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      離婚調停は別居中でもできる?別居期間の影響や生活費・注意点を解説

      2026 10/16
      夫婦問題(男女問題)
      2026年10月16日
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      夫婦関係が悪化して別居を始めたものの、離婚の話し合いが進まず、離婚調停を考えている人もいるでしょう。

      別々に暮らしていると、「今の状態で調停を申し立てられるのか」「別居していることが調停に影響するのか」と気になることもあります。生活費や子どものことなど、離婚が成立するまでに整理しておきたい問題も少なくありません。

      本記事では、別居中に離婚調停を進める際の申立先や住所の扱いをはじめ、別居期間の影響、婚姻費用、子どもがいる場合の確認事項について解説します。

      本記事の監修者
      竹内 裕美弁護士_弁護士法人鬼頭・竹内法律事務所

      竹内 裕美/弁護士法人鬼頭・竹内法律事務所(愛知県弁護士会所属)

      離婚事件を中心とした家事事件に25年間携わる。2016年アメリカ国務省IVLPプログラム参加。

      愛知県弁護士会紛争解決センター副委員長・国際ADRあっせん仲裁人、公益社団法人日本仲裁人協会常務理事・中部支部長として、ADRの普及に尽力。

      目次

      離婚調停は別居中でも申し立てられる

      離婚調停は、夫婦が別居している場合でも申し立てることができます。別居していることが申立ての条件になっているわけではなく、同居中に離婚調停を始めることも可能です。

      正式には「夫婦関係調整調停(離婚)」といい、夫婦だけでは離婚について話し合いがまとまらない場合や、話し合うこと自体が難しい場合に家庭裁判所を利用して合意を目指す手続きです。

      そのため、すでに別居しているからといって、離婚調停を始めるために特別な手続きが必要になるわけではありません。反対に、離婚調停を申し立てるために先に別居する必要もありません。

      ただ、別居している場合は夫婦の住所が異なるため、どの家庭裁判所に申し立てるのかを確認しておく必要があります。また、別居先を相手に知られたくない事情がある場合は、書類の住所の扱いにも注意が必要です。

      別居中に離婚調停を申し立てるときの確認点

      別居中に離婚調停を申し立てるときの確認点

      別居中は夫婦の住所地が異なるため、離婚調停を申し立てる家庭裁判所が自宅から遠くなることがあります。また、別居の理由によっては、現在の住所を相手に知られたくない場合もあるでしょう。

      申立ての前に、裁判所の管轄と住所の取り扱いについて確認しておくことが大切です。

      申立先となる家庭裁判所はどこ?

      離婚調停は、原則として相手の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てますが、当事者が合意で定めた家庭裁判所に申し立てることもできます。

      たとえば、別居後に自分が遠方へ転居している場合、現在住んでいる地域ではなく、相手が住んでいる地域の家庭裁判所が申立先になることがあります。

      裁判所まで出向くことが難しい場合は、ウェブ会議を利用して調停に参加できるケースもあります。遠方に住んでいる、相手と同じ空間では安心して話せないなどの事情があり、家庭裁判所が相当と認めた場合に利用できる仕組みです。

      ウェブ会議を利用できるかどうかは当事者が自由に決められるものではなく、それぞれの事情を踏まえて裁判所が判断します。遠方から調停に参加することになりそうな場合は、申立ての際に確認しておくとよいでしょう。

      別居先の住所を知られたくない場合

      DVやモラハラなどを理由に別居している場合、離婚調停の手続きを通じて現在の住所を相手に知られることに不安を感じる人もいるでしょう。

      家事事件では、相手に住所などを知られることで社会生活に著しい支障が生じるおそれがある場合に利用できる「当事者間秘匿制度」があります。また、相手から事件記録の閲覧などを求められた場合に備えて、特定の部分を見せないよう希望する「非開示希望の申出」という取り扱いもあります。

      ただし、非開示を希望すれば必ず相手に見られなくなるわけではありません。閲覧を認めるかどうかは、申出の内容や事情を踏まえて裁判所が判断します。

      住所を知られたくない事情がある場合は、申立書などに現在の住所を記載する前に、申立先となる家庭裁判所へ相談し、必要な手続きを事前に確認しておきましょう。

      別居は離婚調停にどう影響する?

      別居は離婚調停にどう影響する?

