弁護士の無料相談で離婚について聞きたいけれど、何を聞くべきなのかわからないという人がいます。無料相談には時間制限があるので、何を聞くのかあらかじめ決めておかないと、時間が無駄になってしまいます。無料相談で離婚について尋ねるときのポイントを解説します。
離婚について弁護士の無料相談を利用したい
夫や妻と離婚したいけれど「具体的にどう進めればいいのか、わからない」と悩む人がいます。夫婦が合意して離婚届さえ提出すれば、離婚は可能ですが、離婚する際には財産分与や養育費などの条件も決めなくてはなりません。法律を良く知らないと、本来もらえるはずのお金を失ってしまう恐れがあります。
また、相手が離婚を拒否した場合、どのように手続きを進めればよいのかわからないという人もいるでしょう。そうしたときに頼りになるのが弁護士です。しかし、弁護士に相談する費用が心配だという人や、どうやって相談したらよいのかわからず不安だという人もいます。
離婚に向けて現在、協議を始めようと行動を起こしていますが、私の力量では前に進みません。弁護士の方にお願いしたいのですが内容によって費用がまちまちです。3歳の子供一人と別居して母子家庭になる予定です。金銭的に逼迫した状況にありますので弁護士費用を極力抑えて交渉を進めて頂ければと思っています。
離婚調停で弁護士に相談するしたことのある方にお聞きします。
弁護士との相談回数、相談時間はどれくらいだったでしょうか。
もちろん人によって違うのはわかっているのですが、初めてのことで不安なので経験談をお聞きしたいです。
あくまで参考に教えていただければと思います。
よく「初回30分無料」などと書いてあるのですが、全部うまく話せる自信もないので紙に書いていこうと、さすがに1回では終わらない気がします。
現在のところ、離婚したい理由、証拠動画くらいはまとめています。
他にこれは準備していったほうがいい、というのがありましたら、教えていただければ嬉しいです。
「こんなことを弁護士に相談できるの」「依頼したほうがいいの」などと悩む人のために無料相談が、さまざまな形で行われています。相談には時間制限がありますが、上手に利用すれば離婚の進め方について適切なアドバイスが得られるはずです。離婚について弁護士の無料相談を利用する際、どのような準備をして何を聞くべきなのかを解説します。
離婚で弁護士の無料相談を利用するときに何を聞く?
離婚を考えている人には、弁護士に聞きたいことがたくさんあるはずです。しかし、時間制限のある無料相談では、全ての疑問を解消できるかどうかはわかりません。このため、相談する内容を整理して重要なことから質問することが大切です。
無駄なく、できるだけ多くのことを知るには、何を聞いていけばいいのかを紹介します。これらを参考に、事前に質問内容を整理してから無料相談を受けましょう。
離婚できるかどうか
無料相談で弁護士に相談したいと考えている人の多くは、離婚できるかどうか見通しが立たないという人でしょう。夫や妻が強硬に離婚に反対しているケースのほか、親権や財産分与などの条件で主張が隔たり折り合えそうにないという場合もあります。「こんな身勝手な理由で離婚できるのだろうか」と悩んでいる人もいるでしょう。
このため、まずは離婚できるかどうかを確認することが大切です。「たとえ、離婚を拒否されても裁判になれば離婚できます」と言われることがあれば、「裁判を起こしても、今の状況では認められないかもしれません」ということもあります。もしかすると「今は、離婚しないほうがいいでしょう」と言われるかもしれません。
弁護士は法律面だけではなく、客観的状況から見通しを判断します。今後の方針を立てるには、しっかりとした見通しを立てておくことが必要です。
自分の主張が認められるかどうか
離婚にともなう条件で、夫婦双方の主張に隔たりがあることは珍しくありません。最も多いのは、どちらが子供を引き取るのかという「親権」に関するもので、どちらが親権を取るのかというだけでなく、養育費の額、面会交流の保証といった点でもめることもあります。
また、財産分与をめぐって、夫が「自分が稼いだ分は、妻には渡さない」と誤った主張をすることや、妻が過大な要求をすることもあります。このほか、慰謝料の請求など離婚に関する自分や夫の主張がどこまで認められるのかを確認することも大切です。
