夫を嫌いになり過ぎて、「旦那なんてどうでもいい」と感じている妻がいます。中には離婚を考えている人もいるようです。どうして、そこまで夫を嫌いになるのでしょうか。「旦那のことなんてどうでもいい」と感じる理由や、妻が心穏やかに過ごすための対処法などを紹介します。
夫のことが嫌いを通り越してどうでもいいと感じたら
甘い新婚時代が過ぎ、子供が生まれ、結婚生活が長くなると、夫に対する愛情が冷めて「旦那のことなんてどうでもいい」と感じるようになる妻がいます。夫を嫌いになる理由はさまざまですが、「どうでもいい」という気持ちをそのままにしていると、夫婦関係が悪化し修復が難しくなることがあります。
どうして、夫のことをどうでもいいと感じるようになるのか、また「旦那なんてどうでもいい」と感じるようになったときの対処法について説明します。
夫のことをどうでもいいと思うのはなぜ?
夫のことをどうでもいいと思うようになった妻には、それぞれそれなりの事情や理由があります。よくある理由を紹介します。
日頃の不平不満が積み重なったから
夫のことをどうでもいいと思うようになるまでには、さまざまな事情や経緯があります。「あのときに旦那なんてどうでもいいと思った」などと特定の時期を示せる人は少なく、多くの不満や失望、幻滅などが積み重なって「どうでもいい」と思うようになったという人がほとんどではないでしょうか。
家事や育児を手伝ってくれないなど、最初は多少の不満があっても、「これくらいのことは自分が我慢すれば済むこと」と考えていたかもしれません。しかし、いくら我慢して、夫に注意しても、夫が変わってくれないと、しだいに妻は夫に不満を募らせ、失望し、「もう夫に期待しても無駄」と諦めてしまいます。
そうなると、妻にとって夫は頼れる存在でも、協力し合うパートナーでもなくなってしまい、夫への関心も興味も失って「どうでもいい」存在になってしまいます。
夫への愛情がなくなったから
結婚前や新婚時代は、夫のことが大好きでひと時も離れたくないと思っていても、結婚生活が長く続くにつれ、そうした愛情は薄れていくものです。長く一緒にいれば、相手の欠点が見えてきますし、長所だと思っていた部分が場合によっても短所になることも分かってきます。互いに忙しくなり、コミュニケーションも減っていきます。
愛情が薄れていくことは悪いことではなく、多くの夫婦はそこから落ち着いた関係に変わっていきます。それでも互いにコミュニケーションを取り、スキンシップを欠かさないようにすれば、良好な関係を保てるのですが、2人の距離が離れていくと愛情が完全に冷めてしまうことがあります。そうなると夫への興味は失われ、どうでもよくなるのです。
育児や家事が大変だから
子供が生まれた後に「旦那のことはどうでもいい」と感じ始める妻も少なくありません。妊娠すると、女性は一日中、子供のことを第一優先に考えて行動しなければならない時期を迎えます。子供が生まれた後は、授乳や世話など、自分の体力を削りながら子育てしなければならないこともあります。
こんなとき、夫が家事や育児を手伝ってくれないと、不満や不平からストレスが溜まり、夫に失望します。こうした妻はやがて、夫に関心を持つのをやめ、その分、子供に十分な愛情を注ごうと考えることがあります。そうして、しだいに夫に対して関心や興味を持たなくなり、気づいたときには「どうでもいい」と考えるようになっているのです。
考え方や価値観が違うから
夫婦はもともと他人で、生まれつきの性格も育った環境も異なります。このため、結婚生活を続けていると、必ず意見の衝突が起こるものです。このとき、互いの考えを認め合って、話し合いで問題を解決していければいいのですが、あまりに価値観や考え方が違うと、どちらかが我慢したり、一方的に押し切ってしまったりすることがあります。
特に妻が我慢を強いられることが多いと、不満が積み重なり、夫と暮らしていても楽しくないと感じるようになります。このため、子供と過ごす時間に楽しみを見出したり、趣味やサークル活動で楽しいひと時を過ごそうと考えたりするようになっていき、「楽しく過ごせる場所があるから、旦那のことはもうどうでもいい」と思うようになるのです。
浮気などの裏切りに遭ったから
