同居していながら、家の中ではほとんど口を利かない「仮面夫婦」は少なくありません。事情があって離婚できない夫婦の「苦肉の策」ともいえますが、子供の人格形成や性格に悪影響を及ぼすとも言われます。仮面夫婦が子供に及ぼす影響や、影響を抑えるための対策を紹介します。
仮面夫婦は子供にどんな影響を与える?
夫婦の関係はすっかり冷え切っているのに、ただの同居人として、できるだけ関わらないように暮らしている。そんな関係を続けている夫婦を「仮面夫婦」と呼びます。離婚をせずに、そのような冷え切った関係を続ける理由はさまざまですが、「子供の幸せのために離婚しない」という夫婦が多いようです。
しかし、子供のために仮面夫婦を続けることが、本当にいいことなのでしょうか。実際は、子供は両親の冷え切った関係に心を痛め、人格形成や性格にも影響を及ぼすとされます。
仮面夫婦の関係は子供にどのような影響を及ぼすのか、また、影響を抑えるにはどうすればいいのかをカウンセラーが説明します。
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仮面夫婦に育てられた子供はどうなる?
「子供の前で喧嘩をしたり、離婚して片親になるくらいなら、仮面夫婦のほうが子供の幸せのため」と考える夫婦も多いようですが、敏感な子供は両親の関係が冷え切っていて、自分の前では夫婦を装っていることは、すぐに気づきます。そして、そのような両親の関係に心を痛めます。
仮面夫婦の子供が全員、何らかの悪影響を受けるとまではいえませんが、性格や考え方、対人関係に影響を及ぼすのは間違いありません。仮面夫婦の子供によく見られる悪影響について紹介します。
人間不信になってしまう
仮面夫婦は通常、子供の前では仲の良い振りをしていますが、それ以外ではほとんど関わりを持とうとしません。寝室はもちろん別で、2人きりで過ごすこともなく、会話も子供を通してするだけで、直接口を利くこともないかもしれません。こうした状態であれば、子供は薄々両親の不仲に気づいてしまいます。
こうした表面だけを装った両親の姿を見ていると、子供は人間不信に陥ることがあります。一番身近にいて、信頼できるはずの両親が、自分に対し嘘をついているのですから、子供が人を信用できなくなるのも当然でしょう。人間不信に陥った子供は、大人になっても、他人を信用できず人間関係をうまく構築できなくなる可能性があります。
気持ちを素直に表せなくなる
子供が両親が本当は不仲であることに気づくと、両親に対して後ろめたさを感じることがあります。なぜなら、「両親が仲が悪いのは自分のせいではないか」「自分がいなければ、両親は離婚して新しいスタートを切れるのではないか」となどと考えるからです。そう考えると、子供は親に素直に甘えたり、本音を打ち明けられなくなってしまいます。
また、両親が自分に本当の事を言わないのを、悲しく思い、心に傷を負うこともあります。みんなが本音を言えば、家族がバラバラになってしまうと思い、本音を言ってはいけないのだと思う子供もいます。こうして、子供は本心を心の奥にしまい、他人に心を開かない大人に成長してしまう可能性があります。
結婚について良い印象を持たなくなる
決して幸せそうではない両親の姿を見て育った子供は、結婚に対して否定的な感情を抱く可能性があります。一方で、理想的な家庭像に憧れるあまり「自分にはそうした家庭は築けないから、結婚は無理だ」と考えるようになる子供もいます。
また、自分は「普通の幸せな家庭を知らない」と劣等感を抱くこともあります。このように、夫婦や結婚について、良い印象を持てなくなった子供は、大人になっても異性とうまく交際できなかったり、結婚をためらったりする傾向が見られるようです。
学校で問題行動を起こすようになる
仮面夫婦の家庭に限りませんが、学校で問題行動を起こす子供は、家庭になんらかの問題を抱えている傾向があると言われます。一見、仲が良さそうに見えて関係が冷え切っている仮面夫婦の家庭も、子供にとって決して良い環境だとはいえません。
自分の前だけでは仲が良さそうに振る舞う両親の姿を目にしたり、両親に本心を言えなかったりと、ストレスが溜まりやすい日々を送っていると、学校の友達などにそのストレスをぶつけてしまう可能性があります。早く、子供の異変の原因が自分たちにあると、両親が気付かなければ、子供の性格が歪んでしまうかもしれません。
カウンセリングを受けることで、子供への悪影響をできるだけ避けるための対処法を一緒に考えることができます。子供への悪影響を心配している方は、一度リコ活のカウンセラーにオンラインでご相談ください。
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会話なしの仮面夫婦でも子供に悪影響を与えない対処法とは
子供にできるだけ影響を与えないように、仮面夫婦を続けるにはどうすればいいのでしょうか。事情があって離婚できない仮面夫婦が、子供への悪影響をできるだけ避けるための対処法を3つ紹介します。
夫婦仲が悪いことを子供の前では見せない
子供は本来、父親にも母親にも愛着を覚え、二人が仲良くしていてほしいと思っています。両親の仲が悪く、会話なしの状態が続いているのは悲しく、つらい事です。離婚しない理由が「子供のため」なら、せめて子供の前では仲の良い夫婦を演じ、決して仲が悪いことを悟られないようにしましょう。
子供が一緒にいるときは、2人でにこやかに話し、相手を避けるような態度は決して取らない。子供のことについては、2人で真剣に話し合いましょう。そうして初めて「子供のために離婚はしない」と言えるのです。中途半端な関係は、かえって子供を傷つけるだけだと覚えておきましょう。
仕事を理由にできるだけ離れて暮らす
どうしても子供の前で、仲の良い夫婦を演じるのが難しいときは、仕事などを理由にして離れて暮らす方法もあります。例えば「仕事の都合で会社の近くに住まなければならなくなった」などの理由をつければ、子供を納得させられます。離れたところに住む、親の介護を理由にしてもいいでしょう。