離婚の手続き
離婚の具体的な相談に乗る前に、弁護士は離婚の手続きについて説明するはずです。離婚の手続きには大きく分けて次の3つの方法があるので、しっかり違いを理解しておきましょう。
・離婚協議
・離婚調停
・離婚裁判
協議離婚は、2人の話し合いによる離婚です。調停離婚は家庭裁判所に仲介を求める方法で、調停委員に双方の話を聞いてもらい、合意を目指します。離婚裁判は最終手段で、離婚を認めるよう裁判を起こします。判決が確定すれば、不服があっても従わなければなりません。
3つの方法はどれかを選ぶのではなく、離婚協議から始めて、話し合いがつかなければ離婚調停、調停がまとまらなければ、離婚裁判と進みます。いきなり離婚裁判を起こすことはできず、裁判を起こしても必ず離婚できるとは限りません。弁護士に相談するときは、自分たちの場合、どの手続きの段階で離婚できそうなのかを確認しておきましょう。
弁護士に依頼したときの費用
最初の相談は無料でも、正式に離婚問題の解決を弁護士に解決を依頼すると、費用が発生します。費用は依頼の内容によって変わるので、しっかり確認することが大切です。依頼内容や最終的な目的を明確にしておかないと、費用をめぐってトラブルになることもあるので注意しましょう。
また、結果によって成功報酬の額は変わりますし、依頼内容や展開次第では、後から予想外の費用がかかることもあります。最初から、総額の見積もりを出せるわけではありませんが、おおよその金額や算定方法については、できるだけ詳しく聞いておきましょう。
離婚することで得られるお金
離婚する際には、財産分与や養育費、ケースによっては慰謝料と、お金に関する話し合いも行われます。中には「離婚さえできれば、お金はいらない」という人もいますが、これらは当然の権利として受け取るお金ですし、受け取る金額が少ないと離婚後の生活にも影響します。思ったほどお金が受け取れないため、方針を見直さざるを得ないこともあるでしょう。
どのような理由で、いくらぐらいお金をもらえるのかを把握することで、離婚後の生活設計も立てやすくなります。専門家の目で、しっかり算定してもらいましょう。
離婚に向けてどのように行動すればいいのか
夫婦の現状と、最終的にどうしたいのかという目的が明確になれば、離婚に向けてどのように対応すればいいのかがわかってきます。たとえば、相手が浮気をしていて慰謝料を請求して離婚したいというのなら、浮気の証拠集めが優先課題です。また、すぐに離婚が難しい場合は、まずは別居して距離を置くこともあります。
不用意な行動をしてしまうと、事態がこじれて離婚が難しくなることもあります。弁護士の指示に従って、行動するように努めましょう。
離婚の無料相談に必要な準備や持ち物は?
離婚の無料相談を受ける際、どのような準備をしていけばいいのでしょうか。メモを取るためのノートやペンなどの筆記用具のほかにも持って行ったほうが良い物や、事前に準備しておきたい事もあります。弁護士に会う際に必要なものについて解説します。
離婚の原因や現在の状況を整理しておく
離婚の理由や現在の状況がどうなっているかによって、対応は変わります。互いに離婚には合意しているものの、親権や財産分与の額で意見が対立していることがあれば、相手が全く離婚に応じないケースもあります。場合によっては、最初から離婚裁判を目指して方針を立てなければならないこともあるでしょう。
離婚原因が性格や価値観の違いによるものか、浮気や暴力なのかによっても方針は変わります。弁護士が方針を示しやすいように、離婚原因や現在の状況を整理してまとめておきましょう。
現在の状況などをまとめるときは、出来事を順を追って時系列でまとめると、弁護士も理解しやすくなります。表や図にしてまとめると、口で説明するよりわかりやすく時間の短縮につながるでしょう。その分、より詳しい相談ができます。
自分はどうしたいのかを明確にしておく
もし、具体的なアドバイスがほしいと思っているのなら、自分はどうしたいのかを明確にしておくことが大切です。「とりあえず、どうしたらいいのか話を聞きたい」という程度の相談であれば、弁護士も一般論でしか答えられません。なぜなら、夫婦それぞれの個別の事情で、対応の仕方が変わるからです。