一瞬にして「旦那なんて、もうどうでもいい」と感じる瞬間があるとすれば、それは浮気などの裏切りに遭ったときでしょう。妻によっては、怒りと悲しみから夫への愛情をいっぺんにして失い、決して夫を許さない人もいます。たとえ、許したとしても、心の傷はいつまでも残ります。
離婚すれば、夫婦関係も終わりですが、さまざまな事情で離婚せずに関係修復を図ることもあります。「離婚したかったけれど、事情があってできなかった」という場合、結婚生活を続けていても、夫への愛情は既に失われ「旦那のことはどうでもいい」と考えるようになるかもしれません。浮気以外の、ギャンブルや隠れた借金でも、妻は裏切りと感じることがあります。
夫のことがどうでもいいときの対処法
夫のことがどうでもよくなったときは、どのように対処すればいいのでしょうか。対処法といっても関係を修復して、互いに助け合いながら結婚生活を続けたいという場合と、もう夫を気にせずに暮らしたい、できれば離婚したいという場合では方法が異なります。
関係修復を図りたい場合は、夫の協力も必要ですし、何より妻が自分から変わろうと努力することが大切です。
一方、離婚したい場合は、夫から離婚の合意を取り付けることが必要です。夫が離婚の理由に納得できない場合、離婚には基本的に双方の合意が必要となるため離婚は困難となります。「離婚に応じる代わりに慰謝料を払ってほしい」と求められる可能性もあります。
また、夫に同意してもらえなければ、離婚裁判を起こせばいいと考える人もいるかもしれませんが、「夫がどうでもいい」というあいまいな理由では離婚裁判は起こせません。
裁判で離婚を認めてもらうには、明確な離婚の理由を示し、それによって夫婦関係が破綻していることを証明しなければなりません。多くの場合、一定期間別居するなどして時間をかけて離婚を目指すことになるでしょう。
夫と関係を修復したいときの対処法
「どうでもいい」と感じていた夫との関係を修復したいときの対処法を3つ紹介します。夫のことをどうでもいいと考えるようになった理由や、事情に応じて最も効果がありそうな方法を試してみてください。
自分の気持ちを伝える
まずは、自分の素直な気持ちを夫に伝えることが大切です。夫は妻の不平や不満に気づいていない可能性もあります。妻が一方的に不平や不満を募らせ、「旦那なんてどうでもいい」と思っていても問題は解決しません。関係修復を図るのなら、心の中のわだかまりを解消しましょう。
直接伝える勇気がなければ、手紙に書いてみてもいいでしょう。文章にまとめることは自分の考えを整理することにもつながります。夫が話し合いに応じてくれるようなら、夫の気持ちを聞いたうえで、自分の考えや思いを伝えましょう。
話し合うときは感情的にならず、相手を一方的に責めるのは禁物です。関係を修復するための話し合いですから、相手の言い分を認めつつ、互いが協力し合うための方法を2人で考えるという姿勢が大切です。
夫に感謝の念を持つ
夫への不平や不満が溜まると、つい、相手への感謝を忘れがちです。夫が家族のためにまじめに働いてくれ、不自由ない生活を送れているのなら、まずそのことに感謝しましょう。たとえ、家事や育児を手伝ってくれなくても、夫なりに妻のためを考えて行動してくれていることがあるかもしれません。
「どうでもいい」と言わずに、日頃の夫の行動に注目して、これまでの行動も振り返ってみましょう。そして、自分や家族のためにしてくれていることがあれば、感謝を言葉にして伝えます。最初は夫も照れくさそうにするかもしれませんが、妻が心から感謝の気持ちを伝えれば、関係を修復したいという思いはきっと伝わることでしょう。
夫と過ごす時間を増やす
関係修復には夫と過ごす時間を増やすことも必要です。夫と過ごす時間を増やせば、夫への関心や興味も湧いてきて、「どうでもいい」という気持ちも薄れていくでしょう。
一緒に過ごすといっても、いきなり一緒に外出したり食事に出かけたりする必要はありません。夕食の後に会話する時間を持ったり、一緒にリビングで過ごす時間を増やすだけで構いません。お互いの存在を意識するだけで、気持ちも変わっていくものです。2人でいることに居心地の良さを感じるようになったら、思い切ってデートに誘ってみましょうか。
関係修復を諦めたときの対処法
