分転換するなど、妻が自分の幸せを掴む方法を考えましょう。
家事を減らす方法を考える
旦那に期待できない以上、妻が負担を軽減するには、家事に費やす時間を減らすことがポイントです。食洗機や掃除ロボットなどを活用すると、家事を効率的にこなせて自分の時間が確保できます。また、子供に家事を手伝ってもらうと、子供とコミュニケーションもとれて一石二鳥です。
旦那の担当を決める
今まで家のことをしてこなかった旦那は、役に立ちたい気持ちはあっても、何をして良いのかわからない場合があります。そのような旦那には、「ご飯と味噌汁をよそって」「洗濯物を取り出してきて」など、簡単でわかりやすいことから頼みましょう。
「子供をお風呂に入れるのと、食器洗うのとどっちをやってくれる?」のように聞き、何もしないという選択肢をつぶすのも有効です。ただし、旦那の家事・育児のやり方に対して注意ばかりしていると、「どうせ怒られるから手を出さないでおこう」と考える可能性があります。旦那のやり方を尊重し、口を出さずに見守ることも大切です。
家出・プチ別居をしてみる
妻にどれほどの負担がかかっているのかを旦那に理解させるために、家出・プチ別居してみるのも一つの手段です。旦那の仕事が忙しいタイミングを狙って実行すると、より効き目があるかもしれません。旦那から「戻ってきてほしい」と言われた場合は、家に帰るのと引き換えに、今後は家事・育児を分担することを約束させましょう。
別居・離婚を検討する
さまざまな方法を試しても旦那が変わろうとせず、妻も限界を感じたら、別居や離婚を視野に入れるのもやむを得ないでしょう。離婚したら生活水準が下がり、仕事や育児がより忙しくなる可能性もあります。離婚を考えている場合は、準備をしっかり行い、計画的に動きましょう。
離婚に必要な手続きや財産分与などについて調べたり、専門家の意見を聞いたりすると、具体的なイメージが掴めます。離婚は決して簡単な選択ではありませんが、自分の幸せを考えた上で判断することが大切です。
何もしない旦那と離婚できる?
「何もしない旦那とこれ以上一緒に生活できない」と感じる場合、離婚はできるのでしょうか。旦那が離婚に応じない場合、裁判で離婚が認められる可能性について解説します。
家事をしないだけでは離婚は認められにくい
妻が離婚を望んでも旦那が応じない場合、裁判所に調停を申し立てることになります。これは裁判所を交えた離婚協議といえますが、それでも合意できない場合、離婚裁判で裁判所に離婚を認めてもらうしかありません。
民法第770条1項に定められた「法定離婚事由」があれば、離婚の訴えを提起できます。法定離婚事由の中には「悪意の遺棄」というものがあり、内容は以下のとおりです。
悪意の遺棄とは、民法第770条1項2号で定められている言葉で、具体的には、同居義務・協力義務・扶助義務といった夫婦間の義務を怠って、配偶者や子どもたちの生活水準を損なったことを指します。
たとえば、配偶者を家から追い出し、経済的な支援をしなかったり、家事や育児に関わらなかったり、病気や障害があるにも関わらず扶助をしなかった場合などが悪意の遺棄に当たります。これらの行動は婚姻関係を破壊し、離婚を申し立てる理由になります。
悪意の遺棄は、正当な理由なく同居を拒んだり、生活費を渡さなかったりして、相手の生活に支障をきたす場合に認められる可能性がありますが、旦那が家事をしないというだけでは認められる可能性は低いでしょう。また、旦那に夫婦関係を破綻させる意志がなかった場合、「悪意の遺棄」があったかどうか裁判で争われる可能性が高く、証拠が重要になります。
他の理由で離婚できることも
旦那が浮気や不倫があった場合は離婚する理由として十分で、裁判によって離婚できる可能性が高くなります。モラハラも程度や妻が受けた被害によっては、離婚の理由として認められることがあります。
いずれにせよ、不倫や浮気、モラハラなどの事実を裁判で立証しなければならないため、旦那のモラハラや不貞行為の証拠を集めておきましょう。不貞行為の証拠となるものには、不倫相手との写真、メッセージのやりとり、ホテルの領収書などがあります。モラハラの場合は、相手の発言を記録した日記、音声や映像の記録が有効です。
何もしない旦那はいらないと思ったら状況を整理してみて
何もしない旦那はいらないと思ったら、まずはノートなどに現状を書き出してみましょう。「旦那は本当にいらないか」「家事はしていなかったとしても、旦那は家族の精神的な支えになっていないか」など、冷静に状況を整理することが大切です。何もしない旦那にはイライラしますが、家事以外で頑張ってくれていることがあるかもしれません。
自分の気持ちを整理し、旦那と話し合ってみることも必要です。そして、もし離婚を考えるなら、感情的にならず冷静に離婚に向けて準備を始めましょう。モラハラや不貞行為の事実があれば、証拠を集めておくと有利に離婚の話し合いを進められます。
弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所(東京弁護士会所属)
2009年の事務所開設以来、女性側の離婚・男女問題の解決に注力しています。年間700件以上、累計5000件以上の相談実績があり、多様な離婚のノウハウを蓄積。経験豊富な男女20名の弁護士が所属し、新聞・テレビ・雑誌・Webなど多くのメディアからの取材も受けています。