【座談会②】チームマネジメントで考える夫婦円満の秘訣!再構築のコツは「気づいた方が先にやる」
更新日: 2024年10月01日
会話不足から夫婦関係が険悪なムードに直面することは少なくありません。今回は、夫婦カウンセラー4名が夫婦関係の改善方法について語ります。コミュニケーション術やNGワードなど、現役カウンセラーのリアルで実践的なアドバイスをご紹介。険悪ムードから抜け出し、より良い夫婦関係を築くためのヒントがここにあります。
険悪ムード脱出のカギは「負けるが勝ち」?
――夫婦間の会話がなく、なんとなく険悪なムードが続いている場合はどうしたらよいでしょうか?
大野:よくペットや子どもがいることで、再び会話が盛り上がるという家庭はありますよね。あとは美味しい食べ物を用意するとか。人でダメなら物でチャレンジしてみるというか、少し視点を変えていく。割と単純なところで人は心を開くことがあるのかなと思いますね。
険悪な時って小細工すると相手にわかってしまうんですよね。「謝ってほしいからこうしているんだろうな」と感じ取ってしまう。
そうではなく、シンプルに単純に相手が喜ぶことをバンッと提示すると、笑いあえたり和やかな気持ちになれるのかなと思います。
――緊張が相手に伝わるように、感情は伝播しますよね。
すみよし:笑顔になれないじゃない? でも相手がニコニコしていれば怒りにくくないですか? だから、おかしくなくても嬉しくなくても自分から笑いましょうよと。笑顔でいると言葉や態度がやわらかくなるから。
渡辺:それをお伝えすると「なんで私からやらなければいけないんですか?」と言う方もいませんか?
一同:よくある(笑)。
大野:特にサレた側の奥さんの場合は大体言われます。
すみよし:「急に私からは変われない」「今さら変われない」という方は多いです。
渡辺:よくあるフレーズですよね。でも、自分から言動を変えることはチームをよくするため、つまり自分のためなんですよね。
すみよし:「いい女になりたくないですか? あなたがいい女になれば家族みんなが幸せになるよ」とお伝えしています。
渡辺:「そんなことできません」という方には、栄養ドリンクに「おつかれさま」と書いたフセンを貼るとか、そういう形でもいいのかなと。
高草木:こちらがアクションを起こしたら負け、というような認識があるのかもしれません。
大きな問題があればその原因を作った側に非がある関係性ができてしまいますが、どちらが原因かわからないような、些細なことから口をきかなくなってしまったような夫婦の場合は「このままではマズい」と感じ、先に動いた者勝ちだと思った方がいい。
「相手のために」と思うと、どうしても動きたくない心理が働きますが、結局は自分に返ってくるから「自分のため」なんですよね。
本当は喋りたくないし、腹が立っていても普通に話しかけることがトラブルが長引かずに済むコツなんじゃないかな。
すみよし:負けたフリみたいな。
大野:負けるが勝ちだよね。
家族というチーム運営のNGワードは「自分で考えて」
――あえて自分が負けて歩み寄ったとしても、相手にスルーされるということもありそうです。
渡辺:すごく多いのは、伝えたつもりで伝わっていないということ。
こちらは伝えたつもりでも、怒りながらワーッと言っても向こうが聞いていなければ伝えていないのと同じです。伝え方はすごく大事。
すみよし:相手も耳にしたくないからね。
渡辺:子育てと同じですよね。「片付けろ」と何度言っても、子どもはなぜ片づけなければいけないのかよくわかっていないというような。
すみよし:妻はガチャガチャ音を立てながらお茶碗を洗っているけれど、夫は手伝った方がよいのか、それとも違うことをした方がよいのか、何が正しいかわからない。だから何もできずにゲームをして、妻はさらに怒る(笑)。
「私は洗い物をしているから、あなたは子どもにご飯を食べさせて」とか、「子どもを着替えさせて」とか、具体的に伝えたら丸く収まるはずです。
高草木:妻側はそうやって具体的に伝えればいいし、夫側もわからないなら聞けばいい。
渡辺:わかりやすい会話を心がけるのが大事です。
――すみよしさんは男性の相談者が多いとのことですが、男性から「なぜ妻が怒っているのかわからない」というような相談を受けた場合、どのように答えるのですか?
すみよし:聞いてみたら? と伝えています。「手が空いているけれど自分にできることがあれば教えて」と妻に伝えてみてはと。
高草木:そして妻にそれを言うと「見ればわかるでしょ!」と言われる。
一同:(笑)。
すみよし:あとは「自分で考えろ」と。夫の方は本当にわからないんだよね。だからきちんと聞いた方がうまくいくケースもあるんですよ。
渡辺:聞けずに妻の顔色を伺ってビクビクしている……。お互いに言い方、聞き方を意識するといいのかも。
大野:うまくいっていない夫婦は常にパワーバランスが崩れていて、平等ではなくなっているんですよね。
高草木:結局、「自分で考えろ」というのは一番効率が悪いんです。
夫が考えて妻の期待通りにできればいいのですが、そんなことをしてくれる夫はいないから(笑)、「こうしたらいいと思う」「こうしてね」と伝えれば確実に通じるし、時間のムダにもなりません。チームですからね。
大野:夫婦間だと当たり前のことができなくなってしまうんですよね。
渡辺:かえってややこしくなってしまうこと、多いですよね。
すみよし:「自分で考えて」なんてツンケンした態度、会社でも同じことしてる? と聞くと、「していません」と言うんですよ。職場ではしないことを夫婦の間ではしているんですよね。
渡辺:距離が近い分、甘えが出てしまうのでしょうね。
高草木:何度も同じことを言わせないでほしいという気持ちもわかりますけどね(笑)。
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大野 まり子:https://ricokatsu.com/counselors/64a1cfcc6b3c230012feeac4
高草木 陽光:https://ricokatsu.com/counselors/649965739390720012691e9a
すみよし ひさこ:https://ricokatsu.com/counselors/64799b144d2f360012519a86
渡辺 里佳:https://ricokatsu.com/counselors/64708e3905412900121544f7
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この記事は2024年4月23日に公開しました。
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