【コラム#35】子どもの私立受験をめぐって夫と対立!離婚してでも自分の意見を通したい……

更新日: 2024年07月05日

小学校4年生の男の子を育てる40代の女性からのご相談。中学受験を考える妻と猛烈に反対する夫……価値観の異なる二人はどのように未来について話し合えばよいのでしょうか。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが答えます。

ーお悩みー 子どもの教育に対する価値観がどうしても合わない

子どもの中学受験をめぐって夫と意見が合わず、離婚を考えています。

小学4年生の息子がひとりいる私は45歳、近所のドラッグストアでパートとして働いています。夫は2歳年下で会社を経営しています。

夫とは独身時代に同じ会社で知り合いました。「起業したいので一生応援してほしい」という夫の願いをかなえる形で結婚し、私も夫と同じ目標に向かって生きがいを感じる毎日でした。

現在は、夫の会社もなんとか軌道に乗り、子どもも大きな問題のないまま成長し、私自身自分の人生に満足していた日々でした。

子どもが小学4年生になってからは、ママ友たちのすすめもあって私立の中学受験に備えて塾に通わせることにしました。「学生のうちに勉強しておくことは必ず将来の役に立つ」が口グセの夫も、息子を塾に通わせるというところまでは納得していました。

ところが、ある日の夜のこと、私が「どの学校が息子に合うと思う?」と、息子に受験させたいいくつか私立中学の候補をタブレットで見せようとしたところ、夫が激高したのです。「調子に乗るなよ。高い月謝を払って塾に通わせているのは、今のうちから基礎学力をつけるためであって、受験させるためなんかじゃないぞ」と。

夫は、息子をいろいろな価値観や環境の子どもが集まる公立の中学に通わせ、たくましく育てるべき、という考えだったのでした。
 
私は見たこともないような夫の激しいキレ方にドン引きし、とりあえずそこでその話をやめました。

ですが、私の考えに変わりはありません。ある程度お金に余裕があって、学力的にも選ばれた子どもだけが通うことのできる私立中学に息子を通わせて、そのまま一流大学に進ませたいのです。そして、そうした私の考えは夫も同じものだとばかり思っていたので、まったく違う夫の考え方を知ってとてもショックを受けています。

子どもの教育は大事だと思うので、息子の私立中学への進学はゆずれません。これからのことを思うと、価値観の異なる夫とは今のうちに離婚をしたほうがいいのではないかとすら感じはじめています。

ー岡野さんの回答ー 「だったら離婚」は短絡的で、自分が損する選択肢

子どもの教育をめぐって夫婦が離婚の危機を迎えるケースは少なくありません。ただ、私の経験上、子どもの教育上のトラブルは、せっかく結婚した夫婦が離婚しなくてはならないほどの価値観の相違とは思えません。

当たり前のことですが、子どもの教育についてもっとも大切なのは、子どもを最優先で考えることです。親の思惑ではなく、夫婦で意見を戦わせることでもなく、あくまでも子どもの特性や得意分野、希望の学校の実態などを検証することでしょう。

そしてこれも当然ながら、学費を全面的に捻出するのは夫だと想像できるので、夫が納得しなくては、受験の話は進展しないでしょう。

夫を説得する場合、筋道立てて優しいトーンで話をしましょう。子どもが私立中学に通うメリットをロジカルに、ソフトな口調で伝えるようにします。
 
もしもその話し合いで夫婦間で意見がまとまらなかったとしても、「だったら離婚する」という結論は短絡的。夫も困惑するはずです。

というのも、子どもを私立の学校に進学させるためには経済力が必要です。離婚して親権を妻が手にしたとしても、シングルマザーで私立中学に通わせることが可能かどうか冷静に検討してみてください。

「夫と離婚して、シングルマザーとして子どもを私立中学に進学させる」「夫を説得して、夫婦が協力しあって子どもを私立中学に進学させる」という2つの選択肢があったとき、どちらが自分にとって楽でしあわせな道かを考えましょう。


▼次回
【コラム#36】夫の暴力やモラハラに対しては離婚するしかないの?


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この記事は2024年7月5日に公開しました。

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