夫に不平や不満を伝えても耳を傾けてもらえず、夫婦関係が改善する兆しが見えないと、妻は「旦那のことはもうどうでもいい」と考え、修復も諦めてしまいます。そうなったら、離婚するか、夫の存在に惑わされることなく、穏やかな気持ちで日々を過ごす方法を考えるしかありません。関係修復を諦めたときの対処法を紹介します。
期待しても無駄だと諦める
夫に不満を抱いたり、失望したりする原因の一つに夫への期待があります。「夫ならこうしてくれるだろう」と一方的に期待するから、思い通りのことをしてもらえなかったときに失望してしまうのです。
何度も同じことを頼んでいるのに、やってもらえないときや、相手に聞く気がないときは、思い切って期待するのをやめましょう。最初から「期待しても無駄だ」と思っていれば、腹も立ちません。期待してイライラさせられるくらいなら、初めからあてにしないほうが、精神衛生上もいいでしょう。
距離を置き、関心を持たないようにする
夫のことはどうでもよくなり、離婚したいけれど事情があって、離婚できない場合は、夫とは距離を置き、一切関心を持たないようにしましょう。おそらく妻は、夫の顔など見たくない心理状態にあるはず。冷却期間を置き、気持ちを整理するためにも距離を置くことは有効です。
距離を置くと言っても、家の中でできるだけ顔を合わせないようにするだけでなく、家庭内別居や家を出ての別居など方法はいくつかあります。離婚を考えているのなら、数年間別居して離婚を目指す方法もあります。ただし、一方的に別居したり、家事を放棄したりすると、夫が「妻が夫婦関係を壊した」と主張する恐れがあるので気を付けましょう。
友人やカウンセラーに相談してみる
夫婦2人での話し合いで問題が解決しないときは、信頼できる友人やカウンセラーに相談するのも一つの方法です。第三者の目から見た客観的なアドバイスが受けられるかもしれませんし、関係修復にするにせよ、離婚するにせよ、物事を進めるための具体的な方法を教えてもらえるかもしれません。
離婚を検討する
一緒に暮らしている夫のことを「どうでもいい」と考えていると、毎日の生活が味気ないものです。そんな生活を送るくらいなら、離婚したいと考えるのも当然のことです。しかし、離婚は相手が同意してくれない限り簡単ではありません。浮気やDV、家出など明らかに夫婦関係を破綻させるような行為がなければ、裁判所も簡単に離婚を認めません。
こうした場合は、とりあえず家を出て別居して、夫婦関係が破綻した状態にあることを裁判所に認めてもらって離婚するという方法がとられます。しかし、夫婦によって状況が異なるので、一概に別居が良いとも言い切れません。離婚を検討するのなら、離婚について詳しい弁護士に相談するのがいいでしょう。
夫のことをどうでもいいと感じたら、心穏やかに過ごせる方法を考えよう
夫のことなどどうでもいいと考えるようになったら、自分なりに今後の結婚生活についてよく考えてみましょう。一番大切なのは、自分が心穏やかに日々を過ごせることです。妻が経済的に自立しているか、子供がいるか、夫は妻をどのように思っているのか、それぞれ事情があり、夫婦それぞれの事情にあった対処が必要です。
カウンセラー、弁護士といった専門家の意見も聞きながら、自分にとって最善の道を見つけてください。
遠藤 裕子
心穏やかに過ごす方法は、ご相談者様の置かれた環境、背景や事情、その思いに至った原因によっても異なります。カウンセラーは幅広い知識と経験で、「根本の原因」を明らかにしていきます。
そして、希望する未来の実現に向けて、必要な情報と効果的な方法を、ご相談者様に合ったやり方でサポートします。
夫婦間コミュニケーションのアドバイスを実践したところ、破綻していた夫婦関係が劇的に改善されたケースもあります。まずはご相談ください。
遠藤 裕子
これまで2,000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。
過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】
日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー
NLPマスタープラクティショナー
LABプロファイルプラクティショナー
ホームカウンセラー