【コラム#26】妻の浮気で夫から三行半。世間体の悪さをどう解決すべき?
更新日: 2024年03月25日

女性として扱ってもらえないことの不満からマッチングアプリで知り合った男性と浮気。それを知った夫から離婚と500万円の慰謝料請求を切り出された女性からの相談です。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがお悩みに答えます。
ーお悩み相談ー 夫から500万円の慰謝料請求
結婚12年目、小学生の娘がひとりいる42歳の会社員です。夫との離婚問題のきっかけは、数年前の私の浮気です。夫とは出産後からセックスレスの状態になり、私を女性として扱ってくれなくなった夫への不満から、マッチングアプリで出会った男性と何度も浮気を重ねていました。
それが夫にバレてしまったのです。いつもはクレジットカードの明細を見ない夫に油断していたところ、そのときだけは偶然にも浮気相手とのホテル代や食事代をチェックされてしまい、浮気が発覚。「子どももいるのに、なんてことをしたんだ。絶対に許さない」と夫は激怒し。離婚を切り出されてしまいました。
私はまさか離婚まで話が進むとは思わなかったので、あせりまくりました。「子どもの名字が途中で変わったり、転校させたりするのはかわいそうだから」などと、子どもを言い訳になんとか離婚を回避できたように思っていました。
ところが、じつは夫の怒りは完全におさまったわけではなかったことを最近知ったのです。というのも、来年から中学校にあがる娘を前に「いいタイミングだから、春には別れよう」と離婚調停を起こされてしまいました。しかも、私の浮気が離婚の直接の原因ということで、500万円の慰謝料を請求されたのです。
たしかに私は浮気をしましたが、それは夫が私のことを女性として見てくれなくなったから。そもそも500万円も支払えるほど貯金に余裕もなかったこともあって、調停は不調に終わりました。
調停が不調に終わると、次は裁判だと聞いています。今は裁判という言葉の重さに困惑しています。「職場で裁判沙汰になったことがバレたら、信用がなくなるのでは?」「裁判費用はいくらくらいかかるのか?」など不安も尽きません。なんとか世間体を保ちたいのですが……。
ー岡野さんの回答ー 裁判の心配より、まずすべきことがあると気づく
まずは夫の立場に立って、彼の気持ちを汲み取ってみましょう。
夫の本心は、まずは浮気をしたことを心から謝罪して、子どものためにも反省してほしかったのではないでしょうか。それをさておき、「夫が私のことを女性として見てくれなくなったから」と自分の浮気を正当化したり、「職場で裁判沙汰になったことがバレたら、信用がなくなるのでは?」と世間体を気にしたり、「裁判費用はいくらくらいかかるのか?」と自分のお金が減る心配をしたりと、あまりにも身勝手な言い草だと思いませんか?
厳しい話かもしれませんが、調停のときはもちろん、これまでの妻の態度を見てきた夫は、あまりに残念なその様子に、怒りが増長した可能性もあります。請求された500万円は、夫の悔しさと妻への反省をうながすための金額だったのかもしれません。
もしも妻の浮気に心底腹が立って、許せないほど感情的になった夫だったら、浮気が明るみに出た時点で離婚を切り出されていたはず。それでも子どもの進学のタイミングまで待ったのは、やはり子どものことを最優先で考えたからにほかなりません。
だからこそ、自分の行動に責任を取る気持ちを持って夫への謝罪をしましょう。今からでも遅くはありません。そして、子どもにもこれからつらい思いをさせてしまうことに対し、謝る必要があります。「まだ小学生だからわからないだろう」と甘くみず、「本当にごめんね」と心から謝罪をしましょう。
同じ離婚でも、夫婦がもめにもめて別れる離婚は、子どもの情緒や将来にとって決してプラスになるとはいえません。心からの謝罪と素直な気持ちで反省することで、少しでも夫の気持ちを軟化させ、子どもにも誠意をつくすことからはじめましょう。世間体の悪さの心配をするのは、その後だということに気づいてください。
次回は、収入が上がっているはずなのにたった3万円の養育費の支払が滞る夫への不満が募る女性からの相談です。
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この記事は2023年12月25日に公開しました。
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