弁護士は依頼者の意向を最大限に尊重して行動します。「絶対に離婚したい」と言えば、離婚するにはどうすればいいのかを考えますし、「相手の態度によっては関係修復してもいい」と言えば、相手の考えや態度を見極めることを優先します。そこがあいまいなままでは、弁護士も動きようがありません。
依頼者の態度がはっきりしなければ、まずは依頼者の考えを把握し、どうするのが本人にとって一番いいのかを依頼者と話し合うことから始めなくてはなりません。そうなると、その分時間がかかり、今後の方針にまで話が進まなくなってしまいます。
加藤 惇
婚姻費用や財産分与など離婚にかかわる様々な仕組みを調べている方でも、意外と盲点になりがちなのが事件を通じて求めたい結果です。弁護士は、相談者の求めたい結果を獲得することができるかという観点で事案を検討します。まずは自分がどのような結果を獲得したいと考えているのかを検討しておくと、有効な法律相談をすることができます。
夫婦の財産状況をまとめておく
離婚協議では、お金でもめることも少なくありません。財産分与や慰謝料、子供の養育費について取り決めなくてはなりませんが、やはり、もらうほうは「できるだけ多く受け取りたい」と考えますし、支払うほうは「できるだけ額を抑えたい」と思うものです。思っていたほどの額が受け取れないと、離婚後の生活に支障がでるかもしれません。
しかし、財産分与や養育費には、おおよそのルールが決まっているので、夫婦の経済的状況がわかれば、ある程度の目途は立ちます。慰謝料についても、過去の判例などを参考にすれば、相場的な数字は出せるでしょう。こうした額を算定するには、夫婦双方の経済的状況がわかる資料が必要です。
このため、弁護士に相談するときは、できるだけ収入や資産の状況がわかる資料を持っていきましょう。例えば、次のようなものを持っていくと、参考になります。
・預貯金の通帳・残高
・株式などの保有状況
・家や土地の登記簿
・生命保険の加入状況
・自分や配偶者の給与明細など
現物を持っていけない場合でも、メモにして用意しておくといいでしょう。
不倫や暴力がある場合は証拠を集めておく
配偶者の不倫や暴力を理由に離婚を考えているときは、状況がわかるような証拠を用意しておきましょう。相談後に証拠を集めることもできますが、具体的な状況を把握したほうが、弁護士も動きやすくなります。補充が必要な証拠や証拠を集める方法についても、弁護士にアドバイスしてもらえるでしょう。
離婚の際に無料相談を利用するタイミングは?
せっかくの無料相談ですから、適切なタイミングを選んで相談するようにしましょう。自分の気持も固まっていないうちに、相談してしまうと、弁護士も一般論でしか答えられない場合もあります。具体的に相談すれば、具体的な答えやアドバイスが返ってくるはずです。無料相談を利用するのに適切なタイミングを紹介します。
離婚の話し合いが進まない
離婚するためには、基本的に夫婦双方の合意が必要です。常識の範囲内であれば、どのような理由、条件でも、2人の合意さえあれば離婚できます。しかし、相手が頑なに離婚を拒否したり、親族が間に入ってきたりして話し合いがなかなか進まないことがあります。
こうした場合は、離婚の話し合いの進め方について、弁護士に相談するといいでしょう。弁護士に相談していることを知ると、相手も態度を変えるかもしれません。場合によっては離婚協議のすべてを弁護士に任せることで、話し合いが進む可能性があります。
離婚の条件で合意できない
双方が離婚することで合意しても、慰謝料や財産分与、養育費など金銭面の条件で折り合いが付かないと、離婚協議が難航してしまいます。また、親権・面会交流権など子供の養育に関して双方が譲らないこともあります。お互いに意地の張り合いになってしまうことも少なくありません。
離婚の条件は、夫婦の間で自由に決められるといっても、相場や常識的な範囲というものがあります。弁護士に話を聞いてもらい、判例や一般的な解決法を教えてもらうことで、妥協点を見つけられることもあるでしょう。特に双方が感情的になっているときは、法律に基づく客観的な観点から、問題を整理することも必要です。
慰謝料を請求したい