子供は少し寂しい思いをするでしょうが、仕事や介護と言えば、子供ながらに納得してくれるはずです。もちろん、定期的に家に帰って、子供と触れ合う時間も持ちましょう。夫婦2人で子供と向き合える時間をつくることも大切です。これなら、会話なしでも、子供に仲の悪さを悟られずに済むかもしれません。
子供が成長したら正直に話す
自分の親が仮面夫婦だと気付くと、子供はショックを受けます。それなら、子供に分別がつく中学生から高校生くらいの頃に、正直に夫婦の関係を話してしまいましょう。「どちらも、子供と一緒にいたかったから、一緒に暮らし続けようと決めたんだ」となどと正直に話せば、子供も理解してくれるはずです。
そのとき、子供の気持ちや考えも聞き、子供に寂しい思いをさせていたり、気遣いをさせていたりしたことがわかれば、素直に謝罪することも必要です。こうして、両親と本音で話す機会を持てば、子供も正直な気持ちを相手に伝えることの大切さに気づくことでしょう。
高草木 陽光
子供に夫婦の現状や心情を正直に話すのは、あまりおすすめしません。特に、中学生や高校生のような多感な時期に刺激を与え不安にさせてしまうと、後々の受験などに何らかの影響を与えてしまう可能性があります。
それぞれの家庭の事情やタイミングもあるでしょうが、子供の精神年齢の成長度合いに合わせて慎重に判断していく必要があります。
自分たち夫婦の事情に合う方法がいまいちわからない場合は、リコ活カウンセラーと一緒に対処法を考えませんか。まずはお気軽にオンラインでご相談ください。
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子供がいても仮面夫婦を続けずに離婚した方が良い夫婦の特徴
いくら「子供の幸せのために離婚しない」といっても、夫婦関係が冷え切っているようでは、結局、子供のためにはなりません。中には「そのまま仮面夫婦を続けるより、離婚したほうが子供のためだ」と思えるような夫婦もいます。仮面夫婦を続けるより離婚したほうがよい夫婦のケースを紹介します。
子供の前で仲の良い夫婦を演じられない
子供の前で仲の良い夫婦を演じられないのであれば、仮面夫婦を続けるより、離婚したほうがいいでしょう。子供もすぐに両親の仲の悪さに気づき、悲しい思いやつらい思いをします。同じ悲しい思いをするくらいなら、離婚してすっきりしたほうがましでしょう。
また、いくら割り切っていても、仮面夫婦を続けているとストレスを感じるものです。ストレスが溜まると、ますます家庭内がぎくしゃくし、子供にもさらなる悪影響を及ぼします。「子供のため」というのなら、離婚を決断したほうがよいでしょう。
夫婦の間でDVやモラハラがある場合
不仲を子供の前で隠せないどころか、夫婦の間でモラハラやDVがある場合は、できるだけ早く離婚しましょう。子供に悪影響があるだけでなく、被害者が身体的、精神的に大きなダメージを受ける可能性があります。
ただ、モラハラやDVが原因となると加害者側が不利になるので、加害者側は離婚に応じないかもしれません。そのようなときは離婚問題に詳しい弁護士に相談しましょう。モラハラやDVの程度、仮面夫婦の状況などによっては、それほど高くはありませんが、離婚できる可能性もあります。離婚が難しい場合も、弁護士が次善の策を一緒に考えてくれるはずです。
協力し合えない夫婦
いくら「仮面」とは言え、夫婦である以上、協力して日々の生活を送らなければなりません。仮面夫婦に法的な定義があるわけではなく、全く生活を分ける家庭内別居との線引きがあるわけではありませんが、子供のために仮面夫婦を続けるのであれば、夫婦で協力しあうことも必要でしょう。
お互いに干渉せず、全く協力し合わないというのなら、わざわざ仮面夫婦を続ける必要はありません。それぞれが望む生活に向けて、離婚の話し合いを始めるべきです。
出典: リコ活MEDIA
一人で悩んでいる方はカウンセラーに不安な気持ちを吐き出しましょう。「こんなことで相談してもいいのだろうか」と心配する必要はありません。どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。
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仮面夫婦で離婚しようか迷っている場合は専門家へ相談
夫婦の間の愛情が冷めてしまったとしても、2人の間に子供がいると、なかなか離婚には踏み切れないものです。仮面夫婦も一つの選択でしょう。しかし、仮面夫婦を選んだからといって、子供のためになるとは限りません。
子供のことを考えるなら、思い切って離婚したほうがいいこともあります。仮面夫婦と離婚のどちらがいいかは、各家庭の事情によって異なり、一概には言えません。子供への影響を考えて、離婚を考えているのなら、弁護士に相談するのがよいでしょう。仮面夫婦と離婚のどちらがよいのか悩んでいるなら、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談しましょう。
リコ活のカウンセリングでは、ご相談者様の不安な気持ちに寄り添い、一緒に解決策を考えます。ぜひ初回のオンライン相談をご利用ください。
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高草木 陽光これまで9,000人以上のカウンセリングを行い、夫婦問題・家族問題で悩む人を解決に導くお手伝いをする夫婦カウンセラー。美容師、育毛カウンセラーを経て、結婚して専業主婦となるが、夫の束縛や価値観の押し付けに違和感を覚え「結婚生活とは何か」ということを深く考え始める。
- 【書籍】
- 「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」左右社
- 「心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK」左右社
- 【メディア実績】
- NHK総合「あさイチ」
- フジテレビ「ホンマでっか!?TV」
- テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニュングショー」
- 「ABEMA Prime」など