      別居していることや別居期間は、離婚調停やその後の裁判でどのように扱われるのでしょうか。

      離婚調停と離婚裁判では別居の捉え方も異なるため、それぞれ分けて確認していきます。

      別居しただけで離婚調停が有利になるわけではない

      「離婚調停を有利に進めるには、先に別居したほうがよいのでは」と考える人もいるでしょう。

      しかし、別居したという事実だけで、自分の希望する条件が通りやすくなるわけではありません。調停では、離婚するかどうかや離婚条件について双方の合意を目指します。

      一方で、同居中は相手と顔を合わせるたびに言い争いになるなど、落ち着いて今後を考えることが難しい場合もあります。別々に生活することで、離婚後の暮らしや希望する条件を整理しやすくなるケースはあるでしょう。

      大切なのは、別居しているかどうかよりも、調停で何を話し合いたいのか、その理由を整理しておくことです。

      離婚調停で希望する条件の整理や準備については、離婚調停を有利に進めるには?必要な準備と注意点を解説も参考にしてください。

      別居期間が長くても自動的に離婚できるわけではない

      「別居が3年続けば離婚できる」などと聞くことがありますが、一定期間別居すれば離婚調停が自動的に成立するという決まりはありません。

      離婚調停では、夫婦が離婚について合意すれば調停が成立し、その内容が調停調書に記載されます。そのため、別居期間が長くても、相手が離婚に応じず合意に至らなければ、調停が成立しないことがあります。

      反対に、夫婦双方が離婚やその条件に合意できれば、長期間の別居を経ていなくても調停で離婚を成立させることは可能です。

      別居期間の長さだけに注目するのではなく、現在どの点で夫婦の意見が分かれているのかを整理することが大切です。

      離婚裁判では別居期間も判断材料の一つになる

      離婚調停で合意できず、それでも離婚を求める場合は、離婚裁判に進むことがあります。裁判では、民法で定められた離婚原因が認められるかどうかが判断されます。

      別居が長く続いていることは、夫婦関係がすでに破綻しているかを判断する材料の一つです。ただ、別居に至った経緯や婚姻期間、夫婦の生活状況なども含めて判断されるため、期間だけで結果が決まるわけではありません。

      なお、有責配偶者からの離婚請求に関する過去の最高裁判例では、同居期間や双方の年齢、未成熟の子どもの有無、離婚によって相手が置かれる状況など、複数の事情が考慮されています。そのため、「○年別居すれば必ず離婚できる」と一律に考えることはできません。

      参考:参考:最高裁判所 昭和62年9月2日大法廷判決(昭和61年(オ)第260号)

      離婚調停が成立しなかった場合の流れについては、離婚調停が不成立になるとどうなる?その後の流れと選択肢を解説で詳しく解説しています。

      別居中の生活費はどうなる?

      別居中の生活費はどうなる?

      夫婦が別居すると、それぞれの住居費や日々の生活費が必要になります。収入に差がある場合や、どちらかが子どもと暮らしている場合は、別居中の生活費をどのように負担するかも確認しておきたい点です。

      離婚が成立するまでの生活費については、「婚姻費用」という考え方があります。

      離婚が成立するまでは婚姻費用を分担する

      婚姻費用とは、夫婦や未成熟の子どもが生活するために必要な費用のことです。食費や住居費、医療費、子どもの教育費などが含まれます。

      別居していても、離婚が成立するまでは婚姻関係が続いています。そのため、夫婦はそれぞれの収入などに応じて婚姻費用を分担します。

      たとえば、夫婦の収入に大きな差があり、収入の少ない側が子どもと暮らしている場合には、収入の多い側から婚姻費用を受け取るケースがあります。

      婚姻費用の金額は、夫婦双方の収入や子どもの人数・年齢などをもとに話し合います。家庭裁判所の手続きでは、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」が目安として利用されています。

      なお、婚姻費用は婚姻中の生活費に関するものです。離婚後に子どもの生活や教育にかかる費用は、養育費として取り決めることになります。

      参考:裁判所「婚姻費用の分担請求調停」

      生活費について決まらない場合は婚姻費用分担調停を利用できる

      別居中の生活費について夫婦で話し合っても金額が決まらない場合や、相手と話し合うことが難しい場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てることができます。