相手の浮気や暴力を理由に離婚する場合は、慰謝料請求が可能です。慰謝料請求を考えている場合は、法的な知識も必要になるため弁護士に相談すると、スムーズに手続きを進められます。逆に慰謝料を求められている場合も、弁護士に相談して対策をとったほうがいいでしょう。
慰謝料を請求するには、相手の不法行為などを証拠で証明する必要がありますし、法外な慰謝料の請求は認められません。慰謝料を請求する場合も、請求された場合も慰謝料を請求できるケースなのか、請求額は妥当なのかという点を弁護士にチェックしてもらうことが大切です。
相手が弁護士に依頼した
相手が弁護士に依頼した場合は、対抗手段として弁護士に相談したほうがいいでしょう。法律の専門家である弁護士に、一般の人が適切に対応するのは困難です。相手に有利な主張が通ってしまうかもしれません。
できれば弁護士に正式依頼するといいのですが、無料相談でも、相手の主張に対し反論の余地があるかどうか、アドバイスしてもらえます。相手が弁護士といっても、依頼者が自分に不利な情報を弁護士に隠していることもありますし、有利な状況を過大評価していることもあります。まずは一度相談してみましょう。
離婚後に約束を守らせたい
離婚時には、慰謝料や養育費の支払いなどの条件についても合意しますが、中には離婚後に約束を守らない人もいます。特に、合意内容を口約束で済ませてしまうと、後から「言った」「言わない」の水掛け論になってしまう可能性もあります。そうならないよう、約束を守らせる方法について弁護士に相談しておくことも大切です。
通常、合意内容については離婚協議書や公正証書といった形で文書として残しておきます。特に公正証書は法的効力が強く、裁判になったときも証拠として扱われます。こうした文書の作成方法についても弁護士に教えてもらうといいでしょう。
無料相談はどこで受けられる?
弁護士の無料相談はどこで受けられるのかわからないという人も多いでしょう。多くの弁護士事務所で、無料相談を受け付けていますが、近くに弁護士事務所がないという場合もあります。
そうした場合は地元の市区町村に、無料の法律相談を行っていないかどうか、尋ねてみましょう。多くの自治体で定期的に無料法律相談を実施しています。また、電話やSNSでの法律相談に応じているNPO法人もあります。
このほか、一般市民が裁判などの法的手段を利用しやすくなるよう設立された「法テラス」(日本司法支援センター)でも、収入額が一定額以下などの条件を満たせば、無料で弁護士による法律相談が受けられます。
リコ活ならオンライン無料相談
リコ活は、離婚をはじめ、夫婦間のトラブル、関係修復まで幅広く対応する無料オンライン相談サービスです。離婚など法律に関わる問題であれば夫婦問題に詳しい弁護士が解決にあたります。また、結婚生活の悩みや関係修復の方法などの相談には経験豊富なカウンセラーが対応し、よりよい解決にむけたアドバイスを送ります。
事前に悩み事や相談事を整理できる「カルテ」もあり、カルテに入力することで相談事に適した弁護士やカウンセラーを紹介してもらえ、スムーズに相談を進められます。
離婚問題で悩んだら弁護士の無料相談を利用してみよう
離婚の問題に直面すると、時折「自分は正しいことをしているのか」「とりかえしのつかない間違いをしているのではないか」と不安になることもあります。また、感情的になって突っ走り、気が付くと自分が不利な状況になっていたということもあります。
そうしたことにならないよう、自分が置かれた状況を冷静に判断することが大切ですし、法的に間違っていないかと振り返ることも必要です。その点、法律に詳しい弁護士なら、適切な方針を示し、間違った方向に進まないよう助言してくれるはずです。離婚問題で悩みや不安が生じたら、一度無料相談を受けることも検討してみましょう。
加藤 惇/CSP法律会計事務所(第一東京弁護士会所属)
弁護士として、婚姻費用・財産分与・養育費・慰謝料・不貞・親権・面会交流など、離婚にかかわる事件を特に重点的に取り扱う。依頼者の意向を丁寧にくみ取り、常に依頼者の利益を最大化することを目標に活動している。離婚事件のほか、いじめなどの学校事件も多く扱っており、子供に関する問題にも詳しい。CSP法律会計事務所所属。