仲の良い夫婦がうらやましいけれど、むかつく｜これって嫉妬？むかつく理由と対処法を解説

仲の良い夫婦を見るとむかつく女性は、具体的にどのようなシーンに反応し、「うざい、むかつく」などと考えてしまうのでしょうか。

子供の運動会や授業参観などに夫婦が2人で参加し、仲睦まじく話をしている姿に嫉妬して、うらやましいと感じる女性がいます。撮影したビデオを見るために、画面をのぞき込んでいる姿や、耳元で何かを囁き合っている姿などを見ると、ついムカつくようです。

仲の良い夫婦にとっては、ごく普通のことですが、普段夫と会話がなく、あまり会話することがないうえ、子供の行事に夫婦2人で参加することも滅多にない妻にとっては、目障りで仕方がないようです。

夫婦が育児や家事をしっかり分担しながら、子育てをしている夫婦にも、他の妻からの嫉妬の目が向けられることがあります。こうした妻は、保育園や幼稚園、小学校などの行事に夫婦が交替で参加する夫婦や、ごく自然に2人で外出する父親の夫と子供の様子を見て、「母親なのに、子供の世話をしない」と勝手に憤ります。

他人の家庭のことなので、余計なお世話でしかないのですが、夫が子供のことには無関心で、すべて自分でやらなくてはならない妻にとっては癪に障る光景でしかありません。本来は自分の夫に怒りの矛先を向けるべきなのですが、「言っても仕方がない」と諦めているので、怒りが他の夫婦に向かいます。

ママ友や近所の妻が、子育ての合間に趣味やサークル活動などを楽しんでいると知って、嫉妬心からうざいと感じる人もいます。夫の協力を得ながら子育てと仕事を両立し、仕事でも成果をあげている妻をうらやましいと妬むケースもあります。妻が余裕をもって、自分らしく生きている姿が癪に障って仕方がないのです。

こうした妻は、育児や家事に1日中追われて疲れ果てているのに夫が全く手助けしてくれないことに不満を抱いています。中には、家事や育児を口実にして、なかなか新しいことにチャレンジできず、自堕落な生活を送っていることを自覚していて、行動的な女性に嫉妬している場合もあります。

「隣の家の芝生は青い」と言いますが、他の夫婦や家庭の様子をみて「仲良しで、うらやましいな」と感じるのはよくあることです。わが家でも同じようにやってみようと、真似してみることもあるでしょう。

しかし、いくら羨ましいからと言って「むかつく、うざい」と感じるのは、少し異常です。夫婦や家族の仲が良いことは、決して責められるようなことではありません。どうして、うらやましいだけでなく、反感を抱いてしまうのか、その特徴的な心理を解説します。

仲良しの夫婦に嫉妬し、むかつくのは、自分の夫に対して相当の不満を抱いているからです。おそらく、不満があっても夫に伝えることができないか、不満を言っても夫が全く耳を貸さないのでしょう。夫に話しても不満を解消できないと、妻は諦めてしまい、つらい現状を受け入れるしかなくなります。

そうして、どうにもならないと我慢しながら日々を過ごしている妻にとって、夫と協力して家事や子育てをこなし、生き生きと生活している妻は目障りで仕方がありません。自分が手に入れられないものを手にしていることに我慢がならないのです。そんな嫉妬深い自分が嫌になり、さらに不満がたまる悪循環に陥っている人もいます。

仲の良い夫婦に嫉妬し、ムカつくのは大抵の場合、夫婦仲がうまくいっていないことの裏返しです。夫婦仲が良好であれば、ほかの夫婦が仲が良くても別に気になりませんし、うらやましいと思っても「自分たちもあんなふうになりたい」と思うだけでしょう。

しかし、離婚を考えていたり、離婚間近の夫婦であれば、いまさら仲良くなることは考えられません。結局、自分たちにはもう手に入らないことを改めて気付かされるため、仲の良い夫婦に嫌悪感を覚えるのです。また、離婚のことで頭が一杯になっている自分がみじめさに感じられて、いら立っているのかもしれません。

世の中で仲の良い夫婦は、夫婦全体のどのくらいを占めるのでしょうか。夫婦仲に関するアンケートは、さまざまな形で行われており、結果にはばらつきがありますが、だいたい7割から9割が「仲が良い」と回答しているようです。

女性誌「ハルメク」が2022年に行った50代から70代の夫婦を対象にしたアンケートによると、「夫婦関係に満足している」という回答が68.0％を占めました。50代女性と60代男性の満足度がやや低かったものの、70代になると男女ともに満足度が高まるという特徴が見られました。

ハルメクの調査では、夫婦ともに健康なほど仲良しだという結果もでました。やはり健康だと心に余裕ができ、ストレスも適度に解消できるからでしょうか。また、仲が良い夫婦ほど、「具合が悪いときに配偶者がよくしてくれる」と回答しており、互いに体調を気遣うのが、年を取っても夫婦円満でいるコツと言えそうです。

仲の良い夫婦にむかついたり、うざいと感じたりするのは、仲の良い夫婦に嫉妬し、劣等感を抱いているからだと自覚した場合、どうすればいいのでしょうか。一度、自分の劣等感に気付くとみじめな気持ちになることもあります。他人の夫婦に嫉妬せずにすむ方法を紹介します。

夫婦仲がうまくいっていないと、どうしても他人の夫婦に目が向きがちです。それは、ほかの夫婦も実態は、自分のようにうまくいっていないはずだと考え、それを確かめたいからです。そのため、友人から夫の愚痴などを聞かされると、安心します。一方で、仲の良い夫婦をみると腹が立つのです。

しかし、夫婦仲がうまくいっていない妻が目を向けなくてはならないのは、自分たちです。夫との仲がうまくいっていないのはなぜなのか、修復するのは難しいのか、今一度振り返ってみましょう。努力しだいでは、夫婦仲を取り戻し、他人の夫婦仲など気にならなくなるかもしれません。

夫との夫婦仲をどう修復すればよいのか分からない、という人は信頼できる友人や知人に相談してみましょう。夫婦の実態は外から見ていても分からないもので、仲が良さそうに見えても、問題を抱えていたり、過去に危機を乗り越えた経験があったりするものです。そうした人に悩みや不満を打ち明けることで良いアドバイスが得られるかもしれません。

近くに相談する人がいない場合は、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談するといいでしょう。不安や悩みを相談することで、気持ちが落ち着くこともあります。「夫婦の間のことだから」と一人で抱え込んでしまうのではなく、誰かに相談することも大切です。

夫の不倫や暴力などが原因で夫婦関係が壊れ、修復が難しいのに、さまざまな事情で離婚が難しいという妻もいるでしょう。そうした妻は、不満やストレスを抱え、仲の良い夫婦に対してむかつくことがあります。それは、どうにもならない自分を取り巻く環境に怒りを感じているからです。

そうした状況を放置していても、事態は良くなりません。ストレスから心身に不調を来たしてしまうかもしれません。どう考えても夫婦関係の修復が難しいときは離婚を検討しましょう。離婚問題に詳しい弁護士に相談すれば、離婚の進め方やその後の生活についても一緒に考えてもらえます。それによって良い解決策が見つかるかもしれません。

仲の良い夫婦を見てむかつくのは、自分たち夫婦がうまくいっていないのを自覚している証拠です。仲の良い夫婦に嫉妬し、文句を言う姿は周囲からもよく思われません。他人の夫婦関係をあれこれ言う前に、自分たちの関係を見直しましょう。

自分たちの力では解決が難しいときは、夫婦関係に詳しいカウンセラーに相談するのも一つの方法です。