【コラム#25】慰謝料や養育費を払い渋る「浮気夫」。離婚後の生活はどうする?
更新日: 2023年12月25日

突然不倫と別れを告白されショックを受ける中、さらに金銭面でも追い打ちをかけられる相談者。自営業の夫は計画的に収入が少なくなるようコントロールし、養育費の支払を渋っていたのでしょうか……?これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが教える意外な解決策とは。
ーお悩み相談ー 不倫だけでなく金銭面で追い打ちダメージ
結婚16年、中学生の子どもがいる42歳の主婦です。
先日、夫から「好きな人ができた。別れてほしい」と離婚を切り出されました。あまりに突然のことで気が動転しているところに、追い打ちをかけるようにさらにショックなことを言われました。「離婚したいが、お金がないので慰謝料は払えない。養育費も月3万円が限界だ」と。
夫は自営業で、これまでさまざまなピンチを逃れながらも、なんとか経営を続けてきました。私も妻として、夫の会社の社員や取引先の人には気を配りながら、夫を支えてきたつもりです。
にもかかわらず、夫は「彼女とは数年前から続いていた」と不倫を告白。私と別れ、不倫相手と一緒になる約束をしているといいます。
私にとっては、夫の不倫だけでも相当なダメージなのに、さらにお金のことまで言い渡されて、もうどうしたらいいかわかりません。
ひとまずすぐに専門家の知人に相談し、夫の会社の経営状態を調査してもらったところ、起業の際に借金した金額がここにきて大幅に減っていたり、役員としての収入が数年前から少なくなっていたりと、夫の収入が少なくなるよう計画的にコントロールしたとしか思えない報告ばかりがあがってきました。
会社の経営状態はそこまで悪くはないものの、夫にお金がないことが証明できれば、私は夫の宣言どおり、離婚しても慰謝料はもらえず養育費も渋られてしまうのでしょうか。
ー岡野さんの回答ー 子どもと団結し、父親の義務を果たしてもらえるよう戦略を立てる
「本気で妻と別れたい」そう決めた夫は、これまでの妻の内助の功や家族との思い出も忘れるような言動に出ることがあります。本来は、夫として父親として取るべき責任のひとつ、経済的な基盤をつくることすら放棄しようとする人もいます。
そんなときは、子どもに協力してもらう方法もあります。
たとえ夫のことが腹立たしくても、夫のせいにせず、「パパがいい人だから、だまされているのね」と母と子が一丸となって浮気相手を敵視することで、家族の力を高める作戦もいいでしょう。同時に、夫が浮気をしている証拠を集め、妻側に離婚される理由がないことをかためておきます。
そのうえで、「子どもと家族三人、もう一度家族を立て直したい」と夫に訴えましょう。妻側は「離婚はしません。それより家族みんなで関係修復のためにがんばりましょう」というスタンスで夫に向き合うこと。それで関係が修復するなら離婚は避けられますし、夫がそれでも離婚を望むなら金銭的な解決に努めようと新たな行動に出てくるでしょう。
妻への支払いをどうしても渋る夫の場合、お金を故意に隠したり恫喝してきたりするケースもあります。そんなときも、やはり子どもに味方についてもらうことは有効です。「私が大学を出るまでは別れてほしくない」と父親に頼むことで、「子どものためになら」と離婚を回避する方向で考え直す夫もいます。
離婚することで子どもにはうしろめたさが残っているような夫ならなおさら、子どもには金銭的に困らせたくないと思うものだからです。
法律で決まったことをきちんと守る夫もいますが、そうでない夫がいるのも事実。だからこそ、夫が自分からお金を支払って家族に誠意を見せたくなるように仕向けるために、家族が団結してしあわせに向かう戦略を立てることをおすすめします。
次回は、マッチングアプリで知り合った男性と浮気をした女性からの相談。夫から離婚と500万円の慰謝料請求を切り出されてしまいます。
【コラム#26】妻の浮気で夫から三行半。世間体の悪さをどう解決すべき?
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この記事は2023年12月25日に公開しました。
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