      婚姻費用分担調停では、夫婦それぞれの収入や支出、子どもの人数や年齢などの事情を確認しながら、適切な分担額について話し合います。

      離婚調停をしているからといって、別居中の婚姻費用が自動的に決まるわけではありません。生活費について合意できていない場合は、必要に応じて婚姻費用分担調停を申し立てる方法があります。

      婚姻費用分担調停で話し合いがまとまらなかった場合は、調停が不成立となり、自動的に審判の手続きへ移ります。審判では、裁判官が提出された資料や夫婦双方の事情を踏まえて婚姻費用の分担について判断します。

      参考:裁判所「婚姻費用の分担請求調停」

      子どもを連れて別居している場合に確認しておきたいこと

      子どもを連れて別居している場合に確認しておきたいこと

      子どもと一緒に別居している場合は、離婚後の親権だけでなく、親子交流や養育費についても考えておく必要があります。

      離婚調停を進める前に、現在の生活と離婚後の希望をそれぞれ整理しておきましょう。

      現在の監護状況や生活環境を整理する

      子どもと一緒に別居している場合は、別居後の生活状況を調停で説明できるように整理しておきましょう。

      確認しておきたいのは、たとえば次のような内容です。

      • いつから子どもと別居生活を始めたか
      • 現在どこで生活しているか
      • 学校や保育園などの生活に変化があったか
      • 通院や習い事などをどのように続けているか
      • もう一方の親と現在どのように関わっているか

      有利・不利を意識して事実を選ぶのではなく、これまでの養育状況や別居後の生活を事実に沿って確認し、今後について話し合えるようにしておきましょう。

      調停で確認されやすい内容や、事前に準備しておきたいことについては、離婚調停で聞かれることは?主な質問と答え方・準備のポイントを解説も参考にしてください。

      親権・親子交流・養育費について希望を整理する

      未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合は、離婚後の親権について決める必要があります。

      2026年4月1日から制度が変わり、離婚後の親権者は、父母の双方とするか一方とするかを定める仕組みになりました。離婚調停でも、夫婦の話し合いを通じて親権について決めていきます。

      あわせて確認したいのが、子どもと離れて暮らす親との交流や、離婚後の養育費です。

      親子交流については、別居中であっても話し合うことができます。父母だけでは内容や方法を決められない場合には、家庭裁判所の親子交流調停を利用することも可能です。

      養育費についても、子どもの生活を支えていくため、金額や支払方法などを整理しておく必要があります。離婚調停では、親権・親子交流・養育費をそれぞれ別の問題として考えるのではなく、離婚後に子どもがどのように生活していくのかをイメージしながら話し合っていくことが大切です。

      まとめ|別居中の離婚調停は生活面も整理して進めましょう

      まとめ|別居中の離婚調停は生活面も整理して進めましょう

      ここまで、別居中に離婚調停を申し立てる場合の手続きや、別居期間の影響、婚姻費用、子どもがいる場合に確認しておきたいことについて解説しました。

      この記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

      • 別居中でも離婚調停を申し立てることはできる
      • 申立先は原則として相手の住所地を管轄する家庭裁判所
      • 別居したことや別居期間の長さだけで、調停が有利になるわけではない
      • 別居中の生活費については、婚姻費用の分担を確認する
      • 子どもがいる場合は、現在の生活状況や離婚後の親権・親子交流・養育費について整理しておく

      別居していると、離婚するかどうかだけでなく、生活費や子どものこと、今後の住まいなど、並行して考えなければならない問題が増えていきます。

      まずは現在どの点で夫婦の意見が分かれているのかを整理し、必要な手続きを確認しながら離婚調停を進めていきましょう。相手との対立が大きい場合や、自分だけでは判断しにくい問題があるときは、弁護士への相談を検討する方法もあります。

      弁護士なしで進められるケースや相談を考えたい場面については、離婚調停は弁護士なしでもできる?自分で進める方法と相談すべきケースを解説で詳しく解説しています。

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      弁護士法人鬼頭・竹内法律事務所/竹内 裕美弁護士

      離婚調停は、別居しているかどうかにかかわらず申し立てることができ、別居期間の長さだけで結論が決まるものではありません。別居中は、離婚するかどうかと並行して、生活費や子どもの生活といった目の前の問題も動いていきます。まずは、いま何について意見が分かれているのかを整理し、生活費の分担が決まっていない場合には、婚姻費用の分担についてもあわせて検討するとよいでしょう。判断に迷う場合は、早めに弁護士にご相談ください。

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