【コラム#27】約束して離婚したのに……慰謝料の支払いを渋る夫への対応は?
更新日: 2024年03月25日

元夫の収入が上がっているはずなのに、たった3万円の養育費の支払が滞り、不満と腹立たしさが募る41歳、ワーママからのご相談。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが解決策を提案します。
ーお悩み相談ー 収入が上がっているはずなのに3万円の養育費を払ってもらえない
2年前、12年間の結婚生活にピリオドを打って離婚、小学生のひとり息子がいる41歳のワーママです。
離婚した際、「慰謝料と養育費を合わせて毎月3万円、子どもが成人するまで支払い続ける」という約束で元夫とは合意しました。
元夫の収入を考えると「もう少し多くもらってもいいのかもしれない」と思いましたが、高望みをしすぎて支払いが滞るよりも、無理のない範囲で堅実にお金をもらったほうが得策だと思ったうえでの決断でした。
ところが、ここ3ヵ月間、元夫からの入金がありません。共通の知人の話では、「(元夫の)会社の業績はコロナ禍で伸びていて、ボーナスも去年よりアップしているはずだよ」とのこと。「でも、割と最近、若い彼女ができたみたいだよ」とも。
元夫に新しい恋人ができたことと、私たち母子への支払いがなくなったことに関係はないのかもしれませんが、なんだかとてもモヤモヤします。
離婚後に住む家として、それまで住んでいたマンションは私と息子がもらうことにしました。あと半分ほど残っているローンは私が支払わなければなりません。マンションをもらうかわりに、結婚生活の間で貯めた、夫婦二人のお金はほとんど夫に渡りました。
今は、「毎月たった3万円なのに、なぜ息子のために払えないの?」という夫への不満と腹立たしさでいっぱいです。「こんなことなら離婚するときに、まとまったお金をもらっておけばよかった」とも思います。
悔しくて腹立たしいのですが、どうしたらいいのでしょうか。
ー岡野さんの回答ー 弁護士に相談するのがベスト。ただし、その前に考えたいことも。
少々ドライな結論からお伝えすると、「弁護士に相談して対応を考えましょう」ということになるかもしれません。離婚の条件として夫婦ふたりで決めたことは、法律でも認められるケースもあるからです。
ただ、それ以前の話として、相手にお金をスムーズに支払ってもらうためには、相手に「払わなければならない」「払ってあげなくては」と思うように心を向ける必要があるでしょう。
そのために大切なのは、コミュニケーションです。子どもやパートナーとのコミュニケーションが少ない場合、支払うモチベーションが下がるケースもあります。「自分への尊敬や親しみが感じられないから、お金を払う気になれない」という身勝手なことを思う人もいます。
まずは、「なぜ支払いを渋るのか?」、その理由を自分なりに客観的に分析してみましょう。子どもや自分とのコミュニケーションが少なくなって、お金を支払うことへのモチベーションが下がっているのだとしたら、会う回数を増やすのもいいでしょう。
定期的に食事をする機会をつくって、子どもに学校や友だちの話をさせるなかで、「我が子にこれ以上、不自由な思いはさせたくない」と自発的に思ってもらえればベストです。
逆に、「なぜそのくらいのお金も払えないわけ?」と言い募るだけでは解決しないだけでなく、「数ヶ月の間、支払いがなくても生活していかれるのなら、自分が頑張らなくても大丈夫に違いない」と思い込ませることにつながることもあります。
いきなり法的手段をとることは相手の鼻をあかすことになります。お金を支払ってもらえるかもしれませんが、逆ギレしてますます子どもや元妻とのコミュニケーションをとらなくなるなどのリスクも視野に入れておかなければなりません。
何よりも大切なのは、子どもと自分が幸せになること。そのためにできることを優先させましょう。
次回は、別れた元夫が娘のことを甘やかしすぎて困っている……という方からの相談です。
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この記事は2024年3月25日に公開しました。
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